JPH0323219Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、主に歯科治療に用いられるレーザハ
ンドピースに関し、更に詳しくは水及び空気等の
作用媒体とレーザ光とを併用した新規なレーザハ
ンドピースに関するものである。

（従来の技術） 近時、歯科治療の分野に於いてもレーザハンド
ピースが用いられるようになつたことは周知の通
りである。このレーザハンドピースは、レーザ光
源からのレーザ光をハンドピース本体内のレーザ
フアイバーにより導光し、ハンドピース本体の先
端より照射して治療患部をレーザ光のエネルギー
により治療せんとするものが一般的である。

（考案が解決しようとする問題点） ところで、レーザ光を用いた歯科治療に於い
て、レーザ照射と同時に患部を注水、エア噴射或
はスプレー噴射等により冷却すると、レーザの刺
激効果が高まり、また患部周辺の清掃にも役立つ
ことから、従来は別の所謂スリウエーシリンジを
用いてこのような患部の冷却及び清掃がなされて
いた。然し乍ら、レーザハンドピースの操作時に
上記スリウエーシリンジを併用することは、治療
作業が煩雑となり、また術者或は補助者の手を煩
わせることにもなり、円滑な治療を行なう上で障
害ともなつていた。

本考案は、上記に鑑みなされたもので、レーザ
フアイバー２を内装したハンドピースに、注水、
エア噴射或はスプレー噴射等の機能を具備させる
ことにより、上記問題点の一掃を図ると共にレー
ザフアイバーの廻りを水冷することによりレーザ
出力の効率化をも図らんとするものである。

（問題点を解決する為の手段） 上記目的を達成する為の本考案の構成を添付の
実施例図に基づき説明する。第１図は本考案ハン
ドピースの一例を示す部分切欠き正面図、第２図
は第１図線部拡大縦断面図、第３図は第１図の
線部拡大縦断面図、第４図は第２図の線部の
分解斜視図、第５図は第３図の−線縦断面図
である。即ち、本考案のレーザハンドピースは、
ハンドピース本体１にレーザフアイバー２を内装
してレーザ光を該本体１の先端より照射させるよ
うにしたレーザハンドピースであつて、上記レー
ザフアイバー２が通水間隙３をもつて保護管４に
挿通されると共に該保護管４とハンドピース本体
１との間に通気間隙５が確保され、上記通水間隙
３及び通気間隙５より給送された水及び空気が、
ハンドピース本体１の先端より噴出されるように
なされたことを特徴とするものである。

上記レーザフアイバー２は、ハンドピース本体
１内に組み込まれた半導体レーザ発生器６、又は
図には示さないが該本体１とは別に設置されたレ
ーザ光源からのレーザ光を受光し、本体１の先端
部にまで導光しそこで照射させんとするものであ
る。

亦、上記通水間隙３及び通気間隙５は、後記の
実施例で示す如くハンドピース本体１に導入され
た給水管３０及び給気管５０に連通し、該給水管
３０及び給気管５０より供給された水及び空気を
給送してハンドピース本体１の先端より噴出させ
んとするものである。

（作用） 上記構成のレーザハンドピースに於いて、レー
ザフアイバー２により伝送されたレーザ光は、ハ
ンドピース本体１の先端部より治療患部に向け照
射される。亦、該レーザフアイバー２と保護管４
との間の通水間隙３を給送される水は、途中フア
イバー２の周囲を冷却し、本体１の先端より患部
に向け噴射され、患部の冷却及び清掃がなされ
る。更に、保護管４とハンドピース本体１との間
の通気間隙５を給送される空気は、同じくハンド
ピース本体１の先端より患部に噴射される。水と
空気の噴射を同時になすと、スプレー噴射とな
り、このスプレー噴射、注水或はエア噴射によ
り、患部の冷却がなされてレーザの刺激効率が向
上し、治療効果が高まると共に、患部周辺の清掃
も同時になされる。特に、上記スプレー噴射は、
実質的に噴射水の廻りからエア噴射がなされるか
ら、均一な霧化パターンが得られ、上記冷却若し
くは清掃機能の適正化が図られる。

（実施例） 次に実施例により本考案を更に詳細に述べる。
図は、従来のスリウエーシリンジに、新たに作用
媒体としてレーザ光が加わつた謂わばフオーウエ
イシリンジと呼ばれる治療具を示すものであり、
ハンドピース本体１は、グリツプ部１１と、該グ
リツプ部１１にカチツト式の着脱用操作スリーブ
１２を介して着脱自在に連結された先端チツプ部
１３とより成る。グリツプ部１１には、給水管３
０及び給気管５０が導入され、これらはクリツプ
部１１及びチツプ部１３の接合部に於いて、後記
する周溝及び透孔を経て通水間隙３及び通気間隙
５に連通している。

上記グリツプ部１１のチツプ部１３との連結部
には雌筒状の内ケース１４が同軸的に内装され、
該内ケース１４の基端部には、半導体レーザ発生
器６がワツシヤ６１を介しネジ式押え部材６２に
より固定されている。この発生器６からのレーザ
光は光学レンズ３を経て先端チツプ部１３に内装
されたレーサーフアイバー２に伝送される。符号
６３１，６３２はこの光学レンズ６３を所定位置
に固定する為の締め付け保持部材である。またグ
リツプ部１１に半導体レーザ発生器６の為の制御
回路６０が内装され、この制御回路６０は上記レ
ーザ発生器６に電気結線されている。上記押え部
材６２は、半導体レーザ発生器６をハンドピース
本体１内に固定する為のもので、銅及びアルミニ
ウム等の熱伝導性の良い材料より成り、その背後
には多数の冷却用フイン６２１…が突設されてい
る。更に、上記半導体レーザ発生器６の固定部位
には空隙６４が形成され、この空隙６４は上記給
気管５０より分岐された小径の通気管５０１に連
通し、上記冷却フイン６２１…と共に半導体レー
ザ発生器６を冷却すべく機能する。尚、ワツシヤ
６１に開設された小孔６１１…は、半導体レーザ
発生器６から導出された導線を挿通させる為のも
のである。

亦、上記内ケース１４の基端部は先行漸縮径の
テーパー状レーザ受光部１４１とされ且つそのテ
ーパー面は鏡面仕上され、半導体レーザ発生器６
からのレーザー光が漏れなく伝送されるようにな
されている。

一方、先端チツプ部１３は、外套１３１と、そ
の中心に沿つて嵌挿されたレーザフアイバー２
と、該フアイバー２の可撓性保護管４とを基本的
構成部材とし、その基端部１３０は前記グリツプ
部１１の内ケース１４に操作スリーブ１２を介し
て着脱自在に内嵌される雄筒とされている。該基
端部１３０においては、上記保護管４用の接手４
１、該接手４１とレーザフアイバー２とを一体化
させる為の締付保持部材４２，４３、更に接手４
１と外套１３１とを一体化させる為の締付部材４
４等が所定位置に装着されている。上記締付保持
部材４２はまた前記光学レンズ６２から出射され
るレーザ光をレーザフアイバー２に伝達する為の
受光部も兼ね、その受光面は鏡面仕上された先行
漸縮径状のテーパー面とされている。

前記給水管３０から供給される水は、第２図及
び第４図に示す如く、グリツプ部１１と先端チツ
プ部１３との接合部に形成された周溝３１、前記
締付部材４４に開設された透孔３２、該締付部材
４４と接手４１との間に形成された周溝３３及び
接手４１に開設された透光３４等を経てレーザフ
アイバー２と保護管４との通水間隙３に導かれ、
レーザフアイバー２の周囲を冷却しながら先端よ
り噴出されるようになされている。一方給気管５
０からの空気は、グリツプ部１１とチツプ部１３
との接合部に形成された周溝５１、チツプ部１３
に開設された透孔５２、前記締付部材４４の周囲
に凹設された周溝５３及び該締付部材４４に開設
された透孔５４等を経て前記保護管４と外套１３
１との間の通気間隙５４に導かれ、保護管４の周
囲を冷却しながら先端より噴出されるようになさ
れている。

上記レーザフアイバー２及び保護管４は、外套
１３１内で間隙３，５をもつてその先端部に亘つ
て同軸的に隔設保護されているが、先端部では第
３図及び第５図に示す如く、内面周方向に複数の
突起４５１…を有する接手４５が嵌装され保護管
４と連結されている。上記突起４５１…は、レー
ザフアイバー２の周体に当接され、これによりレ
ーザーフアイバー２と保護管４との間に間隙３を
確保すると共に、突起４５１…間の間隙から冷却
水を噴出させんとするものである。またこの接手
４５の周体には開環リング４５２を介して先端キ
ヤツプ１３２が前記外套１３１に螺装されてい
る。更に、該先端キヤツプ１３２と接手４５との
間には空気の排出通路を確保する為のスペーサー
部材４６が介装されている。即ち、該スペーサー
部材４６の先端部内周には周方向に突起４６１…
が隔設されて上記接手４５先端部の外周に当接さ
れ、一方該接手４５の外周にフライスカツト部分
４５３が形成され、このフライスカツト部分４５
３とスペーサー部材４６の突起４６１…間の間隙
とが前記間隙５に通じている。

上記通水間隙３及び通気間隙５から供給される
水及び空気は、途中半導体レーザ発生器６、レー
ザフアイバー２及び保護管４を冷却し、先端チツ
プ部１３の先端より噴出され、歯科治療患部を冷
却し、或は清掃等の機能を奏する。これら作用媒
体としての空気及び水の制御弁等は、図には示さ
れないがハンドピース本体１自体若しくは他の離
れた部位に設置され、使用者がこれを適宜操作し
て空気、水単独或はこれらを先端で混合してミス
ト状として使用し得るようになされていることは
従来のスリウエーシリンジと同様である。符号７
…はＯリングであり、これにより接合部位等の気
密性及び水密性が保たれる。

尚、上記実施例に限定されず、例えば給水管３
０及び給気管５０と通水間隙３及び通気間隙５と
の接合態様は図例のものに限定されるものではな
く、また他の形状のハンドピースに本考案を適用
することも除外するものではない。その他本考案
を逸脱しない限り変更が可能であることも云うま
でもない。

（考案の効果） 叙上の如く、本考案のレーザハンドピースは、
注水、エア噴射或はスプレー噴射の作用機能とレ
ーザ光の治療機能が兼備されているから、レーザ
光による治療の際、同時にこれら作用媒体による
機能を作用させれば、治療患部が冷却されてレー
ザ光による刺激効果が高められると共に、患部周
辺の清掃もなされ、レーザ治療の効率化が図られ
る。しかも、スプレー噴射を用いる場合、噴射水
を取り囲むようにエア噴射がなされるから、スプ
レー噴射の露化パターンが均一で上記冷却及び清
掃機能が一掃効果的になされる。亦、レーザフア
イバーの周囲は水で囲まれているから、その冷却
効果により該フアイバーの発熱が阻止され、伝送
過程でのエネルギーロスが少なくなる。更に、本
考案のハンドピースは、レーザ光を用いないとき
には、従来のスリウエーシリンジとしても使用す
ることが出来極めて至便である。

このように多数の特筆べき利点を有する本考案
はその有用性極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ハンドピースの一例を示す部分
切欠き正面図、第２図は第１図線部拡大縦断面
図、第３図は第１図の線部拡大縦断面図、第４
図は第２図線部の分解斜視図、第５図は第３図
の−線縦断面図である。 符号の説明、１…ハンドピース本体、２…レー
ザフアイバー、３…通水間隙、４…保護管、５…
通気間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ハンドピース本体１にレーザフアイバー２を内
   装してレーザ光を該本体１の先端より照射させる
   ようにしたレーザハンドピースであつて、上記レ
   ーザフアイバー２が通水間隙３をもつて保護管４
   に挿通されると共に該保護管４とハンドピース本
   体１との間に通気間隙５が確保され、上記通水間
   隙３及び通気間隙５より給送された水及び空気
   が、ハンドピース本体１の先端より噴出されるよ
   うになされたことを特徴とするレーザハンドピー
   ス。