JPH0326145Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、小型電気製品、精密機器、玩具等に
用いられる緩衝体付包装容器に関するものであ
る。

従来例の構成とその問題点 一般にラジオ受信機やラジオ付カセツトテープ
レコーダ等の電気製品の包装においては、衝撃か
ら保護するため緩衝体が用いられているが、従来
最も良く用いられている緩衝体を有する包装形態
を第１図に示す。すなわち、製品１の上下、側面
や角、稜部を保護すべく、それらの寸法に合致す
るように形成された発泡緩衝体２，３を用い、こ
の緩衝体２，３によつて製品１を包み込むように
し、これを板紙や段ボール等の容器４に収納する
ようにしていた。このような包装形態にあつて
は、容器４と緩衝体２，３が包装基材として各々
別に必要であり、部品点数が多くなり、製品１を
を収納し組立てる際の作業工数が多く、作業性が
悪くなるという問題があつた。

一方、このような問題を解決すべく、包装容器
を構成する基材自体に緩衝体を設けて、組立作業
性の向上をねらつたものがある。例えば、実公昭
54−26269等であるが、この場合は、製品の各面
を保護する必要性から、緩衝体の形状を複雑にし
たものであり、その緩衝体をコストアツプにして
しまうという問題があつた。

考案の目的 本考案は、上記従来の問題点を解決するもので
あり、組立作業性を向上するとともに、簡単な構
造で安価であり、かつフラツプによる保持を確実
に行ない得るようにした緩衝体付包装容器を提供
することを目的とする。

考案の構成 本考案は、各面板内面に適宜設けた緩衝体によ
つて収納製品を保持するように構成した包装容器
であつて、少なくとも上面板に一体に形成された
前面フラツプが差込まれる前側面板内面には上記
緩衝体は直接には設けず、この前側面板側は、こ
の前側面板と隣り合う左右両側面板との間に設け
られ、かつ、内方に折畳まれて内側に位置する折
畳板の内面に設けた緩衝体によつて保持するよう
にし、上記前面フラツプを内方に折畳まれて外側
に位置する折畳板と上記前側面板との間に差込む
ようにした緩衝体付包装容器を特徴とするもので
ある。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を示す第２図以下に基
づき詳細に説明する。

第２図は包装容器の展開図を示すものであり、
同図において５は所定の形状に打抜かれた基材を
示し、折曲線６によつてＡ〜Ｑの各面板又はフラ
ツプを形成しており、かつこの折曲線６に沿つて
折曲げることによつて所定の容器を形成する。７
は発泡スチロール等の緩衝体であり、上記各面板
又はフラツプＡ〜Ｑの内面に適宜貼着等により設
けられ、この各緩衝体７によつて被収納製品の各
面が保持されるものである。

上記折曲線６によつて仕切られる各面板又はフ
ラツプは、Ａが底面板、Ｂが後側面板、Ｃが前側
面板、ＤとＥが左右両側面板、Ｆが上面板であ
る。また、Ｇは左側面板Ｄと一体に形成された上
面フラツプ、Ｈは右側面板Ｅと一体に形成された
上面フラツプ、ＩとＪは前及び左側面板ＣとＤの
側縁間に形成された折畳板、ＸとＬは前及び右側
面板ＣとＥの側縁間に形成された折畳板、Ｍは上
面板Ｆと一体に形成された前面フラツプである。
なお、Ｎ〜Ｑは側面板ＢとＤ及びＢとＥ間にそれ
ぞれ形成された折畳板である。

そして、緩衝体７は、底面板Ａと、後側面板Ｂ
と左右側面板Ｄ及びＥに設けるとともに、上面板
Ｆの内面に折曲げられる上面フラツプＧ及びＨの
内面と、前側面板Ｃの内面に折曲げられる折畳板
Ｊ及びＬの内面にも設けており、これにより製品
各面を保持することができる。また、前面フラツ
プＭは、前側面板Ｃとこれに折曲げられる折畳板
Ｉ及びＫとの間に差込まれるものであり、前側面
板Ｃの上縁中央部には差込んだ前面フラツプＭを
抜き出すときに指を掛けやすいように凹部８を形
成している。なお、以上の説明での前後左右は、
便宜上設定したもので、収納される製品のそれと
は無関係であり、前面フラツプＭの差込み側を前
面として設定したものである。

以上のように構成した緩衝体付包装容器５によ
つて製品を包装する場合、第３図の展開状態で、
第４図イに示すように製品９を底面板Ａに設けた
緩衝体７上に載置し、側面板Ｂ，Ｄ，Ｅを製品９
の各側面側へ折り立てて、その各側面板Ｂ，Ｃ，
Ｅに設けた緩衝体７を製品９に対応させる。そし
て、折畳板Ｉ，Ｊ及びＫ，Ｌをそれぞれ折畳むこ
とによつて折畳板Ｊ，Ｌに設けた緩衝体７を製品
９の前側に対させ、更にフラツプＧ，Ｈを折曲げ
てこれに設けた緩衝体７を製品９の上面に対応さ
せる。最後に、上面板Ｆを製品９上に折曲げ、そ
の先端の前面フラツプＭを前側面板Ｃと折曲板
Ｉ，Ｋとの間に差込むものであり、その状態が第
４図ロである。

第５図は、第４図ロに示す収納状態の断面図で
あり、前面フラツプＭが前側面板Ｃ内面におい
て、折畳板Ｉとの間に差込まれた状態を示してお
り、かつ製品９の各面が緩衝体７に当接されてい
ることがわかる。

第６図は他の実施例を示すもので、折畳板Ｎ，
Ｏ及びＰ，Ｑを、前述の実施例における折畳板
Ｉ，Ｊ及びＫ，Ｌと同様に形成し、その折畳板
Ｎ，Ｑに緩衝体７を設けるようにすれば、後側面
板Ｂに設けた緩衝体７は不必要である。

なお、第７図に示すように製品７の形状によつ
ては、後側面板Ｂをなくすこともできる。

考案の効果 本考案は、以上説明したように、各面板内面に
適宜設けた緩衝体によつて収納製品を保持するよ
うに構成した包装容器であつて、少なくとも上面
板に一体に形成された前面フラツプが差込まれる
前側面板内面には上記緩衝体は直接には設けず、
この前側面板側は、この前側面板と隣り合う左右
両側面板との間に設けられ、かつ、内方に折畳ま
れて内側に位置する折畳板の内面に設けた緩衝体
によつて保持するようにし、上記前面フラツプを
内方に折畳まれて外側に位置する折畳板と上記前
側面板との間に差込むようにしたので、包装容器
基材として緩衝体付であるため製品の包装時の組
立作業性が非常に向上するとともに、緩衝体は単
純な形状で良く安価に提供され得るものである。
しかも、前面フラツプを内方に折畳まれて外側に
位置する折畳板と上記前側面板との間に差込むよ
うにしたので、その挾持力でフラツプによる保持
を確実に行ない得るなど、極めて有用な緩衝体付
包装容器を実現できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図イ，ロは従来の包装容器の例を示す斜視
図、第２図は本考案の緩衝体付包装容器の一実施
例を示す展開平面図、第３図は同斜視図、第４図
イは同組立途中を示す斜視図、同ロ図は収納した
組立状態の外観斜視図、第５図は同断面図、第６
図は他の実施例を示す部分展開平面図、第７図は
更に他の実施例を示す断面図である。 ５……基材、６……折曲線、７……緩衝体、
９，１０……収納製品、Ｃ……前側面板、Ｌ〜Ｌ
……折畳板、Ｍ……前面フラツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 各面板内面に適宜設けた緩衝体によつて収納製
   品を保持するように構成した包装容器であつて、
   少なくとも上面板に一体に形成された前面フラツ
   プが差込まれる前側面板内面には上記緩衝体は直
   接には設けず、この前側面板側は、この前側面板
   と隣り合う左右両側面板との間に設けられ、か
   つ、内方に折畳まれて内側に位置する折畳板の内
   面に設けた緩衝体によつて保持するようにし、上
   記前面フラツプを内方に折畳まれて外側に位置す
   る折畳板と上記前側面板との間に差込むようにし
   たことを特徴とする緩衝体付包装容器。