JPH0324728B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はロツク機構を備えたプツシユスイツチ
に関するものである。

従来のプツシユスイツチとしては第１図、第２
図に示すように構成されていた。

合成樹脂よりなるケース１には、複数の固定端
子を縦方向に並べて合成樹脂で一体化した端子ブ
ロツク２，３が込まれるとともに一端に上方に突
出する舌片４をもつ板ばね５を収納し、かつ、こ
のケース１の内底面に上方に突出するストツパピ
ン支持部６にコ字状に折曲加工したストツパピン
７の一端を揺動可能に保持させ、さらにケース１
の内底面の突片８にコイルスプリング９をはめこ
み、このコイルスプリング９で板ばね５の他端を
ケース１の内底面に押しつけ、さらに、このケー
ス１内に上記端子ブロツク２，３の端子に接触す
るΩ状の可動接片１０，１１を保持し、一面にハ
ート形のカム溝１２を形成した摺動体１３を組込
み、この摺動体１３の一部をはめこむ開口１４を
もつたカバー１５を上記ケース１の上面に被せて
構成され、上記ストツパピン７の他端は板ばね５
の舌片４に押圧されて摺動体１３のカム溝１２に
はまりこんでいた。

このような構成で摺動体１３をコイルスプリン
グ９に抗して押圧すると、摺動体１３は下動して
可動接片１０，１１が端子ブロツク２，３の端子
間の導通を切換えるとともに、ストツパピン７の
他端がカム溝１２内を滑動してカム溝１２の係止
部にはまりこんで摺動体１３を下動した状態でロ
ツクする。このロツク状態から摺動体１３をさら
に少し押圧するとロツクが解除され、コイルスプ
リング９の弾性力によつて摺動体１３は上動復帰
させられる。

第２図は上記ロツク時のストツパピン７の状態
を示しており、摺動体１３にはコイルスプリング
９による反力Ｒが加わり、ケース１に設けたスト
ツパピン支持部６を支点としてストツパピン７に
回転モーメントが働き、ストツパピン７をカム溝
１２より押出そうとするため、板ばね５の舌片４
によりストツパピン７に加えるテンシヨンＷは上
記反力Ｒによる回転モーメントよりも大きな力を
必要とするが、この板ばね５のテンシヨンＷには
限度があり、プツシユロツク時のストツパピン７
の保持強度を十分満足させることができないもの
となつていた。

このため、第２図に示すようにカバー１５の内
壁に突起部１６を設け、ストツパピン７がカム溝
１２よりある程度押出されると、この突起部１６
に当つてロツク状態を維持できるように構成され
ているが、ストツパピン７の係止部への引かかり
はわずかな寸法となり、プツシユスイツチの設計
に当つて、この引かかり寸法は、強度、大きさ、
組合せなどにより十分な余裕がとれずロツク不良
を発生する原因となるものであつた。

本発明は以上のような従来の欠点を除去するも
のであり、プツシユロツク動作を確実に行ない、
しかも板ばねを廃止して構成部品を少なくしてコ
スト面で安価な、さらに高品質なプツシユスイツ
チを提供しようとするものである。

上記目的を達成するための本発明の構成は、摺
動体を復帰させるコイルスプリングの下端をスト
ツパピンに係止させて常にストツパピンがカム溝
にはまりこむ方向に付勢させ、ロツク動作を安定
したものにしようとするものである。

以下、本発明の実施例を図面第３図〜第５図に
より説明する。

１７は合成樹脂によつて成形された上面開放の
ケースで、このケース１７の両内側壁には固定溝
１８が設けられるとともに内部の背面壁には後述
の摺動体のガイド突条１９が設けられ、前面壁に
は上部から中間にかけて切込み２０が設けられ、
かつ前面壁の外面の上部両端には係合突起２１が
設けられている。また、ケース１７の内部の前面
壁に近接した位置には中央にＵ字状の切込みを形
成したストツパピン支持片２２が設けられてい
る。

このケース１７には、複数の固定端子２３ａを
縦方向に並べて合成樹脂２３ｂで一体化した端子
ブロツク２５，２６が合成樹脂２３ｂの一部の突
条２３ｃをケース１７の固定溝１８にはめこんで
組込まれ、上記固定端子２３ａの一端はケース１
７の下面に突出するようになつている。

さらにケース１７のストツパピン支持片２２の
切込みには、両端が相反する方向に折曲されたス
トツパピン２４の一端がはめこまれて枢支されて
いる。このストツパピン支持片２２に対応するケ
ース１７の内底面にはストツパピン２４の抜止め
片４２が設けられている。

また、このストツパピン２４を内部にはめこむ
ようにコイルスプリング２７が組込まれ、このコ
イルスプリング２７の下端はストツパピン２４の
一端のストツパピン支持片２２で支持されている
部分より内側とケース１７の内底面に当接してい
る。

さらに、このケース１７には合成樹脂などの絶
縁物よりなる摺動体２８が組込まれている。この
摺動体２８は下面にコイルスプリング２７の上部
とはまり合う突出部２９をもち、この突出部２９
の上部の前面と背面に高さの異なる係止部３０，
３１を設け、下部両側に前面開放のボツクス部３
２，３３を設け、前面にハート形カム溝３４を設
け、上面に操作部３５を設けて構成されている。

この摺動体２８のボツクス部３２，３３には、
ばね性金属によつて構成されたΩ状の可動接片３
６，３７が収納され、この可動接片３６，３７は
端子ブロツク２５，２６の固定端子２３ａの他端
に圧接するようになつている。

また、ストツパピン２４の他端は上記カム溝３
４にはまりこんでいる。

このような摺動体２８を組込んだケース１７の
上面には上面に摺動体２８の操作部３５を貫通さ
せる開口３８を設け、前面と背面にケース１７の
係合突起２１をはめこんで結合する係合孔３９を
もつたコ字状のカバー４０が結合されている。な
お、カバー４０の前面には下方に突出するガイド
突片４１が設けられ、コイルスプリング２７のガ
イドをするようになつている。

以上のような構成で、ストツパピン２４はスト
ツパピン支持片２２を支点として常に時計方向に
付勢されることになり、ストツパピン２４の他端
は常にカム溝３４に入りこむ方向に付勢されるこ
とになる。

第４図は摺動体２８が上動している状態であ
り、この状態から摺動体２８の操作部３５をコイ
ルスプリング２７に抗して押圧すると、摺動体２
８はコイルスプリング２７を弾縮して下動し、可
動接片３６，３７は端子ブロツク２５，２６の固
定端子２３ａ間の導通を切換える。

さらにこの摺動体２８の下動に伴つてストツパ
ピン２４はカム溝３４内を滑動し、下動し切つた
状態から少し上動したときストツパピン２４の他
端はカム溝３４の係止部に係合されて摺動体２８
はロツクされる。この状態は第５図に示すように
なる。この状態で、コイルスプリング２７は強く
弾縮されるため、その反発力は摺動体２８を押上
げようとする。この押上力はストツパピン２４に
も加わり、ストツパピン２４をストツパピン支持
片２２を支点として反時計方向に回動しようとす
る力が働くが、コイルスプリング２７の下端でス
トツパピン２４の一端を押圧するため、上記押上
力とほゞ相殺されてストツパピン２４の他端はカ
ム溝３４から押出されることはない。

ただ、ストツパピン２４の支点から考えて押上
力と、押圧力の加わる距離が異なるため、第５図
に示すロツク状態においては、多少ストツパピン
２４が反時計方向に回動される場合があるが、第
４図に示すようにストツパピン２４の他端の上面
と、カバー４０の天井面の下面との隙間ｅを小さ
く設定しておけば、第５図に示すようにストツパ
ピン２４の他端がカバー４０の天井面に当つてカ
ム溝３４から抜けることは阻止できる。

以上のように本発明のプツシユスイツチは構成
されるため、摺動体復帰用のコイルスプリングに
よつてストツパピンのカム溝からの抜けが防止で
きる。特に、コイルスプリングをケース内に収納
しストツパピンもケース内に収納し、そのストツ
パピンの一端をケース内で支持する構成におい
て、コイルスプリングを弾縮したときの反力によ
るストツパピンをカム溝から押出そうとする働き
を同じコイルスプリングの弾縮力によつて阻止す
ることができ、きわめて合理的となり、弾縮時も
コイルスプリングが伸びたときにも同じ条件での
力が加わるため、また少なくとも摺動体を押圧し
たロツク状態において上記ストツパピンがケース
天井面に当接するので、その抜け防止の効果は安
定したものとすることができる。また、この構成
とすることで、従来のような板ばねを必要とする
こともなく構成部品が少なく、また、ケースに設
けた切込みを有するストツパピン支持片にストツ
パピンの一端を枢支するので、位置決めが容易と
なつて組立が容易となるとともに、このストツパ
ピン支持片によりピンを底部より浮かせるのでロ
ツクピンを積極的にカム溝側に付勢でき、コスト
面でも有利であるなどの利点をもち、工業的価値
の大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプツシユスイツチを示す分解斜
視図、第２図は同要部の拡大した状態の断面図、
第３図は本発明のプツシユスイツチの一実施例を
示す分解斜視図、第４図、第５図は同動作状態を
示す断面図である。 １７……ケース、１８……固定溝、１９……ガ
イド突条、２０……切込み、２１……係合突起、
２２……ストツパピン支持片、２３ａ……固定端
子、２３ｂ……樹脂、２３ｃ……突条、２４……
ストツパピン、２５，２６……端子ブロツク、２
７……コイルスプリング、２８……摺動体、２９
……突出部、３０，３１……係止部、３２，３３
……ボツクス部、３４……カム溝、３５……操作
部、３６，３７……可動接片、３８……開口、３
９……係合孔、４０……カバー、４１……ガイド
突片、４２……抜止め片。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ケース内に縦方向に配列した数個の固定端子
   よりなる端子ブロツクを備え、このケース内で両
   端が逆方向に折曲されたストツパピンの一端を上
   記ケースに設けた切込みを有するストツパピン支
   持片に枢支させ、さらにこのケース内にコイルス
   プリングを収納し、上記端子ブロツクの固定端子
   に接触する可動接片を保持した摺動体を組込み、
   上記コイルスプリングで摺動体を常に上動付勢
   し、上記摺動体の一面に設けたハート形のカム溝
   に上記ストツパピンの他端をはめこみ、上記コイ
   ルスプリングの下端をストツパピンの一端の枢支
   点より内側に圧接させてストツパピンの他端を常
   にカム溝側に付勢するようにするとともに、少な
   くとも上記摺動体を押圧したロツク状態において
   上記ストツパピンの他端がその天井面に当接する
   ように上記ケースにカバーを装着したことを特徴
   とするプツシユスイツチ。