JPH0321093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は無線機器の受信明瞭度表示装置に関す
るものである。

(ロ) 従来技術 従来パーソナル無線機等の無線機器に於ける受
信電界強度表示装置は、第１図に示すように、中
間周波信号のレベルにより受信電界強度の強弱を
直流電圧に変換し、この直流電圧により発光ダイ
オード等にて構成された表示手段を動作させてい
た。

第１図に於いて、１はアンテナ、２は高周波増
幅回路及び周波数変換回路を含むブロツク、３は
中間周波増幅回路、４は低周波増幅回路、５はス
ピーカー、６は電界強度検出回路、７は発光ダイ
オード（LED）駆動回路、L₁，L₂…は電界強度
の大きさに応じて順次バーグラフ状に点灯する複
数の発光ダイオード（LED），（SW）は送受信切
換スイツチである。

しかし第１図の方式においては、あくまでも受
信電界強度状態表示であり、受信者が耳にする信
号の真の明瞭度ではない。信号の明瞭度をより正
確に判断する為には、低周波増幅部における歪
み、雑音等の大きさと受信電界強度の状態を含め
て識別しなければならない。

即ち、電界強度の強弱に関係なく発生するマル
チパス歪みや電界強度が大きくなる為に起こる大
入力歪み、或いは近接周波数や影像周波数などに
よる妨害歪みが生じると、一般に高周波域に雑音
が生じ、当該雑音は受信者にとつて耳ざわりとな
るため、強電界受信状態にあるにも拘わらず、受
信信号の明瞭度は低くなる。

(ハ) 考案の目的 本考案は無線機器における受信信号の明瞭度を
受信電界強度と、低周波増幅部の出力信号の歪み
で判断し真の明瞭度を表示する事を目的とする。

(ニ) 考案の実施例 以下パーソナル無線機に用いて本考案の一実施
例を第２図に従い説明する。

尚、第２図に於いて、第１図と同一部分は第１
図と同一の図番を付することにする。

第２図に示すように、本考案においては、電界
強度の強弱に関係なく発生するマルチパス歪みや
電界強度が大きくなる為に起こる大入力歪み、或
いは近接周波数や影像周波数などによる妨害歪み
を従来の検出方式に付加する為に、第２図に示す
低周波増幅部４の出力信号を使用する。

即ちパーソナル無線機や一般の無線通信機にお
いて送受信される信号は、情報の伝達という事が
主たる目的であり、かつ占有周波数帯幅が狭くチ
ヤンネル数を多くする為その信号の訟波数領域は
50Hz〜3KHz程度となつている。従つて前述した
低周波歪みの識別は3KHz以上の周波数成分のレ
ベルにより判断できる。第２図に於いて、８は前
記低周波歪みの識別機能を持つ低周波信号歪み検
出回路で、所定周波数以上の周波数成分のレベル
に基づき低周波信号の歪み量を検出するようにな
されており、3KHz以上の周波数成分の検出（本
考案ではハイパスフイルターを使用し、歪み、ス
プリアスの関係よりそのフイルターのカツトオフ
周波数は5KHz付近が適当である。）するフイルタ
ーと、この成分を直流電圧に変換する直流変換回
路からなる。９は電界強度検出回路６によつて得
られる電界強度レベルと、検出回路８によつて得
られる低周波歪みレベルの２つの識別信号をもと
に制御信号を作る制御回路である。この制御回路
９からの制御信号により発光ダイオード駆動回路
７を動作させ、真の明瞭度に応じた数の発光ダイ
オードを点灯させて真の明瞭度を表示する。

例えば、電界強度のみによる発光ダイオードの
点灯数を歪み量に応じて低減させることが考えら
れる。

尚、第２図の実施例では、複数の発光ダイオー
ドを用いて所定数の発光ダイオードを点灯させる
ようにしているが、本考案は斯る実施例に限定さ
れるものではない。例えば発光素子を１個だけ用
い、電界強度レベルと低周波歪みレベルの２つの
識別信号を制御回路を構成するAND回路に通し、
電界強度レベルが所定レベル以上で且つ低周波歪
みレベルが所定レベル以下のときのみ発光素子を
点灯させるようにしてもよい。

尚又、第２図の実施例では、パーソナル無線機
に用いた例について説明したが、本考案は一般の
無線通信機やラジオ受信機に於ける受信明瞭度の
表示にも適用することが出来る。

(ホ) 考案の効果 以上の様に本考案は、受信信号の明瞭度を、電
界強度検出信号及び低周波歪み検出信号により判
別するようにしたので、真の明瞭度を表示するこ
とが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の無線機器に於ける受信電界強度
表示装置を示すブロツク図、第２図は本考案に係
る無線機器の受信明瞭度表示装置を示すブロツク
図である。 ６……電界強度検出回路、８……低周波信号歪
検出回路、９……制御回路、７……LED駆動回
路、（L₁）〜（L₇）……発光ダイオード。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 受信電界強度を検出し、電界強度検出信号を
   出力する電界強度検出回路と、低周波信号の所
   定周波数以上の周波数成分を通過させるフイル
   ター及びフイルターの出力信号を直流電圧に変
   換する直流交換回路よりなり、低周波信号に含
   まれる所定周波数以上の周波数成分のレベルに
   基づき歪み量を検出し、前記歪み量に対応する
   低周波信号歪み検出信号を出力する低周波信号
   歪み検出回路と、前記電界強度検出回路からの
   電界強度検出信号と前記低周波歪み検出回路か
   らの低周波信号歪み検出信号とにより受信状態
   の明瞭度に対応する制御信号を発生する制御回
   路と、該制御回路の制御信号にて制御され受信
   明瞭度を表示する手段とを備えてなる無線機器
   の受信明瞭度表示装置。 (2) 受信明瞭度を表示する手段は、発光ダイオー
   ド駆動回路と、該駆動回路にて駆動される複数
   の発光ダイオードであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第１項記載の無線機器の受
   信明瞭度表示装置。