JPH031836Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は指針式多機能時計の改良に関し、特に
ノーマル時刻機能、アラーム時刻機能、クロノグ
ラフ時刻機能等の多機能情報を切替表示する機能
計数回路の簡素化に関する。

［従来の技術］ 従来、デジタル時計、複合時計で普及している
アラーム機能やクロノグラフ機能や別時計（デユ
アルタイム）機能を指針式時計に付加する試みは
いろいろ提案されているが、精度も高く、デジイ
ン性も良く、信頼性も高い商品は実現していな
い。特に腕時計ではスペース制約が大きく、操作
性が重視され、スマートな方式が望まれている。

本出願人は先に特願昭56−55124号により、指
針式時計にアラーム機能を付加し、通常時刻とア
ラーム時刻を１組の指針で切り替え表示する構造
を提案した。概略を説明すると、主計数回路たる
時刻計数回路と補助計数回路を備え、時刻計数回
路は12時間を計数できるカウンタで、その計数値
はアラームを発するよう設定された時刻から現在
時刻までの見かけ上の経過時間を示し、通常は分
信号を計数している。従つて計数が進んで12時間
相当の最終カウントに達したら、それはアラーム
時刻の到来を意味し、アラーム信号を発して警音
器を動作させる。それゆえ使用者が外部操作部材
を通じてアラーム時刻を設定することは、主計数
回路の計数値を適宜変更することにつながる。ま
た通常時刻表示とアラーム時刻表示の切り替え時
には、指針が早送りされて迅速に該当時刻を表示
しなければならない。これらの場合に主計数回路
と補助計数回路が協同して、時計の動作に必要な
計数処理を行なうのである。このように主計数回
路と補助計数回路から構成される機能計数回路を
用いると、指針よりなるアナログ表示機構を早送
り切り替えして多機能化が可能になる。

［考案が解決しようとする課題］ 上記の考えによつてＭ個の機能を処理する回路
を構成するには、2M個の計数回路が必要となる。
本考案は指針式多機能時計を2M個より少ない数
の計数回路で構成し、機能を増加する毎に増大す
るIC（集積回路）のチップサイズを必要最小限に
抑え、回路動作の信頼性向上、コスト増大の防
止、モジユール寸法増大の防止をし、使い易くス
マートな多機能時計を実現する。

［課題を解決するための手段］ 指針式多機能時計の備える複数の機能を処理す
る回路を、同数の主計数回路と複数の機能にわた
り兼用で使用される単一の補助計数回路で構成す
る。

［作用］ 複数機能の中からある機能を選択すると、複数
の主計数回路のうちその機能に対応するものと兼
用補助計数回路が協同して計数処理を行ない、表
示切り替えの際に指針を早送りするのに必要な駆
動パルス数の決定、時刻データの保持等を行な
う。

［実施例］ 次に図面に基づいて本考案の実施例を説明す
る。第１図は本考案の２モータ・アラーム機能時
計のシステムを示すブロツク図で、水晶振動子、
発振回路等よりなる時間基準源１は約32KHzの時
間基準信号を出力する。分周回路２は時間基準信
号をより低い周波数に分周し、各回路への基本信
号や時計信号を出力する。制御切替回路３は時計
信号、スイツチ入力信号、機能計数回路の計数信
号を伝達したり、信号に応じて各回路を制御した
りする。第１主計数回路４は60を計数できるアツ
プカウンタで通常は分周回路２から出力される時
計信号の一つである秒信号を計数している。

主計数回路５は720を計数できるアツプカウン
タで、その計数値はアラームを発するよう設定さ
れた時刻から現在時刻までの見かけ上の経過時間
を示し、通常は分周回路２から出力される時計信
号の一つである分信号を計数している。従つて計
数が進んで12時間相当の最終カウントの720に達
したら、それはアラーム時刻の到来を意味する。
兼用補助計数回路６は60及び720を計数できるア
ツプカウンタで、通常は０にリセツトされてい
る。第１主計数回路４と兼用補助計数回路６で第
１機能計数回路を構成し、第２主計数回路５と兼
用補助計数回路６で第２機能計数回路を構成して
いる。第１機能計数回路はノーマル時刻の秒表示
とアラーム時刻であることを示すアラームモード
表示を行なうための回路である。通常は運針して
いる秒針を、アラーム時刻表示においては０秒位
置に留めておくことによりモードの違いを表示す
るのであり、第１機能計数回路はこの切り替えを
制御する。第２機能計数回路はノーマル時刻にお
ける時、分表示とアラーム設定の時、分表示を行
い、さらにアラーム時刻に到達するとアラーム信
号を出力する回路である。第１駆動回路７、第２
駆動回路８は分周回路２の基本信号を波形変換
し、モーターを駆動する駆動パルスを出力する回
路で、第１駆動回路７は電気−機械変換器である
第１モータ９を駆動し、第２駆動回路８は同じく
第２モータ１０を駆動する。第１モータ９の回転
運動は秒用輪列で減速されて秒針に伝達され、毎
秒１回秒針を駆動する。第２モータ１０の回転運
動は分、時用輪列で減速されて分針、時針に伝達
され、毎分１回分針、時針を駆動する。秒針、分
針、時針、文字板等でアナログ表示機構１１が構
成されている。鳴り制御回路１２は警報装置１３
を駆動する警報用駆動パルスを出力する回路で、
アラームセツト・オンオフ・メモリー回路、波形
変換回路等より構成されている。警報装置１３は
発音体で警報音を出力する。外部操作部材はリユ
ーズ式スイツチ１４とプツシユスイツチ１５から
構成され、モード切り替え、ノーマル時刻、アラ
ーム時刻の修正、アラームセツトのオンオフ切り
替え、警報音の停止等に用いられる。スイツチ制
御回路１６は外部操作部材の機械的スイツチ入力
を電気的スイツチ入力信号に変換し、モード切替
信号、修正信号、オールリセツト信号等として出
力する回路である。機能計数回路の詳細について
は同一出願人による前記先願もあるためここでは
割愛し、簡単に説明する。第１機能計数回路は前
述のように秒信号を計数し、０秒位置と現在の秒
時刻位置との差を計数している。リユーズ式スイ
ツチ１４を押すとノーマル時刻モードよりアラー
ム時刻モードにモードが切り替わり、第１機能計
数回路の第１主計数回路４の計数値に応じて、第
１駆動回路７から秒針を０秒位置へ早送り駆動す
る駆動パルスが出力される。この時第１主計数回
路４と兼用補助計数回路６へ同数の信号が加算さ
れて、第１主計数回路４の計数値が、兼用補助計
数回路６の計数値として保存される。秒針は０秒
位置で停止し、モードがノーマル時刻よりアラー
ム時刻へ切り替わつたことを表示する。後処理と
して、同数の後処理信号が第１主計数回路４及び
兼用補助計数回路６に入力し、第１主計数回路４
に保存され、兼用補助計数回路６は０にリセツト
される。第２機能計数回路は分信号を計数し、ノ
ーマル時刻の分、時位置とアラーム時刻の分、時
位置との差を計数している。秒情報の後処理が終
了し、兼用補助計数回路６が０にリセツトされる
と、分、時針の早送り切り替えが始まる。第２主
計数回路５の計数値に応じて第２駆動回路８から
分針、時針をアラーム時刻位置へ早送り駆動する
駆動パルスが出力される。この時第２主計数回路
５と兼用補助計数回路６へ同数の信号が加算され
て、第２主計数回路５の計数値が、兼用補助計数
回路６の計数値として保存される。分針、時針は
アラーム時刻位置で停止し、アラーム設定時刻を
表示する。同数の後処理信号が第２主計数回路
５、兼用補助計数回路６に入力し、兼用補助計数
回路６に保存されていた計数値が第２主計数回路
５に移され、兼用補助計数回路６は０にリセツト
される。秒針は64Hzで駆動されると１秒以内に０
秒位置へ早送りされるため、秒針と時、分針が同
時に駆動されなくても不便はない。アラームモー
ドでリユーズ式スイツチ１４を１段引きして回転
すると、アラーム時刻が第２モータ１０の回転数
に応じて修正され、それに応じて第２主計数回路
５の数値が修正される。アラームモードでリユー
ズ式スイツチ１４を押すとアラーム時刻モードよ
りノーマル時刻モードへ切り替わり、前と同様
に、第１主計数回路４と兼用補助計数回路６との
間で計数処理を行ない、秒針をノーマル時刻の秒
位置へ早送り駆動し、第２主計数回路５と兼用補
助計数回路６との間で計数処理を行ない、時、分
針をノーマル時刻の時、分位置へ早送り駆動す
る。

第２図は本考案の２モータ・アラーム機能時計
の制御切替回路及び機能計数回路の主要部の具体
的な回路図である。秒計時回路（秒計と略す）２
４は60を計数できるアツプカウンタで構成され、
第１図の第１主計数回路４に相当する。分計時回
路（分計と略す）２５は720を計数できるアツプ
カウンタで構成され、第１図の第２主計数回路５
に相当する。補助計数回路（補計と略す）２６は
60及び720を計数できるアツプカウンタで構成さ
れ、第１図の兼用補助計数回路６に相当する。第
２図を機能別にブロツク分けすると、主計数回路
である秒計２４、分計２５と補助計数回路（補
計）２６を含む機能計数回路５０、各計数回路が
最終カウントに達したことを検出する最終カウン
ト検出回路５１、外部操作部材及び最終カウント
検出回路５１からの信号により状態の定まる切替
状態保持回路５２及び切替状態保持回路５２の信
号により計数するパルスの周波数とこれを入力す
る計数回路を選択する計数回路選択回路５３に分
けられる。

入力端２７はオールリセツト信号の入力端であ
る。入力端２８はモード切替スイツチ信号の入力
端である。入力端２９は秒信号の入力端である。
入力端３０は分信号の入力端である。入力端３１
は64Hz信号の入力端である。入力端３２は1024Hz
信号の入力端である。出力端３３は第１駆動回路
７への出力端である。出力端３４は第２駆動回路
８への出力端である。制御切替回路３の主要部は
図示されたようにRSフリツプフロツプ３５，３
６，３７，３８とゲート類から構成されている。
次に制御切替回路３及び機能計数回路の計数処
理、制御方法、駆動パルスの出力方法について述
べる。リユーズ式スイツチ１４を押すとスイツチ
制御回路１６よりモード切替スイツチ信号が出力
され、入力端２８にセツト信号が入力し、RSフ
リツプフロツプ３５の出力Ｑが“Ｈ”になり、秒
計２４、補計２６に入力端３１より64Hz信号が入
力し、出力端３３から64Hz信号が出力される。秒
計２４に記憶されていた計数値例えば37より60に
なるまで23パルスの64Hz信号が入力すると、秒計
２４は０にリセツトされ、RSフリツプフロツプ
３５がリセツトされその出力Ｑが“Ｌ”になる。
すると64Hz信号の入力は停止される。その間に出
力端３３から64Hzで23パルスが出力され、秒針が
23秒正転駆動され、０秒位置で停止し、アラーム
モードに切り替わつたことを表示する。同時に
RSフリツプフロツプ３６がセツトされその出力
Ｑが“Ｈ”になり、秒計２４、補計２６に入力端
３２より1024Hz信号が入力し、補計２６に記憶さ
れていた計数値23より60になるまで37パルスの
1024Hz信号が後処理信号として入力する。補計２
６は60に到達するとリセツト信号が出力され、補
計２６は０にリセツトされ、RSフリツプフロツ
プ３６がリセツトされその出力Ｑが“Ｌ”にな
り、1024Hzの後処理信号の入力は停止される。秒
計２４は最初の計数値37を記憶していることにな
る。RSフリツプフロツプ３６がリセツトされる
と同時に、RSフリツプフロツプ３７のセツト信
号が入力し、その出力Ｑが“Ｈ”になり、分計２
５、補計２６に入力端３１より64Hz信号が入力
し、出力端34から60Hz信号が出力される。分計２
５の記憶されていた計数値例えば700より720にな
るまで20パルスの64Hz信号が入力すると、分計２
５は０にリセツトされ、RSフリツプフロツプ３
７がリセツトされその出力Ｑが“Ｌ”になる。す
ると64Hz信号の入力は停止される。その間に出力
端３４より64Hzで20パルスが出力され、分針、時
針が20分正転駆動されてノーマル時刻より20分進
み、アラーム時刻を表示する。と同時にRSフリ
ツプフロツプ３８がセツトされその出力Ｑが
“Ｈ”になり、分計２５、補計２６に入力端３２
より1024Hzの後処理信号が入入力する。補計２６
は20を計数しているが、700のパルスが入力する
とその計数値は720に到達し、補計２６は０にリ
セツトされ、RSフリツプフロツプ３８もリセツ
トされ出力Ｑは“Ｌ”になり、1024Hzの後処理信
号の入力は停止される。分計２５は最初の計数値
700を記憶していることになる。アラーム時刻モ
ードよりノーマル時刻モードへの早送り切り替え
も、秒計２４の計数値、分計２５の計数値を用
い、それぞれ補計２６との間で計数処理を行なう
ことによりできる。この場合には1024Hz信号を前
処理信号として秒計２４と補計２６又は分計２５
と補計２６に、秒計２４又は分計２５が最終カウ
ントに達してリセツトされるまで、同時に同数入
力することにより、補計２６の最終カウントまで
の残り計数値が、秒計２４又は分計２５の当初の
計数値に等しくなるようにしてから、その残り計
数値に相当する数のパルスを64Hzの駆動パルスと
して出力することにより、秒針をノーマル時刻の
秒位置へ早送り駆動し、その後、時針と分針をノ
ーマル時刻の時、分位置へ早送り駆動することが
できる。その制御系については説明が複雑になる
ため割愛した。又、早送り切り替え中における時
計信号の割り込みも計数処理と駆動パルスの出力
を制御すればできるが、ここでは省略する。２モ
ータ・アラーム機能時計の詳細は説明については
省略する。

第３図は本考案の別の実施例を示すブロツク図
で、機能計数回路はアラーム機能主計数回路４
１、別時刻（デユアルタイム）機能主計数回路４
２、クロノグラフ機能主計数回路４３、タイマー
機能主計数回路４４、ゲーム機能主計数回路４
５、多機能補助計数回路４６から構成され、駆動
回路４７はモータ４８を駆動し、アナログ表示機
構１１を駆動する。この実施例では多機能補助計
数回路４６は五つの機能のそれぞれの主計数回路
との間で計数処理を行ない、アナログ表示機構１
１を切り替え表示する。機能は温度、湿度等の時
刻系以外のものでもよい。

実施例ではアツプカウンタを用いたが、プリセ
ツト型のアツプダウンカウンタを用いてもよいこ
とは明白であり、モータも正転、逆転可能な正逆
モータの方が切り替え時間も短く、便利である。
１モータ、２モータ以外に３モータ以上のシステ
ムでもよい。

［考案の効果］ 以上のように本考案により、時間基準源、分周
回路、駆動回路、電気−機械変換器、指針よりな
るアナログ表示機構、主計数回路及び補助計数回
路からなる機能計数回路、制御切替回路、外部操
作部材から構成される指針式多機能時計におい
て、機能計数回路は複数の機能を計数する複数の
主計数回路及び複数の機能にわたり兼用されて計
数する兼用補助計数回路から構成され、複数の主
計数回路は各機能の計数値を記憶し、機能表示切
り替えする際に、複数の主計数回路と兼用補助計
数回路との間で計数処理を行ない、機能切り替え
表示に必要な駆動パルスを駆動回路より出力し、
電気−機械変換器を早送り駆動し、アナログ表示
機構を駆動することにより、指針式時計の多機能
化が実現し、ICのチツブも小さくなり、信頼性
向上をもたらすなど本考案の効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は２モ
ータ・アラーム時計のシステムブロツク図。第２
図は主要部の具体的な回路図。第３図は別の実施
例を示すシステムブロツク図である。 ４……第１主計数回路、５……第２主計数回
路、６……兼用補助計数回路、９……第１モー
タ、１０……第２モータ、１１……アナログ表示
機構、５０……機能計数回路、５１……最終カウ
ント検出回路、５２……切替状態保持回路、５３
…計数回路選択回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 時間基準源、分周回路、駆動回路、電気−機械
   変換器、指針よりなるアナログ表示機構、主計数
   回路及び補助計数回路からなる機能計数回路、制
   御切替回路、外部操作部材を備え、複数の機能が
   それぞれ対象とする複数の時刻を該アナログ表示
   機構で切替え表示し、特定機能への表示切替えあ
   るいは通常時刻表示への復帰のための指針を早送
   り駆動する際、制御切替回路が駆動パルスを該主
   計数回路および補助計数回路に並行入力し、計数
   回路が最終カウントに達して生じる信号で駆動パ
   ルスを停止することにより、表示切り替えに要す
   る駆動パルス数が定まるとともに現在時刻と当該
   機能の設定時刻の差が常に両計数回路の計数値の
   差として保存される指針式多機能時計において、 主計数回路は複数の機能に対応して複数個設け
   られ、各主計数回路は時刻の表示中は現在時刻と
   それぞれの機能について設定された時刻の差を計
   数保持するものであり、 補助計数回路は表示切替え中以外はリセツト状
   態にある単一の計数回路で、各機能に兼用される
   兼用補助計数回路であり、 制御切替回路は主計数回路または補助計数回路
   の最終カウントを検出する最終カウント検出回
   路、前記外部操作部材の操作に伴う信号及び最終
   カウント検出回路の信号により状態の定まる切替
   状態保持回路、該切替状態保持回路の信号により
   計数パルスの周波数及びこれを入力する計数回路
   を選択する計数回路選択回路とで構成され、特定
   機能への表示切り替えまたは通常時刻表示への復
   帰時に、該計数回路選択回路が当該機能に対応す
   る主計数回路及び該補助計数回路を選択すること
   を特徴とする指針式多機能時計。