JPH03232923A - 板厚中心部まで高靭性な溶接性高強度鋼の製造方法 - Google Patents

板厚中心部まで高靭性な溶接性高強度鋼の製造方法

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JPH03232923A
JPH03232923A JP2629990A JP2629990A JPH03232923A JP H03232923 A JPH03232923 A JP H03232923A JP 2629990 A JP2629990 A JP 2629990A JP 2629990 A JP2629990 A JP 2629990A JP H03232923 A JPH03232923 A JP H03232923A
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steel
less
center
heating
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JP2629990A
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Seinosuke Yano
矢野 清之助
Tadashi Koseki
小関 正
Yoshihiro Okamura
岡村 義弘
Hiroyuki Kinoshita
浩幸 木下
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、建設機械、海洋構造物、橋梁、圧力容器、溶
接鋼管その他溶接構造物用に適する、板厚表層部から中
心部まで低温靭性および溶接性に優れた高強度鋼の製造
方法に関するものである。
(従来の技術) 従来、溶接性に優れた高強度鋼の製造方法として、〔B
〕 (ボロン)を微量添加してその焼入れ性向上効果を
利用する方法がよく知られている。
すなわち、A、Q−B処理あるいは、低N化処理を施し
、CBIの焼入れ性向上効果を最大限に発揮させ、C,
Nj 、Cr 、Moなど焼入れ硬化性増加元素の添加
を最小限に抑え溶接性の指標の−っである炭素当量を低
減させたうえで通常の焼入れ焼きもどし法、あるいは、
直接焼入れ焼きもどし法によって製造する方法か例えば
、特公昭602041号公報、特公昭60−25494
号公報などに開示されている。
一方、CB)を利用しないで高強度鋼を製造する方法と
しては、Cuの析出硬化を利用したNI−Cu鋼(A 
S 7M規格のA710鋼)が知られており、析出硬化
処理、規準および析出硬化処理、焼入れおよび析出硬化
処理などにより製造されている。
(発明が解決しようとする課題) CB)の焼入れ性向上効果を利用する方法は、たしかに
C,Ni 、Cr 、Moなとの元素が低減でき溶接施
工前の予熱温度を下げても割れが発生しないなど溶接性
は向上するが、厚肉圧延鋼材においては、鋼板表層部か
ら1/4を部は、CB)による焼入れ性向上効果により
マルテンサイトあるいは下部ベイナイト組織とマルテン
サイトとの細粒混合組織となり良好な靭性が得られるも
のの、板厚中心部においては粗粒で、上部ベイナイト組
織か生成するために十分な靭性が得られない。また、板
厚中心部の靭性を向上させるため、粗粒でも有効結晶粒
か比較的小さく靭性が良好な下部ベイナイト組織を増そ
うとすると、合金元素はさほど低減せず、その結果、溶
接性の向上を十分に達成できなくなる。
一方、低C−Ni−Cu鋼は、溶接性ではAρ−B処理
鋼よりも優れているものの、他の組織が上部ベイナイト
あるいはアシキュラー・フェライトであるため、細粒で
ないと良好な靭性か得られず、細粒化が困難な厚肉材の
板厚中心部では良好な靭性を得ることが一層困難である
これらの対策の一つに、近年一般に適用されるようにな
った鋼片を低温加熱したのち制御圧延を用いる方法があ
るが、鋼片を低温均一に加熱するには長時間を要し、生
産性を著しく落とすばかりか圧延後の形状も不良になる
場合が多く、また、鋼板表層部から1/4を部で強度・
靭性の異方性が大きくなるなど適切な対策と言えるもの
ではない。
したかって、いづれの材料も厚肉材の板厚中心部まで高
靭性を得るためには、Niなど靭性を向上させる合金を
多量に添加する対策をとるはかなく、溶接性および経済
性に欠ける点か課題であった。
本発明は、上記課題を解決した板厚中心部まで高靭性な
溶接性高強度鋼の製造方法を提供するものである。
(課題を解決するだめの手段) 本発明者らは、溶接性および板厚中心部の低温靭性に優
れた、板厚25++on以上の厚内高張力鋼を開発する
ことを目的に、鋼およびその製造方法について種々実験
した結果、高価な合金を多量に添加することなく厚肉材
の板厚中心部の靭性を向上させる加熱圧延方法を見出し
た。
すなわち、本発明者らは、−旦高温に加熱され粗大化し
たオーステナイト組織でも、鋼片の表層部から1/4を
部では、再結晶温度域および低温未再結晶温度域で適切
な圧延を行なえば細粒化するという事実、ざらに厚肉材
の板厚中心部でも、鋼片を低温加熱圧延すれば細粒化が
達成されるという事実を注意深く考察したのち、この二
つの現象を同時に生じさせれば、目標とする細粒化が厚
肉材の板厚各位置で得られると考えた。
本発明はこのような基本思想に基づいて構成したもので
、その要旨は、重量%でC: 0.02〜0.20%、
S i:0.01〜0.5%、M旧0.3〜1.5%、
Aρ二〇、01〜0.08%、N : 0.01%以下
を含有する鋼を基本成分とし、さらにNi:0.1〜1
0%、Cu:2.5%以下、Cr:0.L〜3.0%、
Mo : 0.1−1.5%、W:0.1−1.5%、
Nb:0.005〜0.05%、Ta。
0.01〜0.05%、V :0.005〜0.10%
、Ti:0.005〜0.03%、B :0.002%
以下、Ca:0.0005−0.006%、Ceなど稀
土類元素: 0.03%以下の一種または二種以上を含
有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼片を熱
間圧延するため加熱する工程において、鋼片の厚みの中
心部の最低温度がAc3点に到達したのち鋼片表層部と
の温度差が50℃以上250℃以下ある不均一加熱状態
で加熱炉から鋼片を抽出し、該鋼片をオーステナイトが
再結晶する温度域で圧下率10〜70%、ついでオース
テナイトが再結晶しない温度域で圧下率20〜75%と
なるように熱間圧延を行ない、続いてAr3以上の温度
から水冷を開始し600°C以下の温度で停止する直接
焼入れ処理を行ない、その後必要によりAc、意思下の
温度で焼きもどし処理を行なって製造する方法である。
(作  用) 以下本発明を、作用とともに詳細に説明する。
まず、本発明において鋼成分を上記のように限定した理
由を述べる。
C:Cは焼入れ性を向上させ強度を確保するのに必要な
元素である。しかし、本発明の目的の一つである溶接性
を考慮すると、0.20%を超える含有量では溶接熱影
響部(Heat Af’rected Zone:以下
HAZと略記する)の硬化が著しく溶接性が低下する。
また、0.02%未満での低い含有量では他1 の合金元素を増加しても必要な強度を確保できない。し
たがって、C含有量の範囲を0.02〜0.20%とす
る。
Si:Siは製鋼上脱酸元素として必要な元素であり、
0.01%は鋼中に含有されるが0.5%以上になると
母材およびHAZの靭性、溶接性を低下させるためSt
含有量を0.OI〜0.5%とする。
Mn:Mnは焼入れ性を向上させ強度・靭性の確保およ
び熱間加工時の割れ、溶接時の熱間割れ防止のために必
要であるが、1.5%以上では焼きもとし脆性感受性が
増すので靭性が低下する。また、0,3%未満では強度
および靭性が低下する。
したがって、Mnの含有量を0.3〜1.5%とする。
A、17:Alは脱酸のために必要な元素であると同時
に、鋼片加熱時に窒化物を形成してオーステナイト粒を
細粒化する有用な元素である。しかし、0.01%未満
ではその効果が小さく、また、0.08%を超えるとア
ルミナ系介在物が増加して靭性を低下させる。
N:NはAlやTi と結合して窒化物を形成し2 オーステナイト粒の粗大化防止に有効に働く。しかし、
N量が多くなるとHAZの靭性を低下させるため、上限
を0.01%とする。
本発明では、上記基本成分のほかにNi、Cu。
Cr、Mo、W、Nb、Ta、V、Ti 、B。
CaおよびCeの一種または二種以上を添加して板厚中
心部まで所望の強度・靭性を有する溶接性高強度鋼を得
ることが可能である。すなわち、Nj:Njは鋼の低温
靭性を向上させるほか焼入れ性を高めて強度を向上する
。この目的のため0.1%以上必要である。しかし、1
0%を超えると溶接硬化性が増し溶接性の低下を招くこ
とと経済性を損なうこととから10%を上限とする。
Cu:2.5%以下のCuは靭性を低下させずに強度を
上昇させるのに有効であるが、上限値を超えて添加する
と溶接時に溶接部に熱間割れを生じやすくする。
Cr:Crは焼入れ性および強度を確保する上で0.1
%以上1必要である。一方、3.0%を超えると炭化物
か異常に増加し靭性を低下させる。した 3 かって、添加量を0.1〜3.0%と限定する。
Mo:Moは焼入れ性を向上させ強度を確保するほか焼
きもとし脆性を防止する。また、未再結晶温度域を拡大
し低温圧延による細粒化効果を助長する。これらの効果
は0.1%未満では十分に現われない。また、1.5%
を超えると粗大な炭化物を生成して靭性を低下させるは
かHAZを著しく硬化させる。よってMo含有量を0.
1〜1.5%とする。なお、Moの一部または全部をW
と置換できる。
Nb:Nbは0.005%以上の添加でMoと同じく未
再結晶温度域を拡大して低温圧延による細粒化効果を助
長するほか焼きもどし時に炭・窒化物を生成して強度を
上昇させる。しかし、0605%を超えるとHAZの靭
性を低下させる。なお、Nbの一部または全部をTaと
置換できる。
V:Vは焼きもどし時に炭・窒化物を生成して析出硬化
により強度を上昇させる。そのためには0.005%以
上の添加が必要であるが、0.1%を超えると靭性が低
下する。
4 Ti:Ti はオーステナイト粒およびHAZの組織の
粗大化を防ぎ、母材およびHAZの靭性向上に有効な元
素であるが、0.005%未満ではその効果が小さく、
また、0.03%を超えるとかえってHAZの靭性だけ
でなく母材の靭性まで低下させるので上限を0.03%
とした。
BIBはHAZを硬化させ、耐応力腐食割れ性を低下さ
せるので応力腐食割れが懸念される溶接構造物に適用す
る鋼材に対してB含有量を0.0002%以下に規制す
るが、それ以外の場合はBの焼入れ性向上効果による強
度・靭性の向上、合金元素の低減を目的に積極的に添加
する。そのためには0.0003%以上必要であるが0
.0020%を超えると靭性の低下をもたらす。
Ca:Caは非金属介在物の球状化に有効であり、靭性
の異方性を小さくする効果がある。また、溶接後残留応
力除去焼鈍による割れ防止に効果を発揮する。そのため
には0.0005%以上必要であるがo、ooeo%を
超えると介在物の増加により靭性を低下させる。なお、
この一部または全部をCeな 5 ど稀土類元素と置換できるがその含有量の上限は0.0
3%とする。
上記の成分にほかに、不可避的不純物としてP。
Sなどは本発明の特性である靭性を低下させる有害な元
素であるからその量は少ない方がよく、好ましくは、P
≦0.010%、S≦0.005%である。
次に本発明のもう一つの骨子である製造法について述べ
る。
上記のような鋼成分であっても、厚肉材の板厚方向の靭
性を均一に高靭性化させるには製造方法が適切でなけれ
ばならない。ここで鋼片の加熱、圧延、冷却、焼きもど
し条件の限定理由について説明する。
まず、鋼片を熱間圧延するため加熱する工程においては
、鋼片の表面から温度上昇が生じ、熱伝動によって鋼片
内部に熱が伝わるが、本発明においては、その鋼片の厚
みの中心部の最低温度がAc3点に到達したのち、Ac
、点+200℃以下にあって鋼片表層部との温度が50
℃以上250℃以下あるような、均一な加熱状態になる
前の不均一 6 な加熱状態で鋼片を加熱炉から抽出し圧延を行なつ0 従来、鋼片の加熱は温度の精度を保って可能な限り均一
に加熱し圧延するのが常識となっている。
たとえば、現在、鋼片加熱炉の主流である連続加熱炉で
は、換熱帯、予熱帯、加熱帯の後、均熱帯を必ず設けて
鋼片表層と中心部との温度差を可能な限り小さくする工
夫をしており、鋼片内の温度差を最大でも30℃以内を
目標に加熱作業が行なわれている。
しかし、本発明においては上記のように意識的に鋼片厚
み方向に温度差をつけ、中心部では低温加熱状態からの
圧延を、表層部から1/4 を部ではより高温の加熱状
態からの圧延を開始し、以下に述べる圧延条件と組み合
わせて結晶粒の細粒化を板厚各位置で実現することによ
って板厚中心部まで高靭性を得るものである。すなわち
、板厚中心部を低温にし、初期オーステナイト粒を細粒
化した状態で圧延するのが本発明の基本思想である。
第1図に、後述する実施例の鋼Aについて、圧延条件は
本発明の範囲であるが、鋼片内部の温度を種々かえたと
き、すなわち表層部と中心部の温度差と鋼板各部位(O
印:中心部、・印:表層および1/4厚部)における靭
性(v T rs)との関係を示したが(図中の数字は
O印(鋼片中心部)の実測温度)、温度差50℃以上で
特に中心部の靭性向上が著しいことが明らかである。し
かし250℃以上に温度差が拡がると鋼片表面部位の温
度が高くなリオーステナイト結晶粒が粗大化し・印のご
とく靭性か低下する傾向となる。このように本発明は、
鋼片中心部を表層部より50〜250℃の範囲に低温に
して、熱間圧延を行なうものである。
なお、本発明における鋼片内部温度の管理には、実測、
計算等種々な方法を適用することができるが、例えば連
続加熱炉内の鋼片の温度は、一般に、コンピューターを
使用し、一定周期で厚さ方向の1次元熱伝導方程式を差
分法により計算して管理されており、これは実測値に対
する計算誤差は約20℃以内というよい精度である(神
戸製鋼技報/Voi7.33. No、4  r熱延工
場加熱炉)計算機制御」参照)ので、本発明においても
同様の手法を用いて鋼片中心温度を管理してもよい。ま
た、簡便にはHejslcrの計算図表(M、 P、 
He1sler著:“Temperature Cha
rts for Induction andCons
tant−Temperature Heating″
Transact tonsorthe Americ
an 5ociety of’ Mccl+an+ca
l Engineers 1947 Aprjl)によ
ってもよく、特に後者は鋼片加熱炉がバッチ炉の場合に
適する(適用の一例W、 Trjnks & M、 t
(、Mawhinney著、鈴木弘、井田緑朗共訳二工
業用加熱炉(上巻)コロナ社420頁参照)。
次に熱間圧延の条件であるが、加熱炉から鋼片を抽出後
オーステナイトが再結晶する温度域で圧下率10〜70
%、ついでオーステナイトが再結晶しない温度域で20
〜75%圧下する圧延を行なう。この第一の圧延の目的
はオーステナイト粒の細粒化であり、第二の圧延の目的
は、オーステナイト粒内に変形帯を形成させて転位密度
を増加させ、冷却過程または焼きもどしの時に析出物を
転位に優先的に析出させて効果的な析出強化を得ること
と9 フェライト核の増加とにある。ここで再結晶する温度域
の圧下率を小さくし未再結晶温度域の圧下率を高くする
と、オーステナイトの細粒化が不十分となり、粗大な伸
長オーステナイト粒が形成され、強度、靭性の異方性が
著しく増し、応力腐食割れ感受性を高める。逆に、再結
晶温度域の圧下率を高くして未再結晶温度域の圧下率を
低くすると、オーステナイト粒は細粒化されるがオース
テナイト粒内に変形帯の形成か不十分となり析出強化も
不十分となる。以上の理由から、鋼片の加熱炉抽出温度
や厚さ、更には、中心温度、およびそれと表面温度との
差などによって、必要な圧下率を再結晶温度域で10〜
70%、未再結晶温度域で20〜75%となるように調
整する。
冷却条件については、圧延後直ちにAr3点以上の温度
から水冷を開始し、600℃以下の温度で停止する焼入
れまたは水冷処理を行なう。これは目的の強度と靭性を
得るのに必要な結晶組織を確保するためと析出強化元素
を冷却過程で析出させないでその後の焼きもどし工程で
析出させ強化の0 効率を上げるためである。たたし、製造する鋼種の引張
強度レベルか6hg f /−級以下の場合は、水冷停
止温度を300°C以上600℃以下の任意の温度に選
びその後空冷する冷却を行なって焼きもどし処理を省略
しても良い。このような熱間圧延と直接焼入れまたは水
冷処理された鋼のオーステナイト粒は、再加熱焼入れさ
れた鋼よりも細粒である。
熱間圧延後300℃よりも低い温度に直接焼入れまたは
水冷された鋼は、その後Ac1点以下の温度で焼きもど
し処理を行なう必要がある。この焼きもどし処理は、析
出強化元素の析出物を十分に析出させ強化に利用するた
めと組織を十分に回復させて靭性を得るためである。し
がしAc+点を超えた温度では、強度・靭性が著しく低
下するのでAct点以点上下定しな。
このような製造工程で製造された鋼板は、低炭素にもか
かわらす板厚方向に均質な高強度・高靭性が得られ、か
つ溶接HAZの硬化性が著しく減少するなめ溶接性が向
上し、また耐応力腐食割れ性も著しく改善される。
(実 施 例) 次に本発明の実施例について説明する。
第1表に示す組成を有する鋼を溶製して得な鋼片を、第
2表に示す本発明法と比較法の各々の製造条件に基づい
て、板厚50〜100間の鋼板を製造した。これらにつ
いての母材の機械的性質を板厚各部について調査しな。
その結果を第3表に示す。
特開平3 232923 (7) 第3表に見られるように本発明例の母材の強度と靭性は
、板厚方向の差が小さくかつ十分に高い値である。これ
に対し製造条件3.14.1.6.1.820は、−量
的に実施されている加熱法で圧延の条件は本発明法の条
件に適合した比較例であるか、全体に靭性が低く、特に
板厚中心部の靭性か著しく低い。これは板厚中心部の鋼
片加熱温度が高く、オーステナイト結晶粒が粗大でその
後の圧延によっても細粒化が十分に行なわれなかったた
めである。また、製造条件11は、鋼片加熱において表
面部と中心部の温度差が過大になった例であるが、この
場合は表層部の靭性が低下する。本発明法の圧延法によ
っても表層部の細粒化が不十分なためである。
次に、加熱条件は本発明の条件に適合するが、圧延の条
件が異なる比較例を挙げる。まず、製造条件5は、オー
ステナイトが再結晶する温度域での圧延を行なわず、す
べての圧延を未再結晶温度域で実施した場合であるが、
オーステナイト結晶粒の細粒化が不十分で粗大な伸張粒
からの変態組8 織になるため靭性が低下している。また、製造条件7は
、これと逆に全ての圧延をオーステナイトが再結晶する
温度域で行なったものであるが、変形帯の形成と細粒化
が不十分て強度も靭性も共に低下している。製造条件1
.0.12は、再結晶域および未再結晶域で圧延を実施
しているが、圧延の条件が適正でなく細粒化と変形帯の
形成がなお十分でなく特に板厚中心部の靭性か低い。以
上の4例と製造条件9.13(本発明法)とを比較して
みると、いずれも加熱条件は本発明の規定する範囲にも
かかわらず、後者では圧延条件が適切であるためl/2
 を部でも細粒の上部ベイナイト組織が生成し、目標の
高い性能が得られる。
(発明の効果) 本発明による組成範囲および製造法により、板厚表層部
から中心部まで高靭性で、しかも溶接硬化性が低く溶接
低温割れ性の優れた高強度鋼の製造が可能となった。特
に厚手材では従来の製造法で板厚中心部まで高靭性を得
ようとすると、鋼成分を増加せざるを得す、溶接予熱温
度を相当に高2つ くしないと溶接割れの心配があったのを解消した。
また、本発明により、加工熱処理法に必要な低温加熱が
不可能であった旧来の加熱炉でも高強度、高靭性鋼を製
造できるようになった。さらに、従来の加熱法に比べ、
加熱時間が著しく短縮でき加熱炉の能力が向上し、加熱
コストの低い経済的な加熱ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、圧延条件が本発明に適合する鋼Aについて、
鋼片表層部と中心部との温度差が鋼板の1/2を部の靭
性におよぼす影響を示す図面である。 復代理人 弁理士 田村弘明

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Al:0.01〜0.08% N:0.01%以下 を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼片
    を熱間圧延するため加熱する工程において、鋼片の厚み
    の中心部の最低温度がAc_3点に到達したのちAc_
    3点+200℃以下にあって鋼片表層部との温度差が5
    0℃以上250℃以下ある不均一加熱状態で加熱炉から
    鋼片を抽出し、該鋼片を、オーステナイトが再結晶する
    温度域で圧下率10〜70%、ついでオーステナイトが
    再結晶しない温度域で圧下率20〜75%となるように
    熱間圧延を行い、続いてAr_3点以上の温度から水冷
    を開始し600℃以下の任意の温度で停止する直接焼入
    れ処理を行うことを特徴とする、板厚中心部まで高靭性
    な溶接性高強度鋼の製造方法。
  2. (2)C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Al:0.01〜0.08% N:0.01%以下 を含有し、さらに Ni:0.1〜10.0% Cu:2.5%以下 Cr:0.1〜3.0% Mo:0.1〜1.5% W:0.1〜1.5% Nb:0.005〜0.05% Ta:0.01〜0.05% V:0.005〜0.1% Ti:0.005〜0.03% B:0.002%以下 Ca:0.0005〜0.006% Ceなど稀土類元素:0.03%以下 の一種または二種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなる鋼片を熱間圧延するため加熱する工程
    において、鋼片の厚みの中心部の最低温度がAc_3点
    に到達したのちAc_3点+200℃以下にあって鋼片
    表層部との温度差が50℃以上250℃以下ある不均一
    加熱状態で加熱炉から鋼片を抽出し、該鋼片を、オース
    テナイトが再結晶する温度域で圧下率10〜70%、つ
    いでオーステナイトが再結晶しない温度域で圧下率20
    〜75%となるように熱間圧延を行い、続いてAr_3
    点以上の温度から水冷を開始し600℃以下の任意の温
    度で停止する直接焼入れ処理を行うことを特徴とする、
    板厚中心部まで高靭性な溶接性高強度鋼の製造方法。
  3. (3)C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Al:0.01〜0.08% N:0.01%以下 を含有し、残部が鉄および不可避的不純物からなる鋼片
    を熱間圧延するため加熱する工程において、鋼片の厚み
    の中心部の最低温度がAc_3点に到達したのちAc_
    3点+200℃以下にあって鋼片表層部との温度差が5
    0℃以上250℃以下ある不均一加熱状態で加熱炉から
    鋼片を抽出し、該鋼片をオーステナイトが再結晶する温
    度域で圧下率10〜70%、ついでオーステナイトが再
    結晶しない温度域で圧下率20〜75%となるように熱
    間圧延を行い、続いてAr_3点以上の温度から水冷を
    開始し600℃以下の任意の温度で停止する直接焼入れ
    処理を行い、その後Ac_1点以下の任意の温度で焼き
    もどし処理することを特徴とする、板厚中心部まで高靭
    性な溶接性高強度鋼の製造方法。
  4. (4)C:0.02〜0.20% Si:0.01〜0.5% Mn:0.3〜1.5% Al:0.01〜0.08% N:0.01%以下 を含有し、さらに Ni:0.1〜10.0% Cu:2.5%以下 Cr:0.1〜3.0% Mo:0.1〜1.5% W:0.1〜1.5% Nb:0.005〜0.05% Ta:0.01〜0.05% V:0.005〜0.1% Ti:0.005〜0.03% B:0.002%以下 Ca:0.0005〜0.006% Ceなど稀土類元素:0.03%以下 の一種または二種以上を含有し、残部が鉄および不可避
    的不純物からなる鋼片を熱間圧延するため加熱する工程
    において、鋼片の厚みの中心部の最低温度がAc_3点
    に到達したのちAc_3点+200℃以下にあって鋼片
    表層部との温度差が50℃以上250℃以下ある不均一
    加熱状態で加熱炉から鋼片を抽出し、該鋼片をオーステ
    ナイトが再結晶する温度域で圧下率10〜70%、つい
    でオーステナイトが再結晶しない温度域で圧下率20〜
    75%となるように熱間圧延を行い、続いてAr_3点
    以上の温度から水冷を開始し600℃以下の任意の温度
    で停止する直接焼入れ処理を行い、その後Ac_1点以
    下の温度で焼きもどし処理することを特徴とする、板厚
    中心部まで高靭性な溶接性高強度鋼の製造方法。
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