JPH0322972Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はバルコニーやテラスのような床に使わ
れる床パネル同士の接合に用いられて好適な接合
部に関するものである。

（従来の技術） バルコニーやテラス等のように雨水に触れる場
所に使用される床パネル同士の接合部には水密性
が要求される。

そのような接合部として、例えば実願昭58−
143054号（実開昭60−48515号）に係るものが考
案されている。

この床パネルの接合部は第５図に示すように、
接合壁１９，２９及びシール材４０ａの一定の位
置にボルト孔を設けなければならず、厚みの小さ
いシール材４０ａで防水性が保たれる構造である
から、ボルト・ナツトの締め付けが弱いとシール
性が悪くなつて漏水が生じ易い。

また、床パネルの接合壁のボルト孔を合わせて
ボルトを挿通し、ナツトで締め付ける作業に手間
を要し、ボルト・ナツトの締め付けや取外しの作
業は床パネル全部を立て起こして行う必要があ
り、非常に不便である。

（考案の目的） 本考案は上記従来の床パネルの接合部の欠点を
解消し、施工後、一方の床パネルが上下或いは横
方向に動いても防水材が抜け出ることがなく、防
水性があり、また、床パネル同士の接合や分離を
極めて簡単且つ容易に行うことのできる床パネル
の接合部を提供せんとするものである。

（問題点を解決するための手段） 以下、本考案の実施例を図面を参照し乍ら説明
する。

第１図は本考案による床パネルの接合部の一例
を示し、床パネルのＡには板状本体１の一側縁１
１から垂下された側壁１２の下部全長に亘り、受
け台１３が外方へ突設され、該受け台１３の上面
にその全長に亘り側縁１１と並行する凹溝１４が
形成されている。他方の床パネルＢの板状本体２
の一側縁２３から下端に押さえ板２２を備えた側
壁２１が垂下されている。双方の板状本体１，２
の側縁同志１１，２３が衝合され該押さえ板２２
の下面と受け台１３の上面との間の隙間には弾性
防水材３が圧縮充填されている。

本考案に使用される床パネルにはFRP、硬質
塩化ビニル、ABS等の合成樹脂や石綿セメント
等の無機質硬化物も使用できるが、特にFRPが
成形加工性がよく、軽量な為に好適である。

弾性防水材としてはゴム類、ポリエチレン、エ
チレンポリプロピレン共重合体の独立気泡発泡体
等が使用され、予め受け台の凹溝に沿う断面形状
に成形されていてもよく、例えば高倍率発泡体の
ような変形し易い材料であれば特に凹溝に合う形
状に成形せずとも上下からの圧縮力で凹溝内にも
充填される。

このようになされた床パネル接合部は一方の床
パネルが横方向へ移動して側壁１２，２１間に〓
間が生じても弾性防水材３の下部が受け台１３の
凹溝１４の内壁面で抵抗を受けるので、弾性防水
材３は押さえ板２２に引きずられて押さえ板２２
と受け台１３の間から抜け出ることがない。

また、床パネルＢが上方へ浮き上がつても弾性
防水材３の圧縮された範囲であれば水漏れは生じ
ない。

施工するには、第４図に示すように床パネルＡ
を板状本体１と支持台３に設けられた固定用孔６
から床下地５に木ねじ７で固定し、受け台１３に
載置された弾性防水材３の上から床パネルＢの押
さえ板２２を載置し、床パネルＢを床パネルＡと
同様に床下地５に固定すればよい。

受け台に設けられる凹溝は第２図に示すように
２個以上であれば凹溝の内壁面の抵抗は更に大と
なり、弾性防水材の保持効果が一層よくなる。ま
た、第３図に示すように凹溝の外側内壁１４ａが
内側内壁１４ｂよりも高くなされていれば弾性防
水材の保持効果が一層よくなる。

押さえ板は第２図に示すように側壁２１′と押
さえ板２２′とが同幅で連続しているものでもよ
い。

（考案の効果） 本考案床パネルの接合部は、一方の板状本体の
側縁から下方に垂下された側壁の下部に設けられ
た受け台に凹溝が形成され、他の板状本体の側縁
の下方に設けられた押さえ板と受け台との間で弾
性防水材が圧縮充填されているので、一方の床パ
ネルが横方向へ動いても凹溝内に充填された弾性
防水材は凹溝の内壁面で抵抗を受け、このため弾
性防水材は押さえ板に引きずられて押さえ板と受
け台との間の隙間から抜け出ることがなく、常に
防水性が維持される。

また、一方の床パネルが上方又は下方へ動いて
押さえ板と受け台との間の隙間が広がつても、そ
の広がりが弾性防水材の圧縮範囲内であれば漏水
は生じない。

施工に於て、受け台の上に弾性防水材が設けら
た床パネルを床下地に固定し、次に押さえ板が設
けられた床パネルの押さえ板を受け台の上の弾性
防水材に載置し、床下地に固定すればよいのでボ
ルト・ナツトや特殊な工具を使用せずに接合でき
る。

また、ボルト・ナツトを使用して接合する場合
のように、接合や分離の作業をする場合には床パ
ネルを立て起こす必要がなく、極めて簡単且つ容
易に施工することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案床パネルの接合部の一実施例を
示す要部断面図、第２図、第３図は同上地の例を
示す要部断面図、第４図は第１図に示した本考案
実施例を用いた接合態様の一例を示す断面図、第
５図は従来の床パネルの接合部を示す要部断面図
である。 Ａ，Ｂ，Ｃ：床パネル、１，２：板状本体、１
２，２１，２１′：側壁、２２，２２′：押さえ
板、１３：受け台、１４ａ：外側内壁、１４ｂ：
内側内壁、１４：凹溝、３：弾性防水材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一方の板状本体の側縁から側壁が垂下され、該
   側壁の下部全長に亘り受け台が外方へ突設され、
   該受け台の上面に受け台全長に亘り板状本体の側
   縁と並行する凹溝が形成され、他方の板状本体の
   側縁の下方に押さえ板が設けられ、受け台と押さ
   え板の下面との間に弾性防水材が圧縮充填されて
   なる床パネルの接合部。