JPH034894Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本願は特に油タンクなどの貯油量を監視する時
に使用される静電容量式のセンサーに関するもの
である。

(ロ) 従来技術 金属等の導電性物質で作られた大径・小径二本
の管を各電極として互いに電気絶縁状態で二重管
構造に組み合わせ、両電極間の静電容量値を計る
ことによつて貯液量を知る方式のセンサーが広く
使用されている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかしながら両電極間を微かな隙間をあけて固
定しておくために少なくとも上下二ケ所を電気絶
縁物質で作られたスペーサーで保持しなくてはな
らず特に下方のスペーサーの部分には導電性のゴ
ミや貯液が油である場合には水滴などが溜りこの
ために両電極間が電気的に短絡して測定が不能に
なる事故が度々発生していた。

(ニ) 問題点を解決するための構成および作用 よつて本願は上記下方のスペーサー部分に前記
ゴミや水滴が溜つても短絡事故を防止できる一方
両電極間の隙間を確保できるスペーサーを補えた
センサーを提案するもので、すなわち管状の第１
電極を管状の第２電極で覆い互いに隙間をあけて
配設することにより二重管構造となし両電極間の
静電容量値から貯液量ないしは貯液面高さを検出
するようになしたセンサーにおいて、第１電極の
下端を第２電極の下端よりも下方へ延長し、一
方、第１電極外周面への固定手段を備えるととも
に上面がその中心に向つて高く錐形に形成された
る基台部と、この基台部上面に植設されるととも
に上端が両電極間へ挿入される複数の櫛歯突起と
を有する絶縁スペーサーをその基台部上面が前記
第２電極の下端位置よりも下方に位置するよう第
１電極に配設したもので、液面の上下動によつて
第１および第２電極間にゴミや水滴が侵入し、そ
れが沈降しても基台部上面が錐形加工されている
ので液面下降時に両電極間から流れ出る液の作用
で基台部から滑り落ちる。

(ホ) 実施例 ２は長尺の静電容量式センサーの上端に設けら
れた中継箱で、内部には後述する各電線類によつ
て伝達されてくる信号値を伝送し易い形態たとえ
ば電圧や周波数に変換して図示しない表示部へ送
り出す回路が収納されている。

４は金属などの導電物質で作られた小径の第１
電極で、止めビス６により円継箱２の下面に形成
されたボス８に中継箱２と電気的導通状態で固定
されている。

１０はやはり導電物質で作られた大径の第２電
極で、両電極間に隙間Ｃを保つため上下端にテフ
ロン（商標）樹脂などの電気絶縁物質で作られた
スペーサー１２，１４が配設されている。

スペーサー１４はその内径が電極４より微かに
大きく形成されるとともに電極４への取り付け用
ネジ穴１６を有しさらに下半部外径が補正用の第
３電極１８の内径とほぼ同一に加工された基台部
２０と、この基台部２０の錐形加工された上面２
２に植設されその上端４０の寸法Ｓが隙間Ｃに嵌
り込む寸法に段加工された複数の櫛歯突起２４と
で構成されている。

２６はドーナツ形をした電気絶縁性の基台２８
に固定された水検知用端子で、電極４との間で電
気的に短絡することにより水位の上昇を知る。

３０，３２，３４はそれぞれ一方端が各電極１
０，１８および端子２６に接続され他端が電極４
の内部空間３６を上昇して適当なシールが施され
た後中継箱２内へ導入された電線で、３８は空間
３６に通ずる中継箱２の上端開口部を取り外し可
能に閉塞する蓋である。

以上の構成において電極１０が全体長さの大半
を占め、通常液面位置は電極１０の長さ範囲に収
まるようその貯液量がコントロールされており電
極４と電極１０との間の静電容量値と、電極４と
電極１８との間の静電容量値とから液種に関係な
く（測定液の誘電率に関係なく）貯液量あるいは
液面高さが補正演算されることになる。

タンクの底には通常金属のゴミや貯液が油など
の場合は水が溜つておりタンクへの注液時にタン
ク内が掻き回され、ゴミや水が前記した隙間Ｃへ
侵入しその後沈殿してスペーサー１４の上面２２
へ堆積することになる。しかしながら上面２２が
錐形に加工されかつ上面２２が電極１０の下端よ
りさらに下方になるよう配設されているので上面
２２へゴミや水滴が溜り難く、たとえ溜つても液
面降下時に隙間Ｃから排出される液の流れによつ
て滑り落ち電極４と電極１０とが短絡されてしま
う程堆積することはない。

又、櫛歯突起２４自体が薄く作られているので
その上端４０にゴミや水が溜り難くここでの短絡
事故も心配ないが、この上端４０の平面部分を刃
形形成しておくとさらに効果がある。

(ヘ) 効果 以上詳述した如く構成したので下方のスペーサ
ー部分でのゴミや水滴の堆積による電極間の短絡
事故が無くなり常に正確な液量あるいは液面高さ
を検出することの出来るセンサーが得られるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１，２図はそれぞれ長尺のセンサーにおける
上端部と下端部の内部構造を示す図で、第３図は
下方に設置されるスペーサーの形状を示す図であ
る。 ２……中継箱、４……第１電極、１０……第２
電極、１２，１４……スペーサー、２４……櫛歯
突起。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 管状の第１電極を管状の第２電極で覆い、互い
   に隙間をあけて配設することにより二重管構造と
   なし、両電極間の静電容量値から貯液量ないしは
   貯液面高さを検出するようになしたセンサーにお
   いて、第１電極の下端を第２電極の下端よりも下
   方へ延長し、一方、第１電極外周面への固定手段
   を備えるとともに上面がその中心に向つて高く錐
   形に形成された基台部と、この基台部上面に植設
   されるとともに上端が両電極間へ挿入される複数
   の櫛歯突起とを有する絶縁スペーサーをその基台
   部上面が前記第２電極の下端位置よりも下方に位
   置するよう第１電極に配設したことを特徴とする
   貯液監視センサー。