JPH0324315Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は機械プレスの給油に関するものであ
る。すなわち、機械プレスの減速装置のギヤ一部
に潤滑油を供給するための構造に関するものであ
る。

「従来の技術」「問題点」 従来はオイルバスあるいは振かけによつてい
た。前者は油温上昇のため高速回転には適さず、
後者は、振かけ部の配管が切損してギヤー内に入
り事故になるおそれがあり、さらに、油が飛散し
て機体外に出るおそれがあつて確実な給油は期待
できなかつた。

「問題点を解決するための手段及び作用」 減速用のギヤーを２つ割にして、内部に入つた
油を遠心力により、ギヤーのリム部に設けた半径
方向の穴を通して歯面に供給する構成とした。

「実施例」 第１図及び第２図において、プレス１の機体の
クラウン部２には駆動ユニツトのユニツトケース
３が着脱自在に固定されている。ユニツトケース
３には駆動軸４が回転自在に設けられ、駆動軸４
にはフライホイール５、クラツチ６及びブレーキ
７が設けられている。駆動軸４の中央部にはピニ
オンギヤ８が設けられ、これがメーンギヤ９とか
み合つている。メーンギヤ９はユニツトケース３
に回転自在に設けられている。ユニツトケース３
から突出している駆動ユニツトの出力軸はプレス
１の主クランク軸１０とカツプリング１０ａによ
り連結されている。主クランク軸１０の偏心ピン
にはコンロツド１２，１２を介してプレス１のス
ライド１１が連結されている。フライホイール５
はプレス１のメーンモータ（図示せず）と連結さ
れて駆動され、クラツチ６を接、ブレーキ７を解
放とすれば駆動軸４はフライホイール５の回転が
伝達され、逆にクラツチ６を断、ブレーキ７を制
動とすれば駆動軸は停止する。メーンギヤ９の中
心がユニツトケース３の出力軸と同心に設けられ
た場合は主クランク軸１０は等角速度回転を行な
い、プレス１はクランクプレスとして使用され
る。メーンギヤ９がユニツトケース３の出力軸と
偏心して設けられ後述するところにより出力軸と
連結された場合は早戻りプレスとして使用され
る。主クランク軸１０はクラウン部２から左右両
側に突出して設けられ、その先端部はプレス１の
付属機器に動力を伝達するための出力軸として使
用される。

第２図において、早戻り機構を設けたユニツト
ケース３の内部構造を示している。ユニツトケー
ス３の上部には、駆動軸４がころがり軸受１３を
介して回転自在に支持されている。駆動軸４の中
央部にはピニオンギヤ８が一体に設けられてい
る。ピニオンギヤ８とかみ合うメーンギヤ９はユ
ニツトケース３に固定したメーンギヤガイド１
４，１４により回転自在に支持されている。メー
ンギヤ９は左右対称の２つ割構造で、ギヤピン１
５，１６及び複数のボルト１７で固定され中空部
が設けられている。メーンギヤ９の中心O₂に対
し距離Ｄだけ偏心した中心O₁を有する副クラン
ク軸１８がユニツトケース３のメーンギヤガイド
１４に回転自在に支持されている。ギヤピン１
５，１６の中心O₃はメーンギヤ９の中心O₂から
距離Ｃを半径とする円周上に互に180゜反対側に設
けられている。副クランク軸１８には偏心量Ａを
有する偏心部１９がメーンギヤ９の中空部内に設
けられ、偏心部１９とギヤピン１５との間はリン
ク２０で連結されている。ギヤピン１６にはリン
ク２０及び偏心部１９によるメーンギヤ９のアン
バランス量を減少させるためのバランスウエイト
２１が嵌入されている。

ころがり軸受１３、給油口２２，２３には加圧
された潤滑油が供給される。給油口２２，２３は
メーンギヤ９の反対側にも設けられているが図示
していない。給油口２２，２３から供給された潤
滑油はメーンギヤ９とメーンギヤガイド１４間の
軸受面、副クランク軸１８とメーンギヤガイド１
４間の軸受面、ギヤピン１５の油路２４を介して
ギヤピン１５とリンク２０間の軸受面、リンク２
０の油路２５を介して偏心部１９とリンク２０間
の軸受面を潤滑した後メーンギヤ９の中空部に溜
る。メーンギヤ９の中空部外周には歯底に通ずる
油路２６が数個所に設けられ、ピニオンギヤ８と
メーンギヤ９とのかみ合面に中空部に溜つた潤滑
油を供給する。その後油はタンク（図示せず）に
戻る。

「考案の効果」 本考案によればメーンギヤを２つ割構造とし各
軸受部の潤滑後の油をメーンギヤの中空部に溜
め、そこからメーンギヤの歯底に給油することに
より、駆動ユニツトの小形化と給油の効率化とが
計られ、小形化されることにより予備の駆動ユニ
ツトを準備しておくことが容易となり、１台のプ
レスを各種の早戻り態様に使用することを可能と
するなど、実用上の効果と利点は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例を装備したプレス機械の概略正
面図、第２図は実施例の要部縦断面正面図、 １はプレス、２はクラウン部、３はユニツトケ
ース、４は駆動軸、５はフライホイール、６はク
ラツチ、７はブレーキ、８はピニオンギヤ、９は
メーンギヤ、１０は主クランク軸、１１はスライ
ド、１２はコンロツド、１３はころがり軸受、１
４はメーンギヤガイド、１５はギヤピン、１６は
ギヤピン、１７はボルト、１８は副クランク軸、
１９は偏心部、２０はリンク、２１はバランスウ
エイト、２２は給油口、２３は給油口、２４は油
路、２５は油路、２６は油路である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 プレス機械のクラウン中央部に着脱自在に設け
   られ、そのユニツトケースに回転自在に支承さ
   れ、フライホイール及びクラツチ・ブレーキを有
   する駆動軸と、この駆動軸の中央部に設けたピニ
   オンギヤと、このピニオンギヤとかみ合い、前記
   ユニツトケースに回転自在に支承され、左右対称
   の２つ割構造を有する中空のメーンギヤと、この
   メーンギヤと偏心して前記ユニツトケースに回転
   自在に支承され、プレスの左右の夫々のクランク
   軸と同心に連結され、偏心部をメーンギヤの中空
   部に設けた副クランク軸と、前記メーンギヤに軸
   心と平行にかつ偏心して設けたギヤピンと、この
   ギヤピンと前記副クランク軸の偏心部を連結する
   リンクとを具えた駆動ユニツトの給油装置におい
   て、 前記ユニツトケースの給油口から前記ギヤピン
   及びリンクを貫通し、前記副クランク軸の偏心部
   に到る油路２５と、 前記メーンギヤの中央部からギヤ底に貫通して
   設けられ、メーンギヤの中空部に溜つた潤滑油を
   メーンギヤと前記ピニオンとの接触面を潤滑する
   油路２６と、 を具備することを特徴とするプレス機械の駆動ユ
   ニツトにおける給油装置。