JPH0318464B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は仰向けにて仙骨矯正治療を行うに適す
る仙骨矯正用テーブルに関するものである。

（従来技術とその問題点） 従来、カイロプラクテイツク用ベツドはうつぶ
せになつた患者に対して指圧等により、脊椎の指
圧矯正治療を施していたため、第６図に示すよう
にカイロプラクテイツク用ベツドは顔面載置台Ａ
と胸部載置台Ｂと腹部載置台Ｃと腹部および股部
載置台Ｄと足部載置台Ｅとからなり、起立台Ｆに
起立した患者を自動的にうつぶせ状態になるまで
ベツドを倒すような構成になつており、各台はコ
ンプレツサーにより上昇し、患者指圧等に降下す
る。しかしながら、かかる矯正方法は第４図に示
すように複雑な構造を成す仙骨Ｓの矯正には適切
であるとは考えられず、仙骨Ｓ矯正には仙骨Ｓ矯
正専用テーブルの提供が必要である。例えば、実
公昭34−19586号では上下自在の腰板の中央部に
設けた支持盤をそれを支持する支持管に内挿し、
支持管に設けた係止片にて固定し、この支持片を
解除することにより支持盤を落下させる構造が提
案されているが、単なる支持盤の落下構造では上
記仙骨矯正の要求には応えることができない。

（発明の着眼点） 本発明者は仙骨Ｓ矯正に適するカイロプラクテ
イツク用ベツドを開発すべく、鋭意研究の結果、
正常仙骨Ｓ状態に矯正するには仙骨Ｓと仙腸関節
部Ｊを介して連結する腸骨Ｌの仙腸関節部Ｊ対応
部を支持し、自然落下させるとともに、所定の微
小角度右または左に旋回しつつ落下させるのが最
も好ましいことを見出し、本発明を完成したので
ある。

（発明の要旨） 本発明は背中載置用台部１と腰部載置用台部２
と脚部載置用台部３とを少なくとも備え、腰部載
置用台部２は仙骨Ｓと仙腸関節部Ｊを介して連結
する両腸骨Ｌの仙腸関節部Ｊ対応部を支持する一
対の支持部２１，２１を対設して上下に延びず昇
降支持軸２０にて支持し、該支持軸２０を支持筒
内に内挿し、ストツパーにより固定してそのスト
ツパー解除により支持位置から自然落下するよう
に構成するとともに、上記支持軸２０から突出す
るスライドピン２５を左右に揺動して固定可能な
案内部材２６にて摺動案内し、腰部載置用台部２
を自然落下させる際、腰部載置用台部支持軸２０
の周りに所定の微小角度右または左に旋回しつつ
落下するようにして仙骨Ｓ矯正を行うようにして
なる仙骨矯正用テーブルを要旨とする。

（作用） 仙骨Ｓの変位は仙腸関節部Ｊ、腸骨Ｌおよび恥
骨Ｉとの関係をレントゲン撮影および磁気診断技
術等を用いて検査するのがよく、仙骨Ｓ全体がわ
ずかに捻じれ変位を起こしていたり、前方または
後方に落ち込み、あるいは左右にスライドないし
傾斜変位が生じていたりする場合がある。捻じれ
変位に対しては腰部載置用台部２を自然落下させ
る際、腰部載置用台部支持軸２０の周りに所定の
微小角度右または左に旋回しつつ落下するように
するのがよい。この左右微小角度の旋回落下は上
記支持軸２０から突出するスライドピン２５を上
記支持筒内に左右に揺動して固定可能な案内部材
２６にて摺動案内し、落下方向を案内することに
よつて行うことができる。さらに、左右にスライ
ドないし傾斜変位に対しては腰部載置用台部２が
腰部載置用台部支持軸線に対し右または左に傾斜
固定できるようにして自然落下させるのがよいと
いうことも見出した。

また、仙骨Ｓの矯正治療には患者を極力リラツ
クスさせ、脱力状態にして患者の体重により自然
落下をおこなわせるのが好ましい。また、脚部載
置用台部３が仰向き患者の脚をＬ字形に折り曲げ
状態にて支持できるように昇降可能であるのがよ
い。

以下添付図面に示す本発明の具体例について詳
細に説明する。

（実施例） 第１図は本発明に係る仙骨矯正用テーブルの側
面図で、第２図は第１図の−線方向から見た
平面図、第３図は第１図の−線断面図、第４
図は複雑な仙骨Ｓ変位の態様を示す説明図、第５
図は仙骨Ｓの全体前方変位Ａ、半円を描いて左に
落ち込んで前方に変位している左下方前方変位
Ｂ、右方にスライドしている全体右方変位Ｃの矯
正機構の説明図である。

図面において、１は腰部載置用台部、２は腰部
載置用台部、３は脚部載置用台部、４は足置部４
で、支持脚にて支持された２本の並列配置された
パイプ５１，５１を横架バー５２…にて連結して
なるフレーム５上に配設されている。

背中載置用台部１は一対の細長クツシヨン１
１，１１を一定の間隔l₁をもつて対設し、所定の
高さ位置に調節できるようになつているととも
に、スプリング１２…によつて、緩衝的に支持さ
れている。なお、１３は高さ調節用ストツパーで
ある。

腰部載置用台部２は平面台形で、かつ断面も台
形をなす一対のクツシヨン支持部２１，２１を２
本の平行バー２２，２２にスライド可能に取り付
け、２本の折曲リンク２３，２３をハンドル２４
にて操作することにより、一対のクツシヨン支持
部２１，２１の間隔l₂を調節し、仙骨Ｓと仙腸関
節部Ｊを介して連結する両腸骨Ｌの仙腸関節部Ｊ
対応個所を矢印方向に押圧支持するようになつて
いる。このため、クツシヨン支持部２１の腸骨Ｌ
押圧面には仙腸関節部Ｊに沿うよう直径17mmの鉄
心が内装されている。また、上記クツシヨン支持
部２１は上下に延びる昇降支持軸２０によつて支
持され、該支持軸２０は横架バー５２に立設され
た支持筒に内挿され、図示しないストツパーによ
り所定位置に保持され、ストツパー解除により自
然落下するように、足踏み式ストツパーSTによ
り通常は背中載置用台部１と同レベルに保持し、
必要に応じて足踏み式ストツパーSTを操作して
瞬時自然落下が可能となつている。また、腰部載
置用台部２を自然落下させる際、腰部載置用台部
支持軸２０の周りには所定の微小角度右または左
に旋回しつつ落下するように、腰部載置用台部２
の昇降支持軸２０から突出するスライドピン２５
を回転ハンドル２７にて左右に揺動固定される案
内部材２６にて摺動固定し、腰部載置用台部２を
自然落下させる際に、腰部載置用台部２が旋回す
るようになつている。旋回落下機構はこれに限ら
ず、種々の形式が採用されてよい。さらに、腰部
載置用台部２が腰部載置用台部支持軸線に対し右
または左に傾斜固定できるように、支持軸２０に
対し腰部載置用台部２を揺動軸２８を介して取り
付け、スイングストツパー２９にて所定傾斜角度
に設定されるようになつている。

脚部載置用台部３は患者を極力リラツクスさ
せ、脱力状態にして患者の体重により腰部載置用
台部２を自然落下させるべく、仰向きの患者の脚
をＬ字形に折り曲げ状態にて支持できるように、
昇降可能である。図面では、昇降軸３１および補
助軸３２を案内ガイド管３３，３４内にスライド
可能に挿入し、ストツパーハンドル３５にて所定
の高さに保持できるようにしているが、パンタグ
ラフ式昇降機構としてもよい。昇降は油圧または
空気圧により自動的に行えるようにすることがで
きる。

なお、足置台部４も脚部載置用台部３と同様に
昇降可能とし、ストツパー４１にて適当な高さ位
置で固定できるようになつている。

（発明の作用効果） 以上の説明で明らかなように、本発明によれ
ば、例えば、第５図に示すように、仙骨Ｓの全体
前方変位Ａをしている場合はスライドピン２５を
回転ハンドル２７にて中立位置Ｎに固定される案
内部材２６にて摺動案内し、直下に自然落下させ
ると、実線位置から点線位置に矯正される。ま
た、半円を描いて左に落ち込んで前方に変位して
いる左下方前方変位Ｂしている場合はスライドピ
ン２５を回転ハンドル２７にて左方位置Ｌに固定
される案内部材２６にて摺動案内し、左方に旋回
させながら、自然落下させると、点線位置から実
線位置に矯正される。さらに、右方にスライドし
ている全体右方変位Ｃしている場合は、支持軸２
０に対し腰部載置用台部２をスイングストツパー
２９にて右下方向に傾斜させ、中立位置Ｎに固定
される案内部材２６にて摺動案内し、直下に自然
落下させると、点線位置から実線位置に矯正され
る。

このように、本発明によれば、複雑な変位をな
す仙骨Ｓを仙腸関節部Ｊ、腸骨Ｌおよび恥骨Ｉに
対して正常状態に矯正することができる専用の仙
骨矯正用テーブルを提供することができる。した
がつて、従来は術者が患者の骨盤あるいは背骨を
押し圧の力よりテーブルを落下させうる仕組みで
あるため、押し圧の力加減に間違いがあると骨を
破損するおそれがあつたが、本発明に係る仙骨矯
正用テーブルによれば、患者の体重により仙骨矯
正用テーブルが自然落下するので、術者の力が関
与されず安全であるだけでなく、自動的に仙骨Ｓ
の変位が矯正される利点がある。また、仙骨Ｓを
正常に矯正されれば、他の脊椎は矯正されずとも
正常に位置することになるので、脊椎矯正および
骨盤治療にとつて画期的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る仙骨矯正用テーブルの側
面図で、第２図は第１図の−線方向から見た
平面図、第３図は第１図の−線断面図、第４
図は複雑な仙骨Ｓ変位の態様を示す説明図、第５
図は仙骨Ｓの全体前方変位Ａ、半円を描いて左に
落ち込んで前方に変位している左下方前方変位
Ｂ、右方にスライドしている全体右方変位Ｃの矯
正機構の説明図、第６図は従来のカイロプクテイ
ツク用ベツドの斜視図である。 １は背中載置用台部、２は腰部載置用台部、３
は脚部載置用台部、４は足置部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 背中載置用台部１と腰部載置用台部２と脚部
   載置用台部３とを少なくとも備え、腰部載置用台
   部２は仙骨Ｓと仙腸関節部Ｊを介して連結する両
   腸骨Ｌの仙腸関節部Ｊ対応部を支持する一対の支
   持部２１，２１を対設して上下に延びる昇降支持
   軸２０にて支持し、該支持軸２０を支持筒内に内
   挿し、ストツパーにより固定してそのストツパー
   解除により支持位置から自然落下するように構成
   するとともに、上記支持軸２０から突出するスラ
   イドピン２５を左右に揺動して固定可能な案内部
   材２６にて摺動案内し、腰部載置用台部２を自然
   落下させる際、腰部載置用台部支持軸２０の周り
   に所定の微小角度右または左に旋回しつつ落下す
   るようにして仙骨Ｓ矯正を行うようにしてなるこ
   とを特徴とする仙骨矯正用テーブル。 ２ 腰部載置用台部２が腰部載置用台部支持軸線
   に対し右または左に傾斜固定できるようにしてな
   る前記１項記載の仙骨矯正用テーブル。 ３ 脚部載置用台部３が仰向き患者の脚をＬ字形
   に折り曲げ状態にて支持できるように昇降可能で
   ある前記１または２項のいずれかに記載の仙骨矯
   正用テーブル。