JPH0318957B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0318957B2
JPH0318957B2 JP58037943A JP3794383A JPH0318957B2 JP H0318957 B2 JPH0318957 B2 JP H0318957B2 JP 58037943 A JP58037943 A JP 58037943A JP 3794383 A JP3794383 A JP 3794383A JP H0318957 B2 JPH0318957 B2 JP H0318957B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
calcium
phosphorus
agent
phosphorus concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP58037943A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS59162998A (ja
Inventor
Isao Joko
Shigeki Sawada
Tetsuro Fukase
Chuichi Goto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP3794383A priority Critical patent/JPS59162998A/ja
Publication of JPS59162998A publication Critical patent/JPS59162998A/ja
Publication of JPH0318957B2 publication Critical patent/JPH0318957B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Removal Of Specific Substances (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は有機物およびリン酸塩を含む水の脱
リン方法に関するものである。
下水、廃水などの有機物およびリンを含む水か
ら有機物およびリンを除去するために、生物学的
な脱リン方法が提案されている。この方法はリン
酸塩等のリンを含む原水を返送汚泥と混合し、嫌
気槽に30〜360分間嫌気処理し、次いで好気槽で
90〜360分間曝気処理して、リンとともにBODを
除去し、曝気液は沈澱槽において処理水と沈澱汚
泥に分離し、この沈澱汚泥の一部を返送するとと
もに残部を余剰汚泥として排出するものである。
この方法におけるリンおよびBODの除去機構
は次の通りと推定される。すなわち、汚水を返送
汚泥と混合し、嫌気槽にて撹拌すると、汚泥中の
微生物は体内に蓄えていたリン化合物(ポリリン
酸のマグネシウム塩)をエネルギー源として消費
し、リン(正リン酸)を放出してBODを吸着な
いし吸収するが、次の好気槽では吸収したBOD
を呼吸により酸化するとともに放出したリンや流
入したリンを吸収してエネルギー源として前記リ
ン化合物の形で体内に蓄える。リンを蓄えた汚泥
は嫌気槽に返送され同様の作用をくり返す。通常
の活性汚泥処理法における余剰汚泥のリン含有率
は汚泥乾燥重量当り1.5〜2.5%であるが、嫌気〜
好気という環境を交互にくり返すことによつて、
余剰の汚泥のリン含有率は汚泥乾燥重量当り8%
程度となることがある。このため汚水中のリンは
高除去率で除去されることになる。
ところで、このような生物学的脱リン装置にお
いては、嫌気槽および好気槽の滞留時間、MLSS
濃度、対象水中のBOD濃度とリン濃度の比等に
よつて脱リン効果が影響を受ける。特に処理水質
的には嫌気槽出口すなわち好気槽入口におけるリ
ン濃度が大きな因子となり、このリン濃度は流入
水量等によつても影響を受ける。下水を対象とす
る場合、流入水量は1日のサイクルで時間変動を
示し、この結果、嫌気槽および好気槽での滞留時
間があるサイクルで変化し、嫌気槽リン濃度、処
理水リン濃度も変化する。
例えば後述の実施例で詳述するように、流入水
量が減少した場合、嫌気槽での滞留時間が長くな
り、汚泥から正リン酸として放出されるリンの量
が増加し、液中のリン濃度が高くなる。このよう
な状態に続いて流入水量が増加すると、嫌気槽内
のリン濃度が高い液が大量に好気槽に移ることに
なるが、流入水量が多いため、好気槽における滞
留時間が短くなり、その結果リン摂取に必要な時
間がとれなくなつて、処理水のリン濃度が高くな
る。このように、従来の生物学的脱リン方法にお
いては、流入水量、流入水質等の変動により処理
水質が変動し、安定して処理できないという問題
点があつた。
この発明は上記のような従来装置の問題点を改
善するためのもので、嫌気槽におけるリン濃度が
所低濃度以上になつたときに、リン酸カルシウム
を析出させることにより、嫌気槽出口のリン濃度
を所低濃度以下に抑え、最終処理水のリン濃度を
安定させることのできる脱リン方法を提供するこ
とを目的としている。
この発明は、原水を返送汚泥と混合して、嫌気
性処理および好気性処理したのち固液分離し、処
理水を得る一方、分離汚泥の一部を前記嫌気性処
理工程へ返送する方法において、嫌気槽内におけ
るリン濃度が所定濃度以上になつたときに、リン
酸カルシウムの析出濃度となるように、カルシウ
ム剤またはアルカリ剤を、下記〔〕式を満足す
るように制御して添加することを特徴とする脱リ
ン方法である。
PH≧7.88−log〔P〕−log〔Ca〕/0.65 …〔〕 (ここで、〔P〕は所定リン濃度(mg/)、
〔Ca〕は所定リン濃度におけるカルシウム濃度
(mg/)である。) 以下、本発明を図面により説明する。第1図は
本発明の一実施例態様を示す系統図である。図面
において、1は最初沈殿槽、2は脱窒槽、3は嫌
気槽、4は好気槽、5は最終沈殿槽で、シリーズ
に接続されている。6は薬注管である。
最初沈殿槽1は必ずしも必要ではないが、原水
管7から流入する原水を沈殿分離し、固形物を沈
殿汚泥として排泥管8から排出するものである。
最初沈殿槽1の上澄水は、返送管9の返送汚泥と
ともに原水供給管10から脱窒槽2へ供給する。
脱窒槽2および嫌気槽3はほぼ同様の構成とな
つており、空気を遮断した状態で緩やかに撹拌し
て、嫌気処理を行えるようになつている。脱窒槽
2は嫌気性処理工程に含まれ、返送汚泥中に硝酸
イオンまたは亜硝酸イオンが含まれる場合に脱窒
するためのもので、これらが含まれない場合には
省略してもよい。ここで硝酸イオンまたは亜硝酸
イオンを含む返送汚泥と原水とを混合して嫌気性
に保つと、脱窒細菌が優勢となつて、硝酸イオン
および亜硝酸イオンが消費されて窒素として放出
される。
こうして硝酸イオンおよび亜硝酸イオンが消費
された混合液を嫌気槽3に移し、脱窒と同様の操
作で嫌気性処理工程を行う。嫌気槽3では硝酸イ
オンおよび亜硝酸イオンが存在しないため、脱窒
細菌を含む通性嫌気性菌は体内のリンをエネルギ
ー源として消費し、リンを放出し、BODを吸着
ないし吸収する。返送汚泥中に硝酸イオン等が存
在しない場合で、かつ、脱窒槽2を省略した場合
も同様の現象が起こる。
前述のように原水水質や流入量等の変動によ
り、嫌気槽3におけるリンの放出量が増加する
と、最終処理水のリン濃度が増加するので、リン
濃度が所定濃度以上になつたときにリン酸カルシ
ウムの析出が起こるように、薬注管6からカルシ
ウム剤またはアルカリ剤を、前記〔〕式を満足
するように制御して添加し、これによりリン酸カ
ルシウムの析出濃度として、所定濃度以上のリン
をリン酸カルシウムの形で析出させ、嫌気槽3内
を所定濃度以下に維持する。カルシウム剤または
アルカリ剤の添加は連続的に行つてもよいが、所
定濃度以上になつたときのみ行つてもよい。また
カルシウム剤およびアルカリ剤の両方を添加して
もよい。
リン酸カルシウムの析出濃度とは、カルシウム
剤またはアルカリ剤の添加により生成するリン酸
カルシウムが析出する濃度であり、結晶種が存在
しない場合に結晶が析出し始める過溶解度以上の
不安定域、ならびに結晶種が存在する場合に結晶
種上に析出する準安定域の両方を含むが、不安定
域となる過溶解度以上とするのが望ましい。
リン酸カルシウムの過溶解度以上におけるPH、
リン濃度およびカルシウム濃度は次の〔〕式で
表わされる。
PH≧7.88−log〔P〕−log〔Ca〕/0.65 …〔〕 (ここで、〔P〕は所定リン濃度(mg/)、
〔Ca〕は所定リン濃度におけるカルシウム濃度
(mg/)である。) 〔〕式は後述の実験例から導びかれた近似式
であり、嫌気槽3内のPH、所定リン濃度およびカ
ルシウム濃度の関係が〔〕式を満足するよう
に、カルシウム剤およびアルカリ剤の添加量を制
御すると、嫌気槽3内が過溶解度以上になり、リ
ン濃度は所定リン濃度以下に維持される。
所定リン濃度は任意に設定しうるが、一般的に
は15mg/とするのが望ましく、この場合の嫌気
槽3におけるPHとカルシウム濃度との関係が次の
〔〕式を満足するように、カルシウム剤または
アルカリ剤の添加量を制御することができる。
9.5≧PH≧(10.3−log〔Ca〕/0.65)…〔〕 (ここで〔Ca〕は所定リン濃度(15mg/)に
おけるカルシウム濃度(mg/)である。) 〔〕式の下限は後述の実験例により得られた
近似式であり、また上限は嫌気槽3および好気槽
4における生物反応を円滑に行わせるための条件
で、好ましくは9以下である。
〔〕式および〔〕式は過溶解度すなわち結
晶種が存在しない場合にリン酸カルシウムの結晶
が析出し始める濃度以上におけるPH、リン濃度お
よびカルシウム濃度の関係を示しているから、嫌
気槽3内のPHおよびカルシウム濃度が〔〕式ま
たは〔〕式を満足するように制御すると、嫌気
槽3内のリン濃度は所定濃度(〔〕式の場合は
15mg/)以下に維持されるので、嫌気槽3のPH
およびカルシウム濃度を測定しながら添加量を制
御するか、あるいは〔〕式または〔〕式より
計算して求めた添加量のカルシウム剤またはアル
カリ剤を添加すればよい。
また〔〕式および〔〕式は過溶解度におけ
る式であるから、運転の初期にはこれらの式によ
ることが必要であるが、返送汚泥中に結晶種が含
まれるようになると、過溶解度以下でも結晶の析
出が起こるため、カルシウム剤またはアルカリ剤
の添加量を少なくして、準安定域に維持するよう
に制御してもよい。
リン酸カルシウムが析出する反応は条件によつ
て異なるが、通常は次式によつて表わされる。
5Ca2++3HPO4 2-+4OH- →Ca5(OH)(PO43+3H2O …〔〕 析出する結晶としてはヒドロキシアパタイト
〔Ca5(OH)(PO43〕に限らず、フルオロアパタ
イト〔Ca5(F)(PO43〕またはリン酸三石灰
〔Ca3(PO42〕などの他のリン酸カルシウムでも
よい。嫌気槽3におけるPHが高くカルシウム濃度
が低い場合にはヒドロキシアパタイトが生成し、
PHが低くカルシウム濃度が高い場合にはリン酸三
石灰が生成し、フツ素が共存する場合にはフルオ
ロアパタイトが生成する傾向にある。これらのリ
ン酸カルシウムは1種だけでなく、数種が生成し
てもよく、また炭酸カルシウム等の他の結晶が同
時に析出してもよい。
カルシウム剤としては水酸化カルシウム、塩化
カルシウム等が使用できるが、水酸化カルシウム
はアルカリ剤と兼用できるので、望ましい。アル
カリ剤としては、このほかに水酸化ナトリウムな
どがある。カルシウム剤の量を多くすると、アル
カリ剤の量は少なくてよく、逆にアルカリ剤の量
を多くすると、カルシウム剤の量は少なくてよ
い。
嫌気槽3において、薬注管6からカルシウム剤
または(および)アルカリ剤を添加しながら嫌気
処理を行うと、嫌気槽3内のリンは所定濃度以下
に抑えられる。
嫌気槽3の混合液は一部づつ連絡管11から好
気槽4へ送り、好気槽4において散気管4aから
通気して曝気し、好気性処理工程を行う。ここで
活性汚泥中の微生物は液中のリンを摂取するとと
もに、BODを分解し、こうして混合液中の有機
物およびリン酸塩は除去される。
好気槽4に流入する混合液のリン濃度は所定濃
度以下になつているので、好気槽4における滞留
時間が短い場合でも十分対応でき、好気槽4内の
リン濃度も一定の濃度以下となる。また嫌気槽3
内でカルシウムイオンと反応して析出したリン酸
カルシウムの反応生成物の一部は、好気槽4内で
PH条件などの変化によつて再溶解する場合もある
が、生物脱リン反応に実質的な悪影響を及ぼさ
ず、好気性微生物によつて摂取され、除去され
る。
好気槽4の混合液は一部づつ連絡管12から最
終沈殿槽5に送つて沈殿分離を行い、沈殿固形分
は排泥管13から取出し、一部を返送汚泥として
返送管9から返送し、残部を余剰汚泥として排出
する。
上澄水は管14から処理水として放流してもよ
いし、第1図に破線で示したように、さらに、そ
のまゝもしくは必要に応じてカルシウム剤、アル
カリ剤または晶析促進剤(フツ化物など)を添加
して、リン酸カルシウムを含む結晶種を充填した
晶析槽15へ通水し、放流水管16から放流する
ようにしてもよい。
さらに晶析槽へ通水することにより、その処理
水中のリン濃度は極めて低減化されるとともに、
晶析に必要なアルカリ剤またはカルシウム剤は嫌
気槽へ添加されたものをそのまゝ使用することが
可能となるため、新たに特別の操作をすることな
く運転することができる。
晶析はカルシウムイオンの存在下であつて、か
つPH6以上の条件下にリン酸カルシウムを含む結
晶種と接触させることにより、液中のリンをリン
酸カルシウムとして析出させ除去するものであ
る。このときに起こる反応は反応条件によつて異
なるが、通常は前記〔〕式によつて表わされ
る。
リン酸カルシウムを含む結晶種としては、前記
ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイトまた
はリン酸三石灰などのリン酸カルシウムを含む結
晶種が使用でき、天然のリン鉱石または骨炭はこ
れらのリン酸カルシウムを主成分としており、結
晶種として適している。また、砂などの材面に
リン酸カルシウムを析出させた結晶種も用いるこ
とができる。結晶種としては反応によつて生成す
るリン酸カルシウムと同種のリン酸カルシウムを
主成分とするものが望ましい。例えばヒドロキシ
アパタイトを生成する系では、ヒドロキシアパタ
イトを使用すると新しい結晶の析出が円滑に行わ
れ、リン塩酸の除去が効率的に行われ、除去率が
上がる。
水中に存在させるカルシウムイオンや水酸イオ
ンの量は反応当量よりも過剰量とするが、あまり
多量に存在すると結晶種以外の場所で微細な沈殿
が析出したり、また炭酸カルシウム等の不純物が
生成する場合があるから、これらが生成しない範
囲とすべきである。すなわち、カルシウムイオン
および水酸イオンの量は、〔〕式において生成
するヒドロキシアパタイトの溶解度より高く、過
溶解度よりは低い濃度、すなわち準安定域の濃度
のヒドロキシアパタイトが生成する条件とする。
過溶解度より高い濃度では、結晶種の存在しない
ところに新たな結晶が析出して微細な沈殿を生成
し、床の目詰りが生ずるが、過溶解度より低い
準安定域では結晶種の上に新たな結晶が析出し
て、結晶が成長するだけで沈殿は生成しない。ま
た溶解度より低い系では結晶は析出しない。
ヒドロキシアパタイトの生成する量は反応系の
リン酸イオン濃度、カルシウムイオン濃度および
PHによつて支配される。生成したヒドロキシアパ
タイトの量を準安定域内にするカルシウムイオン
の量およびPH値は、反応系ごとにこれらの値を変
えて実験的に求めることができる。おおよその範
囲は、リン酸イオン50mg/以下の場合におい
て、カルシウルイオンが10〜100mg/、PHが6
〜12程度であるが、それぞれの条件によつて変動
する。
生物学的脱リン工程の処理水と結晶種との接触
方法は固定床式式でも流動床式でもよい。結晶種
の大きさは小さいものほど表面積が大きいため新
しい結晶が析出しやすいが、あまり小さいと結晶
種と水の接触または分離に困難を伴う。また粒径
があまり大きいと単位充填量当りの比表面積が小
さいから、通常は9〜300メツシユ程度のものを
使用する。このうち大きいものは固定床に適し、
小さいものは流動床に適する。固定床の場合9〜
35メツシユの粒径の結晶種を充填し、流速SV1〜
5hr-1で上向流または下向流で通水してリン酸カ
ルシウムの結晶を析出させる。
通水中に結晶種表面が汚染されたり、目詰りを
起こすことがあれば、定期的に上向流による洗浄
(逆洗)を行つて結晶種床を展開して洗浄し、表
面に付着した不純物を剥離することが望ましい。
逆洗時の通水条件としては、流速は20〜80m/hr
程度、洗浄時間は5〜60分程度である。
以上の工程において、嫌気槽3で生成したリン
酸カルシウムは汚泥に混入した状態で各槽間を移
動し、返送汚泥とともに嫌気槽3にも返送され
る。このようにして嫌気槽3に返送されるリン酸
カルシウムの結晶は滞留時間の延長とともに成長
し、安定した形態となつており、嫌気槽3および
好気槽4内では結晶種として作用する。このよう
な状態になると、嫌気槽3においては準安定域に
おいて析出が起こるため、過溶解度以上になるよ
うに制御する必要はない。また過溶解度以上に制
御する場合でも、析出速度が速くなるので、脱リ
ン効率が良くなる。
なお、以上の説明において、脱リンプロセスの
細部における変更、あるいは装置の構成、組合せ
等は任意に変更可能である。
以上説明してきたように、この発明によれば、
生物学的脱リン工程において、嫌気槽のリン濃度
が所定濃度以上となつたときに、リン酸カルシウ
ムを析出させるように構成したので、原水水質や
流入量が変動する場合でも、嫌気槽出口のリン濃
度を所定濃度以下に抑えることができ、これによ
り最終処理水のリン濃度を安定させることができ
る。またリン酸カルシウムの析出により、生物学
的脱リン反応と晶析による脱ラン反応が並行して
行われることになるため、リン除去率が上がると
ともに、リン濃度が高くなつたときに晶析が行わ
れて、常に生物学的脱リン反応に適したリン濃度
に維持でき、生物学的脱リン効率を最高の状態に
維持できる。さらに前記〔〕式好ましくは
〔〕式を満足するように制御すればよいから、
カルシウム剤またはアルカリ剤の添加量が容易か
つ迅速に算出でき、制御が容易かつ正確になるな
どの効果がある。
さらに生物学的脱リン反応処理水をリン酸カル
シウムを含む結晶種と接触させることによつて最
終処理水の水質は著しく改善される。
次に実験例および実施例について説明する。
実験例 蒸留水に炭酸水素ナトリウムを用いて総アルカ
リ度が100mg/となるように添加し、さらにリ
ン酸一ナトリウム(NaH2PO4・2H2O)をPと
して15mg/となるように添加した。次に塩化カ
ルシウムを用いてカルシウム濃度が25mg/、40
mg/、60mg/、および80mg/となるように
添加した後、さらに水酸化ナトリウムを用いてPH
が7.25、7.5、7.75、8、8.25、8.5となるように調
整した。20℃の恒温水槽中に1時間静置させた
後、0.22μmのミリポアフイルタで吸引過し、
液についてリンとカルシウム濃度の測定を行
い、減量を結晶の析出分とした。なお、水質分析
はJIS KO102に基づいた。
水質分析の結果より、リンとカルシウム濃度が
減少し始めるPHを求めてグラフ化し、第2図の線
Aを得た。この線Aはリン濃度15mg/における
過溶解度を示し、近似式は次の〔〕式で表わさ
れる。
PH=10.3−log〔Ca〕/0.65 …〔〕 同様にしてリン濃度3.3mg/、1.7mg/、お
よび1.1mg/における過溶解度を求め、第2図
の線B,C,Dを得た。線A〜Dからリン酸カル
シウムの過溶解度を示す近似式としての次の
〔〕式を得た。
PH=7.88−log〔P〕−log〔Ca〕/0.65 …〔〕 以上の結果より、嫌気槽3中のリン濃度を、リ
ン酸カルシウムの過溶解度以下にするには、〔〕
式を満足するように制御すればよく、また所定リ
ン濃度15mg/として過溶解度以下にするには、
〔〕式を満足するように制御すればよいことが
わかる。
実施例 リン濃度3.5〜4.5mg/、BOD75〜100mg/、
カルシウム濃度20〜30mg/の下水の最初沈殿池
流出水を実際の下水と同様に流入量を変化させ
て、第1図の装置(ただし最初沈殿槽1および脱
窒槽2は省略)により、嫌気槽3の平均滞留時間
0.85hr、好気槽4の平均滞留時間2.0hr、
MLSS2000〜4000mg/、平均汚泥返送率30%で
処理した。このときの嫌気槽3出口リン濃度(曲
線E)および処理水リン濃度(曲線F)を第3図
のグラフに示す。
以上の結果、BOD10mg/未満の処理水を得
たものの、残留リン濃度は第3図に示すように、
0.4〜3.8mg/の間で変動した。なお嫌気槽3の
PHは6.8〜7.2の間を推移した。
次に嫌気槽3内のPHとカルシウム濃度が〔〕
式を満足するように、薬注管6から水酸化ナトリ
ウムを添加してPHを人為的に8.5〜9.0に調整して
処理を行つた。このときの嫌気槽3出口リン濃度
(曲線G)および処理水リン濃度(曲線H)を第
4図のグラフに示す。
以上の結果、第4図に示すように、嫌気槽3流
出水中のリン濃度はほぼ均一化され、処理水中の
リン濃度も常に0.6mg/以下となつた。
なお、さらに、この処理水を、粒度16〜32メツ
シユのリン鉱石を150ml充填した固定床に上向流
でSV2〔hr-1〕で通水したところ、その処理水中
のリン濃度は常時0.3mg/以下となつた。
以上の結果より、本発明方法によれば、原水中
のリン濃度が変動しても、処理水中のリン濃度が
極めて低濃度で安定することがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施態様を示す系統図、第
2図は実験例の結果を示すグラフ、第3図および
第4図はそれぞれ実施例の結果を示すグラフであ
り、1は最初沈殿槽、2は脱窒槽、3は嫌気槽、
4は好気槽、5は最終沈殿層である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 原水を返送汚泥と混合して、嫌気性処理およ
    び好気性処理したのち固液分離し、処理水を得る
    一方、分離汚泥の一部を前記嫌気性処理工程へ返
    送する方法において、嫌気槽内におけるリン濃度
    が所定濃度以上になつたときに、リン酸カルシウ
    ムの析出濃度となるように、カルシウム剤または
    アルカリ剤を、下記〔〕式を満足するように制
    御して添加することを特徴とする脱リン方法。 PH≧7.88−log〔P〕−log〔Ca〕/0.65 …〔〕 (ここで、〔P〕は所定リン濃度(mg/)、
    〔Ca〕は所定リン濃度におけるカルシウム濃度
    (mg/)である。) 2 リン酸カルシウムの析出濃度は過溶解度以上
    の濃度である特許請求の範囲第1項記載の脱リン
    方法。 3 カルシウム剤またはアルカリ剤の添加量は下
    記〔〕式を満足するように制御される特許請求
    の範囲第1項または第2項記載の脱リン方法。 9.5≧PH≧(10.3−log〔Ca〕/0.65)…〔〕 (ここで〔Ca〕は所定リン濃度(15mg/)に
    おけるカルシウム濃度(mg/)である。) 4 カルシウム剤またはアルカリ剤の添加は連続
    的に行うようにした特許請求の範囲第1項ないし
    第3項のいずれかに記載の脱リン方法。 5 カルシウム剤またはアルカリ剤の添加は嫌気
    槽内のリン濃度が所定濃度以上となつたときに行
    うようにした特許請求の範囲第1項ないし第3項
    のいずれかに記載の脱リン方法。 6 処理水はさらにリン酸カルシウムを含む結晶
    種と接触させる特許請求の範囲第1項ないし第5
    項のいずれかに記載の脱リン方法。 7 リン酸カルシウムを含む結晶種はリン鉱石、
    ヒドロキシアパタイト、フルオロアパタイトまた
    はリン酸三石灰である特許請求の範囲第6項記載
    の脱リン方法。
JP3794383A 1983-03-08 1983-03-08 脱リン方法 Granted JPS59162998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3794383A JPS59162998A (ja) 1983-03-08 1983-03-08 脱リン方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3794383A JPS59162998A (ja) 1983-03-08 1983-03-08 脱リン方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS59162998A JPS59162998A (ja) 1984-09-13
JPH0318957B2 true JPH0318957B2 (ja) 1991-03-13

Family

ID=12511629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3794383A Granted JPS59162998A (ja) 1983-03-08 1983-03-08 脱リン方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS59162998A (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100416693B1 (ko) * 2001-04-27 2004-01-31 한국과학기술연구원 2단 폭기방식을 이용한 하수의 영양소 제거 방법 및 장치

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5687496A (en) * 1979-12-17 1981-07-16 Kurita Water Ind Ltd Decontamination of water containing organics and phosphorus
JPS57187097A (en) * 1981-05-15 1982-11-17 Ebara Infilco Co Ltd Treatment of organic waste water

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5687496A (en) * 1979-12-17 1981-07-16 Kurita Water Ind Ltd Decontamination of water containing organics and phosphorus
JPS57187097A (en) * 1981-05-15 1982-11-17 Ebara Infilco Co Ltd Treatment of organic waste water

Also Published As

Publication number Publication date
JPS59162998A (ja) 1984-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4578278B2 (ja) 汚水処理装置及び処理方法
JPH1190483A (ja) 排水処理方法および排水処理装置
JP5115252B2 (ja) 廃水の活性汚泥処理方法及び活性汚泥処理装置
JP5333953B2 (ja) 脱水ろ液の窒素除去システム並びに窒素除去方法
JP3817850B2 (ja) 生物脱リン装置
JPS6331593A (ja) 水中リン酸イオンの除去方法
JP4685224B2 (ja) 排水処理方法および排水処理装置
KR100432437B1 (ko) 입상형 제올라이트를 이용한 질소 함유 하·폐수 처리방법 및 장치
JPH0318957B2 (ja)
JP4101348B2 (ja) 生物学的窒素除去方法
JPS6317513B2 (ja)
JPS5990690A (ja) 有機物およびリン酸塩を含む水の処理方法
JPH0975992A (ja) 高濃度のリン及びアンモニア性窒素含有排水の処理方法
JP3846562B2 (ja) 有機性汚水の処理方法
JP2003266096A (ja) 排水処理装置
JPH024360B2 (ja)
JP2003340481A (ja) 生物活性炭塔及び純水製造装置
JP2001029963A (ja) 排水中のリン酸イオン除去装置及びこれを備えた浄化槽
WO2023187881A1 (ja) 汚水浄化装置及び水再利用システム
JP3763551B2 (ja) 水処理システム
JPS62225294A (ja) 生物学的脱窒装置
JP3341639B2 (ja) リンの除去方法
JP2005246318A (ja) フッ素含有排水の処理方法及び装置
JPS58143881A (ja) リン酸塩と有機物を含む水の処理方法
JPH0251679B2 (ja)