JPH0321860Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案はホブ盤による逆ねじれコンベンシヨナ
ルホブ切りにおけるバツクラツシユ除去装置に関
する。

〈従来技術〉 一般に、ホブ盤による歯切方法にはいくつかの
方法があるが、工具寿命を延ばす目的で最近注目
されている歯切方法に逆ねじれコンベンシヨナル
ホブ切りがある。この方法はワークの歯すじのね
じれ方向と逆のねじれ方向を持つホブ（逆巻きホ
ブ）を使用し、コンベンシヨナル方向にホブを送
つて切削を行う歯切方法である。これによると、
ワークの歯すじのねじれ方向と同方向のねじれを
持つ同巻きホブを用いた通常の同巻きクライムホ
ブ切りに比較して1.5〜３倍の工具寿命を得るこ
とができる。ところが、通常のホブ盤を使用して
逆ねじれコンベンシヨナルホブ切りを行うと、テ
ーブルの回転方向と切削力のかかる方向が同じと
なる。このため、切削力が加わるとテーブルを駆
動しているマスターウオーム軸とウオームホイー
ルの歯面が離れようとする方向に力がかかるた
め、良い歯切精度が得られないという問題があつ
た。

これを解決するため第４図に示すように、ワー
ク１を載置したテーブル２にウオームホイール３
を取り付け、そのウオームホイル３にギヤ機構４
を介して回転駆動されるウオーム軸５のウオーム
６を噛み合せ、そのウオーム軸５の先端にオイル
ポンプ７を連結する一方、テーブル２の回転軸２
ａに取り付けたプーリー８と、オイルモータ９に
取り付けたプーリー１０にとタイミングベルト１
１を張設し、前記ウオーム軸５の回転により駆動
されるオイルポンプ７で圧送される油をオイルモ
ータ９の作動油として用いるようにし、オイルポ
ンプ７によつてウオーム軸５がブレーキをかけ、
更にホブ１２による切削力がかかるときにウオー
ムホイール３とウオーム６との噛み合いにバツク
ラツシユが発生しないようにオイルモータ９によ
り、テーブル２の回転を積極的に進める方向に回
転力を与える方式が開発されている。

この従来のバツクラツシユ除去装置は、ホブ１
２のねじれ方向が逆になるとウオーム軸５が逆転
することになるが、この場合も、オイルポンプ７
の回転方向は一定にしておく必要がある。

このため、従来は第５図イ〜ハに示すようにウ
オーム軸５と、オイルポンプ回転駆動用の出力軸
１３との外に中間軸１４を置き、正転時には第５
図ロに示すようにウオーム軸ギヤ１５に出力軸ギ
ヤ１６を直接噛み合わせ、逆転時には、第５図ハ
に示すように出力軸ギヤ１６を反転させて、これ
を中間軸ギヤ１７に噛み合せ、ウオーム軸ギヤ１
５から中間軸ギヤ１７を介して出力軸ギヤ１６に
回転が伝えられるようにしている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 このように従来のホブ盤のバツクラツシユ除去
装置は、ねじれ方向が異なるホブを使用する度
に、ウオーム軸からオイルポンプへの回転伝達ギ
ヤ機構の分解組立が必要であり、その作業に手数
を要し、作業能率が悪いという問題があつた。

本考案は前述したたウオーム軸の回転方向が変
化した場合でも、そのウオーム軸の駆動力によつ
て回転されるオイルポンプの回転方向が自動的に
一定方向に保たれるようにすることを目的とす
る。

〈問題点を解決するための手段〉 上述の如き問題点を解決し、所期の目的を達成
するため、本考案では、ワークを載置するテーブ
ルに固定されたウオームホイールと、該ウオーム
ホイールに噛み合せたウオームが固定され、回転
駆動されるウオーム軸と、該ウオーム軸の駆動力
によつて動作されるオイルポンプと、該オイルポ
ンプからの油圧によつて駆動され、前記ウオーム
ホイールとウオームとのバツクラツシユが除去さ
れる方向に前記テーブルを附勢するためのオイル
モータとを備えてなるホブ盤のバツクラツシユ除
去装置において、前記ウオーム軸とオイルポンプ
駆動用の出力軸との間に一方向の回転のみを伝え
るワンウエイクラツチを有する二組の中間ギヤを
介在させ、前記ウオーム軸が正転、逆転しても前
記オイルモータが一定方向に回転するようにした
のである。

〈作用〉 而して、この装置は、二組の内いずれか一方の
中間ギヤが空転し、他方が回転をオイルポンプに
伝えることとなり、ねじれ方向の異なるホブを使
用してウオーム軸の回転方向が変化すると、空転
していた一方の中間ギヤによつて逆向きに回転が
伝えられ、他方の中間ギヤが空転し、オイルポン
プは同一方向に回転される。

〈実施例〉 次に本考案の実施の一例を第１図〜第３図につ
いて説明する。なおこの実施例は、ウオーム軸５
からオイルポンプ駆動用の出力軸１３への回転伝
達ギヤ機構以外は、第４図に示した従来のバツク
ラツシユ除去装置と同じであるためその説明を省
略する。

第１図〜第３図は本考案に係るバツクラツシユ
除去装置のウオーム軸５からオイルポンプ駆動用
の出力１３への回転伝達機構部分を示している。
この回転伝達機構には、ウオーム軸５から出力軸
１３へ回転を伝えるための第１、第２の２本の中
間軸２１，２２を有している。ウオーム軸５に
は、駆動ギヤ２３が固定されており、第１中間軸
２１には、この駆動ギヤ２３に噛み合わされた主
動ギヤ２４と、出力軸１３に固定したギヤ２７に
噛み合わされた従動ギヤ２５が回転自在に支持さ
れており、主動ギヤ２４と従動ギヤ２５との間
に、主動ギヤ２４の一方向の回転のみを従動ギヤ
に伝えるワンウエイクラツチ２６が介在されてい
る。また第２中間軸２２には、第１中間軸の主動
ギヤ２４に噛み合わされた主動ギヤ２８と、出力
軸１３の出力軸ギヤ２７に噛み合わされた従動ギ
ヤ２９が回転自在に支持されており、その主動ギ
ヤ２８と従動ギヤ２９との間に主動ギヤ２８の一
方向の回転のみを従動ギヤ２９に伝えるワンウエ
イクラツチ３０が介在されている。そして、この
第１、第２の中間軸、２１，２２の二つのワンウ
エイクラツチ２６及び３０は、互いに逆方向の回
転のみを伝達するものを使用している。

このように構成されるバツクラツシユ除去装置
は右ねじれホブを使用している場合は、ウオーム
軸５が第１図中矢印ａ方向に回転し、これが第２
図に示すように駆動ギヤ２３−第１中間軸２１の
主動ギヤ２４−ワンウエイクラツチ２６−従動ギ
ヤ２５−ギヤ２７に順に伝えられ、出力軸１３が
第１図中矢印ｃ方向に回転される。このとき、第
２中間軸２２の主、従動ギヤ２８，２９間はワン
ウエイクラツチ３０によつて空転する。

また、左ねじれホブを使用している場合は、ウ
オーム軸５が第１図矢印ｂ方向に回転し、これが
第３図に示すように駆動ギヤ２３−第１中間軸２
１の主動ギヤ２４−第２中間軸２２の主動ギヤ２
８−ワンウエイクラツチ３０−従動ギヤ２９−ギ
ヤ２７に順に伝えられ、出力軸１３が第１図中矢
印ｃ方向に回転される。このとき、第１中間軸２
１の主、従動ギヤ２４，２５間はワンウエイクラ
ツチ３０によつて空転する。

このようにして、ウオーム軸５が正、逆いずれ
の方向に回転されても出力軸１３は、常に一方向
側にのみ回転し、オイルポンプ７を一方向に回転
し、所望のブレーキが加えられるとともに、オイ
ルモータ９の駆動に適切な送油がなされ、テーブ
ル１を進める方向に附勢し、バツクラツシユが除
去される。

〈考案の効果〉 本考案のホブ盤のバツクラツシユ除去装置によ
ればワークを載置するテーブルに固定されたウオ
ームホイールと該ウオームホイールに噛み合わせ
たウオームが固定され、回転駆動されるウオーム
軸と、該ウオーム軸の駆動力によつて動作される
オイルポンプ、該オイルポンプからの油圧によつ
て駆動され、前記テーブルを前記ウオームホイー
ルと、ウオームとのバツクラツシユが除去される
方向に附勢するためのオイルモータとを備えてな
るホブ盤のバツクラツシユ除去装置においてウオ
ーム軸とオイルポンプ駆動用の出力軸との間にワ
ンウエイクラツチを有する二組の中間ギヤを介在
させ、ウオーム軸が正、逆の両方向に回転しても
出力軸を同一方向に回転されるようにしたことに
よつて、左ねじれ及び右ねじれの両ホブを使い分
ける場合にギヤの分解組み換えが不要になり、作
業能率が著しく向上されることとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る装置のウオーム軸からオ
イルポンプ駆動用の出力軸への回転伝達機構部分
の概略を示す正面図、第２図は第１図中の−
線断面図、第３図は第１図中の−線断面図、
第４図は従来装置の概略を示す斜視図、第５図イ
は同装置のウオーム軸からオイルポンプ駆動用の
出力軸への回転伝達機構の概略を示す正面図、第
５図ロ，ハはギヤの組み換え状態を示す縦断面図
である。 図面中、２はテーブル、３はウオームホイー
ル、５はウオーム軸、６はウオーム、７はオイル
ポンプ、９はオイルモータ、１３は出力軸、２１
は第１図中間軸、２２は第２図中間軸、２３は駆
動ギヤ、２４，２８は主動ギヤ、２５，２９は従
動ギヤ、２６，３０はワンウエイクラツチであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ワークを載置するテーブルに固定されたウオー
   ムホイールと、該ウオームホイールに噛み合せた
   ウオームが固定され、回転駆動されるウオーム軸
   と、該ウオーム軸の駆動力によつて動作されるオ
   イルポンプと、該オイルポンプからの油圧によつ
   て駆動され、前記ウオームホイールとウオームと
   のバツクラツシユが除去される方向に前記テーブ
   ルを附勢するためのオイルモータとを備えてなる
   ホブ盤のバツクラツシユ除去装置において、前記
   ウオーム軸とオイルポンプ駆動用の出力軸との間
   に一方向の回転のみを伝えるワンウエイクラツチ
   を有する二組の中間ギヤを介在させ、前記ウオー
   ム軸が正転、逆転しても前記オイルモータを一定
   方向に回転させるようにしたことを特徴とするホ
   ブ盤のバツクラツシユ除去装置。