JPH03204147A - 薄帯連続鋳造装置用冷却ドラム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ツインドラム方式、単ドラム方式、ドラム−
ベルト方式等の薄帯連続鋳造装置に使用される冷却ドラ
ムに関する。

〔従来の技術〕

近年、金属の連続鋳造の分野では、製造コストの切り下
げ、新材質の創出等を目的として、最終形状に近い薄肉
鋳片を製造する技術の開発が行われているが、これらの
薄肉鋳片の連続鋳造方法の中で構造が比較的簡単な設備
を使用するものとして、鋳型の主構成要素として内部水
冷機構を備えた一対のドラムを使用するツインドラム方
式、本の冷却ドラムを使用する単ドラム方式、冷却ドラ
ムとベルトとの間に湯溜り部を形成するドラム−ベルト
方式等がある。これらの鋳造法においては、鋳片の表面
性状を安定して高水準に維持することが重要な課題であ
る。

すなわち、これらの薄肉鋳片を連続鋳造する方法は、従
来の連続鋳造設備によって製造されるスラブの場合と異
なり、以後の工程で圧延される度合を小さくすることが
できる薄肉鋳片を得ることを目的としているので、薄肉
鋳片に肉厚変動或いは表面割れ等があると、これが製品
表面の欠陥となり、商品価値を著しく損なう危険性が大
きい。

そこで、良好な表面品質の鋳片を安定して製造すること
を目的として、種々の方法が検討されている。その一つ
として、冷却ドラムと凝固シェルとの間に、断熱層とな
るエアギャップを形成するように、冷却ドラムの周面に
凹凸を設けることが特開昭６０μｍ、８４４４９号公報
で提案されている。このエアギャップによって、冷却ド
ラムの抜熱能力が小さくなり、溶融金属の緩慢な冷却が
行われる。

その結果、凝固厚みが板幅方向で均一化され、形状特性
の優れた薄肉鋳片の製造が可能になるとされている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、冷却ドラムの周面に特定深さの凹凸を均一に付
け、それを初期の状態に維持するようにしただけでは、
充分な効果が安定して得られないことが判った。たとえ
ば、冷却ドラムの周面に大きな凹凸を連続して設けると
き、得られた薄肉鋳片の表面に凹凸が発生することは勿
論、その部分における熱応力°の集中が促進され、逆に
割れの発生が助長される。また、冷却ドラムの周面に線
状や角状の凹凸を形成すると、凹凸の角部が割れの起点
となって、薄肉鋳片に多数の割れを発生させる。

そこで本発明者等は、これらの問題を解決するために、
冷却ドラムの周面に形成する凹凸に対する検討を行い、
直径が０．１〜１．２証の円形又は長円状の開口部をも
ち、深さが５〜１００−の窪みを、互いに接することな
く鋳型の一部を構成する冷却ドラムの周面に形成し、更
に前記窪みの分布率を前記冷却ドラムの軸方向及び周方
向に開して周期的に単独或いは同時に変化させ、該周期
的変化の周期Ｗを５ｍｍ≦Ｗ≦４０ｍｍ、前記窪みの面
積率の差で表した波高りを１０％≦ｈ≦３０％に維持す
ることが効果的であることを見出し、特願昭６３−２１
２９６２号として出願した。

このようにして冷却ドラムの周面に設けられた窪みは、
鋳造時に互いに連続しない独立したエアギャップを形成
して、凝固シェルの冷却条件を緩和し、応力の部分的集
中を抑制するが、更に前記の窪みの分布に周期的な変化
を与えることにより、薄肉鋳片の変形を打ち消すような
凝固シェルの成長を行わせている。

ところが、その後の研究によって、冷却ドラムの窪みの
分布を冷却ドラムの周方向（縦方向）及び軸方向（横方
向）において周期的に変化させると、上記窪みが冷却ド
ラムの縦方向、横方向又は斜め方向に一列に並ぶ個所が
形成せられ、この方向性を有する個所から鋳片表面に割
れが発生することが確認された。

そこで本発明は、冷却ドラム周面に設ける窪みの分布に
更に改良を加えることにより、割れ等の欠陥がなく表面
性状、形状特性に優れた薄肉鋳片を製造することを目的
とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の薄帯連続鋳造装置用冷却ドラ、ムはその目的を
達成するために、深さが５〜１００迦、直径が０．１〜
１．２　ｍｍの円形又は長円形の開口部をもつ窪みを、
鋳型の一部を構成する冷却ドラムの周面の、縦方向、横
方向及び斜め方向に方向性のない位置に形成し、且つ前
記窪みの分布率を前記冷却ドラムの縦方向及び横方向に
開して周期的に単独或いは同時に変化させ、該周期的変
化の周期Ｗを５ｍｍ≦Ｗ≦４０ｍｍ、前記窪みの面積率
の差で表した波高りを１０％≦ｈ≦３０％に維持するこ
とを特徴とする。

〔作　用〕

本発明は薄鋳片を鋳造する冷却ドラムの周面に設ける窪
みの分布を所定周期をもつものとするとともに（第２図
（Ｂ）（Ｃ’）参照）、その窪みのそれぞれを冷却ドラ
ム周面に開して縦方向、横方向及び斜め方向における方
向性を有さない位置に設けたので（第２図（Ａ）参照）
、冷却ドラム周面に生じる凝固シェルの肉厚部、肉薄部
の周期を制御して薄肉鋳片の変形を打ち消すとともに、
窪みの方向性による鋳片割れが防止されて、高品質の製
品となる。

なお、窪みの形状を深さ５〜１００Ｊ−、直径０．１〜
１，２ｍｍの円形又は長円形の開口部をもつ形状に特定
したのは次の理由による。

すなわち、本発明者等の実験によれば、窪みの直径が０
．１ｍω以下では緩冷却効果が少ないばかりか、クリー
ニングが難しく、ドラム表面の打疵や摩耗の影響を受は
易く、加工も難しい。他方、窪みの直径が１．２　ｍｍ
をこえると、窪み自体が微小割れの起点になり易くなり
、窪みに溶融金属が侵入し、得られた薄肉鋳片の表面に
多数の微細な突起が生成される。また、窪みが５−未満
の浅いものであると、そこに形成されるエアギャップの
断熱効果が著しく低下し、緩冷却効果が低下する。他方
、１００−を越える深さをもつ窪みにあっては、開口直
径１．２ｍｍ以下の窪みに関する限り、効果の増大は認
められなかった。

また、第１図に示す窪みの周期Ｗを５〜４０ｍｍ。

面積率の変化量りを１０〜３０％としたのは、凝固シェ
ル自体の変形が、実験事実として多くの場合１０〜５０
ｍｍの範囲でうねりを生じることが確認され、しかもこ
の範囲のうねりを冷却ドラム周面に形成した窪みの変化
で強制的に打ち消すためには、凝固シェルの変形モード
内に少なくとも２点の窪み変化が存在しなければ効果の
ないことが明らかとなった理由による。また、面積率に
開しては、差が小さすぎても効果は低減し、１０〜３０
％の範囲が最適であることが判った。一方、窪みの周期
Ｗと面積率の変化量りとの関係は、正弧函数を主とする
が、本実験結果では正弧函数からずれた連続函数であっ
ても、あまり有意差のないことが確認された。

また、窪みを方向性のない位置に配置するということは
、窪みが冷却ドラム周面に刻設されたとき、該冷却ドラ
ムの縦方向（冷却ドラム周方向）、横方向（冷却ドラム
軸方向）及び斜め方向において、該窪みが一列に並ばな
いということで、少くとも隣接する窪みが５個以上直線
状に並ぶ場合は方向性があるものとする。

すなわち、隣接する窪みが５個以上直線状に並ぶと、そ
の窪み群より鋳片の割れが生ずる。このように、所定の
周期で、窪み配設位置を上記のように特定すると、銅片
の割れがほとんど発生しなくなる。

以下、本発明を実施例により説明する。

〔実施例〕

ステンレス鋼組成をもつ溶鋼から第３図に示す装置によ
り薄肉鋳片を製造した。すなわち、タンデイツシュ５か
ら注湯ノズル２を介して湯溜り部３へ注入した１５００
℃の温度を有する溶鋼４を一対の冷却ドラムｌａ、ｌｂ
間で急冷・凝固し、形成された凝固シェルをキッシング
ポイント６で圧接して、６５ｍ／分の鋳造速度で肉厚２
．４ｍｆｆ１．板幅８００ｍ＋＋ｎの薄肉鋳片７を製造
した。

この際、上記一対の冷却ドラム１ａ、ｌｂを本発明の冷
却ドラム周面の窪み分布を有する冷却ドラム（第１図（
Ａ））と比較例の窪み分布を有する冷却ドラム（第１図
（Ｃ））の２種類の冷却ドラムを使用し、得られた薄肉
鋳片７の表面状態を測定した。

第１図（Ｃ）の例では冷却ドラムの横方向に関し１５ｍ
ｍの周期Ｗで窪みの面積率を最高２５％から最低１５％
（波高さｈ＝１０％）で周期的に変化させた。

この周期の変化の継目の個所で横方向に方向性が形成さ
れていた。

他方、第１図（Ａ）例では、第１図（Ｃ）と同じ分布で
窪みを刻設すると共に、周期の変化の継目の個所を図の
ような配置にして縦方向、横方向、斜め方向の全てにわ
たる方向性をなくした。

なお、第１図（Ａ）、　　（Ｃ）何れの例においても、
１つの窪みは、深さが３０−で直径０．５　ｍｍの円形
状開口部をもつように刻設された。

冷却ドラムの種類による鋳片割れ発生状況を第１表に示
す。割れ発生指数は、鋳造面積１ｍ′当りの縦割れ長（
ｍ）で表している。

第１表 第１表から明らかなように、深さ３０μ、直径０．５１
１１ｆｆｌの円形状開口部をもつ窪みを均一に分布した
公知例では２〜３　ｍ　／　ｍ’の範囲で割れが発生し
た。また、比較例の割れ発生率は公知例に比し、１以下
に低減したが、まだ若干の割れ発生を避けることができ
なかった。

これに対し、本発明例では割れ発生を実質的に皆無にす
ることができた。

却ドラムを組み込んだ薄帯連続鋳造装置を示す概略図で
ある。

ｌａ、ｌｂ・・・冷却ドラム、　２・・・注湯ノズル、
３・・・湯溜り部、　　　　　　　４・・・溶融金属、
５・・・タンデイツシユ、 ６・・・キッシングポイント、　７・・・薄肉鋳片、８
・・・ピンチロール。

〔発明の効果〕

以上詳述したように、本発明は冷却ドラム周面に形成す
る窪みの分布に周期的な変化を与えるとともに、窪み相
互の方向性をなくしたので、鋳片表面の割れ等の欠陥が
実質的に皆無になり、極めて優れた表面性状をもつ薄肉
鋳片を製造することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、深さが５〜１００μｍ、直径が０．１〜１．２ｍｍ
   の円形又は長円形の開口部をもつ窪みを、鋳型の一部を
   構成する冷却ドラムの周面の、縦方向、横方向及び斜め
   方向に方向性のない位置に形成し、且つ前記窪みの分布
   率を前記冷却ドラムの縦方向及び横方向に開して周期的
   に単独或いは同時に変化させ、該周期的変化の周期ｗを
   ５ｍｍ≦ｗ≦４０ｍｍ、前記窪みの面積率の差で表した
   波高ｈを１０％≦ｈ≦３０％に維持することを特徴とす
   る薄帯連続鋳造装置用冷却ドラム。