JPH0324441Y2 - - Google Patents

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JPH0324441Y2
JPH0324441Y2 JP8662284U JP8662284U JPH0324441Y2 JP H0324441 Y2 JPH0324441 Y2 JP H0324441Y2 JP 8662284 U JP8662284 U JP 8662284U JP 8662284 U JP8662284 U JP 8662284U JP H0324441 Y2 JPH0324441 Y2 JP H0324441Y2
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oil
valve
booster
oil passage
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車の制動装置、特に発進時のト
ラクシヨンコントロール(牽引制御)を可能にし
た電子制御式アンチスキツド装置を備えた油圧制
動装置の改良に関する。
従来の技術 制動時車両のスキツドを招く車輪のロツクを防
止するために、油圧制動装置に、マスターシリン
ダの圧力室から駆動車輪の左右ブレーキに通じる
油路内にそれぞれ設けられたシヤツトバルブと、
マスターシリンダのための油圧式ブースタの倍力
室から油路のシヤツトバルブ下流側に通じる加圧
油路内にそれぞれ設けられたインレツトバルブ
と、油路のシヤフトバルブ下流側からリザーバに
通じる減圧油路内にそれぞれ設けられたアウトレ
ツトバルブとを含む電子制御式アンチスキツド装
置を備えたものがある。
そして、このようなアンチスキツド装置は、加
圧する油圧を油圧式ブースタの倍力室から導入す
るため、制動状態に適応した加圧用油圧を得るこ
とができる利点がある。
又、スプリツト路面(左右駆動車輪で路面摩擦
係数が異なる)ので車両の発進時等において、一
方の駆動車輪が空転し且つ差動装置の差動作用に
より他方の駆動車輪に十分な駆動力が伝えられな
いために、車両が発進できないことがあるが、空
転している一方の駆動車輪を制動させることによ
り他方の駆動車輪に伝えられる駆動力を増大させ
て車両の発進を可能にすることができる。
ところで、上記のような油圧制動装置におい
て、駆動車輪の空転を防止するためには、アンチ
スキツド装置内の電子制御装置のような適宜の制
御手段により、常開型のシヤツトバルブを閉じる
と共に常閉型のインレツトバルブを開くことによ
り、空転する車輪に制動力を付与すればよいので
あるが、上記のような形式の油圧制動装置は油圧
式ブースタの倍力室の油圧を用いて加圧を行う関
係上ブースタの非作動時は加圧ができない。この
ため、油圧源と加圧油路を接続するバイパス油路
を設ける一方、このバイパス油路を開閉する電磁
式のスイツチバルブを設け、車輪の空転時には油
圧源からの圧油を直接導入するように電磁式のス
イツチバルブを作動させて、空転している駆動車
輪を制動させトラクシヨンコントロールを可能に
することが考えられる。
考案が解決しようとする問題点 本考案の目的は、前述のトラクシヨンコントロ
ールが可能なアンチスキツド装置の電磁式スイツ
チバルブを圧力感知式のバルブに変えることによ
つて、電磁式スイツチバルブ内のソレノイドの制
御を不要にし制御手段の構造を簡素化した改良さ
れた油圧制動装置を提供することにある。
問題点を解決するための手段 上記目的を達成するため、本考案による電子制
御式アンチスキツド装置を備えた油圧制動装置
は、油圧式ブースタの倍力室からインレツトバル
ブ側への圧油の流れのみを許容するチエツクバル
ブを加圧油路に設ける一方、ブースタの倍力室内
の油圧が所定圧力値以上の時にはバイパス油路を
遮断し、油圧が上記所定圧力値以下の時には油圧
源を加圧油路のインレツトバルブとチエツクバル
ブとの間に連通させるバイパス油路を経て、油圧
源からの圧油をインレツトバルブへ流通させる圧
力感知式バルブ手段を設けたものであり、この結
果、ブースタの作動時に倍力室内の油圧が所定値
以上になると倍力室内の圧油がチエツクバルブを
経てインレツトバルブに供給され、ブースタの非
作動時には油圧源からの圧油が圧力感知式バルブ
手段を経てインレツトバルブに供給される。この
ため、ブースタが非作動状態にある発進の際でも
インレツトバルブに圧油を供給することができ、
駆動車輪が空転する時には、制御手段により、シ
ヤツトバルブを閉作動させると共にインレツトバ
ルブを開作動させて油圧源からの圧油を駆動車輪
に導入することができ、空転している駆動車輪が
制動され、トラクシヨンコントロール作動が行わ
れるのである。また、ブースタが作動状態にある
アンチスキツド作動時には倍力室からの加圧用の
油圧が導入されるので、制動状態に適応した適切
な油圧を得ることができる。
実施例 以下、本考案の一実施例について添付図面を参
照して詳細に説明する。
第1図に示す油圧制動装置において、3連のタ
ンデム型マスターシリンダ1は油圧式ブースタ2
を備えている。ブレーキペダル(図示しない)を
介してロツド3に踏力が加えられると、倍力リン
ク機構4によつて作動されるコントロールバルブ
(図示しない)を経て供給された圧油が倍力ピス
トン5に作用し、同ピストン5がプツシユロツド
6を介してマスターシリンダ1のピストン7を押
し、これによりリターンスプリング8,9,10
をそれぞれ有する圧力室11,12,13内のブ
レーキ油がピストン7,14,15により加圧さ
れる。各圧力室11,12,13へはリザーバ1
6からブレーキ油が供給されるようになつてい
る。またリザーバ16内のブレーキ油は、電気モ
ータ17によつて駆動される油圧ポンプ18によ
り圧送されてアキユムレータ19に蓄圧され、供
給油路20を経てブースタ2に供給される。例え
ば、油圧ポンプ18は200c.c./minの流量を有し、
またアキユムレータ19は300c.c.の容量を有し且
つ120Kg/cm2の最大圧力を保持するものであり、
この最大圧力が発生すると、供給油路20内の圧
力スイツチ21がオフとなつて油圧ポンプ18の
作動を停止するようになつている。また、ブース
タ2は倍力比が2段に切換可能なものであり、倍
力ピストン5は段付けられていて、倍力室2aに
さらされた第1受圧面5aと、サーボアツプ室2
bにさらされた第2受圧面5bとを具えている。
油圧制動装置は、車両の制動時車輪の回転速度
と基準回転速度との差から車輪のロツク前兆状態
を検出しモジユレータのような圧力調整装置によ
りブレーキ油圧を制御する電子制御方式のアンチ
スキツド装置を備えている。第1図には圧力調整
装置の概略回路しか示されていないが、このアン
チスキツド装置に用いられる車輪速度センサ及び
電子制御装置は周知の構造のものでよい。
圧力調整装置は、電磁式常開型シヤツトバルブ
23,24,25と、詳細については後述する圧
力感知式常閉型チエツクバルブ26,2及び普通
の一方向チエツクバルブ28と、電磁式常閉型イ
ンレツトバルブ29,30,31と、電磁式常閉
型アウトレツトバルブ32,33,34とを備え
ている。第1のシヤツトバルブ23と第1のチエ
ツクバルブ26は、マスターシリンダ1の第1の
圧力室11から左前輪ブレーキのホイールシリン
ダに通じる第1の油路35内に並列に設けられて
いる。同様に、第2のシヤツトバルブ24と第2
のチエツクバルブ27は、第2の圧力室12から
右前輪ブレーキのホイールシリンダに通じる第2
の油路36内に並列に設けられている。第3のシ
ヤツトバルブ25と一方向チエツクバルブ28
は、第3の圧力室13からプロポーシヨニングバ
ルブと呼称されるプレツシヤコントロールバルブ
37の下流側で、左右後輪ブレーキのホイールシ
リンダに通じる第3の油路38内に並列に設けら
れている。第1、第2及び第3のインレツトバル
ブ29,30及び31はそれぞれ、ブースタ2の
倍力室2aから第1、第2及び第3油路35,3
6及び38のシヤツトバルブ23,24及び25
下流側に通じる加圧油路39内に設けられ、また
第1、第2及び第3のアウトレツトバルブ32,
33及び34はそれぞれ、油路35,36及び3
8のシヤツトバルブ下流側からリザーバ16に通
じる減圧油路40内に設けられている。プレツシ
ヤコントロールバルブ37は、所定の圧力値以上
において、マスターシリンダ1の圧力室内に発生
する油圧即ち前輪ブレーキ油圧に対し後輪ブレー
キ油圧の上昇率を低下させ後輪ブレーキ油圧を前
輪ブレーキ油圧よりも低く保つものであり、詳細
については後述するように、この後輪ブレーキ油
圧の上昇率が変化する圧力値(通常折点又は遷移
点という)を2段に切換可能な構造となつてい
る。上記ブースタ2及びプレツシヤコントロール
バルブ37の作動を切換えるため、倍力室2aに
通じる加圧油路39から分岐したサーボアツプ油
路41がサーボアツプ室2b及びプレツシヤコン
トロールバルブ37に連通しており、サーボアツ
プ油路41には、同油路をリザーバ16側へ切換
可能な電磁式サーボアツプバルブ42が設けられ
ている。更に、車両発進時のトラクシヨンコント
ロール機能を発揮させるため、供給油路20を加
圧油路39のインレツトバルブ29,30,31
上流側に連通させるバイパス油路43内には、圧
力感知式シヤツトバルブ46が設けられていると
共に、加圧油路39内にはバイパス油路43との
合流点よりも上流側で、ブースタ2の倍力室2a
からブレーキへ圧油を流動させる一方向チエツク
バルブ47が設けられている。またバイパス油路
43内には、アキユムレータ19からの120Kg/
cm2の高油圧を40Kg/cm2程度の低油圧に減圧する減
圧バルブ45が設けられている。
なお、この減圧バルブ45は後述のトラクシヨ
ンコントロールに必要な最大油圧を設定するよう
設けられているものである。
圧力感知式シヤツトバルブ46は、バルブ本体
80内に摺動可能に嵌装され、小径端81と大径
端82とを具えた圧力差応動ピストン83を有す
る。小径端81は、バイパス油路43の上流部分
に通じる入口84とその下流部分に通じる出口8
5との連通を制御するボール86を、入口84に
対向して固着している。大径端82には制御口8
7を介して油路39内の油圧が作用するようにな
つている。大径端82の受圧面積A4は小径端8
1の受圧面積A3の4倍程度に選定されており、
従つて、小径端81には減圧バルブ45によつて
減圧された40Kg/cm2程度の油圧が常時作用するの
で、油路39即ちブースタ2の倍力室内2a内の
油圧(大径端82に作用する油圧)が10Kg/cm2
上になると、大径端82及び小径端81に作用す
る油圧と受圧面積との関係により、ピストン83
が第1図右方に動かされてボール86が入口84
を閉じ、バイパス油路43が遮断されることとな
る。
第1及び第2圧力感知式常閉型チエツクバルブ
26及び27は同一であり、第2図に示されてい
るように、各バルブは、マスターシリンダ1の圧
力室11又は12に通じる入口50及び左又は右
前輪ブレーキのホイールシリンダに通じる出口5
1を具えたバルブ本体52を有する。バルブ本体
52の内部には、段付けられた圧力差応動ピスト
ン53が摺動可能に内嵌され、また同ピストンに
はボール54を一端に固着したプランジヤ55が
摺動可能に内嵌されている。バルブ本体52とピ
ストン53との間には強いコントロールスプリン
グ56が介在されると共に、ピストン53とプラ
ンジヤ55との間には弱いリターンスプリング5
7が介在されていて、通常入口50と出口51と
の連通を閉じるようにボール54をバルブシート
58に対して押圧保持している。マスターシリン
ダ1からの圧油が入口50に供給されると、ピス
トン53の両端の受圧面積A1とA2間の差により
ピストンがコントロールスプリング56に抗して
移動され、ボール54は弱いリターンスプリング
57によつてのみバルブシート58に対して押圧
されることとなり、通常の一方向チエツクバルブ
の機能を果すようになる。
第3図に示すように、遷移点での圧力値が可変
となるプレツシヤコントロールバルブ37は、車
体に取付けられるハウジング60に固定されるバ
ルブ本体61を有する。バルブ本体61の内部に
は圧力応動ピストン62が移動可能に内嵌され、
また同ピストンには、圧力差応動バルブプランジ
ヤ63が移動可能に内嵌されると共に、バルブ本
体61に固定された円筒状の通路形成部材64が
内嵌されている。バルブプランジヤ63の中央貫
通孔65はマスターシリンダ1の圧力室13に通
じ、その右端にバルブ部材66を移動可能に遊嵌
すると共に、バルブシート67を固着している。
通路形成部材64は、後輪ブレーキのホイールシ
リンダに通じる中央貫通孔68を具えると共に、
ピストン62の右端の受圧面69をブースタ2の
サーボアツプ室2bに連通させる複数の開口70
を具えている。ピストン62の左端及びバルブプ
ランジヤ63の中央肩部に当接する環状スプリン
グシート71とバルブ本体61との間にはコント
ロールスプリング72が介在されると共に、プラ
ンジヤ63とバルブ部材66との間にはリターン
スプリング73が介在されていて、通常ピストン
62を右方当接位置に保持すると共に、プランジ
ヤ63をピストン62の開口付中央隔壁に当接せ
しめバルブ部材66をバルブシート67から離隔
させている。
次に、上述した油圧制動装置の作動について説
明する。
周知の構造の車両重量センサによつて検出され
た車両の荷重が設定値よりも小さい空車時又は軽
積車時、サーボアツプバルブ42は、第1図に示
すようにサーボアツプ油路41をリザーバ16に
連通する非作動位置にあり、プレツシヤコントロ
ールバルブ37は第3図に示す位置にある。この
状態において、ブレーキペダルを踏んで制動を行
うと、ブースタ2の倍力室2a内にはアキユムレ
ータ19からの圧油が供給されて油圧が発生し、
この油圧は倍力ピストン5の受圧面5aに作用し
てマスターシリンダ1のピストン7,14,15
を動かし圧力室11,12,13内のブレーキ油
を加圧する。各圧力室11,12,13内に発生
たマスターシリンダ油圧は常開のシヤツトバルブ
23,24,25を経て対応するブレーキのホイ
ールシリンダに連通され、車両が制動される。こ
の際、後輪ブレーキ油圧はプレツシヤコントロー
ルバルブ37の圧力差応動バルブプランジヤ63
の両端受圧面に作用し、この油圧が或る圧力値に
達すると、プランジヤ63はその受圧面積差のた
めにスプリング72に抗して第3図左方へ動かさ
れ、バルブ部材66がスプリング73によつてバ
ルブシート67に係合せしめられてホイールシリ
ンダへの油圧の連通が遮断される。その後、圧力
室13内の油圧が上昇し、プランジヤ63の左端
受圧面に作用する油圧による力とスプリング72
との合力がプランジヤの右端受圧面に作用する油
圧による力よりも大きくなると、プランジヤ63
は右方へ動かれてバルブ部材66をバルブシート
67から離隔させ、油圧を再びホイールシリンダ
へ連通させる。その後更に油圧が上昇する場合に
は、上記動作が繰返し行われ、その結果、第4図
の実線で示すように、後輪ブレーキ油圧は所定の
圧力値以上においてマスターシリンダ油圧即ち前
輪ブレーキ油圧よりも比例的に低下し、後車輪の
ロツクの危険性を低減させている。
車両重量センサによつて検出された車両の荷重
が設定値よりも大きい重積車時、電子制御装置か
らの駆動指令によつて、サーボアツプバルブ42
がサーボアツプ油路41をブースタ2の倍力室2
aに連通する作動位置に動かされる。この状態で
制動が行われると、倍力室2a内に発生した油圧
はサーボアツプ油路41を経てサーボアツプ室2
bに連通し倍力ピストン5の受圧面5bにも作用
して、より大きい倍力でマスターシリンダ1のピ
ストン7,14,15を動かし、より高い油圧を
圧力室11,12,13内に発生させ、ブレーキ
油圧を上昇させることとなる。また、ブースタ油
圧はプレツシヤコントロールバルブ37の圧力応
動ピストン62の受圧面69に作用するので、同
ピストン62が第3図左方へ左端当接位置に動か
されてスプリング72を圧縮し、このスプリング
の予負荷力を増大させることとなり、従つて、前
輪ブレーキ油圧に対し後輪ブレーキ油圧の上昇率
が低下する遷移点での圧力値が上昇する。この結
果、第4図の破線で示すように、重積車時には、
同一のブレーキペダル踏力でも、後車輪のロツク
を起す危険性なしに前後輪ブレーキ油圧を空車時
又は軽積車時に比べ増大させることができ、車両
の制動能力を向上できるのである。
制動中、アンチスキツド装置の車輪速度センサ
は各車輪の回転速度を感知し、電子制御装置は、
このセンサからの回転速度信号から検出した実際
の車両減速度と予め設定された基準減速度とを比
較し、車輪のロツク前兆状態を検出すると圧力調
整装置にロツク防止のための駆動指令を発する。
例えば、左前車輪のロツク前兆状態が検出される
と、電子制御装置からの駆動指令によつて、先ず
第1シヤツトバルブ23が閉作動され、それから
第1アウトレツトバルブ32が開作動されて、左
前輪ブレーキのホイールシリンダ内の圧油の一部
を減圧油路40を経てリザーバ16へ戻し、この
ブレーキ油圧を減圧させて車輪を加速させる。車
輪が所定値まで加速されると、アウトレツトバル
ブ32が閉作動されると共にインレツトバルブ2
9が開作動される。スキツド防止作動を必要とす
るような制動中には、ブースタ2の倍力室2a内
の油圧は通常10Kg/cm2よりも高い圧力値にあるの
で、上述したように、圧力感知式シヤツトバルブ
46の圧力差応動ピストン83は第1図右方に動
かされて入口84と出口85との連通を遮断する
閉位置にある。従つて、倍力室2a内の圧油が一
方向チエツクバルブ47を通り加圧油路39及び
油路35を経てホイールシリンダに供給され、ブ
レーキ油圧が再加工されて車輪が再び制動され減
速される。そして、このときホイールシリンダに
供給される油圧はブースタの倍力室2a内の油圧
であるため、制動状態に応じて適切な加圧を行う
ことができる。その後、再びロツクの前兆が検出
される場合には上記動作が繰返し行われ、ロツク
の前兆が最早検出されなくなると各バルブは第1
図に示す通常位置に戻される。この制動中、各圧
力感知式チエツクバルブ26,27は、上述した
ように、圧力差応動ピストン53にブレーキ油圧
が作用して同ピストンが第2図で左方に動かれた
状態にあつて、チエツクバルブ28と同様に一方
向チエツクバルブとして機能しているので、ブレ
ーキ油圧の再加工時にホイールシリンダ内の油圧
がマスターシリンダ油圧よりも高くなることを防
止している。
このようなスキツド防止作動は、右前車輪及び
後車輪がロツク前兆状態となつた場合にも、同様
にして行われるのである。
制動解除時電子制御装置からの駆動指令が停止
され、各バルブは第1図の通常位置に戻される。
またブレーキペダルら踏力が解除されることによ
り、ブースタ2の倍力室2a(及びサーボアツプ
室2b)内の油圧が低下し、圧力感知式シヤツト
バルブ46のピストン83の大径端82に作用す
る油圧は低下するが、減圧バルブ45を経て小径
端81に作用する油圧は一定であるので、両端8
1と82に作用する油圧と受圧面積との関係によ
つて、ピストン83は入口84と出口85とを連
通する開位置へ戻される。これにより、バイパス
油路43は開放され、インレツトバルブ側には減
圧バルブ45からの油圧が作用することとなる。
同時に各ピストン7,14,15は各リターンス
プリング8,9,10の復元力により休止位置へ
動かされ、各ホイールシリンダ内の圧油は各シヤ
ツトバルブ23,24,25あるいはチエツクバ
ルブ26,27,28を通つて各圧力室11,1
2,13内に戻り、制動が解除される。この際、
各圧力感知式チエツクバルブ26,27は、ブレ
ーキ油圧が或る低圧力値以下となると閉位置に保
持される。また、プレツシヤコントロールバルブ
37では、ホイールシリンダ内のブレーキ油圧が
高い間は、バルブプランジヤ63が第3図左方に
動かされているが、この高油圧がバルブ部材66
の右端にも作用して同部材をスプリング73に抗
してバルブシート67から離隔させて、圧油を圧
力室13へ戻す。ブレーキ油圧が或る低圧力値以
下となると、スプリング72によつてバルブプラ
ンジヤ63が第3図に示すようにピストン62の
中央隔壁に当接せしめられ、バルブ部材66がバ
ルブシート67に対し離隔した状態に保持され
る。
上記制動装置におけるトラクシヨンコントロー
ル作動は次のようにして行われる。車両の発進
時、この実施例では駆動車輪である前車輪の一方
例えば左前車輪がスプリツト路面のため空転する
と、アンチスキツド装置の電子制御装置は車輪速
度センサからの信号によりこの空転を検出して駆
動指令を発し、第1シヤツトバルブ23が閉作動
されると共に第1インレツトバルブ29が開作動
される。制御解除中には、ブースタ2が作動して
いないので前述のアンチスキツド制御の場合のよ
うに倍力室2aの油圧を利用して加圧を行うこと
は不可能であるが、このとき圧力感知式シヤツト
バルブ46がバイパス油路43を開く開位置にあ
るので、アキユムレータ19から減圧バルブ45
を介してトラクシヨンコントロールを行うに十分
な所定の低圧力値に減圧された圧油が加圧油路3
9を経て油路35に供給される。この際、一方向
チエツクバルブ47は閉位置にあり、またマスタ
ーシリンダ1の圧力室11には油圧が発生してお
らず、チエツクバルブ26は上述したように閉位
置に保持されているので、左前車輪のブレーキの
ホイールシリンダ内に油圧が発生してこの車輪が
制動される。この結果、当業技術者には良く知ら
れているように、車両の差動装置による差動作用
が制限され、右前車輪の駆動力が増大されて車両
の発進が可能となるのである。
このようなトラクシヨンコントロール作動は、
右前車輪が空転する場合にも、同様にして行われ
るのである。
本考案の一実施例について図示し説明したが、
本考案はこれにのみ限定されるものではなく、幾
多の変更、修正を加え実施できるものである。例
えば、圧力感知式シヤツトバルブ46の代りに、
ブースタ2の倍力室2a内の油圧及びバイパス油
路43内の油圧に応動する周知の構造のスリーウ
エイバルブを使用して、一方向チエツクバルブ4
7を省略したり、あるいは、このシヤツトバルブ
又はスリーウエイバルブをブースタ油圧にのみ応
動する構造のものとすることができる。また、2
連のタンデム型マスターシリンダを使用し、左右
後輪ブレーキの油路38には、マスターシリンダ
の圧力室からではなく、ブースタ2の倍力室2a
からブレーキ圧油を供給するようにし、この油路
38のインレツトバルブ31を省略したり、同様
に2連のタンデム型マスターシリンダを使用し、
2つの圧力室からそれぞれ右前輪及び左後輪ブレ
ーキと左前輪及び右後輪ブレーキとへ同一のバル
ブ構成でX配管することもできる。更に上記実施
例では、本考案による油圧制動装置を前輪駆動車
に採用しているが、後輪駆動車に採用することも
勿論可能である。更にまた、ブースタ2の倍力比
及びプレツシヤコントロールバルブ37の遷移点
での圧力値が3段以上あるいは連続的に変化でき
るようにすることも可能である。
考案の効果 以上のように、本考案の油圧制動装置による
と、アンチスキツド装置のシヤツトバルブ23,
24及びインレツトバルブ29,30を兼用し、
且つ圧力感知式のシヤツトバルブ46及び一方向
チエツクバルブ47を用いて、車両発進時のトラ
クシヨンコントロールを可能にしているので、電
子制御装置は、前述したようにトラクシヨンコン
トロール機能を発揮するためにバイパス油路制御
用の電磁式スイツチバルブを用いた場合に比べ、
このスイツチバルブ内のソレノイドの駆動を制御
する回路が不要となり、電子制御装置の構造を簡
素化できると共に、コスト低減を計ることができ
るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案による油圧制動装置の一実施例
を示す油圧回路図、第2図は第1図の圧力感知式
常閉型チエツクバルブの詳細断面図、第3図は第
1図のプレツシヤコントロールバルブの詳細断面
図、第4図はプレツシヤコントロールバルブによ
るブレーキ油圧特性図である。 1……マスターシリンダ、2……油圧式ブース
タ、2a……倍力室、2b……サーボアツプ室、
5……倍力ピストン、5a,5b……受圧面、
7,14,15……ピストン、11,12,13
……圧力室、18……油圧ポンプ、19……アキ
ユムレータ、20……供給油路、23,24,2
5……シヤツトバルブ、26,27……圧力感知
式常閉型チエツクバルブ、28,47……一方向
チエツクバルブ、29,39,31……インレツ
トバルブ、32,33,34……アウトレツトバ
ルブ、35,36,38……油路、37……プレ
ツシヤコントロールバルブ、39……加圧油路、
40……減圧油路、41……サーボアツプ油路、
42……サーボアツプバルブ、43……バイパス
油路、45……減圧バルブ、46……圧力感知式
シヤツトバルブ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. マスターシリンダ1の圧力室11,12から駆
    動車輪のブレーキに通じる油路35,36内に設
    けられたシヤツトバルブ23,24と、上記マス
    ターシリンダのための油圧式ブースタ2の倍力室
    2aから上記油路のシヤツトバルブ下流側に通じ
    る加圧油路の39内に設けられたインレツトバル
    ブ29,30と、上記油路35,36のシヤツト
    バルブ下流側からリザーバ16に通じる減圧油路
    40内に設けられたアウトレツトバルブ32,3
    3と、上記加圧油路内に設けられ上記倍力室から
    上記インレツトバルブ側への圧油の流れのみを許
    容するチエツクバルブ47と、上記倍力室に圧油
    を送る油圧源18,19を上記加圧油路のインレ
    ツトバルブとチエツクバルブとの間に連通させる
    バイパス油路43と、同バイパス油路内に設けら
    れると共に上記倍力室内の油圧を受けて作動し同
    油圧が所定圧力値以上の時には上記バイパス油路
    を遮断する一方、同油圧が上記所定圧力値以下の
    時には上記バイパス油路を経て上記油圧源からの
    圧油を上記インレツトバルブへ流通させるよう構
    成された圧力感知式バルブ手段46と、上記駆動
    車輪のロツク時及び空転時にはシヤツトバルブを
    閉作動させると共にインレツトバルブ及びアウト
    レツトバルブを開閉制御する制御手段とを設けて
    成る電子制御式アンチスキツド装置を備えた油圧
    制動装置。
JP8662284U 1984-06-13 1984-06-13 油圧制動装置 Granted JPS613126U (ja)

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