JPH0322277Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〓産業上の利用分野〓 本考案は、ステープルフアイバー束の中心にス
テープルフアイバー束とは別の芯糸を供給して、
芯糸の周囲をステープルフアイバーで囲つてなる
コアヤーンを製造するコアヤーン製造装置に関す
る。

〓従来の技術〓 ドラフト装置及び、ドラフト装置に続いて設け
た空気噴射ノズルよりなり、ドラフト装置でステ
ープルフアイバー束をドラフトして得た素糸に、
空気噴射ノズルにより圧空を噴射することによつ
て加撚して結束紡績糸を得る結束紡績糸の製造装
置は周知である。

上記結束紡績糸の製造装置において、ドラフト
装置の、例えばフロントローラとミドルローラと
の間において、ドラフトされつつあるステープル
フアイバー束に芯糸を供給し、ステープルフアイ
バー束を構成する繊維によつて芯糸を囲み、コア
ヤーンを作る装置を本考案者は開発した。同装置
は、フロントローラ対とミドルローラのエプロン
との間のステープルフアイバー束の走行路に開口
した芯糸を搬送するためのフイードパイプの途中
に、テンサー、フイードノズル、カツター等を配
し、フイードパイプに吹き込んだ圧力空気によ
り、芯糸をフロントローラ対とエプロンとの間に
送り出している。そして、上記フイードノズルの
エア噴出、カツターの作動等はすべて電磁バルブ
の開閉により圧空回路を断続し、エアシリンダを
操作している。しかし、このようにすると、それ
ぞれの部材に電磁バルブを設けなければならず、
その数は増え、しかも、ユニツトの数に比例して
設けなければならないために装置のコストの影響
は大きかつた。

〓考案が解決しようとする課題〓 本考案は上記の点に鑑みて、コストに影響する
電磁バルブを、カツター、テンサー装置、エアフ
イーダー等の夫々に設けているのを廃することを
目的とする。

〓課題を解決するための手段〓 ドラフト装置、ドラフト装置に続いて設けた前
記ドラフト装置によりドラフトされた素糸を加撚
する空気噴射ノズルよりなる結束紡績糸製造装置
の前記ドラフト装置に、芯糸給送圧空噴出用フイ
ードノズルを有する芯糸給送用フイードパイプ及
び、芯糸給送路に設けたテンサー、カツター装置
よりなる芯糸給送装置の、前記フイードパイプ先
端を開口してなるコアヤーン製造装置において、
前記テンサー、カツター装置作動用にエアシリン
ダを設け、テンサー用エアシリンダとフイードノ
ズルとは共通する電磁バルブを介して圧空源に、
また、カツター装置用エアシリンダーは直接圧空
源にそれぞれ連結した。

〓実施例〓 本考案の実施例を図面と共に説明する。

本考案コアヤーン製造装置１は、結束紡績糸製
造装置２に芯糸供給装置３のフイードパイプ４の
先端を開口したものである。

結束紡績装置２は、バツクローラ対５ａ，５
ｂ、エプロン６ａ，６ｂを有するミドルローラ対
７ａ，７ｂ、フロントローラ対８ａ，８ｂよりな
るドラフト装置９及び、ドラフト装置９を出た素
糸１０を加撚する空気噴射ノズル１１よりなる。

芯糸供給装置３は、パツケージ１５から引き出
した芯糸１６をドラフト装置９に導くための装置
で、ドラフト装置９のフロントローラ対８ａ，８
ｂとミドルローラ７ａ，７ｂとの間に開口したフ
イードパイプ４の基端側にフイードノズル１７、
カツター装置１８を、また、該カツター装置１８
と、パツケージ１５との間にテンサー装置１９を
設ける。

フイードノズル１７は、糸通過孔２０の周囲に
圧空噴出孔２１を設け、糸通過孔２０に続いて前
記フイードパイプ４が接続されている。圧空噴出
孔２１は糸通過孔２０の周囲に糸通過孔２０の横
断面の接線方向に噴出するように複数が設けら
れ、各圧空噴出孔２１は、導管２２，２３、ユニ
ツト毎に設けられた電磁バルブ２４を経て図示し
ない圧力線に連なつている。

カツター装置１８は、カツター刃２５、クラン
プ部材２６を有し、クランプ部材２６とカツター
刃２５はスプリング２７により圧接されている。
カツター刃２５は、エアシリンダ２８が設けら
れ、エアシリンダ２８はメカニカルバルブ２９、
導管３６，２３を経て図示しない圧力源に直接連
なつている。

テンサー装置１９は、２枚の円盤３０ａ，３０
ｂの間に芯糸１６を案内し、スプリング３１の弾
発力によつて高円盤を圧接し、芯糸１６に適宜の
張力を与えるもので、前記円盤３０ａ，３０ｂを
支持し、スプリング３１の一端を支持する軸３２
はエアシリンダ３３のピストン軸と一体にし、エ
アシリンダ３３の作動により芯糸１６をニツプ
し、或いは解放する。エアシリンダ３３は導管３
４，２３、電磁バルブ２４を経て図示しない圧力
源に連なつている。

本考案装置にあつては、通常の操業状態のとき
は、図示しないフイード釦が押され、ドラフト装
置９のバツクローラ対５ａ，５ｂはそのクラツチ
が入り回転駆動されている。一方、フイード釦が
押されたときは、メカニカルバルブ２９もフイー
ド釦を押すのに連動してオンし、カツター刃２５
を開いている。そのときは、図示しないスライバ
供給源からのスライバ３５（第２図）をバツクロ
ーラ５ａ，５ｂが取り込み、それをドラフト装置
９に受けてドラフトし、一方、芯糸供給装置３か
らの芯糸１６をフロントローラ対８ａ，８ｂに受
けて空気噴射ノズル１１により芯糸１６の周囲に
スライバー３５の繊維を巻き付けている。

上記の通常運転開始時において、前述の如くフ
イード釦が押されるとバツクローラ対５ａ，５ｂ
のクラツチが入り、それらが回転し、スライバ３
５をドラフト装置９に取り込みドラフトし、空気
噴射ノズル１１に素糸１０を吸引させるが、この
ときバツクローラを駆動するための上記フイード
釦が押されると、それに連動してメカニカルバル
ブ２９が開となり、圧力源に直結しているエアシ
リンダ２８を作動させ、カツター刃２５は開き、
芯糸１６はカツター装置のクランプ部材２６によ
る把持が解かれる。

上記状態となつた後、所定の遅れ時間後に、電
磁バルブ２４を作動させ、圧力源からの圧空をフ
イードノズル１７、エアシリンダ３３に送ること
により、テンサー装置１９の円盤３０ａ，３０ｂ
を開き、フイードノズル１７によつて芯糸１６を
吸引し、芯糸１６をフイードパイプ４によりフロ
ントローラ対８ａ，８ｂに送る。

電磁バルブ２４は所定時間後に閉となり、圧力
源からフイードノズル１７及びテンサー装置１９
のエアシリンダ３３への圧空の送付は停止され、
フイードノズル１７による芯糸１６への送り方向
への付勢は停止される。しかし、このときは、芯
糸はすでにフロントローラ対８ａ，８ｂを経て空
気噴射ノズル１１に入つているので、それにより
巻き取られる。また、エアシリンダ３３の作動停
止により、テンサー装置１９の円盤３０ａ，３０
ｂはスプリング３１の弾発力によつて適宜圧力で
芯糸１６にテンシヨンを加えることになる。

装置を停止するときは、フイード釦をオフにす
ることによりバツクローラ対のクラツチを切り、
バツクローラ対５ａ，５ｂの回転を停止すると共
に上記釦のオフによりメカニカルバルブ２９も閉
となり、エアシリンダ２８が作動してカツター装
置１８により芯糸１６を切断する。

〓考案の効果〓 本考案装置は、ドラフト装置、ドラフト装置に
続いて設けた前記ドラフト装置によりドラフトさ
れた素糸を加撚する空気噴射ノズルよりなる結束
紡績糸製造装置の前記ドラフト装置に、芯糸給送
圧空噴出用フイードノズルを有する芯糸給送用フ
イードパイプ及び、芯糸給送路に設けたテンサ
ー、カツター装置よりなる芯糸給送装置の、前記
フイードパイプ先端を開口してなるコアヤーン製
造装置において、前記テンサー、カツター装置作
動用にエアシリンダを設け、テンサー用エアシリ
ンダとフイードノズルとは共通する電磁バルブを
介して圧空源に、また、カツター装置用エアシリ
ンダーは直接圧空源にそれぞれ連結したものであ
るため、エアフイードのみ電磁バルブを使用し、
カツターは機械式に作動させることでタイミング
をとることができ、電磁バルブの使用数を少なく
し、コストダウンをすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の概略図、第２図はドラフ
ト装置の拡大図である。 １……コアヤーン製造装置、２……結束紡績糸
製造装置、３……芯糸供給装置、４……フイード
パイプ、９……ドラフト装置、１１……空気噴射
ノズル、１６……芯糸、１８……カツター装置、
１９……テンサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ドラフト装置、ドラフト装置に続いて設けた前
   記ドラフト装置によりドラフトされた素糸を加撚
   する空気噴射ノズルよりなる結束紡績糸製造装置
   の前記ドラフト装置に、芯糸給送圧空噴出用フイ
   ードノズルを有する芯糸給送用フイードパイプ及
   び、芯糸給送路に設けたテンサー、カツター装置
   よりなる芯糸給送装置の、前記フイードパイプ先
   端を開口してなるコアヤーン製造装置において、
   前記テンサー、カツター装置作動用にエアシリン
   ダを設け、テンサー用エアシリンダとフイードノ
   ズルとは共通する電磁バルブを介して圧空源に、
   また、カツター装置用エアシリンダーは直接圧空
   源にそれぞれ連結してなるコアヤーン製造装置。