JPH0318076Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、粉剤を打圧して錠剤を成形する成形
品取出装置付き錠剤用竪型粉末成形機に係り、特
に打圧によつて成形された錠剤に欠損などの損傷
を招くことなく効率良く型板の型孔内から取出し
できる成形品取出装置付き錠剤用竪型粉末成形機
に関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 従来、この種の竪型粉末成形機における成形品
取出装置は、型板の多数の型孔内でそれぞれ粉剤
を上杆と下杆とで打圧して錠剤に成形した後、下
杆が型孔内から錠剤を押出し、次いで棒状のスク
レーパーで単に掻き集めるようになつている。し
かし、このようなスクレーパーで錠剤を掻き集め
ると、錠剤相互間で接触し、この接触時に、錠剤
が型板と他の錠剤との間で挾圧されるなどによつ
て錠剤の周部や角部が欠損するなどの損傷を招
き、製品としての歩留りが極めて悪いものであつ
た。

そこで、本考案は上記事情に鑑み、錠剤の成形
後に、個々の錠剤をスクレーパーの錠剤収納孔に
収納させて保護しながら型孔から取出し、これに
より錠剤が欠損するといつたことがなく製品化の
歩留りを向上させることはもとより、成形後の錠
剤を整列させて包装機などの次工程に搬送させる
のに好適であり、かつ成形後に型孔内から錠剤を
押し出すべく移動する下杆を利用して錠剤の重量
を予め設定し得て、かつ上杆に対して下杆及び支
持台を上下動させて打圧動作させることで、この
打圧のための駆動機構を機台の下部に設置し得て
重量的バランスを向上し得る成形品取出装置付き
錠剤用竪型粉末成形機を提供することを目的とす
る。

「考案が解決しようとする手段」 本考案は、上記目的を達成するために、粉剤を
打圧する上杆と、下杆と、該上杆及び下杆が嵌入
する型孔を有する型板とから成る錠剤用竪型粉末
成形機において、上記下杆が装着されて該下杆を
上杆に対して上下動させるために上下方向に駆動
される支持台と、支持台に据え付けられて該支持
台に対して下杆を型孔内で上下動させるための油
圧シリンダと、支持台上に固設されて型孔を有す
る型板と、型孔内を上杆が上下動する時に一体に
なつて上下動する上杆保持用のホルダーと、下杆
の型孔内での下降の限点を規定するために下杆保
持用のホルダーと当接する面がテーパー面に形成
されて下杆保持用のホルダーに対するテーパー面
の当接位置を可変可能に移動し得る重量調整器
と、型板上を摺動するフイーダー及び該フイーダ
ーと一体なスクレーパーとを有し、該フイーダー
が内部に粉剤を収納可能に箱状で下面が内部の粉
剤を型孔内に投入可能に開口され、更に該フイー
ダーの上面一部に粉剤を供給するためのホツパー
を臨ませるための供給口を開口すると共に、フイ
ーダー内に供給口から投入される粉剤をフイーダ
ー内に拡散させるために回転駆動される拡散羽根
を装着し、スクレーパーとの連結部分のフイーダ
ーの縁部を型孔内に投入された余分の粉剤の掻き
均し部とし、上記スクレーパーには、フイーダー
と一体に型板上を常時摺動しながら粉剤打圧時の
型孔に一致する位置と錠剤排出時の型板上より離
脱する位置との間を往復移動しかつ上記型孔より
径大な錠剤収納孔を多数形成し、かつ該錠剤収納
孔がスクレーパーの摺動により型板上から離脱し
た位置には、打圧後の錠剤を受け取るコンベア等
排出装置を配設してなる成形品取出装置付き錠剤
用竪型粉末成形機を特徴とするものである。

「実施例」 以下、本考案に係る成形品取出装置付き錠剤用
竪型粉末成形機の一実施例を図面に基づき説明す
る。第１図において、１はモータ、２はフライホ
イールを含むギア装置である。該ギア装置２の出
力軸はクランク軸３に連結させてある。クランク
軸３にはクランク４を装着する。クランク軸４に
主軸５を枢着し、更に主軸５に上下連動板６を固
設する。上下連動板６は、４隅にガイド孔７，７
……を有していて、各ガイド孔７，７……にガイ
ドロツド８，８を嵌入させてある。ガイドロツド
８，８……は、基台Ｆに植設されている。上下連
動板６には、上下両面が開口する略箱状の支持台
９をボルト締めにより固設し、更に該支持台９の
上部開口面に、多数の型孔１０，１０……が穿設
された型板１１、所謂臼を着脱可能に装着する。
型孔１０，１０……の形状は、打圧により成形す
べき錠剤の形状に対応させて形成させてある。上
記主軸５には上端から一定の深さの孔を有して、
該孔に油圧シリンダ１２を収嵌させる。油圧シリ
ンダ１２には、ピストンロツドの最高の伸長位置
の、つまり後述する下杆１５の上昇限点を調整で
きるようになつている。一方、油圧シリンダ１２
のピストンロツドには、一面がテーパー面となつ
ているくさび形状の重量調整器１３を介在させて
ホルダー１４を装着する。重量調整器１３は、上
下連動板６のナツトブロツクに螺合されたスクリ
ユーロツドの一端が枢着されており、該スクリユ
ーロツドをモータにより回転させれば、上下連動
板６上を摺動するようになつている。重量調整器
１３が摺動すると、テーパー面と接触するホルダ
ー１４が上下動し、これによりホルダー１４に着
脱可能に取付けられた多数の下杆１５が型孔１
０，１０……内を上下動して、型孔１０，１０…
…内への粉剤の投入量、即ち成形すべき錠剤の重
量を自由に調整できるようになつている。上記ガ
イドロツド８，８……の上端には、架台１６を固
設し、該架台１６に油圧シリンダ１７，１７でホ
ルダー１８を吊設し、かつホルダー１８と架台１
６との間に一面がテーパーとなつたくさび形状の
硬度調整器１９を介在させる。硬度調整器１９
は、架台１６のナツトブロツクに螺合されたスク
リユーロツドの一端が枢着されており、スクリユ
ーロツドをモータにより回転させれば、架台１６
とホルダー１８との間に出入りして、これにより
ホルダー１８が架台１６に対して上下動し、打圧
時における型孔１０，１０……内の嵌入深さを調
整でき、この結果成形後の錠剤の硬度を自由に調
整できるようになつている。ホルダー１８には多
数の上杆２０を着脱自在に取付ける。又ホルダー
１８には、打圧時に、ホルダー１４と当接して、
上杆２０が出没する如く、上杆２０に対して上下
動とするシエダー２１を設けることも可能であ
る。

上記型板１１上には、フイーダー２２及びスク
レーパー２３を摺動自在に配設する。フイーダー
２２は、第２図に示す如く、一部の下面が開口し
て投下口２４となつている箱状に形成したもので
ある。投下口２４内には３個の拡散羽根２５〜２
７を回転自在に配設する。各拡散羽根２５〜２７
は、その回転軸をフイーダー２２の頂壁に枢着さ
せて取付ければよい。各拡散羽根２５〜２７の回
転軸にはそれぞれプーリ２８〜３０を有して、各
プーリ２８〜３０と原動プーリ３１との間に中間
プーリ３２，３３を介在させてベルト３４を掛回
する。原動プーリ３１の回転軸はモータに連結す
る。モータは、フイーダー２２頂壁に据付ける。
フイーダー２２の頂壁の一側に供給口３５を開口
する。供給口３５はフイーダー２２の内部を経て
投下口２４に連通している。供給口３５の側壁
は、上記投下口２４に向かつて傾斜させて粉剤が
投下口２４に向かつて落下するようになついる。
フイーダー２２の一端には、油圧シリンダのピス
トン３６を連結する。該油圧シリンダは支持台９
に取付ければよい。フイーダー２２の他端には、
板状のスクレーパー２３を、該フイーダー２２の
他側方に向かつて延出する如く固設する。スクレ
ーパー２３は一側に、上記の如くフイーダー２２
に固設するための立壁３７を有している。又スク
レーパー２３の平板部３８には、上記型板１１の
型孔１０，１０……と同一配列で、やや形状が大
きい多数の錠剤収納孔３９，３９……を形成す
る。更にスクレーパー２３の側方には、第７図及
び第８図に示す如くスクレーパー２３の摺動方向
と直交する向きに搬送する搬出コンベア４０を配
設する。搬出コンベア４０は上記ギア装置２のケ
ース上面に据付けるか、若しくは別に床面に設置
して一端をギア装置２のケース上方に臨ませてお
く。又上記供給口３５には、第３図に示す如く、
適宜ホツパー４１から粉剤が補給されるようにな
つている。

上記構成において、まず第３図に示す如く、上
下連動板６は、クランク４によつて最下端に位置
しているとする。この時、下杆１５は、型孔１
０，１０……内の重量調整器１３によつて設定さ
れた位置まで油圧シリンダ１２によつて下降して
いる。この状態で上記フイーダー２２は、型板１
１を摺動しながら前進する。該フイーダー２２の
前進によりフイーダー２２内の粉剤Ａを型孔１
０，１０……内に投下し、フイーダー２２の後退
時に、フイーダー２２の後縁で粉剤Ａを摺り切
り、これにより型孔１０，１０……内に粉剤Ａを
所定量だけ投入する。フイーダー２２内の粉剤
は、適宜ホツパー４１から供給口３５内に供給
し、拡散羽根２５〜２７がその回転でむらなく拡
散されるようにし、型孔１０，１０……内投入さ
れる粉剤の量にむらが生ずることを防止してい
る。型孔１０，１０……内への粉剤Ａの投入後、
第４図に示す如く、スクレーパー２３を錠剤収納
孔３９と型板１１の型孔１０，１０……とが一致
するように位置させ、次いで第５図に示す如く、
クランク４により上下連動板６を上動させ、つま
り型板１１を上杆２０に向けて上動させて、該上
杆２０を型孔１０，１０……内に投入させ、これ
により上杆２０と下杆１５とで型孔１０，１０…
…内の粉剤Ａを打圧する。この状態では、下杆１
５は第４図に示す如く型孔１０内への粉剤Ａの投
入時における位置関係を保持している。更に、第
６図に示す如く、クランク４により上下連動板６
と共に型板１１が下動して上杆２０が型孔１０，
１０……内から抜出した後、油圧シリンダ１２に
より下杆１５を上動させる。この上動は下杆１５
の上端が型孔１０，１０……の上縁に略達するま
で行う。これにより打圧により成形された錠剤
Ｂ，Ｂ……がスクレーパー２３の錠剤収納孔３
９，３９……内に収納されることになる。次い
で、第７図および第８図に示如く、フイーダー２
２と共に、スクレーパー２３を前進させれば、錠
剤収納孔３９，３９……内に錠剤Ｂ，Ｂ……を収
納した状態のままスクレーパー２３が型板１１上
を摺動しながら前進し、この前進時にスクレーパ
ー２３の錠剤収納孔３９，３９……内の錠剤Ｂ，
Ｂ……を前列のものから順次排出コンベア４０上
に投下する。従つて、搬出コンベア４０上の錠剤
Ｂ，Ｂ……は、一列に整列されて搬送されること
になり、後段の装置での計数や包装に頗る便利で
ある。上記スクレーパー２３の錠剤収納孔３９，
３９……から搬出コンベア４０への錠剤Ｂ，Ｂ…
…の投下の終了時には、第８図に示す如く、フイ
ーダー２２が型板１１の型孔１０，１０……の上
方に位置して、上記と同様にフイーダー２２内の
粉剤Ａを型板１１の型孔１０内に投入する。以後
上記動作を繰返す。

第９図は、他の実施例を示し、スクレーパー４
２として、成形すべき錠剤の形状に応じて錠剤収
納孔４３を円形に形成したものである。この場
合、型孔１０、上杆２０及び下杆１５の各形状
も、錠剤の形状に応じて円形に形成することは勿
論である。この他、錠剤収納孔は、成形すべき錠
剤の形状に応じて各種選定できる。

「考案の効果」 以上の如く、本考案に係る成形品取出装置付き
錠剤用竪型粉末成形機によれば、粉剤の打圧後
に、成形品である錠剤を型孔内から押し出す下杆
の上下動を利用して成形品である錠剤の重量を随
意に設定でき、又粉剤の打圧時には型孔とスクレ
ーパーの錠剤収納孔とを一致させておき、打圧
後、下杆で錠剤を型孔内から押し上げて上記錠剤
収納孔内に収納させ、そのままスクレーパーを移
動させて該錠剤を保護しながら搬出させるもので
あるから、従来の如く錠剤同志が衝突して一部が
欠損するなどといつた損傷の発生を防止でき、製
品化の歩留りを向上し得る。又、スクレーパーの
摺動により錠剤収納孔内の錠剤を排出装置上に投
入させるものであるから、同時に多数の錠剤を打
圧し成形するものにあつても、スクレーパーの錠
剤収納孔の列毎に錠剤を排出装置上に投入できる
ために、錠剤を整列状態で排出装置により包装機
等の次工程に搬送するのに頗る便利である。又打
圧に際して下杆を支持台と共に上下動させるもの
で、該上下動のための駆動装置を竪型粉末成形機
が据え付けられる床面に最も近い下側に設置でき
るために、竪型粉末成形機の重量的なバランスが
良好で、従来の上杆を上下動させるための駆動機
構を機体の最上部に設置させる形式の如く重要的
なバランスが悪く、これを改善するために付帯設
備を設けねばならないといつた必要が全くない。
更に、フイーダー内にはホツパーが臨ませてある
から、常時必要時だけ自動的に供給でき、又フイ
ーダー内に拡散羽根が設けてあるので、ホツパー
から供給された粉剤が一箇所にまとまるといつた
ことなく均一に拡散されて、型孔内への粉剤の投
入をむらなく行い得て頗る便利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に成形品取出装置付き錠剤用竪型
粉末成形機の一実施例を示し、第１図はその竪型
粉末成形機の全体側面図、第２図はスクレーパー
及びフイーダーの平面図、第３図乃至第８図は、
錠剤の成形時におけるスクレーパーとフイーダー
の動作を説明する説明図、第９図はスクレーパー
の他の実施例を示す平面図である。 ４……クランク、５……主軸、６……上下連動
板、９……支持台、１０……型孔、１１……型
板、１２……油圧シリンダ、１３……重量調整
器、１４……ホルダー、１５……下杆、１６……
架台、１７……油圧シリンダ、１８……ホルダ
ー、１９……硬度調整器、２０……上杆、２１…
…シユダー、２２……フイーダー、２３，４２…
…スクレーパー、２４……投下口、２５〜２７…
…拡散羽根、３５……供給口、３９，４３……錠
剤収納孔、４０……搬出コンベア、４１……ホツ
パー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 粉剤を打圧する上杆と、下杆と、該上杆及び下
   杆が嵌入する型孔を有する型板とから成る錠剤用
   竪型粉末成形機において、上記下杆が装着されて
   該下杆を上杆に対して上下動させるために上下方
   向に駆動される支持台と、支持台に据え付けられ
   て該支持台に対して下杆を型孔内で上下動させる
   ための油圧シリンダと、支持台上に固設されて型
   孔を有する型板と、型孔内を上杆が上下動する時
   に一体になつて上下動する上杆保持用のホルダー
   と、下杆の型孔内での下降の限点を規定するため
   に下杆保持用のホルダーと当接する面がテーパー
   面に形成されて下杆保持用のホルダーに対するテ
   ーパー面の当接位置を可変可能に移動し得る重量
   調整器と、型板上を摺動するフイーダー及び該フ
   イーダーと一体なスクレーパーとを有し、該フイ
   ーダーが内部に粉剤を収納可能に箱状で下面が内
   部の粉剤を型孔内に投入可能に開口され、更に該
   フイーダーの上面一部に粉剤を供給するためのホ
   ツパーを臨ませるための供給口を開口すると共
   に、フイーダー内に供給口から投入される粉剤を
   フイーダー内に拡散させるために回転駆動される
   拡散羽根を装着し、スクレーパーとの連結部分の
   フイーダーの縁部を型孔内に投入された余分の粉
   剤の掻き均し部とし、上記スクレーパーには、フ
   イーダーと一体に型板上を常時摺動しながら粉剤
   打圧時の型孔に一致する位置と錠剤排出時の型板
   上より離脱する位置との間を往復移動しかつ上記
   型孔より径大な錠剤収納孔を多数形成し、かつ該
   錠剤収納孔がスクレーパーの摺動により型板上か
   ら離脱した位置には、打圧後の錠剤を受け取るコ
   ンベア等排出装置を配設してなることを特徴とす
   る成形品取出装置付き錠剤用竪型粉末成形機。