JPH0325637B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコイルに生起、消減する磁力によつて
ポンプ室内の室容積を増減させ、もつてポンプ室
内に液体を吸入するとともに吐出する電磁ポンプ
に関するもので、特に低位にある液体を高位へ給
送する際、あるいは液体を加圧供給する降におけ
る産素機器、例えば石油燃焼器における燃料タン
クからバーナーへの燃料の給送あるいはソーラー
システムのソーラーへの水の給送、さらには薬液
の給送に良く使用される。

〔従来の技術〕

かかるコイルに生起する磁力を利用した電磁ポ
ンプはポンプ室を円筒状の可動鉄心が往復動する
プランジヤー式のものと、可動鉄心と同期的に往
復動するダイヤフラム式のものと二種類あるもの
で、特にダイヤフラム式のものは、ポンプ室内の
液体が可動鉄心作動室内へ流入することがないの
で薬液等の液体による影響を受けることがなく、
それら液体用に良く使用される。かかるダイヤフ
ラム式電磁ポンプは例えば特公昭46−34550号公
報等によつてよく知られるものである。

これは、周囲にコイルを巻回した固定鉄心に可
動鉄心を移動自在に対応して配置するとともに可
動鉄心と一体的に移動するダイヤフラムにてポン
プ室容積を増減し、ポンプ室内に吸入側逆止弁を
介して液体を吸入するとともに吐出側逆止弁を介
して液体を吐出したものである。

〔発明が解決しようとする課題〕

かかる従来のダイヤフラム式電磁ポンプによる
と次の不具合を有する。電磁ポンプの非通電時に
おいて、液体吐出路内の圧力が上昇した際には、
吸入、吐出、側の逆止弁は各弁座に閉塞力を付与
するものであるが、液体流入路内の圧力が上昇し
た際には、吸入、吐出、側の逆止弁は各弁座に開
放力を付与するものであり、開放力が一定力以上
に達すると、液体流入路、液体吐出路は連通状態
となる恐れがある。これによると、液体の給送が
不要な状態においてなされることになり各種産業
用機器の使用において好ましくない。

〔課題を解決するための手段〕

本発明になるダイヤフラム式電磁ポンプは前記
問題点に鑑みなされたもので、非通電時における
電磁ポンプからの洩れを確実に防止することを目
的とし、前記目的達成の為にポンプ本体１の凹部
２に配置されるゴム材料よりなるダイヤフラム１
５を、平円板状の平板部１５Ａと、平板部１５Ａ
の略中央の一側より上方に向つて突起する円筒状
のガイド突部１５Ｂと、ガイド突部１５Ｂの上端
面より下方に向つて穿設された係合溝１５Ｄと、
ダイヤフラム１５の略中央の他側より下方に向つ
て突起する環状の弁部１５Ｅとによつて形成し、
一方ダイヤフラム１５をポンプ本体１へ取着する
為の押圧部材１６を、平板環状の押圧部１６Ａ
と、押圧部１６Ａの外周端部に設けられポンプ本
体１の押圧部材嵌合凹部２Ｃに嵌合される嵌合部
１６Ｃと、押圧部１６Ａの内周端部より上方に向
つて設けられるとともにダイヤフラム１５のガイ
ド突部１５Ｂの外周に間隙をもつてガイド突部１
５Ｂを案内するダイヤフラム案内筒部１６Ｂと、
によつて形成し、可動鉄心１４とダイヤフラム１
５と可動鉄心１４の係合溝部１４Ａとをダイヤフ
ラム１５の係合溝１５Ｄを介して一体的に係合す
るとともにダイヤフラム１５の平板部１５Ａを、
ポンプ本体１の押圧部材嵌合凹部２Ｃ内に嵌合さ
れた押圧部材１６の押圧部１６Ａと、ポンプ本体
１の段部２Ａとの間に挟持してポンプ室凹部２Ｂ
と、ダイヤフラム１５にてポンプ室Ｐを形成し、
少なくともコイル１１への非通電時において、ダ
イヤフラム１５の弁部１５Ｅが第１連通路６また
は第２連通路１０のいずれか一方を閉塞した状態
で、ダイヤフラム１５のガイド突部１５Ｂの外周
を押圧部材１６のダイヤフラム案内筒部１６Ｂの
内周にて案内させたものである。

〔作用〕

電磁ポンプのコイルへの非通電時において、可
動鉄心はスプリングによつて固定鉄心より離れて
保持される。これによるとダイヤフラムはポンプ
室をもつとも圧縮した状態にあつて、ダイヤフラ
ムの弁部が第１連通路または第２連通路の何れか
一方を閉じる。かかる状態にあつて、ダイヤフラ
ムのガイド突部は押圧部材のダイヤフラム案内筒
部にて案内されるのでダイヤフラムの弁部は第１
連通路または第２連通路を確実に閉塞しうる。

〔実施例〕

以下、本発明になるダイヤフラム式電磁ポンプ
の一実施例を第１図、第２図によつて説明する。

１は内部に、上方に開口せる凹部２が穿設され
たポンプ本体であつて、該凹部は段部２Ａによつ
て、その下方にポンプ室凹部２Ｂが形成され、そ
の上方に押圧部材嵌合凹部２Ｃが形成されるもの
である。

３は内部に吸入側弁座を備えるとともに吸入側
弁座４に対向して吸入側逆止弁５が配置された液
体流入路であり、該液体流入路は第１連通路６に
てポンプ室凹部２Ｂに開口される。そしてこの第
１連通路６は、ポンプ室凹部２Ｂの略中心に開口
する。

また、７は内部に吐出側弁座８を備えるととも
に吐出側弁座８に対向して吐出側逆止弁９が配置
された液体吐出路があり、該液体吐出路は第２連
通路１０にてポンプ室凹部２Ｂに開口される。
尚、この第２連通路１０を第１連通路６にかえて
ポンプ室凹部２Ｂの略中心に開口してもよい。

ポンプ本体１の上部には周囲にコイル１１が巻
回されたコイルボビン１２が配置され、このコイ
ルボビン１２の上部に固定鉄心１３が取着され、
さらにこの固定鉄心１３に対応して固定鉄心１３
の長手軸心方向に移動自在なる可動鉄心１４が配
置される。１５はゴム材よりなるダイヤフラムで
あつて、平円板状の平板部１５Ａと、平板部１５
Ａの略中央部の一側（図において上側）に円筒状
のガイド突部１５Ｂが突起して形成され、該ガイ
ド突部の上端面より可動鉄心１４との係合の為の
環状突部１５Ｃを溝内に設けた係合溝１５Ｄが下
方に向つて穿設され、さらにダイヤフラム１５の
略中央の他側（図において下側）には環状の弁部
１５Ｅが突起して形成される。

そして、前記ダイヤフラム１５を可動鉄心１４
の下側の端部に一体的に結合するには、可動鉄心
１４の下側をダイヤフラム１５の係合溝１５Ｄ内
に嵌入させるとともに可動鉄心１４の下側の端部
近傍に設けた係合溝部１４Ａ内にダイヤフラム１
５の環状突部１５Ｃを係合させるものである。

１６はダイヤフラム１５を押圧保持する押圧部
材であつて、少なくとも押圧部１６Ａとダイヤフ
ラム案内筒部１６Ｂと、嵌合部１６Ｃとよりなる
ものであり、具体的には第２図に示される。すな
わち１６Ａは、ダイヤフラム１５の平板部１５Ａ
を押圧する為の平板環状の押圧部であり、押圧部
１６Ａの外周端部の側面に凹部２の押圧部材嵌合
凹部２Ｃに嵌合される嵌合部１６Ｃが上方に向つ
て形成され、さらに押圧部１６Ａの内周端部には
ダイヤフラム１５のガイド突部１５Ｂの外周に間
隙をもつて該ガイド突部１５Ｂを案内するダイヤ
フラム案内筒部１６Ｂが上方に向つて筒状に穿設
される。そして、可動鉄心１４に一体的に係合さ
れたダイヤフラム１５をポンプ本体１に取着する
には、ダイヤフラム１５の平板部１５Ａの他側
（図において下側）をポンプ本体１の段部２Ａ上
に配置した後に、押圧部材１６の嵌合部１６Ｃを
押圧部材嵌合凹部２Ｃ内に下向に向つて順次嵌合
するものであり、これによると、ダイヤフラム１
５の平板部１５Ａはポンプ本体１の段部２Ａと押
圧部材１６の押圧部１６Ａとの間に挟持される。

尚、ダイヤフラム１５の平板部１５Ａの中心部
近傍及びガイド突部１５Ｂは、ポンプ膜としての
作用を成さしめる為に段部２Ａと押圧部１６Ａと
に挟持されることなく、自由状態にある。

而して、ダイヤフラム１５の弁部１５Ｅは第１
連通路６に対向して配置されるとともにダイヤフ
ラム１５のガイド筒部１５Ｂは押圧部材１６のダ
イヤフラム案内筒部１６Ｂ内に間隙をもつて配置
され、さらに、ポンプ室凹部２Ｂの開口がダイヤ
フラム１５によつて閉塞されることによつてポン
プ室Ｐが形成される。従つて、ポンプ室Ｐ内に液
体流入路３に連なる第１連通路６が開口するとと
もに液体吐出路７に連なる第２連通路１０が開口
する。

また、１７は固定鉄心１３と可動鉄心１４との
間に縮設されたスプリングであり、これによつて
ダイヤフラム１５はポンプ室Ｐ側へ弾性的に付勢
される。

次にその作用について説明する。

まずコイル１１への非通電時には可動鉄心１
４、ダイヤフラム１４はスプリング１７のバネ力
によつて図において最下方位置にあり、ポンプ室
Ｐ内に何等の圧力が発生しない。

次いで、コイル１１に通電されると、固定鉄心
１３、可動鉄心１４との間に磁力が発生し、これ
によると可動鉄心１４はスプリング１７のバネ力
に抗して固定鉄心１３側へ移動する。一方ポンプ
室Ｐにおいてはダイヤフラム１５が上動したこと
によつてポンプ室Ｐ内の室容積が増加し、ポンプ
室Ｐ内に負圧力を生起せしめる。従つてポンプ室
Ｐ内の負圧力によつて吐出側逆止弁９が吐出側弁
座８を閉塞するとともに吸入側逆止弁５が吸入側
弁座４を開放して液体流入路３より液体をポンプ
室Ｐ内へ吸入する。

次いで、コイル１１への通電が瞬間的にたたれ
ると固定鉄心１３と可動鉄心１４との間における
磁力が消減するのでスプリング１７のバネ力によ
つて可動鉄心１４、ダイヤフラム１５は原位置迄
下動復帰する。このダイヤフラム１５の下動によ
るとポンプ室Ｐの室容積が減少してポンプ室Ｐ内
の圧力が上昇するものであり、これによると吸入
側逆止弁５が吸入側弁座４を閉塞するとともに吐
出側逆止弁９が吐出側弁座８を開放し、ポンプ室
Ｐ内に貯溜された液体を液体吐出路７より吐出す
るもので、以後コイル１１への通電、遮電によつ
てダイヤフラム１５が往復動をし、もつて液体を
ポンプ室Ｐ内に吸入し、次いで吐出するものであ
る。

そして、本発明によるダイヤフラム式電磁ポン
プによると、まずコイル１１への通電が完全にた
たれると（ポンプ停止に伴なう通電のカツト）、
可動鉄心１４及びダイヤフラム１５は最下方位置
迄スプリング１７のバネ力によつて降下するもの
であり、このときダイヤフラム１５の他側（図に
おいて下側）に設けた弁部１５Ｅが第１通路６を
機械的に閉塞するものである。

かかる状態において、 (1) 第１連通路６及び弁部１５Ｅは、凹部２及び
ダイヤフラム１５の略中心部にそれぞれ設けて
ので、可動鉄心１４に下方の押圧力を付与する
スプリング１７のバネ力が弁部１５Ｅを介して
第１連通路６に効果的に作用されること。

(2) かかるコイル１１への電流がたたれた際、ダ
イヤフラム１５はスプリング１７のバネ力にて
ポンプ室Ｐを加圧しつつポンプ室Ｐ側へ移動す
るものであり、前述の如く、かかるポンプ室Ｐ
内の加圧吐出行程時においてポンプ室Ｐ内の圧
力分布は特に液体吐出路７近傍の圧力は液体吐
出路７が開放されることによつて、大気圧力に
近い状態となり、他のポンプ室Ｐ内の圧力に比
較して不均等となる。

これによると、ダイヤフラム１５の平板部１
５Ａ及びガイド部１５Ｂのポンプ室側の面に作
用する圧力が不均等となりダイヤフラム１５の
平坦部１５Ａ及びガイド突部１５Ｂが傾斜する
恐れがあり、特にガイド突部１５Ｂの下面に設
けた弁部１５Ｅが傾斜すると第一連通孔６の閉
塞性を阻害する。

然しながら、本発明によると、ダイヤフラム
１５のガイド突部１５Ｂが押圧部材１６のダイ
ヤフラム案内筒部１６Ｂ内に案内されているの
で、特にガイド突部１５Ｂが前述したポンプ室
Ｐ内の圧力不均等によつて傾斜させる力が作用
した際、ガイド突部１５Ｂの外周の一部がダイ
ヤフラム案内筒部１６Ｂに当接し、その傾斜を
抑止させること。

の前記(1)、(2)の点よりダイヤフラム１５の弁部１
５Ｅは第１連通路６に対して直角方向に付勢され
るものであつて、これによつて第１連通路６を効
果的に閉塞できたものである。尚、第２連通路１
０をダイヤフラム１５の略中心部に開口すれば第
２連通路１０を閉塞しうるものである。

〔発明の効果〕

以上の如く本発明になるダイヤフラム式電磁ポ
ンプによると、コイルへの非通電時において、ポ
ンプ室と液体流入路とを連通する第１連通路は、
可動鉄心と一体的に配置したダイヤフラムの弁部
にて、スプリングのバネ力により自動的に閉塞さ
れ、しかも、ポンプ室内の圧力分布が不均等であ
つて、ダイヤフラムにポンプ室内の圧力が均等に
作用いない時であつても、ダイヤフラムのガイド
突部が押圧部材のダイヤフラム案内筒部によつて
その傾斜が抑止されるので、第一連通孔のポンプ
室への開口部に対してダイヤフラムの弁部をほぼ
直角に押圧できたもので、電磁ポンプの不使用時
において各逆止弁の閉塞に合わせて第１連通路ま
たは第２連通路を確実に閉塞することができるの
で液体流入路と液体吐出路との遮断を一層確実に
保持することができるものであり、産業上利用大
なるものである。

【図面の簡単な説明】

図は本発明になるダイヤフラム式電磁ポンプの
一実施例を示すもので第１図はその縦断面図、第
２図は押圧部材１６の縦断面図である。 １……ポンプ本体、２……凹部、２Ａ……段
部、２Ｂ……ポンプ室凹部、６……第１連通路、
１０……第２連通路、１５……ダイヤフラム、１
５Ａ……平坦部、１５Ｂ……ガイド突部、１６…
…押圧部材、１６Ａ……押圧部、１６Ｂ……ダイ
ヤフラム案内筒部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 周囲にコイルを巻回した固定鉄心に可動鉄心
   を移動自在に対応して配置するとともに可動鉄心
   と一体的に移動するダイヤフラムにてポンプ室容
   積を増減し、ポンプ室内に吸入側逆止弁を介して
   液体を吸入するとともに吐出側逆止弁を介して液
   体を吐出してなるダイヤフラム式電磁ポンプにお
   いて、ポンプ本体１の凹部２に配置されるゴム材
   料よりなるダイヤフラム１５を、平円板状の平板
   部１５Ａと、平板部１５Ａの略中央の一側より上
   方に向つて突起する円筒状のガイド突部１５Ｂ
   と、ガイド突部１５Ｂの上端面より下方に向つて
   穿設された係合溝１５Ｄと、ダイヤフラム１５の
   略中央の他側より下方に向つて突起する環状の弁
   部１５Ｅとによつて形成し、一方ダイヤフラム１
   ５をポンプ本体１へ取着する為の押圧部材１６
   を、平板環状の押圧部１６Ａと、押圧部１６Ａの
   外周端部に設けられポンプ本体１の押圧部材嵌合
   凹部２Ｃに嵌合される嵌合部１６Ｃと、押圧部１
   ６Ａの内周端部より上方に向つて設けられるとと
   もにダイヤフラム１５のガイド突部１５Ｂの外周
   に間隙をもつてガイド突部１５Ｂを案内するダイ
   ヤフラム案内筒部１６Ｂと、によつて形成し、可
   動鉄心１４とダイヤフラム１５とを可動鉄心１４
   の係合溝部１４Ａとダイヤフラム１５の係合溝１
   ５Ｄを介して一体的に係合するとともにダイヤフ
   ラム１５の平板部１５Ａを、ポンプ本体１の押圧
   部材嵌合凹部２Ｃ内に嵌合された押圧部材１６の
   押圧部１６Ａと、ポンプ本体１の段部２Ａとの間
   に挟持してポンプ室凹部２Ｂと、ダイヤフラム１
   ５にてポンプ室Ｐを形成し、少なくともコイル１
   １への非通電時において、ダイヤフラム１５の弁
   部１５Ｅが第１連通路６または第２連通路１０の
   いずれか一方を閉塞した状態で、ダイヤフラム１
   ５のガイド突部１５Ｂの外周を押圧部材１６のダ
   イヤフラム案内筒部１６Ｂの内周にて案内させて
   なるダイヤフラム式電磁ポンプ。