JPH0318101Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、内燃機関のシリンダヘツドに吸排気
用のバルブを自動組付けする装置に関する。

（従来の技術） シリンダヘツドに設けたバルブガイドに、バル
ブのステムを自動機により嵌合して組付ける場
合、両部分間の公差は極めて僅かであるため、両
部材を正確に心出しできる装置を用いて嵌合を行
つていた。

（考案が解決しようとする問題点） 従来の装置では、部品精度や位置決め精度を高
めると共に、常時点検を行つて精度の低下を防止
しなければならないため、保守がむずかしく手間
がかかり故障も多かつた。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、シリンダヘツドの上方から挿入され
るガイドピンを利用して下方から挿入するラフガ
イドの位置決めをし、このラフガイドによつてバ
ルブステムを案内するようにしたものであつて、
その手段は、バルブガイドが圧入されているシリ
ンダヘツドに、バルブを自動組付けする内燃機関
バルブ組付装置において、バルブガイドＢを垂直
にしてシリンダヘツドＡを固定する治具２と、シ
リンダヘツドＡの上方にあつて、バルブガイドＢ
のガイド孔Ｅに嵌入できる小径のガイド部７を備
えたガイドピン６と、シリンダヘツドＡの下方に
あつて、ガイド部７に嵌合するガイド孔３１と縦
割溝３２及び下方に面取部３４を設けた口金２２
を弾性的に支持し、横移動及び上下移動が可能の
ラフガイド部２０と、ラフガイド部２０の下方に
あつてステムＳを上向きにしてバルブＶを横移動
可能に保持し、上下移動が可能のバルブ供給装置
２０とを設けたことを特徴とする。

（作用） ガイドピン案内筒４内のガイドピン６を最上部
まで引上げ、ステムシールＤを搬送フオーク１４
によつてガイドピン案内筒４内に搬送し、ガイド
ピン６を下降し搬送フオーク１４を後退させて、
ガイド部７をバルブガイドＢ内に挿入すると共に
ステムシールＤをバルブガイドＢの上端に固定す
る。ラフガイド装置２０の口金２２をガイド部７
に嵌合すると弾性体２３によつてガイド部７とガ
イド孔３１は自動調心される。口金２２の下方か
らバルブのステムＳを挿入すると面取部３４に誘
導されてガイド穴に入りバルブガイドＢに挿入さ
れる。

（実施例） 図においてＡはシリンダヘツドで、これにバル
ブガイドＢが嵌着されている。本実施例は、この
バルブガイドＢの上端Ｃにゴム又はプラスチツク
製のステムシールＤを装着すると共に、バルブＶ
のステムＳをバルブガイドＢのガイド孔Ｅの下端
からステムシールＤを通して挿入する装置に関す
る。

機台１は、シリンダヘツドＡをセツトする治具
２と上部フレーム３を備える。治具２上にはシリ
ンダヘツドＡがガイド孔Ｅを垂直にしてセツトさ
れ、上部フレーム３にはガイドピン案内筒４とス
テムシール供給装置５が取付けられる。

案内筒４の内部には、ガイドピン６が挿入さ
れ、このピン６は、小径のガイド部７、大径の摺
動部８、先端の先細部９及び中心を貫通するオイ
ル供給孔１０を備え、ガイドピン６はシリンダ６
ａによつて操作される。

ステムシール供給装置５は、案内筒４の側面に
あけた押出口１１、この押出口１１に連通する搬
送路１２、供給部１３を備え、搬送路１２内には
搬送フオーク１４が挿入されてシリンダ１５、作
動杆１６により往復駆動される。搬送フオーク１
４は、第１図及び第４図に示すように円形の載置
面１７、段部１８、スリツト１９を有し、載置面
１７にステムシールＤを一つずつ乗せて段部１８
で案内筒４内に押出し、ガイドピン６をシリンダ
６ａにより下げてガイド部７がステムシールＤの
中心孔D₁に挿入されたのちに後退させるもので
ある。したがつてスリツト１９の幅は、ガイド部
７の直径より少し大きくされている。ステムシー
ルＣは、搬送フオーク１４の１往復につき１個ず
つ供給部１３から補給されて案内筒４内に送られ
る。

機台１の下方には、バルブＶのステムＳがガイ
ド孔Ｅ内に入るのを誘導するラフガイド装置２０
と、バルブＶを供給するバルブ供給装置２１が設
けられる。

ラフガイド装置２０は、口金２２と、この口金
２２を弾性体２３を介して僅かに相対運動できる
ように接続した作動板２４と、この作動板２４を
上下方向に移動させるシリンダ２５及び横方向に
移動させるシリンダ２６を備え、弾性体２３とし
て、口金２２のフランジ２７の溝２８に嵌入され
たＯリングが用いられ、このＯリングの内径部
は、作動板２４にクリツプ３０で止着されたピン
２９の外周に嵌合する。したがつて、口金２２
は、Ｏリングが横方向に圧縮変形されたとき、フ
ランジ２７のピン孔内径とピン２９の外径の寸法
差だけ、作動板２４に対して横方向にずれること
ができる。

口金２２の中心にはガイド孔３１があけられ、
これに連続する縦割溝３２が一側面に設けられ、
ガイド孔３１の上下端及び縦割溝３２の外端には
面取部３３、３４及び３５が形成される。縦割溝
３２とガイド孔３１の境界には板ばね３６で加圧
されるストツパーボール３７が設けられている。

前記バルブ供給装置２１は、バルブガイドＢの
真下に配置された吸盤４０とこれを上下動させる
一体の作動杆４１を備え、吸盤４０は通路４３で
真空源に接続されて上面に載置されたバルブＶを
吸着すると共に、バルブＶに横方向の外力が加わ
つたとき、その方向に吸盤上で滑ることを許容す
る。

次にこの装置による組立作業を説明する。ま
ず、ガイドピン６を、その先端の先細部９が押出
し口１１の上方に位置するまで引上げ、シリンダ
１５によつて搬送フオーク１４を前進させると、
載置面１６上に乗つたステムシールＤの１個は段
部１８に押されて搬送フオーク１４と共に押出口
１１から案内筒４内に入る。ここでガイドピン６
を少し下げてガイド部７をステムシールＤの中心
孔D₁及び搬送フオーク１４のスリツト１９を通
して若千挿入し、搬送フオーク１４を後退させて
からガイドピン６を更に押下げる。ガイド部７先
端は、先細部９となつているのでバルブガイドＢ
のガイド孔Ｅに容易に入りこみ、ガイド孔Ｅの下
端から下方へ露出する。このとき、ステムシール
Ｄは、ガイドピン６の摺動部８の下端の段部によ
つて押圧されて、中心孔D₂の狭搾部D₂がバルブ
ガイドＢの上端Ｃの狭搾部に嵌合して固定され
る。

次に、ラフガイド装置２０の横移動シリンダ２
６で上下動シリンダ２５、口金２２を前進させ、
口金２２をガイドピン６の下方に位置させたの
ち、上下動シリンダ２５で口金２２を上昇させる
と、口金２２のガイド孔３１は、先細部９と面取
部３３の案内作用によつてガイドピン６のガイド
部７に嵌合し、ストツパボール３７によつて押圧
されてガイド孔３１はガイド部７に密接する。嵌
合前に両部材の中心線が一致していなくても、嵌
合によつて口金２２は同心状態になることを強制
され、弾性体２３の変形によつてガイド部７とガ
イド孔３１の中心線は一致した状態になる。した
がつて、ラフガイド装置２０の作動前の位置決
め、横移動シリンダ２６のストローク等が厳格で
なくても、正しい案内作用を奏する位置に口金２
２を位置決めすることができる。

次いで、バルブ供給装置２１の吸盤４０にバル
ブＶを吸着させて作動杆４１を上昇させると、バ
ルブＶのステムＳは、ガイド孔３１下端の面取部
３４に案内されてガイド孔３１内に誘導されて進
入する。ステムＳとガイド孔３１の中心線が一致
していないときは、バルブＶは横方向の力を受
け、吸盤４０は横方向の拘束力が弱いので、バル
ブＶは、吸盤上で横方向に容易に滑ることができ
て自動的に中心線を一致させる。 この状態でガ
イドピン６のシリンダ６ａをフリーにして作動杆
４１の上昇を続け、ステムＳによつてガイドピン
６を押し上げる。ステムＳはガイド孔３１及びボ
ール３７で案内されて上昇し、ステムＳがバルブ
ガイドＢのガイド孔Ｅに若千入つた状態で停止し
てオイル供給孔１０から注油をして潤滑油を保有
させ、ラフガイド装置２０の上下動シリンダ２
５、横移動シリンダ２６を後退させて、口金２２
を縦割溝３２によつてステムＳからはずす。そし
て、バルブＶを作動杆４１で弁座に達するまで押
上げてステムＳの先端をバルブシールＤの孔D₁
から突出させたのち、吸盤４０に外気を導入し、
作動杆４１を後退させて組付作業を終了する。ス
テムＳはゴム等からなるステムシールＤの弾性に
よつてバルブガイドＢ内に保持され、バルブスプ
リングの挿着等の次工程が施される。

（考案の効果） 本考案は、ラフガイド装置２０に口金２２を弾
性材２３で変位可能に取付けると共に、ガイドピ
ン６の先端に先細部９を設け、ガイド孔３１、縦
割溝３２に面取部３４、３５等を設けたため、口
金２２をバルブガイドＢに対して精密に位置決め
しなくてもガイドピン６のガイド部７によつて正
確かつ容易に心出しすることができ、また、バル
ブ供給装置２１におけるバルブＶのステムＳが心
出しされていなくてもガイド孔３１内に容易に誘
導されてバルブガイドＢ内に挿入されるものであ
り、構造が簡単であるのにかかわらず作用が確実
であり、故障や誤作動のおそれもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の正面図、第２図は要
部拡大図、第３図は搬送フオーク側面図、第４図
は同じく平面図、第５図は第２図の−線断面
図である。 Ｂ……バルブガイド、６……ガイドピン、７…
…ガイド部、９……先細部、２１……バルブ供給
装置、２２……口金、２３……弾性体、３１……
ガイド孔、３４……面取部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バルブガイドが圧入されているシリンダヘツド
   に、バルブを自動組付けする内燃機関バルブ組付
   装置において、バルブガイドＢを垂直にしてシリ
   ンダヘツドＡを固定する治具２と、シリンダヘツ
   ドＡの上方にあつて、バルブガイドＢのガイド孔
   Ｅに嵌入できる小径のガイド部７を備えたガイド
   ピン６と、シリンダヘツドＡの下方にあつて、ガ
   イド部７に嵌合するガイド孔３１と縦割溝３２及
   び下方に面取部３４を設けた口金２２を弾性的に
   支持し、横移動及び上下移動が可能のラフガイド
   部２０と、ラフガイド部２０の下方にあつてステ
   ムＳを上向きにしてバルブＶを横移動可能に保持
   し、上下移動が可能のバルブ供給装置２０とを設
   けたことを特徴とする、内燃機関バルブ組付装
   置。