JPH0322443B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、高炉に微粉炭を連続的に一定量吹込
供給する場合のフイードタンクよの流量制御装置
における制御性の改善に関する。

〈従来技術〉 第３図乃至第５図により高炉への微粉炭吹込制
御装置の概要を説明する。第３図は全体構成図で
あり、石炭は貯炭場１よりコンベア２で運搬して
バンカー３に収納され、更にフイーダー４を介し
て粉砕機５に切り出されて微粉化される。熱ガス
６と空気７がブロワー８により粉砕機５に吹き込
まれ、微粉炭を乾燥すると共にバグフイルター９
に移送する。

バグフイルター９を通過した微粉炭は、貯蔵タ
ンク１０に貯えられる。このタンク内の微粉炭
は、開閉弁V₁₁，V₂₁により選択的に第１フイー
ドタンク１１又は第２フイードタンク１２に供給
される。１３は圧送用窒素ガス源であり、制御弁
V₃を介して貯蔵タンク１０に供給される。

第１フイードタンク１１内の微粉炭は、開閉弁
V₁₂を介してデイスパーサー１４に導かれ空気源
１５よりコンブレツサー１６で加圧された搬送用
空気Ａと混合されて一様に分散化され、高炉１７
の近くに設置された分配器１８までトランスポー
トライン１９で空気輸送される。分配器１８では
羽口毎に分配されて高炉１７に吹き込まれる。

V₁₃およびV₁₄は、微粉炭を圧送供給している
第１フイードタンク１１に加圧用窒素および流動
化用の窒素をコンプレツサー２０から供給する制
御弁である。

第１フイードタンク１１内の微粉炭を圧送供給
している期間中には、第２フイードタンク１２に
貯蔵タンク１０より開閉弁V₂₁を介して微粉炭が
供給蓄積されており、第１フイードタンク内の微
粉炭重量が一定値以下に減少したときに、開閉弁
V₁₂が閉じV₂₂が開いて第２フイードタンクに切
り換えられて微粉炭の圧送供給が連続的に実行さ
れる。制御弁V₂₃およびV₂₄はV₁₃およびV₁₄に対
応する加圧および流動化用の制御弁である。

V₁₅およびV₂₅は、第１および第２フイードタ
ンクの圧力制御の際の排気を貯蔵タンク１０に戻
すリターン制御弁である。

第４図Ｂ，Ｃは、第１、第２フイードタンクの
切り換えシーケンスの説明図であり、それぞれ充
填、加圧、大気、吹込、排気のシーケンスを繰返
し、相手側の吹込が終了したタイミングで待機状
態から吹込状態に切り換えられる。Ａは貯蔵タン
ク１０の重量変化パターンである。

第５図は、フイードタンク１１に着目した微粉
炭の流量制御系の構成図であり、第３図で説明し
た要素と同一な構成要素については、同一符号を
付してある。鎖線のブロツク２１が制御装置であ
る。

２２₁はフイードタンク１１内の微粉炭重量セ
ンサーであり、その測定値W_f1は指示計２３₁に
導かれると共に制御装置内の演算器２４に入力さ
れ、重量の減少変化率から一時間当たりの実積吹
込量W_F1が演算されて吹込流量調節計２５に測定
値として入力される。

２６は吹込量の設定手段であり、設定値Wsは
調節計２５および基準差圧発生手段２７に供給さ
れる。基準差圧発生手段２７は、吹込量がセツト
されたときにこの吹込量を維持するに必要なフイ
ードタンクと高炉間の基準差圧ΔPを演算し、フ
イードフオワード信号として発信する。

このフイードフオワード信号ΔPに対して吹込
流量調節計２５のフイードバツク補正値出力FB
が加減算手段２８で加算又は減算され、さらに加
算手段２９で高炉送風圧力信号P_Aが加算された
信号SV₁が圧力調節計３０に設定信号として供給
される。

３１₁は第１フイードタンク１１内の圧力セン
サーであり、その測定値PV₁が圧力調節計３０に
入力される。設定値SV₁と測定値PV₁の偏差を制
御演算した操作出力MV₁がスプリツト演算器３
２に導かれ、加圧窒素の供給制御弁V₁₃への操作
信号MV₁₁及び排気量の制御弁V₁₅への操作信号
MV₁₂がスプリツト的に供給されてフイードタン
ク１１内の圧力が設定値SV₁に制御される。この
圧力制御により高炉への微粉炭吹込量が設定値
Wsにカスケード制御される。

切り換えが実行された後のフイードタンク１２
の圧力制御に関しても上記制御と全く同一であ
り、この結果、高炉に対する微粉炭の連続的一定
吹込制御が維持される。

〈発明が解決しようとする問題点〉 この様な基本構成の制御装置において、フイー
ドフオワード信号である基準差圧ΔPは、吹込量
の設定値に対してあらかじめ決められた関係を有
する理論的な計算値であり、この値による圧力設
定の結果発生する吹込量の測定値と設定値との差
に基づいてフイードバツク補正値が調節計２５よ
り発信されてフイードフオワード設定値を補正す
るように制御される。このフイードバツク補正値
FBは、あるフイードタンクへの切り換えシーケ
ンスのスタートより一定時間Ｔの後に基準差圧に
加算修正され、そのフイードタンクよりの微粉炭
供給が終了するとリセツトされる。従つて、次に
切り換えられるフイードタンクについては最初か
ら補正をやり直す結果となり、各フイードタンク
よりの吹込量は、補正演算が終了するまで希望の
設定量にならず、制御性が悪くなるという問題点
がある。

本発明はこの様な従来制御装置の問題点を解消
できる吹込量制御装置の提供を目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 本発明の構成上の特徴は、複数のフイードタン
クに貯蔵される微粉炭量を各フイードタンク内の
微粉炭重量測定値に基づいて切り換え、微粉炭を
連続的に一定量高炉に吹き込む制御装置におい
て、フイードタンクよりの吹込量測定値と吹込量
設定値の偏差に基づいてフイードバツク補正値を
発信する吹込流量調節計と、上記フイードバツク
補正値を保持する補正値保持手段と、上記吹込量
設定値に基づいてフイードタンクと高炉間に必要
な基準差圧を発生する基準差圧発生手段と、この
基準差圧と上記補正値保持手段の出力並びに高炉
の送風圧力信号を加減算して上記フイードタンク
の圧力設定値を発信する加減算手段と、上記フイ
ードタンク内の圧力測定値と上記圧力設定値に基
づいて上記フイードタンクへの加圧気体の供給量
を制御する圧力調節手段とを具備せしめた点にあ
る。

〈作用〉 本発明によれば、同一フイードタンクにおいて
前回の吹込流量制御のシーケンスにおけるフイー
ドバツク補正値が補正値保持手段により保持され
ており、この補正値より次のシーケンスにおける
吹込量のカスケード制御がスタートする。

〈実施例〉 第１図に基いて本発明の実施例を説明する。第
３図乃至第５図で説明した要素と同一な構成要素
については、同一符号を付してその説明は省略
し、本発明の特徴部についての説明を追加する。

ブロツク３３がフイードバツク補正値FBの保
持手段であり、前回シーケンスにおけるフイード
タンクから吹込制御の終了直前でのフイードバツ
ク補正値を保持し、保持した補正値FB_Hを同一フ
イードタンクの次のシーケンスの吹込流量制御の
スタート時点の補正値として使用する。

従つて、各フイードタンクにおいて、システム
が最初にスタートした段階の補正値はゼロからス
タートするが、次のシーケンスからは前回シーケ
ンスの補正値がスタート時点から基準差圧に加減
算されるので、補正演算の立ち上がり期間におけ
る流量制御の制御性は従来方式に比較して格段に
向上する。

第２図は動作説明図であり、Ｇ，Ｈに示すよう
に、t₀，t₂…で第１フイードタンクFT₁がスター
ト、t₁，t₃…で第２フイードタンクFT₂がタート
する。

第２図Ａは第１フイードタンクの圧力設定値
SV₁の変化特性図、Ｂは第２フイードタンクの圧
力設定変化特性図であり、シーケンス終了直前に
おける補正値FBがFB_Hとして次のシーケンスの
最初の補正値として用いられる。

Ｃ，Ｄは、第１、第２フイードタンクFT₁，
FT₂の吹込流量W_F1，W_F2の変化特性図であり、
t₀およびt₁の時点で補正値が立ち上がるまでの期
間Ｔの間吹込量が不足する。しかしながらt₂，t₃
で始まる次のシーケンスからは最初から流量制御
は理想的に立ち上がり不足は生じない。

Ｅは第１、第２フイードタンクから吹込量の合
計値を示したものであり、t₁で制御性が悪くなる
が、次のシーケンス以後は理想的な定値制御が実
現される。

〈発明の効果〉 以上説明したように、本発明によれば従来シー
ケンスの切り換え毎に発生していた補正値のリセ
ツトに起因する制御性の低下を、第２回目のシー
ケンス以後極めて小さくすることができ、連続的
な一定量の微粉炭供給の制御性を著しく向上せし
め、高炉の出力製品の品質の向上に寄与すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す構成図、第２図
はその動作説明図、第３図は従来技術の一例を示
す全体構成図、第４図はその動作説明図、第５図
は吹込流量制御に関する説明図である。 １０……貯蔵タンク、１１……第１フイードタ
ンク、２１……制御装置、２２₁……微粉炭重量
センサー、２３₁……指示計、２４……演算器、
２５……吹込流量調節計、２６……吹込量設定手
段、２７……基準差圧発生手段、２８……加減算
器、２９……加算器、３０……圧力調節計、３１
_１……圧力センサー、３２……スプリツト演算器、
３３……補正値保持手段。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数のフイードタンクに貯蔵される微粉炭量
   を各フイードタンク内の微粉炭重量測定値に基づ
   いて切り換え、微粉炭を連続的に一定量高炉に吹
   き込む制御装置において、フイードタンクよりの
   吹込量測定値と吹込量設定値の偏差に基づいてフ
   イードバツク補正値を発信する吹込流量調節計
   と、上記フイードバツク補正値を保持する補正値
   保持手段と、上記吹込量設定値に基づいてフイー
   ドタンクと高炉間に必要な基準差圧を発生する基
   準差圧発生手段と、この基準差圧と上記補正値保
   持手段の出力並びに高炉の送風圧力信号を加減算
   して上記フイードタンクの圧力設定値を発信する
   加減算手段と、上記フイードタンク内の圧力測定
   値と上記圧力設定値に基づいて上記フイードタン
   クへの加圧気体の供給量を制御する圧力調節手段
   とを具備した微粉炭吹込流量制御装置。