JPH0319385B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は内燃型の汎用エンジンに用いる燃料ガ
スの供給量調整装置に関するものである。

従来の此種エンジンは発電機に用いられる事が
多いが、この型式のエンジンはガソリンを燃料と
しているため、燃料費が嵩むと云う不利益があつ
た。このため最近に至り、プロパンガス等のガス
燃料をガソリンに代替して使用し得る汎用エンジ
ンが開発される様になつたが、此型式のエンジン
はガス燃料の圧力を大気圧に減圧すると共にエン
ジン側の稼動状態に対応してガス燃料を供給する
必要があるから、エンジンとガス燃料の供給源、
例へば液化ガスを充填したガスボンベとの間にガ
ス供給量調整装置を介在させてある。

しかしながら、従来の調整装置は、エンジンの
負圧をエアクリーナーとスロツトルバルブ間から
取出すと共にこの負圧を１枚のダイヤフラムに作
用させ、これによつて得られるダイヤフラムの変
歪動作によりガス流通路の調整弁を開閉させる構
成であつたから、取出し可能な負圧が小さく、従
つてダイヤフラムによる調整弁の駆動を可能にす
るにはダイヤフラムを大型に作る必要がある他、
ダイヤフラムの動作を微調整する事が困難である
から、負圧の変化に対応してガス供給量を逐次調
整する事が難しく、その結果として燃料ガスの供
給量が不充分であつたり、或は又一酸化炭素の濃
度管理が困難であると云う不利益があつた。

本発明は、この様な不利益を解消出来る燃焼ガ
スの供給量調整装置を提供せんとするものであ
る。以下に本発明装置を添付図面につき説明する
と、第１図は本発明調整装置１０を取付けた発電
用エンジン２０を示すもので、本発明装置１０は
燃料ガス供給源例へば液化プロパンガスの貯溜ボ
ンベ３０を受給側として他方の供給側をエンジン
２０のガス入口に連結されている。

本発明装置１０は貯溜ボンベ３０に連結される
受給管系１１とエンジン２０のガス入口に連結さ
れる供給管系１２及びエンジン２０側の負圧を検
出する検圧管系１３とを備えており、各管系１
１，１２，１３は剛性のパイプや軟性のホースに
より構成されている。

上記調整装置１０と貯溜ボンベ３０との間には
ガスメーターや安全装置が別途附加される事が多
く従つて上記受給管系１１は必ずしも直接的に貯
溜ボンベ３０え連結される必要はない。

本発明装置１０の供給管系１２はエンジン２０
の燃焼室とエアクリーナーとの間に設けられた受
給部２１の所望位置に連通する事が出来るが、第
２図に示す如く、クリーナー２２とスロツトルバ
ルブ２３との間においてエンジンの受給部２１へ
連通させる事が望ましく、かくすればスロツトバ
ルブ２３の弁体２３′より手前側において供給大
気と混合する事が出来るから、混合効果が良好で
ある。

これに対し、上記検圧管系１３はエンジン本体
のシリンダー、即ち燃焼室とスロツトバルブの弁
体２３′との間において負圧を取出す様にエンジ
ン２０側と連結されており、実施例ではインシユ
レーター２７に受給部２１に開口する通孔を設け
て、この通孔によりエンジン側に生じる負圧を取
出す様に設定してある。

尚実施例では、上記スロツトバルブ２３とチヨ
ークバルブ２４の間にガソリン燃料供給用のノズ
ル２５が設けてあり、このノズル２５からフロー
トチヤンバー２６内のガソリンが受給部２１内に
引込まれる様に構成してある。

従つてこの実施例に示されるエンジンはガソリ
ンとガスとを択一的に選択使用する事が出来る。

本発明調整装置１０は、その内部に、第３図に
示す如く、受給管系１１と接続されるガス受入側
の開閉弁機構４０と、上記供給管系１２に接続さ
れるガス供給側の調整弁機構５０及び上記検圧管
系１３と接続される負圧作動機構６０とを備えて
いる。

上記開閉弁機構４０は、上記受給管系１１と連
通する流入路４１とこの流入路４１の中間に設け
られた開閉弁４２と、更にこの開閉弁４２の弁棒
４３とを備えており、上記流入路４１は開閉弁４
２より受給側の部分に対し開閉弁４２より供給側
の部分が直角状に延びる様形成されている。

上記調整弁機構５０は、上記供給管系１２に連
通すると共に上記流入路４１とも連通する供給路
５１を有しており、この供給路５１の中間には調
整弁５２が設けられていて、この調整弁５２から
排出されたガス燃料は略大気圧に減圧され負圧に
よつてエンジン内に引込まれる。

上記調整弁５２には弁棒５３が設けてあり、実
施例では、この弁棒５３の先端が調整弁５２に作
られている。

上記負圧作動機構６０は、上記検圧管系１３と
連通すると共に上記開閉弁４２と対設された第１
の圧力室６１と上記調整弁５２に対設された第２
の圧力室６２とを有しており、此等圧力室６１，
６２には、上記各弁の弁棒４３，５３と夫々直交
状に展張された第１，第２のダイヤフラム６１
１，６２１が設けられていて、これにより各圧力
室６１，６２の一方の壁面が形成されている。

上記第１、第２圧力室６１，６２のダイヤフラ
ム６１１，６２１には、各ダイヤフラム６１１，
６２１を常時室内側から押圧して各圧力室６１，
６２の容積を最大に維持する復帰手段、例へば第
１、第２のコイルばね６１２，６２２が取付けら
れていると共に各ダイヤフラム６１１，６２１の
中央には各ダイヤフラムに対向する弁棒４３，５
３が各別に固設されている。

上記第１ダイヤフラム６１１はコイルばね６１
２によつて常時開閉弁４２を閉弁状態に維持する
様設定されると共に、負圧の作用した時にはコイ
ルばね６１２に抗して開閉弁４２を開く方向に動
作する様構成されており、従つて圧力室６１の容
積縮小時には、縮小に伴つて開閉弁４２が開弁方
向へ漸次移動する事になる。

このために、上記開閉弁４２は、Ｏリング４２
１により閉弁時における封隙を確実ならしめられ
ると共に開弁量の変化を始動時にのみ緩漫にする
ため弁棒４３の端末を拡大段部４２２に成形して
ある。

これに対し上記第２圧力室６２は、そのダイヤ
フラム６２１を供給路５１側に展張して、このダ
イヤフラム６２１によつて第２圧力室６２を供給
路５１と区分する様に構成されており、又上記ダ
イヤフラム６２１が定常状態にある時に上記調整
弁５２が供給路５１を微小開通する様に設定して
ある。

このために上記調整弁５２の基部には細隙５
２′が形成されていて、これによりガスの流通が
保障されている。

従つて上記調整弁５２は、上記第２圧力室６２
が容積を縮小するに伴つて供給路５１を閉塞する
事になるから、実施例では調整弁５２を順次先端
側が拡大する複数の段部５２１で構成し、第２圧
力室６２の容積減少の進行に応じて開弁面積が減
小する様に設定してある。

上記調整弁５２は、実施例の如く段部５２１を
設ける代りに漸次拡大するテーパー部を設けても
良く、かくすれば流通ガス量の調整を無段階に行
う事が出来る。

以上に処において、上記調整弁５２は負圧の増
大により段部５２１が図中上方に移動し閉弁状態
になるため弁体そのものがストツパーとして動作
出来るが、開閉弁４２は負圧の増大で開弁するた
め、最大開弁位置を設定しておく事が望ましい。
このため、実施例では上記第１圧力室６１内にダ
イヤフラム６１１の変形移動を所定位置において
停止せしめる規制手段、例へば円筒状ストツパー
６１３を設けて、これによりダイヤフラム６１１
の動き、従つて開閉弁４２の最大開弁位置を規制
する様に構成してある。

更に又上記開閉弁４２は、エンジン始動時の負
圧によつて自動的に開くから、特に第１ダイヤフ
ラム６１１を操作する必要はないが、実施例の如
く上記ダイヤフラム６１１に押釦部７０等の始動
手此を設けて、これにより第１ダイヤフラム６１
１を始動時において外部から押圧変形せしめ、以
つて人為的に流路を開く様に構成する事が望まし
い。図中４２３，５２２は夫々弁座である。

本発明装置はこの様なものであるから、使用に
当つては始動手段、即ち実施例の押釦部７０を操
作して開閉弁４２を部分的に開口させ、これによ
つて小量のガスをエンジン２０へ供給して点火始
動を行う。

エンジン２０が始動すると、この時点ではスロ
ツトルバルブ２３の開度が小さいため大きな負圧
が生じ、この負圧によつて第１ダイヤフラム６１
１と第２ダイヤフラム６２１とが大きく変動移動
せしめられ、開閉弁４２が全開せしめられると共
に調整弁５２は閉弁方向に移動せしめられる。

従つてエンジン２０に供給されるガス量は、開
閉弁４２の全開によつて最大量が保障されつつ調
整弁５２により小量に規制される。

エンジン２０の回転数が増大し、スロツトルバ
ルブ２３の開度が大きくなると、負圧は減小する
から、これに伴つて調整弁５２は開弁方向に移動
し、以つてエンジン２０への供給ガス量を増加さ
せる。エンジン２０の回転数が更に増大してスロ
ツトルバルブ２３の開度が最大になると、負圧は
更に下がるから、調整弁５２は最大開口状態とな
り供給ガス量は最大となり、又エンジン２０の回
転数が低下すると、これに伴つて負圧が増大する
から、調整弁５２が閉弁方向へ動き、ガス供給量
を減少せしめる。

本発明装置は、この様にスロツトルバルブ２３
より燃焼室側においてエンジンの負圧を取出す構
成であるため、大きな負圧を利用する事が出来る
他、２枚のダイヤフラムを使用してその一方で流
路の開閉を行い、他方でガス供給量の調整を行う
様構成してあるから、ガス燃料の供給量をエンジ
ン側の状態に対応して良好に調整する事が出来る
と云う効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明装置を使用した汎用エンジンの
斜視図、第２図は同上装置とエンジンとの接続状
態を示す要部の略解側面図、第３図は本発明装置
の縦断側面図である。 図中１０は本発明装置、１１は受給管系、１２
は供給管系、１３は検圧管系、２０はエンジン、
２１は受給部、４０は開閉弁機構、４１は流入
路、４２は開閉弁、４３は弁棒、５０は調整弁機
構、５１は供給路、５２は調整弁、５３は弁棒、
６０は負圧動作機構、６１は第１圧力室、６１１
は第１ダイヤフラム、６２は第２圧力室、６２１
は第２ダイヤフラム、を夫々示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エンジンのスロツトルバルブより燃焼室側に
   おいてエンジンの負圧を取出す検圧管系と、上記
   エンジンの受給部に燃料ガスを供給する供給管系
   と、上記エンジンへ供給する燃料ガスの供給源か
   らガスを受給する受給管系とを備えると共に、内
   部には上記検圧管系に接続する負圧作動機構と、
   上記供給管系に接続される調整弁機構、及び上記
   受給管系に接続される開閉弁機構とを有し、上記
   負圧作動機構には上記検圧管系に連通する第１、
   第２の圧力室を設けると共に此等圧力室には各圧
   力室の壁面を形成する様に夫々ダイヤフラムを展
   張設置し、且つ上記第１、第２の圧力室には此等
   圧力室に負圧が作用しない時において各ダイヤフ
   ラムを定常状態に維持する復帰手段を設け、上記
   調整弁機構には上記第２圧力室のダイヤフラムに
   連結されて、該ダイヤフラムの負圧による変形動
   作により上記供給路の開口面積を漸次変化せしめ
   る調整弁を設けると共に上記供給路は上記管系に
   連通させる様に構成し、上記開閉弁機構には上記
   第１圧力室のダイヤフラムに連結されて、該ダイ
   ヤフラムの負圧による変形動作により、上記供給
   路と連通する流入路を開口する開閉弁を設け、上
   記調整弁を上記負圧の増大に伴つて上記供給路の
   開口面積を減少させる方向に動作せしめる様構成
   した事を特徴とする汎用エンジン用のガス供給量
   調整装置。 ２ 上記検圧管系が上記エンジンのキヤブレター
   とクリーナー間の受給部にあるインシユレーター
   に連結され、このインシユレーターには受給部内
   に開口する透孔が検圧管系の連結部として設けら
   れている事を特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載の汎用エンジン用のガス供給量調整装置。 ３ 上記供給管系がスロツトルバルブとクリーナ
   ー間において上記受給部に接続されている事を特
   徴とした特許請求の範囲第１項記載の汎用エンジ
   ン用のガス供給量調整装置。