JPH031769Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は貯液槽内に設置され、貯液量を測定す
る装置に関するものである。

(ロ) 従来技術 油類などの測定装置においては、上下方向に長
い管体を配備し、この管体に各種センサー（フロ
ートスイツチや電極など）を取り付けて使用し、
管体の空洞を利用して槽底に溜つた分離水などを
槽外へ排出していた。

(ハ) 目的 貯液槽は同一容積であつてもメーカーによつて
槽の深さが異なり、分離水の排出を完全に行なわ
せようとして管体下端を槽底直近で開口させるた
めには管体長さを槽深さに合せていちいち作らな
ければならず、煩雑であつた。

よつて本考案は槽の深さが異なる場合であつて
も一種類の長さの管体で分離水の排出が可能な構
造を備えた貯液量測定装置を提供することを目的
とする。

(ニ) 構成と作用 前記目的を達成するための構成は、電気導伝性
材料で作られた長尺の管体と、この管体を囲み管
体と電気絶縁状態でかつ貯液の流入出自在な空隙
を備えて配設された長尺の電極とによつて静電容
量式の測定部を構成した装置において、槽外に設
置され、互いに離隔された電線接続用の内室と空
洞とを備えた接続箱と、槽内に配備され、下端が
槽底近傍で開口し、上端が前記空洞の下端に接続
された前記管体と、この管体の下端開口部に管体
内壁に対して半固定状態で摺動し下端に切欠きを
形成した短管を管体下端からの突出可能に配備
し、さらに前記空洞の上端を開放可能な蓋で閉止
したもので、短管を十分に突出させた状態で管体
を槽内へ設置すると短管が槽底に当接した後余分
に突出した分の長さが管体内へ押込まれ、槽の直
径の違いにかかわらず結果として管体が槽底まで
届いているのと同じ状態で作られるので、蓋を外
して吸引ポンプを接続することで槽底に溜まつた
分離水を完全に排出できる。

(ホ) 実施例 以下、本考案を図示実施例をもとに説明する。

１は貯油量測定装置Ｌの信号線等の接続箱で、
貯油槽２の開口部３に取り付けられており、その
下面には槽内を垂直方向に延びる管体４が接続さ
れている。この管体４は静電容量式の一対の電極
の内の一方を兼ねており、その下端５は槽底２′
近傍で槽内に開口し、上端６は接続箱１内の空洞
７を通つて槽外に連通している。

８は他方の電極で、管体４のの外径よりも大き
な内径をした円筒形をしており、それぞれ電気絶
縁性部材で作られたスペーサー１０，１１で保持
され、管体４と電極８との間には空隙９が形成さ
れている。

１２は接触子で、その先端は電極８の内壁に電
気的導通状態で接しており、絶縁体グロメツト１
３によつて管体４と不導通状態で保持されたビス
１４によつて端子１５と導通している。

１６は短管で、その外径は管体４の内径より微
かに小さく管体４から短管１６が自然に抜け落ち
ない程度の外径寸法が与えられており、管体４に
対して摺動可能で下端５からの突出が可能であ
る。

１７は短管１６に設けた切欠きで、実施例によ
る形状の他単なる丸穴であつても良い。

１８は端子１５に接続された電線で、その上端
はグロメツト１９を通つて接続箱１の内室１′へ
導入されており、２０は空洞７を開閉する蓋、２
１はスペーサー１０のネジ穴２２に螺入された止
め付け用ボルトでこのボルト２１を緩めることに
より電極８を管体４に沿つて上下方向へ移動させ
ることができ、この時電線１８と電極８とは電極
８の内壁を接触子１２が滑ることによつて導通状
態が保たれる。

２３はスペーサー１１に形成された貯液の出入
する穴、２４は電極８に形成され貯液あるいは空
気が空隙９から出入する穴であり、空隙９内に貯
液が侵入すると電極８と他方の電極である管体４
との間の静電容量値が変化し、この変化が電線１
８を介して接続箱１へ伝達される。なお２５は管
体４の下端５に形成された電極８の抜け止め用フ
ランジで、２６は接続箱１の内室１′と空洞７と
の間を気密にする為に施された樹脂性の充填材で
ある。

以上の構成において、槽２への測定装置Ｌの設
置時にはまず管体４の下端５から短管１６が十分
突出する程度に引き出しておき、次いで開口３へ
測定装置Ｌをを挿入固定すると、短管１６は槽底
２′へ当つた分だけ管体４内へ押し込まれ最終的
に図の如く収まる。なお、槽底２′が二点鎖線の
ようにさらに浅い場合には短管１６も二点鎖線の
如くさらに押し込まれることになる。

この状態において、切欠き１７は槽底２′の直
近に位置することになり、接続箱１の蓋２０を外
してそこへ吸引ポンプを接続することにより槽２
内で油と分離して沈澱した水は余すところなく排
出することが可能となる。

(ヘ) 効果 以上のように本考案によれば槽の深さが多少異
つても静電容量式貯液量測定装置の一方の電極
（管体）の下端内方に短管を十分に突出させ半固
定状態で設置すれば短管が管体から余分に突出し
た分だけ摺動変位して管体内へ押し込まれるの
で、切欠きが槽底に接することが可能となり、槽
毎にそれに合つた寸法で管体を作らなくとも槽底
に溜つた水を短管の切欠を介して余すところなく
吸引排出することのできる貯液量測定装置が得ら
れるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は内部構造をあらわす為にその大部分を
断面とした本願貯液量測定装置の図である。 １……接続箱、２……槽、４……管体、８……
電極、１２……接触子、１６……短管、１７……
切欠き。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電気導伝性材料で作られた長尺の管体と、この
   管体を囲み管体と電気絶縁状態でかつ貯液の流入
   出自在な空隙を備えて配設された長尺の電極とに
   よつて静電容量式の測定部を構成した装置におい
   て、槽外に設置され、互いに離隔された電線接続
   用の内室と空洞とを備えた接続箱と、槽内に配備
   され、下端が槽底近傍で開口し、上端が前記空洞
   の下端に接続された前記管体と、この管体の下端
   開口部に管体内壁に対して半固定状態で摺動し下
   端に切欠きを形成した短管を管体下端からの突出
   可能に配備し、さらに前記空洞の上端を開放可能
   な蓋で閉止したことを特徴とする貯液量測定装
   置。