JPH0324623B2 - - Google Patents

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JPH0324623B2
JPH0324623B2 JP57099005A JP9900582A JPH0324623B2 JP H0324623 B2 JPH0324623 B2 JP H0324623B2 JP 57099005 A JP57099005 A JP 57099005A JP 9900582 A JP9900582 A JP 9900582A JP H0324623 B2 JPH0324623 B2 JP H0324623B2
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Kuniharu Uchida
Ichiro Furumura
Satoshi Nagai
Taiji Hirasawa
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Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、超音波を用いて金属材料や非金属
材料等の被検査材内部の欠陥位置を検出する電子
走査型超音波探傷装置に関する。
〔発明の技術的背景〕
金属材料や非金属材料の内部を検査する方法と
して、従来より超音波を用いた超音波探傷方法が
一般に利用されている。また人体等の医療診断技
術としても超音波探傷法が適用されている。この
ような超音波探傷法に用いる超音波探傷装置は、
第1図a,b,c,dに示すように、超音波受波
用の複数個の振動子群からなるアレイ型探触子1
を用い、これらの振動子による超音波送波および
受波タイミングを電子的に制御する機構を備えて
いる。このような探傷法を一般に電子走査法とい
うが、この電子走査法には、第1図aに示すよう
に超音波送受信用の複数個の振動子群を順次切換
えながら超音波ビーム2を被探傷材3上で直線状
に走査する直線走査法と、第1図cに示すように
複数個の振動子群による超音波送受用タイミング
を順次変更しながら超音波ビーム2を被探傷材3
の内部に扇形状に走査させる扇形走査法とがあ
る。そして被探傷材3中の欠陥4が、それぞれ第
1図bおよびdに示すように陰極線管(CRT)
5上の欠陥像6としてBスコープ表示される。
〔背景技術の問題点〕
第2a,b,c図は、上述した従来の扇形走査
法における被探傷材3内部の探傷方法を説明する
ための図である。
扇形走査法では、第2図aに示したように超音
波送信時および受信時に超音波を集束させつつ探
傷する場合と超音波を集束させないで探傷する場
合とがある。ここで、超音波を電子制御により集
束させた場合の主ビーム方向7と、超音波を電子
制御により平行させた場合の主ビーム方向8とで
は、超音波の主ビームの送受波点がAとCのよう
に幾何学的に異なつてくる。したがつて、超音波
ビームの送受波点をアレイ型探触子1の略中央点
Cに設定し被探傷材3の内部の欠陥4を集束ビー
ムを用いて探傷すると、断面画像(Bスコープ表
示)の欠陥像6は実際の欠陥4の存在位置とは異
なつた位置にあらわれる。すなわち第2図bに示
すように、欠陥4がアレイ型探触子1の中央点C
から角θ1および角θ2の位置にあつた場合に、第2
図cに示すように、欠陥像6は角θ1およびθ2とは
異なる角θ1′およびθ2′の位置に表示される。その
ため被探傷材料間の欠陥位置が精度よく標定でき
ないという問題点があつた。
上記問題点を、上記2つの点C、A、即ち、物
理振動子の開口中心Cと論理的な開口中心Aとの
関係において、第8図を参照しながら詳細に説明
する。
基本的には、アレイ型探触子1の送受波点は、
通常の単一振動子の場合と同様に探触子の中心で
あり、超音波ビームの中心と一致する。しかし、
これはアレイ型探触子1の個々の振動子9,9を
同時に励振して探触子面と垂直な方向に超音波ビ
ーム2を形成した場合にのみ成り立つ。この場合
には、電子走査法の超音波ビーム制御における論
理的な振動子面と、実際に超音波を送受信する物
理振動子面とが一致しているからである。
この第8図からわかるように、論理的な振動子
面(E−G)の開口中心は、焦点Fから2点E、
Gを臨んだ角度γを2等分する線L上におけるA
点であるのがわかる。この中心Aは当然C点とは
ずれている。叙上のことは、本発明者らが、従来
の探傷方法における精度の向上を目ざそうとして
独自に知得するに至つたことがらである。而し
て、従来は、上記中心Cを基準として傷の位置を
表示するようにしていたので、その表示位置に誤
差が生じるのが避けられなかつた。
しかしながら、アレイ型探触子1により超音波
ビーム2の集束・偏向制御を行う場合には、第8
図に示すように、論理的な振動子面は、物理振動
子面の開口中心Cを通りかつ集束点Fより物理振
動子の開口aを見込む角度γの範囲で前記集束点
Fを中心とする円弧E−Gとなつている。つま
り、従来の電子走査型超音波探傷においては、集
束点Fと物理振動子面の任意の点i(アレイ振動
子の個々の中心点)とを通る直線が論理的な振動
子面E−Gと交わる交点jと、前記物理振動子面
の点iとの距離差に相当する遅延時間制御を、ア
レイ振動子9,9,…の個々について、超音波送
受信時に行つている。
即ち、超音波の送受波点を探触子の開口中心C
として欠陥探傷を行つた場合、前記超音波ビーム
の中心軸(論理的な振動子面の開口中心Aから集
束点Fを通る直線)により検出した欠陥は、探触
子中心Cから集束点Fを通る直線上に標定される
ことになり、集束点F近傍以外では正しい結果が
得られないことになる。しかも、超音波探傷によ
り欠陥位置を決定する場合、探触子位置(送受波
点)と超音波ビームの方向及び欠陥エコーの位置
(ビーム路程)とにより算出することから、高精
度に欠陥位置を求めるには、正確な送受波点及び
超音波ビーム方向を知る必要がある。
また、一般の超音波探傷技術における標準試験
片に基づいた較正により探触子の送受波点A及び
超音波ビーム方向φを補正することも考えられ
る。しかしながら、これら送受波点A及びビーム
方向φは探触子寸法及び集束点Fによつてことご
とく変化する。このため、探傷条件が変わる毎に
長時間かけて較正しなければならず、非現実的で
ある。しかも、電子走査法による超音波探傷のリ
アルタイム性の長所を損なつてしまうことにもな
る。この様に、従来の電子走査法では高精度な探
傷ができなかつたが、それは、理論的超音波送受
波点Aが探触子の物理的開口中心Cと異なつてい
ることに起因することを本発明者らが知得するに
至つた。
〔発明の目的〕
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたもの
で、被探傷材の内部の情報を正確に検出し、被探
探材料の内部の欠陥位置を高精度に知ることがで
きるようにした電子走査型超音波探傷方法を提供
することを目的とする。
〔発明の概要〕
上記目的を達成するため、この発明では超音波
主ビームの偏向角度と送受波点を、あらかじめ設
定された超音波ビーム集束距離、偏向角度および
アレイ型探触子の開口寸法を用いて求めることを
第一の特徴とする。また、前記超音波ビームの偏
向角度と送波点を求めるにあたり、アレイ型探触
子を構成する一振動子の送受波指向性を含めて求
めることを第2の特徴とし、さらに被探傷材内の
超音波ビームの減衰を含めることを第3の特徴と
する。また、超音波の集束深さ距離をlとし、ア
レイ型探触子の開口寸法をaとし主ビームの偏向
角度をとした時、超音波主ビームの送受波点を
開口寸法aの中央より、(a cos)2/4lだけ被
探傷材表面より離れた点に仮想することを第4の
特徴とする。
〔発明の実施例〕
以下この発明の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
第3図は、この発明の方法を実施するための電
子走査型超音波探傷装置の一構成例を示すもので
ある。アレイ型探触子1はn個の超音波振動子9
からなる。これらの超音波振動子9はそれぞれ送
信パルスを発生するn個の超音波送信器10に結
合されており、この超音波送信器10は送信遅延
設定器11からの送信パルス発生用トリガ信号に
よつてn個全部あるいは数個の送信器が選定され
てそれぞれの対応する超音波振動子9へ送信パル
スを送り、これに応答して超音波振動子9が超音
波を送波するように構成されている。
一方、超音波振動子9は可逆性を有しており、
圧力変化に応じて電気信号を発生することもでき
る。このように超音波振動子9は、受信機能をも
有しているので、それぞれの超音波振動子9で検
出した受信信号は、それぞれ対応するn個の超音
波受信器12によつて増幅された後、それぞれに
対応するn個のA/D変換器13へ入力される。
このA/D変換器13は超音波受信信号を高速
でデジタル変換するものであり、受信波形を忠実
にデイジタル量に変換することができる。また
A/D変換器13には、受信信号のデイジタル変
換開始用トリガ信号が受信遅延設定器14からそ
れぞれ供給されている。このトリガ信号を受けた
n個全部あるいは一部のA/D変換器13はトリ
ガ信号の入力時点に同期して超音波受信波形がデ
イジタル信号波形化される。
信号制御器15は、受信遅延設定14、送信遅
延設定器11に対して超音波受信にかかわる振動
子群と送信にかかわる振動子群を選択し、あらか
じめ設定された超音波ビームの送波および受波方
向、および焦点距離に応じたトリガ信号出力のタ
イミングを与える。
また、各A/D変換器13の出力は、加算メモ
リ16に波形加算されて記憶される。すなわち
A/D変換器13に一担保持された超音波受信信
号のデイジタル波形は、デイジタル信号波形化時
点をそろえて各超音波振動子9による受信信号が
デイジタル加算されて記憶されることになる。こ
れらの操作は、信号制御器15によつて制御され
ている。加算メモリ16の加算された受信波形
は、信号処理器17に入力される。
信号処理器17は、あらかじめ設定された超音
波の送波および受波時の超音波集束距離と偏向角
度と開口寸法との三つについての信号を信号制御
器15から受け、それらを用いて、送波および受
波の超音波主ビームの偏向角度と送受波点を演算
して求め、Bスコープ表示の画像掃引の起点と方
向を定め、Bスコープ表示器18へ出力してい
る。また、信号処理器17は前記受信波形の大き
さに従い画像掃引に輝度変調をかける。この輝度
変調の信号は加算メモリー16からの加算受信波
形を検波した検波波形に、信号処理器17で設定
された信号弁別レベルを付し、この信号弁別レベ
ルを越える波形の大きさに応じて信号処理器17
内で作られる。
このようにして、第3図に示した超音波探傷装
置は、送信および受信用の超音波振動子の選定や
変更、主ビーム方向の変更および焦点距離の変更
毎に繰り返して上述の操作を行う。
次に第3図に示した超音波探傷装置の動作説明
図である第4図、第5図、第6図および第7図を
参照しつつ、本実施例に係る超音波探傷方法につ
いて説明する。
超音波の送信と受信とが同一のアレイ型探触子
1によつて行われている場合について説明する
と、超音波ビーム2を被探傷材3のF点に集束さ
せる場合には、アレイ型探触子1の送受信用振動
子群の略中央点Cから角度θで超音波ビーム2が
送受波されるように超音波の送受信用遅延トリガ
信号出力の時間タイミングを設定する。この時間
タイミングは、送信遅延設定器11および受信遅
延設定器14に設定する。しかし、F点に対する
主ビーム方向は、F点からアレイ型探触子1を見
込む角γの二等分角の方向となるため、アレイ型
探触子1上に示したA点が主ビームの送受波点と
なる。またビーム偏向角もθと異なつたとなつ
ている。ここでA点とC点との間の距離と主
ビームの偏向角とをアレイ型探触子1の開口寸
法と被探傷材3の表面からE点までの距離lとに
よつて表わすと次のようになる。
=1/2〔tan-1(tanθ+a/2l)+tan-1(tan
θ−a/2l)〕…(2) したがつて、処号処理17は(1)式および(2)式を演
算して、およびを算出し、Bスコープ表示
器18上の画像掃引の起点と掃引方向を与えるこ
とができる。このようにして信号処理器17は、
超音波ビーム2を設定集束距離lおよび設定偏向
角度θに応じて補正したことになる。
次に前記超音波の集束距離lがa/2l<1の時
には次のように(1)式が簡略化される。
≒a2/8lsin(2) …(3) 第5図に示すように点Cから被探傷材3の表面
に垂直に立てた直線と直線FAの延長線との交点
をDとすれば、距離は次式で示される。
=/tan=a2/4lcos …(4) したがつて、上記(4)式よりBスコープ表示器1
8上の画像掃引の起点は点Dを仮想点として与え
ればよいということになり、a cos=一定で
探傷した場合には、信号処理器17の演算処理が
簡単になるという利点がある。また、a cos
=一定という条件で探傷した場合は、被探傷材3
へ入射した時の主ビーム偏向方向と直交した面で
超音波ビーム2の入射幅が常に一定であるという
ことを意味するので、超音波主ビームの偏向角
によらずほぼ一定の音場特性曲線で評価すること
ができる。すなわちa cos=一定となるよう
にアレイ型探触子1の開口寸法aを制御すること
により従来の超音波探傷法で適用されている超音
波の距離振幅補正曲線等の超音波振動子の寸法に
かかわる探傷特性の変化を超音波主ビームの偏向
角に応じて考慮する必要がないことを意味す
る。
なぜなら、超音波の距離振幅較正(補正)曲線
は、超音波振動子からの超音波ビームの特性(ビ
ームの広がり、距離振幅特性等)により探傷特性
の変化を補正するものであり、超音波振動子の開
口寸法及び超音波の波長に依存していることが理
論的・経験的に明らかにされており、探傷試験時
に探触子毎に距離振幅較正曲線をあらかじめ作成
し補正することが一般に行われている。
一方、アレイ型探触子を用いた電子走査型超音
波探傷方法では同一の探触子で種々の方向に超音
波ビームを走査させて探傷するが、この時実際の
開口寸法をaとした場合、超音波ビーム方向φか
ら見た時の探触子の見かけの開口寸法(a
cosφ)が超音波ビーム方向によつて変化するこ
とからその超音波ビーム特性もことごとく変化す
ることを示す。したがつて、高精度の探傷を実施
しようとした場合超音波ビーム方向毎の距離振幅
較正曲線を求めて補正しなければならないが、前
記見かけの開口寸法(a cosφ)が一定となる
ようにアレイ型探触子の作動する振動子の数を超
音波ビーム方向毎に制御すると、波長は変化しな
いことから超音波ビーム方向に係わり無く一定の
超音波ビーム特性が得られることになり、同一の
距離振幅較正曲線を使用して補正できることにな
り、容易に探傷装置の補正が可能である。
また、この発明の方法によれば超音波送受信用
振動子の一振動子による音場の指向性を考慮して
超音波ビームのBスコープ表示器18上の画像掃
引の起点と掃引方向とをビーム偏向角θと集束距
離lとに応じて設定できる。すなわち第4図に示
したようにアレイ型探触子1からの超音波主ビー
ム2の送受波点は幾何学的にはC点から移動する
が、この移動量すなわちが大きくなると、F
点への超音波ビーム入射強度が主ビーム方向FA
の左右で大きく異つてくるようになる。このため
以下に示すように予め一振動子の音場指向性を知
り解析的に見かけの主ビーム方向を演算し、画像
掃引の起点と方向とを設定することがこの発明に
より実施できる。
次にその方法について第6図に基づいて説明す
る。
C点からi番目の超音波振動子9(i)の左端まで
の距離をXi1、右端までの距離をXi2とし、音場計
算点RからC点までの距離をr、および音場計算
点Rから超音波振動子9(i)の中点までの距離を第
6図に示すようにrixとすると、この振動子9(i)の
音場指向性特性Eiは次式で示される。
Ei=|∫Xi2 Xi1Ai(x)V(t−r/u)
/r・ej(ωt−krix)dx|…(5) 但し u;音速 k=2π/λ(λ;波長) ω;角振動数 t;時間 Ai(x);i番目の振動子感度特性 V(t);パルス波形 したがつてn個の振動子9による音場指向性特
性Eは、各振動子の送受信時の遅延時間をtiとす
れば、次に示す第(6)式のようになり、この第(6)式
から容易に音場指向性を求めることができる。
E=|o 〓 〓i=1Xi2 Xi1Ai(x)V(t−r/u−ti)/rej(ωt
−krix−ωti)dx|…(6) なお、第(6)式中のtiはC点からの設定集束距離
lと設定偏向角度θを与えることによつて、幾何
学的位置関係と被探傷材3の音速から容易に定め
られる。また、AiおよびVは実験的に求めること
ができ、送波時と受波時で同一の値であるとして
も良い。
第(6)式の計算値を模式的に示せば、第7図のよ
うに示され、開口寸法aの中央点Cからの半径r
をrAおよびrBに変えて計算した場合に曲線19の
RA点とRB点にそれぞれ最大音圧を生じることと
なり、このRA点とRB点を結ぶ線が主ビームの方
向となる。また、RA点とRB点の延長線がアレイ
型探触子1と交差する点Aが主ビームの送受波点
となる。さらに、この発明の方法によれば、9(i)
の振動子の感度特性Ai(x)に、超音波が被探傷
材3中を伝播する間の減衰の影響を含ませ、Ai
(X、rix)とすることにより、超音波ビームの距
離減衰特性の影響を考慮した主ビームの偏向角度
と送受波点が求められる。
以上説明した実施例では、超音波の被探傷材3
中の主ビーム伝搬方向を画像表示させる場合につ
いて説明したが、逆に個々の振動子の送信パルス
波の強さおよび受信時の増幅度を異ならせること
によつて超音波の探傷材3中の主ビーム方向と起
点とを選定するようにすることも可能である。こ
れにより、超音波の主ビーム方向の起点を一定点
に与え、かつ所望の方向に精度よく超音波の送受
が可能となる。このような方法は、単に送信パル
ス電圧と受信増幅度とを個々の振動子に対応させ
て制御し得る構成とすることによつて簡単に実現
できる。
なお、上述の説明においては超音波の受信信号
波形を高速アナログ・デイジタル変換し、デイジ
タル量で波形の加算を行うようにした場合につい
て説明したが、CCD(Cbarge Coupled Device)
や遅延線等を用いたアナログ量での波形加算をお
こなうようにしても同様に実現できることは言う
までもない。
〔発明の効果〕
以上実施例に基づいて詳細に説明したように、
この発明によれば超音波主ビームの偏向角度と送
受波点を、予め設定された集束距離および偏向角
度に応じて補正して求めるように構成するように
したので、超音波反射源の位置を正確に検出する
ことができるという利点がある。
また、超音波ビームの集束点を被探傷材上の超
音波振動子の位置から一定の深さに設定した場合
には、超音波を送受するアレイ型探触子の開口寸
法を主ビームの偏向角度に伴い変更することによ
り、超音波主ビームの偏向角によらずビーム起点
を特定点に仮想することができるという利点もあ
る。この場合には超音波ビームの距離減衰特性を
特定化することができるため、信号処理が簡略化
されるという利点もある。
さらに、超音波振動子の音場指向性特性を用い
てアレイ型探触子の音場指向性を予め設定された
超音波ビーム偏向方向と焦点距離とから求めるこ
とにより、実際の超音波ビーム方向を求めること
ができるため、より高精度の画像表示が可能とな
る。
さらにまた、超音波ビームの減衰特性を考慮す
ることにより、さらに精度の高い画像表示ができ
被探傷材の反射源位置の標定能力が格段に向上す
るという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図a,b,c,dは従来の電子走査型超音
波探傷法を説明する図、第2図a,b,cは従来
の方法によるBスコープ表示の欠点を説明する
図、第3図乃至第7図は本発明の実施例に係る電
子走査型超音波探傷法を説明するための図であ
り、第3図は電子走査型超音波探傷装置の構成
図、第4図は主ビームの角度と主ビームの送受波
点を説明する図、第5図はアレイ型探触子の開口
寸法制御を説明する図、第6図は探触子の指向性
の計算を説明する図、第7図は探触子指向性から
主ビーム偏向角度と主ビームの送受波点を求める
方法を説明する図、第8図は従来の装置の超音波
ビームを説明する図である。 1…アレイ型探触子、2…超音波ビーム、3…
被探傷材、4…欠陥、5…CRT、6…欠陥像、
7…集束された超音波の主ビーム方向、8…平行
な超音波の主ビーム方向、9…振動子、10…超
音波送信器、11…送信遅延設定器、12…超音
波受信器、13…A/D変換器、14…受信遅延
設定器、15…信号制御器、16…加算メモリ
ー、17…信号処理器、18…Bスコープ表示
器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 複数の超音波振動子からなるアレイ型探触子
    の各振動子による超音波の送波および受波のタイ
    ミングを電子的に制御し、被検査材を探傷する電
    子走査型超音波探傷装置において、 超音波の送波及び受波時における超音波ビーム
    の集束点Fの被探傷材表面からの距離1と;前記
    集束点Fから前記探触子の物理的開口中心点Cを
    望む角度θと;アレイ型探触子の開口寸法aと;
    から、前記超音波ビームの理論的開口中心Aの位
    置と、前記中心Aと集束点Fとを結ぶ直線が前記
    中心Aにおいてなす超音波ビーム偏向角度φと、 を求める演算手段と、 前記理論的開口中心Aと前記偏向角度φとに基
    づいて探傷結果を出力する探傷結果出力手段と、 を備えることを特徴とする電子走査型超音波探傷
    装置。 2 複数の超音波振動子からなるアレイ型探触子
    の各振動子による超音波の送波および受波のタイ
    ミングを電子的に制御し、被検査材を探傷する電
    子走査型超音波探傷装置において、 超音波の送波及び受波時における超音波ビーム
    の集束点Fの被探傷材表面からの距離1;と前記
    集束点Fから前記探傷子の物理的開口中心点Cを
    望む角度θと;アレイ型探触子の開口寸法aと;
    から、前記超音波ビームの理論的開口中心Aの位
    置と、前記中心Aと集束点Fとを結ぶ直線が前記
    中心Aにおいてなす超音波ビーム偏向角度φとを
    求めると共に、前記距離1と前記開口寸法aと前
    記偏向角度φとから仮想の画像掃引起点Dが、前
    記開口寸法aの略中央において被探傷材の表面相
    当位置から離れる距離を(a cosφ)2/41として算 出する演算手段と、 前記仮想の画像掃引起点Dを掃引起点として探
    傷結果をBスコープ表示する表示手段と、 を備えることを特徴とする電子走査型超音波探傷
    装置。
JP57099005A 1982-06-09 1982-06-09 電子走査型超音波探傷装置 Granted JPS58215553A (ja)

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JPH0324623B2 true JPH0324623B2 (ja) 1991-04-03

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ID=14234901

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