JPH03189092A - 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野］ 本発明は溶接用フラックス入りワイヤの被覆管が電縫管
であることを特徴とする全自動及び半自動溶接用ワイヤ
の製造方法に係り、特に溶接作業時の通電性及びアーク
安定性に優れ、またフラックスの経時変化がないために
優れた溶接性を示し、生産性の向上及び被溶接材の品質
向上に有利な溶接用フラックス入りワイヤの製造方法に
関する。

［従来の技術１ 溶接用フラックス入りワイヤは帯鋼を所定の断面形状に
成形し、脱酸元素、スラグ形成剤及びアーク安定剤等か
ら構成されるフラックスを充填し、伸線等により製品径
まで減径することにより製造されている。このような溶
接用フラックス入りワイヤは使用条件の簡便さから軟鋼
、合金鋼又はステンレス鋼等の高合金鋼に至るまで広範
に用いられている。

一般に、溶接用フラックス入りワイヤは所定成分を有す
る帯鋼板をロール等によりＵ字形に成形した後、所定組
成を有するフラックスを供給充填し、次いで所定断面形
状に巻いて成形した後、伸線等により製品径まで減径す
ることにより製造される。

このような方法で製造された溶接用フラックス入りワイ
ヤはその構造上程々の欠点を有している。すなわち、帯
鋼板をＵ字形に成形した後、フラックスを供給充填し、
所定断面状に成形された帯鋼の合わせ目を完全には閉じ
ることができないために、次のような問題がある。

■　開口部の存在により、製造時の潤滑油、伸線加工時
の潤滑剤等がフラックス部に侵入りると共に、ワイヤの
輸送保管時においてフラックスの吸湿が起こる。このよ
うな外来物の侵入により溶接時に拡散性水素が増大した
り、ワイヤ内外面の酸化を促進し、溶着金属の酸素量を
増加させ、機械的性質の劣化を招く。

■　ワイヤの製造時及び溶接時において外部応力が作用
すると、開口部が若干開口し充填フラックスが洩れ、所
定フラックス量より減少し、溶着金属部の機械的性質の
劣化や溶接作業性の不拘−又は劣化を招く。また漏出し
たフラックスによって溶接機のワイヤ送給装置に摩耗が
生ずる。

■　溶接時の導電性の向上と防錆効果に有効である銅め
っきを、通常の潔式法によって施すことがその構造上困
難であり、溶接作業の安定性の点で問題がある。

上記開口部を溶接することにより、このような種々の問
題点を解決する方法が提案されている。

例えば、特開昭５４−１０９０４号公報は、銅帯を開口
した溝に成形し、この溝にフラックスを次工程の造管溶
接時における管内に満たない範囲で落下供給した後、溝
の縁を閉じ長手方向連結部を溶接して密封した管を連続
的に造管成形し、そしてフラックスを管内部に強固に詰
め込むように管の寸法を減少することにより製造する方
法を開示している。

特公昭６３−２１５９９号公報では、上記の特開昭５４
−１０９０４号公報における問題点として、溶接位置に
おける溶接熱によるフラックス粉末の変質劣化と溶接に
より発生する磁場によりフラックスが渦を巻き、溝の縁
の接触表面に付着して溶接を弱めることがあるとしてい
る。またフラックスの供給量が制限されるので必然的に
製品のフラックス充填率が低く制限されると共に溶接後
の管寸法減少工程においてフラックスを管全体に満たし
、管内の空気を除去し、フラックスの管長手方向の移動
によりフラックス充填率のばらつきが生じ易いとしてい
る。

これらの問題点に対して、特公昭６３−２１５９９号公
報では鋼帯を円筒形に成形し、この鋼帯の両側縁を溶接
して電縫管を成形しながらこの電縫管内にフラックス粉
末を供給充填してフラックス入り電縫管を成形し、フラ
ックス入りワイヤを製造する場合において、前記フラッ
クス粉末の供給は溶接位置において電縫管内を満たさな
いものとし、しかも溶接位置におけるフラックス粉末の
移動速度な電縫管の移動速度よりも速（することにより
製造する方法を開示している。この具体的方法として、
溶接位置前後の銅帯部及び電縫管部を流下フラックス粉
末の安息角以上に傾斜する方法及びフラックス供給管を
用いることを提案している。

しかしながらその方法においては、溶接位置前後の銅帯
部及び電縫管部を流下フラックス粉末の安息角以上に傾
斜させるためフラックスの流下距離が長くなりフラック
スを構成している粉粒体の密度、組成１粒径、粒形の差
により流下中に分級化が進行し到達位置でのフラックス
組成の偏析及び変動が生じる恐れがある。また流下した
フラックスは堆積位置において激しく衝突するためフラ
ックス中の微粉粒が飛散逆流し、溶接点において磁場の
作用により吸着し溶接部の品質を劣化させ、後工程の冷
間伸線性を害する。さらにフラックスの供給管を用いる
方法では供給断面積を必然的に電縫管断面積より小さ（
せざるを得ないためフラックスの供給速度を大きくせざ
る得ない。このために、フラックスに高い流動性を付与
する必要があり、フラックスの粒度調整のための造粒な
どの予備処理が必要となる。このために溶接作業性また
は溶接部の機械的性質に悪影響を与える造粒剤を添加す
る必要があると共にコスト上昇を招くなどの欠点を有し
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

本発明者らは従来技術の問題点に対し広範な研究を行い
本発明を完成することができた。

すなわち、溶接用フラックス入りワイヤの製造時あるい
は製品においてワイヤの合わせ目が開口せず、銅めっき
等のめっき処理を施すことができる溶接用フラックス入
りワイヤの製造方法を提供することにある。また、製造
時点においてフラックスを構成している粉粒体の流下中
における分級化（粒度偏析）や、流下したフラックスの
堆積位置におけるフラックス中の微粉粒の飛散逆流と溶
接点における磁場作用によるフラックス吸着を防止し、
さらにフラックス供給管を用いることな（フラックスの
供給速度を大きくし、フラックスの粒度調整のための造
粒などの予備処理を必要としない生産性良好で経済性に
優れた製造法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、帯鋼をバイブ状に成形し、その中にフラック
スを供給し、帯鋼をシーム溶接してフラックス入り電縫
管に成形した後、所定の線径に伸線することにより溶接
用フラックス入りワイヤを製造するに際して、前記フラ
ックスの供給位置は溶接施工位置より上流側とし、溶接
施工位置におけるフラックスの移動速度は電縫管の移動
速度と同速とし、溶接施工位置を通過後は前記電縫管の
長手方向の傾斜がフラックスの安息角以上になるように
湾曲させ、フラックスを流下させて電縫管内に充満させ
て充填することを特徴とする溶接用フラックス入りワイ
ヤの製造方法である。

［作用］ 本発明の内容につき以下詳細に説明する。

第１図は本発明に関する製造工程の具体例を示すフロー
シート、第２図は製造工程のワイヤの縦断面図である。

帯鋼払出し工程２１においてボビン等に巻かれた鋼帯を
引出しフォーミンク工程２２に送る。

フォーミング工程２２において鋼帯はフォーミングロー
ルにより溝形から円筒形に屈曲成形され次のフラックス
供給工程２３に送られる。フラックス供給工程２３にお
いて、フラックスが円筒形に成形された帯鋼断面内に供
給される。次に溶接造管工程２４においてスクイズロー
ルによって加圧しながら高周波誘導加熱、ＴＩＧ溶接な
どにより溶接し電縫管を成形する。

これらの状況を具体的に示した長手方向の断面図を第２
図に示す。以下第２図を用いて説明する。

鋼帯１を所定の速度■にて移送し、フォーミングロール
列２で銅帯長手方向と直角な方向に屈曲させることによ
り溝形から円筒形に成形して鋼帯両側縁を対向させ、そ
の相対向した両側縁を高周波誘導加熱装置３により溶接
しスクイズロール４にて加圧することにより電縫管１０
に成形する。

その後外面ビードをビードカッタ５により除去した後、
冷却装置６により外面を冷却する。

帯鋼が円筒形に成形された時点で、図示しないホッパに
接続したフィーダ８よりフラックス９を円筒内に充填す
る。フラックスは溶接施工位置では電縫管１０を完全に
充満するものではなく溶接施工位置には外部より挿入さ
れ溶接部とフラックス間を遮蔽する遮蔽板７の下部を通
過する。

このようにしてフラックスの充填された電縫管１０はペ
ンデングローラ列１１により順次所定角度まで屈曲され
る。その後ダイス列またはローラ列１２により所定外径
まで縮管され再度ペンデングローラ列１３によりフラッ
クスの安息角以上まで屈曲される。この段階でフラック
ス９の移動速度Ｖは鋼帯１の移動速度■より大きくなり
堆積点１５まで落下し電縫管内断面を完全に満たす。

以上の工程によりフラックスの落下距離を必要最小限に
とどめることができるためフラックスの飛散を完全に防
止することができることと、銅帯自体をフラックスの供
給媒体とするため供給量を大きくすることができる。ま
た、フラックスの粒度や組成の影響を考慮する必要がな
く安定した生産をすることが可能となる。この結果溶接
用フラックス入りワイヤの製品品質を飛躍的に高めるこ
とが可能となった。

電縫管内に進入して該管内を満たしたフラックスの上面
は溶接個所において溶接熱によるフラックスの劣化を防
止するために所定の間隔を溶接点との間に確保する必要
がありそのように溶接速度、管径及び管の傾斜角に合わ
せてフラックスの供給量が決定される。

フラックスで満たされた電縫管はその後ダイス伸線また
はロール圧延１４により縮径され所定寸法に仕上げられ
る。

これ以降の工程について再び第１図により説明すると、
ベンディング２５、縮管２６、ベンディング２７、伸線
２８の工程を経た段階では加工硬化により電縫管は硬化
しているため、必要に応じて電縫管の硬さ調整及び管内
のフラックス中に含まれる水素源の除去の目的で中間焼
鈍２９が施される。そして、熱処理で生成された表面酸
化スケールは酸洗工程３０にて除去される。次にめっき
処理工程３１により管表面に銅等のめっきが施される。

このめっき処理により表面の導電性の向上と防錆効果が
飛躍的に向上し従来型のめっきを施さない合わせ目を有
するワイヤでは得られない品質の向上が起こるのである
。なお、この工程でのめっきは銅に限定されるものでは
なく必要に応じてＡｒ１、Ｚｎなどの単体または複合の
めつきであってよい。めっき処理工程３１に次いで最終
所定寸法径まで伸線３２し、そして巻取工程３３により
巻取り、溶接用フラックス入りワイヤの製品３４とする
。

なお、上記実施例において溶接に高周波加熱を用いたが
、この溶接は特に限定されるものではなくレーザ、プラ
ズマ、ＴＩＧ、抵抗溶接など状況に応じて適宜選択すれ
ばよい。また、電縫管の縮径に於ける加工方法としては
ロール圧延法を説明したが本方法に限定されるものでは
なく、スェージング・ダイス、ローラダイス、プラネタ
リ−ミルを用いるなど種々の方法を必要に応じて選択す
ることができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、如何なる形態を持つフラックスでも用
いることが可能なため、溶接ワイヤとしての品質を損な
うことなく、生産性高くかつ経済的に溶接用フラックス
入りワイヤを製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造工程の流れを示す具体例のフロー
シート、第２図は本発明のフラックス供給・造管・溶接
電縫管の縮径工程を示すワイヤの縦断面図である。 １・・・鋼帯 ２・・・フォーミングロール列 ３・・・高周波誘導加熱装置 ４・・・スクイズロール　　５・・・ビードカッタ６・
・・冷却装置　　　　　７・・・遮蔽板８・・・フラッ
クス・フィーダ ９・・・フラックス　　　　１０・・・電縫管１１．１
３・・・ペンデングローラ列 １２．１４・・・縮径ロール列

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　帯鋼をパイプ状に成形し、その中にフラックスを供
   給し、帯鋼をシーム溶接して電縫管に成形した後、所定
   の線径に伸線して溶接用フラックス入りワイヤを製造す
   るに際し、前記シーム溶接施工位置より上流側でフラッ
   クスを供給し、溶接施工位置では電縫管の移動速度と同
   速でフラックスを移動させ、溶接施工位置を通過した後
   は前記電縫管の長手方向の傾斜をフラックスの安息角以
   上に湾曲させ、フラックスを流下させて電縫管内に充満
   させて充填することを特徴とする溶接用フラックス入り
   ワイヤの製造方法。