JPH03187133A - カラー陰極線管のシャドウマスク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電子ビームの衝撃によりシャドウマスクが熱
膨張するために生ずるドーミング、そのために生ずる色
ずれ等の不具合を減少するカラー陰極線管のシャドウマ
スクに関する。

［従来の技術］ 第２図は一般的なシャドウマスク形カラー陰極線管の断
面図を示す０図中、１は電子銃、２は螢光面、３はシャ
ドウマスク、４はパネルである。

電子銃ｌは夫々３原色の中の一つの色を発光させるため
の３本の電子ビームを発生する。この３本の電子ビーム
は夫々離れた位置から螢光面上で集中するように互いに
所定の角度を成して射出され。

シャドウマスク３に達し、シャドウマスク３の電子ビー
ム通過孔を通過して細く絞られた各原色に対応する電子
ビームは、それぞれ各電子ビーム通過孔に対応してパネ
ル４の内面に配設された３原色螢光体のドツトよりなる
トリプレット群で形成された螢光面２に射突して夫々対
応する所定の原色螢光体ドツトを励起発光させる。上記
３本の電子ビームは１図示してない偏向ヨークによる偏
向作用を受けて、螢光面２を順次、横方向に工線ずつ水
平走査しながら、上から下へと垂直走査してパネルにカ
ラー画像を表示する。

シャドウマスク形カラー陰極線管のシャドウマスク３で
は電子ビーム通過孔を通過してカラー画像表示に役立つ
電子は比較的僅か（通常８０％程度）で、シャドウマス
ク３の比率的に大きな面積を占める電子ビーム通過孔以
外の個所では、電子ビームの衝撃によりシャドウマスク
３が加熱されて膨張し、これに対しシャドウマスク３を
周辺で支持するガラス製のパネル４の熱膨張が比較的小
さいため、シャドウマスク３の面がパネル４の裏面に形
成された螢光面２の方へ出っ張るドーミング現象が生じ
、色ずれ等の不具合の原因となる。

従来から上記不具合の対策として、シャドウマスクの電
子銃側の主面（ｆ！１子ビーム通過孔の実際に電子が通
過する小径部の孔の内側面は除外することを意味する）
に、熱絶ａ層と此の層を覆う金属薄膜を形成させ、電子
ビームにより発生する熱は極力金属薄膜から輻射させる
ようにする技術が特公昭５７−９１８４号公報に、シャ
ドウマスクの電子ビームに照射される側に原子番号の大
きい重い金属または其の合金よりなる電子反射層を形成
させて電子ビームを反射させ、衝撃による発熱を抑制す
る技術が特公昭６０−１４４５９号公報や特公昭６１−
６９６９号公報等に記載されている。

上記対策の他に、鉄・ニッケルの合金で熱膨張率が低い
ことで知られるアンバーを用いてシャドウマスク３を製
作すると言う対策もあるが、この方法は一般には価格の
上昇が大きすぎる。

［発明が解決しようとする課題］ しかし、上記従来の技術は電子反射層物質の選択に対し
て、製造技術や原価などの面での配慮が少なく実用し難
いと言う問題があった。例えば、シャドウマスクの目詰
まりが生じ易く、電子反射層をシャドウマスクに形成さ
せる工程での歩留が悪く、シャドウマスク単体の原価が
高いものになると問題がある。また、ビスマス、鉛等の
重金属を金属の状態でシャドウマスクの電子銃側の面に
被着させても、カラー陰極線管の製造工程中の炉温（例
えばパネルとファンネルの溶封時）により重金属が球状
化し、カラー陰極線管完成後に此の球状物が電子銃に落
下し、耐電圧不良、ストレーエミッション不良等の原因
になり易いという問題が生ずる。

本発明は上記従来のシャドウマスクのドーミング対策の
問題点を解決し、ドーミングを比較的効率良く、製造し
易い技術で防止するようにしたシャドウマスクを提供す
ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために本発明においては。

カラー陰極線管のシャドウマスクの電子銃側主面にビス
マスとニッケルよりなる合金を被着させることにした。

［作用］ 金属ビスマスの融点は、２７１．３℃、ニッケルの融点
は、１４５３℃である。これらの金属を合金化すると、
ビスマスとニッケルとの重量比率により夫々融点が異な
るが適正な重量比率で４５０〜６５０℃になり、金属ビ
スマスのそれに比べ約２倍前後となる。この程度の温度
になれば、シャドウマスクの電子銃側に被着されたビス
マス・ニッケル合金は、カラー陰極線管製造工程中の最
高４５０℃程度の温度に十分耐えられ、単体のビスマス
で起きる転移すなわち液相にならず、球状化現象は起こ
らない。また、カラー陰極線管完成後は、シャドウマス
クの電子銃側に固相の状態で、比較的熱伝導液が低く、
［！する電子を比較的よく反射するビスマス・ニッケル
合金が被着しているため、シャドウマスクのドーミング
を効率良く防止することができる。

［実施例］ 既述の如く、シャドウマスクを熱膨張率の低いアンバー
で製作することは１価格上昇の面で好ましくないので、
シャドウマスク３の電子銃側の面をどのような材料で被
覆するのがドーミング防止策として性能価格比的に最も
有利かということになる。原子量が大きく重い金属（例
えばタングステンとか白金も此の中に含まれる）の中で
、使い易いのは融点が比較的低く、熱伝導率の低いもの
である。しかし、一方ではカラー陰極線管の製造工程で
は、例えば、パネルベーキング、フリットベーキング等
の工程で、４５０℃前後に加熱されるため、この程度の
温度には耐えなければならない、ビスマスは単体では、
原子量は大きく、熱伝導率は低く、かつ融点も低いが、
シャドウマスクの電子銃側の面に単体のビスマスの被覆
を形成させると、ビスマスの融点が低すぎて、上記カラ
ー陰極線管製造工程中の加熱により溶けて、加熱炉内ま
たは管内のガス雰囲気内での表面張力やシャドウマスク
側のビスマス層を形成させる下地表面（四三酸化鉄によ
る黒化層）との濡れ性が原因となってビスマスの球状化
現象が発生する。従って、ビスマス単体でシャドウマス
クの電子銃側主面を被覆すると、カラー陰極線管完成後
、前記球状物が電子銃部に落下し、耐電圧劣化やストレ
ーエミッションなどを引き起こし、カラー陰極、ｓｌＸ
￥？の動作に著しい悪影響を及ぼす。

上記のような事態を考慮して、本発明では、シャドウマ
スクの電子銃側を被覆するのに使用する材料としてビス
マス・ニッケル合金を選定した。

この合金はニッケルが原子百分率８０％のものの場合、
融点６５０℃であるから、この比率であれば、カラー陰
極線管製造工程で全く問題は生じない。

第１図は本発明シャドウマスクの部分拡大断面図で、図
中、３ａはアルミキルド鋼板、３ｂは黒化膜（四三酸化
鉄）、３ｃはニッケル・ビスマス合金層である。黒化膜
３ｂは図示のように、アルミキルド鋼板３ａの両面に錆
止め、熱放射率向上のために被着させた。ニッケル・ビ
スマス合金層３ｃは、シャドウマスク３の電子銃側の面
の黒化膜３ｂの上に被着させた。ニッケル・ビスマス合
金の被着法は、真空容器内でチタンカーバイド処理し更
に局部的に熱集中できる形状のキャビティー（蒸発源の
溝部のことを言う）をもつタングステンボートヒータに
、ニッケル・ビスマス合金の微粒物をいれ、真空容器内
の圧力を↓Ｏ−１〜１Ｏ−４Ｔｏｒｒにして、フラッシ
ング蒸着法により行った。ニッケル・ビスマス合金の使
用量は０．５　ｇ／ボートで、シャドウマスク３の電子
銃側面に形成させたニッケル・ビスマス合金層３Ｃの膜
厚を約１μｍ前後とした１本実施例シャドウマスクを用
いたカラー陰極線管は、製造工程中の加熱炉で電子銃側
面に形成させたニッケル・ビスマス合金層３ｃの球状化
現象が生ぜず、ドーミングを約３０％低減する効果が得
られた。

なお、ニッケル・ビスマス合金の被着法として、電子ビ
ーム加熱、スパッタリングなどの方法を用いても差し支
えない。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明によれば、カラー陰極線管ａ
造工程中の加熱により、ドーミング防止のためにシャド
ウマスクの電子銃側主面に被着させる膜の球状化による
剥離、落下などの現象が起こらず、ストレーエミッショ
ン、耐電圧劣化などの問題のない、ドーミングの生じ難
いカラー陰極ｌｉＡ管を比較的安価に提供できる効果が
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明シャドウマスクの部分拡大断面図、第２
図は一般的なシャドウマスク形カラー陰極線管の断面図
である。 ｌ・・・電子銃、　２・・・螢光面、　３・・・シャド
ウマスク、　４・・・パネル。 第 図 スｎ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １、カラー陰極線管のシャドウマスクの電子銃側主面に
   ビスマスとニッケルよりなる合金を被着させたことを特
   徴とするカラー陰極線管のシャドウマスク。