JPH03199384A - シャドウマスクの黒化処理方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、カラーテレビ用受像管のシャドウマスク或い
はその素材の黒化処理方法に関するものであり、特には
Ｆｅ−Ｎｉ合金系シャドウマスクの表面に極めて緻密か
つ均質で密着性の高い黒化膜を形成する方法に関する。

従」りえ術 従来、カラーテレビ受像管用シャドウマスクとしては低
炭素リムド冷延鋼板や低炭素Ａｔキルド鋼が用いられて
いるが、これらの材料より低熱膨張特性を有しているＦ
ｅ−Ｎｉ系アンバー合金の使用が提案され、工業上の使
用も試みられている。

カラー受像管を動作させた際、シャドウマスクの開孔な
通過する電子ビームは全体の％以下であり、残りの電子
ビームはシャドウマスクに射突してシャドウマスクは時
として８０℃にも達する程加熱される。この際、熱膨張
による色純度の低下が生じるわけであるが、Ｆｅ−Ｎｉ
系アンバー合金の使用により、この熱膨張が軽減される
というものである。

が　゛　しよ　とする しかし、このＦｅ−Ｎｉ系アンバー合金のシャドウマス
クも次のように黒化処理に問題がある。

シャドウマスクに射突する電子の反射、散乱が多いと、
画面上において色純度が低下するため、シャドウマスク
の表面を黒化させて散乱電子の発生を抑えているわけで
あるが、前記Ｆｅ−Ｎｉ系アンバー合金は、従来のリム
ド鋼やＡ１キルド鋼に比べて黒化膜が非常に形成されに
くいのである。なぜなら、従来、黒化処理は大気中で４
００℃以上に加熱することによって、シャドウマスクの
表面にＦｅａｒ＜の黒色酸化膜を形成して行われている
が、Ｆｅ−Ｎｉ系アンバー合金は、Ｎｉを多量に含有す
るために本来極めて優れた耐食性を示すものであるから
、前記した従来の方法では黒化酸化膜がほとんど形成さ
れないのである。

また、黒化処理は黒化することにより輻射率を上げ、シ
ャドウマスクの熱放散を促進し、温度上昇を抑える役目
も担っているがＦｅ−Ｎｉ系アンバー合金では黒化膜が
ほとんど形成されないため、温度上昇が予想より高くな
り、思ったほど低熱膨張の効果が出ないという問題もあ
る。

シャドウマスクにおいては、緻密かつ均質で密着性の高
い黒化膜を形成することが肝要である。

本発明の課題は、かかる問題点に対処するべくＦｅ−Ｎ
ｉ合金系シャドウマスクの表面に極めて緻密かつ均質で
密着性の高い黒化膜を形成する方法を確立することであ
る。

・　を　２　るための 本発明者等の研究の結果、こうした課題を解決するため
には、シャドウマスク表面にＭｎ等の微量成分を主体と
した目に見えない程薄い酸化膜を形成せしめると、大気
中での酸化処理の際、極めて緻密かつ均質で密着性の高
い酸化膜を形成できるとの知見を得た。

この知見に基づいて、本発明は、Ｆｅ−Ｎｉ合金系シャ
ドウマスク材をＨ２５％（容量）以上及び残部Ｎ２の組
成を有し、そして露点が０℃以上の雰囲気中にて、４０
０〜８００℃で熱処理した後、大気中にて４００〜８０
０℃で黒化膜を形成することを特徴とするシャドウマス
クの黒化処理方法を提供するものである。

笈血皿立且１ 本発明において、ｒＦｅ−Ｎｉ合金系」とはニッケルを
３０〜４５重量％含有する鉄及びニッケルを基本成分と
する合金であり、ここに適宜、Ｃｒ、Ｍｎ％Ｃｏ、Ｔｉ
、Ｖ、Ｎｂ、Ｚｒ。

ＭＯ１八４へＷ等の副成分や添加材を５重量％まで添加
したものを包括する。

シャドウマスクの一般的製造工程は次の通りである： 所定の合金原料の溶解及び鋳造後、得られたインゴット
を鍛造、圧延等の適宜の加工工程を経由しそして最終冷
間加工にて所定の厚さを有するシートとすることにより
シャドウマスク素材が製造される。シャドウマスク素材
はエツチング穿孔加工されてフラットマスクとなる。フ
ラットマスクは焼鈍されてプレス成形性を付与されその
後プレスにより球面成形される。球面成形されたマスク
は黒化処理を施されてシャドウマスクとなる。この他、
プレス成形性を付与する焼鈍を最終圧延直後に実施する
方式もあり、これはプレアニール法と呼ばれている。

もう少し詳しく説明すると、先ずシャドウマスク素材の
製造方法として、Ｆｅ−Ｎｉ系合金を例えばＶＯＤ炉で
溶製後、インゴットに鋳造し、鍛造後熱間圧延及び冷間
圧延し、その後焼鈍と冷間圧延を繰り返し、所定のシー
ト厚みまで最終冷間圧延が施される。その後、スリット
して所定板幅としてシャドウマスク素材を得る。シャド
ウマスク素材は、脱脂後、フォトレジストを両面に塗布
しそしてパターンを焼付けて現像後、エツチング液にて
エツチング穿孔加工され、個々に切断されてフラットマ
スクとなる。

フラットマスクは、非酸化性雰囲気中で焼鈍されてプレ
ス成形性を付与される（プレアニール法ではこの焼鈍が
エツチング前に最終冷間圧延材に行われる）。レベラー
加工を経た後、プレスによりマスク形態に球面成形され
る。

そして最後に、球面成形されたマスクは、脱脂後、水蒸
気又は燃焼ガス雰囲気中で黒化処理を施されて表面に黒
色酸化膜を形成する。こうしてシャドウマスクが作製さ
れる。

更には、前述の様な製造工程を取らず、エツチング穿孔
後のフラットマスクについて再結晶焼鈍やプレスによる
球面成形は行わないで、張力を付加した状態でフレーム
等に固定し黒化処理後ブラウン管に組み込む製造方式も
ある。

本発明はシャドウマスクのいずれの製造方法にも応用す
ることが出来る。本発明においては、黒化処理を施され
るシャドウマスク材料を総称してシャドウマスク材と云
う。

本発明の限定理由を説明する。

まず、ｗｅｔ水素雰囲気での熱処理であるが、この熱処
理によりシャドウマスク表面にＭｎ等の微量成分を主体
とした目に見えない程薄い酸化膜が形成される。そして
、この酸化膜が存在すると次の大気中での酸化処理の際
、極めて緻密かつ均質で密着性の高い酸化膜を形成でき
るのである。

そこで、具体的な条件の規定であるが、Ｈ２が５％未満
だと、良好な薄い酸化膜ができず、酸化処理後の黒化膜
の密着性が良くないのでＨ２５％以上の雰囲気とした。

次に露点が０℃未満であると、良好な薄い酸化膜が形成
されないため、露点０℃以上とした。また、温度が４０
０℃未満であると、良好な薄い酸化膜ができず、８００
℃を超えるとシャドウマスクが軟化する危険性があるた
め４００〜８００℃に設定した。

次に、酸化処理は４００℃未満であると黒化膜の形成が
遅すぎ、８００℃を超えるとシャドウマスクが軟化する
危険性があるため４００〜８００℃に設定した。

以下に実施例を示す。

〈実施例〉 Ｆｅ−Ｎｉ合金としてはＦｅ−３６％Ｎｉ合金を用いた
。

合金は真空溶解、鋳造後、鍛造、皮剥き、熱間圧延、酸
洗を行い、その後冷間圧延と焼鈍を繰り返し、最終的に
冷間圧延で板厚０．１５　ｍ　ｍに仕上げた。これをエ
ツチングによりフラットマスクに加工した後第１表に示
す条件で黒化処理を行った。なお、そのときの黒化膜の
厚さも第１表に示す。

本発明例は黒化膜厚も十分厚く、またテープ剥離試験を
行っても剥離せず密着性も良好だった。

また、比較例はＨａｉ！１度が本発明の範囲外のＮｏ、
５は密着性が悪く、Ｎｏ、６〜８は露点や温度が本発明
の範囲外なため十分な黒化膜が形成できなかった。

急回Ｊど九呆 本発明によれば、Ｆｅ−Ｎｉ合金系シャドウマスクの表
面に極めて緻密かつ均質で密着性の高い黒化膜を形成す
ることができ、工業的に非常に有益である。

同 風間弘志　ゝ）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）Ｆｅ−Ｎｉ合金系シャドウマスク材をＨ＿２５％
   （容量）以上及び残部Ｎ＿２の組成を有しそして露点が
   ０℃以上の雰囲気中にて、４００〜８００℃で熱処理し
   た後、大気中にて４００〜８００℃で黒化膜を形成する
   ことを特徴とするシャドウマスクの黒化処理方法。