JPH0318045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は溶融金属流量制御装置に取付けるスラ
イデイングノズル装置（以下SN装置という）等
の耐火れんがに発生する亀裂損傷を防止する帯状
鉄板フープの低周波自動焼ばめ装置に関する。

〔従来の技術〕

近年取鍋及びタンデイツシユ等の溶融金属流量
制御装置は、従来のノズル・ストツパー方式に変
り、SN装置が採用されるようになつて来た。こ
のSN装置に使用するスライドプレートれんが及
び下部ノズルれんが等は、溶融金属との接触で内
部に熱応力を持ち、亀裂・割損が発生し易い。こ
の亀裂・割損を防止するためスライドプレートれ
んが及び下部ノズルれんが等には、各種の補強方
法が取られており、その補強方法の一つの方法と
して、耐火れんがの外側に帯状鉄板フープを焼ば
めして、耐火れんがを拘束する方法がある。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来、この焼ばめの装置は、密閉された加熱炉
内にセツトされた帯状鉄板フープを、電気、ガ
ス、重油等で600〜800℃程度に加熱し、その後加
熱炉の取出口を開け、人手により帯状鉄板フープ
を取出し、帯状鉄板フープの形状をスライドプレ
ートれんが等の外周に合わせながら、金槌又は当
て金を用いて叩きながら嵌込んで行く装置で、次
のような問題がある。

(1) 加熱が帯状鉄板フープだけで無く、加熱炉ご
と加熱されるため、熱効率が10〜20％と低く、
外気も加熱炉からの熱放射により雰囲気温度が
30〜60℃と高くなり、作業環境が悪い。

(2) 加熱後に帯状鉄板フープを加熱炉から取出し
焼ばめするため、焼ばめ時には外気により帯状
鉄板フープが冷却し、十分な加熱効果が得られ
ず、また加熱中の焼ばめが不可能なため、帯状
鉄板フープ１個当りの作業時間が長くなり生産
性が悪い。

(3) 加熱中に帯状鉄板フープの温度管理が困難な
ため、帯状鉄板フープ１個当りに要する昇温時
間がばらつき、生産管理が困難である。

(4) 加熱炉内の温度を使用温度（600〜800℃）迄
上げるのに時間がかかり、実作業時間が短くな
る。

(5) 手作業で焼ばめを行なうため、帯状鉄板フー
プの厚さは3.2ｍ／ｍ程度迄が作業性の限界と
なる。

等の問題があるため自動的に行なわれ、生産性の
高い焼ばめ装置の開発が望まれている。

〔課題を解決するための手段〕

本考案はこのような問題を解決して、加熱炉の
代りに低周波誘導加熱装置を用いて帯状鉄板フー
プを誘導加熱すると同時に、スライドプレートれ
んが等を自動的に焼ばめする装置で、生産性が高
く作業環境が良好な耐火れんが用低周波自動焼ば
め装置を提供するものである 実施例 以下本考案の一実施例を示した第１図乃至第４
図に基づいて説明する。第１図はスライドプレー
トれんが１を低周波誘導で自動焼ばめする装置の
本考案実施例の平面図、第２図は第１図の矢視Ａ
−Ａ図、第３図は第１図矢視Ｂ−Ｂの側面図、第
４図ａ〜ｅは焼ばめ操作を順を追つて説明する動
作図である。

スライドプレートれんが１用低周波自動焼ばめ
装置は、第１図乃至第３図に示す如く、帯状鉄板
フープ２を自動的に供給するフープ供給装置３、
スライドプレートれんが１を自動的にセツトし帯
状鉄板フープ２の焼ばめ完了後搬出する耐火れん
が位置決め搬送装置９、供給された帯状鉄板フー
プ２を低周波加熱炉で一定温度に加熱して焼ばめ
する加熱焼ばめ装置１５と制御装置（図示せず）
から成る。

フープ供給装置３は、複数個の帯状鉄板フープ
２をストツクするためにフリーコンベヤー式のフ
ープストツク台４と、その横隣に取付けられ上下
方向に移動するテーブル付のフープ押上装置５、
フープストツク台４の上面を横切つてフープ押上
装置５迄直線的に動くフープ押込装置６、フープ
押上装置５の上部横隣に取付けられ、フープ押上
装置５の上部を横切つて直線的に動くフープ押出
装置７、フープ押上装置５を挾んでフープ押出装
置７と同じ高さ位置で反対側に水平方向に取付け
られ加熱焼ばめ装置１５側に回転可能な跳上げ台
８から構成される。

耐火れんが位置決め搬送装置９は、減速機付モ
ーター２４によつて駆動されるローラーコンベヤ
ー１０と、ローラーコンベヤー１０下部に取付け
られ上下直線運動によつてその上端部がローラー
上面より迫り出すゲートストツパー１１，１２が
あり、特にゲートストツパー１２の手前でローラ
ーコンベヤー１０下部に取付けられた耐火れんが
芯出装置１３はれんが位置決め搬送装置９の中心
にプレートれんが１の挾み運動を行ない、耐火れ
んが位置決め装置１４は梃子運動を行つて分割型
ローラーコンベヤー１０′上面より迫り出し、先
端に取付けられた調整用ネジにて位置決め場所の
微調整を行なう構造になつている。

加熱焼ばめ装置１５は、該装置１５に輪状にセ
ツトされた低周波誘導加熱コイル１６と、低周波
誘導加熱コイル１６を取囲み保護する断熱クツシ
ヨン材１７、帯状鉄板フープ２を外周に取付けて
外方向に押し広げる焼ばめ治具１８、焼ばめ治具
１８を上下方向に直線的に移動させる焼ばめ治具
昇降装置１９、焼ばめ治具昇降装置１９の縦方向
中央に軸芯を持ち焼ばめ治具昇降装置１９をフー
プ供給装置３方向に回転させる回転装置２０、及
び低周波誘導加熱コイル１６の上部に取付けら
れ、低周波誘導加熱コイル１６の中心に向つて水
平方向に移動するフープストツパ２１、並びに焼
ばめ治具昇降装置１９の軸心直下にセツトされ上
下方向運動を行なう耐火れんが取付台２２より構
成される。

以下本考案装置によるスライドプレートれんが
１の焼ばめ作業を記述する。帯状鉄板フープ２は
数十個単位で、フープストツク台４にストツクさ
れた後、フープ押込装置６によりフープ押上装置
５の上に押込まれる。押込まれた帯状鉄板フープ
２は押上装置５により押上げられ、１個ずつフー
プ押出装置７により跳上げ台８の上に押出され、
跳上げ台８が75゜回転して止まり（第３図仮想線
で示す）、焼ばめ治具１８が帯状鉄板フープ２を
受取りに来る迄待機する。

スライドプレートれんが１は、ゲートストツパ
ー１２の位置で耐火れんが芯出し装置１３により
姿勢が修正された後、耐火れんが位置決め装置１
４の所迄移動する。この時点でローラーコンベヤ
ー１０，１０′が止まり、スライドプレートれん
が１は耐火れんが取付台２２に載つて上昇する。

焼ばめ操作を第４図ａ〜ｅに基づいて順を追つ
て説明する。

第３図に仮想線で示す如く焼ばめ治具１８が回
動し、跳上げ台８上の帯状鉄板フープ２を該焼ば
め治具１８で坦持したまゝ該治具１８が垂直状に
復帰する〔第４図ａの状態〕。ついで、焼ばめ治
具昇降装置の作動（下降）により前記フープ２を
低周波誘導コイル１６内に配置し、該フープ２の
加熱を行なう。〔第４図ｂの状態〕この加熱を継
続しながら、耐火れんが取付台２２の作動（上
昇）によりスライドプレートれんが１を焼ばめ治
具１８の下端部に圧着し、同時にフープストツパ
ー２１（図示では４個）を該フープ２の上端縁上
に突出させる〔第４図ｃの状態〕。ついで、第４
図ｄに示す如く前記れんが取付台２２を僅かに上
昇させることにより、フープ２がスライドプレー
トれんが１の外周に嵌合させる。この嵌合工程終
了後、れんが取付台２２は下降し、焼ばめ治具１
８は上昇しかつフープストツパー２１も原位置に
復帰し〔第４図ｅの状態〕、引続いて次の焼ばめ
工程を繰返す。

本実施例では各装置はエアー駆動で図示したが
フープ押上装置５、フープ押込装置６、フープ押
出装置７、跳上げ台８、耐火れんが芯出装置１
３、耐火れんが位置決め装置１４、焼ばめ治具昇
降装置１９、回転装置２０、フープストツパー２
１等は電動駆動、油圧駆動等による方法もあり、
駆動方法については制約されない。

〔考案の効果〕

このように本考案によれば、フープ供給装置
３、耐火れんが位置決め搬送装置９、加熱焼ばめ
装置１５を連動させる事により、自動的に焼ばめ
が行なわれ、生産性が高く作業環境の良い焼ばめ
を行なう事が出来る。

(1) 誘導加熱の原理から、被加熱物である帯状鉄
板フープ２のみが加熱され、装置内が加熱され
ないため、加熱と同時に焼ばめを行なう事が出
来、生産性が高い。

(2) 帯状鉄板フープ２のみを加熱する為、熱力率
が高く、また外気は加熱されないため作業環境
が良い。

(3) 帯状鉄板フープ２の温度管理が容易な上に、
帯状鉄板フープ２の昇温時間が短く且つ正確な
ため、１個当りの生産性が高い焼ばめが実施出
来、生産管理が容易である。

(4) 加熱炉を必要としないため、加熱炉内の温度
を上昇・降下させるための準備・後始末時間が
不要となり、実稼働時間が長くなくなり、生産
性が向上する（10〜15％アツプ）。

(5) 焼ばめ治具１９を用いて機械的に焼ばめする
ため、任意の厚さの帯状鉄板フープ２、及び金
属ケースを簡単に焼ばめ出来る。

等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図はスライドプレートれんがを
低周波で自動焼ばめする場合の本考案実施例で、
第１図は平面図、第２図は第１図の矢視Ａ−Ａ
図、第３図は第１図矢視Ｂ−Ｂの側面図、第４図
ａ〜ｅは加熱焼ばめ装置の動作図、図中：１……
スライドプレートれんが、２……帯状鉄板フー
プ、３……フープ供給装置、４……フープストツ
ク台、５……フープ押上装置、６……フープ押込
装置、７……フープ押出装置、８……跳上げ台、
９……耐火れんが位置決め搬送装置、１０……ロ
ーラーコンベヤー、１１……ゲートストツパー
Ａ、１２……ゲートストツパーＢ、１３……耐火
れんが芯出装置、１４……耐火れんが位置決め装
置、１５……加熱焼ばめ装置、１６……低周波誘
導加熱コイル、１７……断熱クツシヨン材、１８
……焼ばめ治具、１９……焼ばめ治具昇降装置、
２０……回転装置、２１……フープストツパー、
２２……耐火れんが取付台。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 フリーコンベヤー式のフープストツク台４、移
   動テーブル付のフープ押上装置５、直線運動する
   フープ押込装置６、フープ押出装置７および回転
   可能な跳上げ台８とからなるフープ自動供給装置
   ３と、 ローラーコンベヤー１０にゲートストツパー１
   １・１２並びに挾み運動する耐火れんが芯出装置
   １３、梃子運動する耐火れんが位置決め装置１
   ４、が載置され耐火れんがを自動的にセツト・搬
   出する耐火れんが位置決め搬送装置９、 及び断熱クツシヨン材１７で囲まれた低周波誘
   導加熱コイル１６、帯状鉄板フープ２を押広げ昇
   降する焼ばめ治具１８、並びに焼ばめ治具昇降装
   置１９、焼ばめ治具昇降装置１９を回転する回転
   装置２０からなり帯状鉄板フープ２を一定温度に
   加熱・焼ばめする加熱焼ばめ装置１５ とから構成されたスライデイングノズル装置用耐
   火れんが低周波自動焼ばめ装置。