JPH032483B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、乗用の牽引車体の後部に田植機を
昇降動するようリンク機構を介して取付けた乗用
型の田植機に関する。

（従来技術） 従来、実開昭53−39722号公報、実開昭53−932
号公報、実開昭50−106321号公報及び実開昭53−
69115号公報に開示された通りの乗用型田植機は
公知であつた。

即ち、乗用車体の機枠を構成するミツシヨンケ
ースの左右両側に後方下方へ向けて延び、後輪を
装着させる伝動ケースを設け、該左右の伝動ケー
ス間に上側から見ると田植機を取付けるための昇
降リンク機構を設けたものは公知であつた。しか
し、この左右の伝動ケースはその基部側が単にミ
ツシヨンケースに固着されているだけで、この伝
動ケースの前後中間部がミツシヨンケースに取付
けられるような構造になつていなかつた。更に、
操縦座席はミツシヨンケース側に支持枠を介して
取付けられていて、これが伝動ケース側から支持
される構造にもなつていなかつた。

尚、前記の従来技術が開示された中には、左右
の伝動ケースが基部を中心に上下回動するように
設けたものがあつたが、このようなものは、機体
が上下揺動するばかりでなく前後に傾動し実用化
できないものとなりこの発明の対象外であること
を述べておくこととする。

（発明が解決しようとする問題点） 従来技術のものは、左右一対の伝動ケースを極
めて丈夫な構成にしないと、この伝動ケースがミ
ツシヨンケース側から何ら補強されていないため
に歪んでしまう欠点があるばかりでなく、折角後
方へ延びている伝動ケースを有しながら、田植機
を装着する昇降リンク機構のリンク基端側を前位
のミツシヨンケースに枢結しなければならずリン
クの長さを極度に長くしなければならなかつた。
したがつて、この場合リンクの強度をものすごく
頑丈にしなければならない欠点が生じた。

また、操縦座席は伝動ケースから支持させるこ
ともできずミツシヨンケース上に支架する構成と
なり、操縦者の荷重を後輪側へ掛けるには、特別
な支枠が必要になり、構成が複雑化する問題点が
あつた。

（問題点を解決するための手段） この発明は、前記の問題点を解決するために技
術的手段を講じた。

即ち、この発明は、乗用牽引車体１のミツシヨ
ンケース２の左右両側に基部側が固着されてい
て、後方へ延出する伝動ケース７を設け、この伝
動ケース７の後端側に後輪８を軸承ならしめ、前
記ミツシヨン２側から後方に向つて設けられると
共に前記左右の伝動ケース間７にあつて、かつ、
上方へ伝動ケース７の上端よりも高くなつている
枠体１０を実質的に該伝動ケース１０の前後中間
に連結ならしめて設け、この枠体１０に操縦座席
１１を支架ならしめ、しかも、この枠体１０には
田植機１３を昇降動するよう連結リンク機構１９
の基端部側を枢結してなる乗用田植機の構成とし
た。

（発明の作用及び効果） この発明は、前記の構成としたから、伝動ケー
スの前後中間位とミツシヨンケースとが実質的に
枠体によつて連結されて伝動ケースの補強が図れ
るものでありながら、この枠体が田植機を昇降す
るためのリンク機構の取付部になつているからそ
の荷重がミツシヨンケース側に掛つて、枠体の後
方への倒れが生ぜず、しかも、リンクの長さを極
端に長くしなくても済むからリンクの強度を過大
に増大せずにすみ、しかも、該枠体が操縦座席を
支持できて、該座席を左右伝動ケース間の上部に
支架できる。

（実施例） １は乗用牽引車体である。この乗用牽引車体１
は、ミツシヨンケース２の前部にエンジン台３を
一体的に設け、このエンジン台３上にエンジン４
を搭載して、これをボンネツト５でカバーならし
め、ミツシヨンケース２の前側左右両側下位に操
向用の前輪６，６を設け、ミツシヨンケース２の
左右両側には、後方下方に向う伝動ケース７，７
の基部を固着してこの伝動ケース７，７の先端部
側に後輪８，８を軸支ならしめ、この左右の伝動
ケース７，７間の前後中間同志を横枠９によつて
連結補強し、また、前記ミツシヨンケース２と伝
動ケース７，７とを側面視が 型状をした枠体１
０，１０によつて連結し、この枠体１０，１０の
上面に操縦座席１１を支架するよう設け、前側の
前記ボンネツト５の後端側上部にハンドル１２を
軸架ならしめている。

１３は田植機で、植付伝動ケースを兼ねた枠体
１４の前側上部に左右に往復動する苗載せ台１５
を前側が上位になるよう傾設支架ならしめ、後方
下端側に苗植付装置１６を設け、下位には中央及
び側部の整地フロート１７，１８，１８を取付け
ている。

１９は昇降リンク機構で、上リンク１９ａと下
リンク１９ｂとの夫々基部を前記左右の枠体１
０，１０を連結する連結枠１０ａにブラケツトを
介して枢結し、両リンク１９ａ，１９ｂの後端部
を縦リンク１９ｃで枢結してこの縦リンク１９ｃ
側に前記田植機１３の機枠１４をローリング軸２
０を介して取付けている。２１は油圧シリンダー
装置で前記ミツシヨンケース２と上リンク１９ａ
との間に介装され、リンクを昇降動する構成にな
つている。

上例の構成によると、単一状のミツシヨンケー
ス４から機枠を兼ねる恰好で左右一対の伝動ケー
ス７，７が後方へ向けて長く延ばされてこれに後
輪８，８を軸承する形態であつて、この左右の伝
動ケース７，７間を空間状にして、この間を昇降
リンク機構の取付け部として有効に利用できるも
のでありながら、該左右の伝動ケース７，７の前
後中間位がミツシヨンケース４側へ枠体１０を介
して実質的に連結されるから、伝動ケース７，７
の補強を図ることが、しかも、前記伝動ケース
７，７側から上方へ立上つている枠体１０に田植
機１３を昇降動するためのリンク機構１９の基端
側を取付けても、この枠体１０が田植機１３の荷
重で後方へ回動して倒れることがなく確実に連結
でき、極めて上部なフレーム構成になる。また、
枠体１０に操縦座席１１を支架できるから、左右
の伝動ケース７，７間の上部に難なく座席１１が
装架でき、操縦者の体重を後輪８側へ掛けること
ができて安定し、昇降リンクは枠体１０に枢結さ
れるからその全長を短かくできる。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示したもので、第
１図は一部断面の側面図、第２図はその平面図、
第３図は要部の平面図、第４図は要部の側面図で
ある。 図中記号、１は乗用牽引車体、２はミツシヨン
ケース、７は伝動ケース、１０は枠体、１１は操
縦座席、１３は田植機、１９は昇降リンク機構を
示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 乗用牽引車体１のミツシヨンケース２の左右
   両側に基部側が固着されていて、後方へ延出する
   伝動ケース７を設け、この伝動ケース７の後端側
   に後輪８を軸承ならしめ、前記ミツシヨン２側か
   ら後方に向つて設けられると共に前記左右の伝動
   ケース７間にあつて、かつ、上方へ伝動ケース７
   の上端よりも高くなつている枠体１０を実質的に
   該伝動ケース１０の前後中間に連結ならしめて設
   け、この枠体１０に操縦座席１１を支架ならし
   め、しかも、この枠体１０には田植機１３を昇降
   動するよう連結リンク機構１９の基端部側を枢結
   してなる乗用田植機。