JPH03173752A - 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳、高強度Al―Mg系合金の製造方法 - Google Patents
成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳、高強度Al―Mg系合金の製造方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
(産業上の利用分野)
本発明はAl−Mg系合金の製造に係り、よす詳細には
、深絞り加工を主対象とする成形加工用高強度Al−M
g系合金の製造方法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする課題)食缶等の絞り
缶(DR缶)には主としてアルミニウム材料が使用され
、熱間圧延、冷間圧延等の加工後、深絞り加工により製
造されている。 このような食缶用アルミニウム材料には、以下のような
材料特性が要求される。 ■ 強度 ■ 成形性 ■ 低方向性 ■ 表面性状、特にSSマーク(ストレッチャー・スト
レインマーク)のないこと ■ 耐食性 ■ 塗膜の密着性 以上の観点から、従来より、我国ではAl−2゜5%M
gをベースとする5052合金が、また米国ではA Q
−3,5%Mgをベースとする5042合金が主とし
て使われていた。 しかし、最近、食缶でも絞り比が約2.0に近い深絞り
缶の採用に伴い、BタイプのSSマーク(パラレルバン
ド)が缶胴に発生し、美観のみならず1缶詰の内容物の
保護のため内面に塗装しである塗膜まで損傷する恐れが
出てきた。 このBタイプのSSマークについては、例えば「アルミ
ニウム材料の基礎と工業技術」(社)軽金属協会発行(
昭和60年)の9.140に、「(BタイプのSSマー
ク)については材料面からの防止は困難で、加工速度を
増大する、ひずみ条件を調整するなど、変形条件を変え
る必要がある」と記載されているように、変形条件(加
工条件)からの防止策が挙げられていた。確かに、引張
変形などのような単純加工では変形速度の高速化や低温
変形などは効果的であるが、現実の食缶材の成形ではプ
レス加工速度の増大や温度制御は困難であり、材料面か
らの改善が長年要望されてきた。 本発明者も、これらの要望に応えるべく、食缶用アルミ
ニウム合金として多用され、今後共に使用量が期待され
る5052合金(2,5%Mg)、5042合金(3,
5%Mg)を対象に、SSマークの発生しない材料を見
い出すべく、材料面からSSマークの防止策を図ると共
に、強度等の面も考慮し、工業的に製造可能とする方策
について鋭意研究を重ね、Al−Mg基合金を特定条件
で圧延加工、熱処理を施して結晶粒度と共に軟化度を規
制することにより、SSマークを効果的に防止できるこ
とを見い出し、先に特願昭63−272323号を提案
した。 しかし、この方法では、結晶粒度が10〜40μmであ
り、かつ1次式で定義される軟化度、軟化度=(tyy
o−cry)X 100 ÷ay0(%)(ここで、σ
yo:安定化焼鈍前の材料の耐力σy:安定化焼鈍後の
材料の耐力) が10%以上であることが必要であり、これらの組織制
御を製造工程で管理する必要があった。 そして、更に1組成と製造条件との組み合わせによる前
記■〜■の必須要件を満足する材料の開発が望まれてい
た。 そこで1本発明者は、更に改良を図り、SSマークを防
止し得るAl−Mg系合金の製造法を開発し、先に特願
平1−111760号を提案した。 しかし、この方法では、高強度材を得るには、Mg量を
2%以上とし、冷間圧延量を高くする等のように、組成
と製造条件の適正な組合せが必要であり、また低耳材が
得られないため1Mg2%以下で、容易に低耳、高強度
材が得られる材料の開発が要望されていた。 本発明は、上記要請に応えるべくなされたものであって
、成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発
生しない低耳、高強度Al−Mg系合金を工業的に容易
に製造できる方法を提供することを目的とするものであ
る。 (課題を解決するための手段) 前記の課題を解決するため、本発明者らはMg量の影響
、組織制御、工業的製造方法の観点より鋭意研究開発を
行い、合金組成の最適化と製造条件の最適化とにより、
ここに成形加工時にストレッチャー・ストレインマーク
の発生しない低耳、高強度Afi−Mg系合金材料の製
造法を開発したのである。 すなわち、本発明は、Mg:0.5〜1.8%、Mn:
0.05〜0.6%及びCu:0.3〜0.6%を必須
成分として含有し、更にCr≦0.3%を必要に応じて
含有し、残部がAl及び不純物からなる組成のAΩ−M
g系合金の鋳塊を熱間圧延後、加工率40%以上の中間
圧延を行い、500〜550℃の温度で中間焼鈍を施し
、更に加工率40%以上の仕上圧延と150〜250℃
の温度で安定化焼鈍を施すことを特徴とする成形加工時
にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳
、高強度An−Mg系合金の製造方法を要旨とするもの
である。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。 Mg: 本発明が対象するとするAl金合金Mgを0.5〜1.
8%含有するAl−Mg系合金である0本系合金の強度
は、Mg量と冷間加工により導入された転位量により決
定されるので、所定量のMgを必須成分とする必要があ
る。一方、SSマークの主因はMg量であるので、Mg
量を規制するのがSSマーク防止策上有利である。 すなわち1Mg量が0.5%未満では材料の十分な強度
が得られず、一方、Mg量が1.8%を超えると、絞り
比が2を超える加工時や、角絞り加工時のコーナ一部に
SSマークが発生し易くなる。 したがって、Mg量は0.5〜1.8%の範囲とする。 Cu: Cuは固溶体強化或いはAlとの析出粒子θ′−CuA
l、、S ’−CuMgAl 2の生成により。 強度をもたらす元素である。このためには本系合金では
0.3%以上が必要である。しかし、0.6%を超える
と耐食性を損ねるので好ましくない。 したがって、Cu量は0.3〜0.6%の範囲とする。 Mn: Mnは、0.05%以上含有すると固溶体強化による材
料の強化とMnAll、分散粒子による微細組織を付与
する効果があるが、0.6%を超えると晶出物による成
形性の低下や方向性が高くなるので、Mn量は0.05
〜0.6%の範囲とする。 Cr: CrはCr2Mg、 A Q tsとして微細組織を付
与し、成形性を向上させるので、必要に応じて添加する
ことができる。添加する場合には、0.3%よりも多い
と巨大晶出物が生成し易く、成形性を損ねるので、Cr
量は0.3%以下の範囲とするのが好ましい。 なお、不純物は本発明の効果を損なわない限度で許容さ
れるが、例えば、Al地金中に含まれるSi、Fe等の
不純物は多くなると晶出物が多くなり、成形性や耐食性
を劣化させるので、Siは0゜3%以下、Faは0.5
%以下に規制するのが望ましい。 次に本発明の製造方法について説明する。 上記の如く成分調整したAM−Mg系合金を、通常はD
C鋳造法で造塊し、均質化熱処理を施した後、熱間圧延
を行う。均質化熱処理は500〜550℃の温度で行う
のが望ましい。この処理では、材料内の溶質原子の偏析
は少なくなり、かつMn、Cr等はそれぞれMnAl、
、Cr、Mg、Al、。 の金属間化合物を形成し1分散粒子として、次工程以降
の組織の微細化、安定化をもたらす、また、熱間圧延は
300〜550℃の温度で行うのが望ましい。なお、熱
間圧延後、中間焼鈍を施しても良い。中間焼鈍を施すと
、より材料組織の制御が容易となる。 次いで、加工率40%以上の中間圧延(冷間圧延)を施
す。加工率が40%未満の圧延では最終的な結晶粒が4
0μ−よりも大きくなり、成形加工時に肌荒れとなり、
表面品質を損ねるので好ましくない。 その後、中間焼鈍を施すが、500℃未満ではMg、C
u、Mnの十分な固溶、並びに低耳材に必要な十分な立
方方位の再結晶が完了しない、一方、550℃を超える
と結晶粒の粗大化やバーニングの危険性がある。したが
って、中間焼鈍の温度は500〜550℃の範囲とする
。なお、時間は1〜1osecで十分である。 続く最終的な仕上圧延(冷間圧延)は、40%以上の加
工率で行う。加工率が40%未満では十分な強度が得ら
れない、しかし、本発明の場合、余り加工率を高くしな
くとも高強度材が得られるので、加工率は50%以下に
とどめるのが製造上望ましい。 最後に150〜250℃の温度で安定化焼鈍を施す。こ
の場合、150℃未満では内部組織の変化を起こすのに
不十分であり、250℃を超えると軟化が進んで十分な
強度が得られないので好ましくない。この安定化焼鈍で
固溶Mg原子は安定存在状態となり、絞り比が2.0以
上であってもSSマークの発生が抑制される。 以上の方法で得られるAM−Mg系合金において、結晶
粒度が40p11を超えると絞り加工時に肌荒れを起こ
し、10μ自未満であると加工中の転位の動きが遅くな
り、SSマークが発生し易くなる。したがって、結晶粒
度は10〜40μmの範囲に調整するのが好ましい。 なお、このようにして得られたAl−Mg系合金は常法
による成形加工に供されるが、特に絞り比が2.0以上
の深絞り加工に供してもSSマークを防止できる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有するAl合金の鋳塊(厚さ5
0mm)を固剤し、500℃X8hrの均質化熱処理を
施した後、300〜500℃の熱間圧延を施し、厚さ2
〜4mmの熱延板とした。 その後、第2表に示す条件で加工、熱処理を施して厚さ
0.25mn+の供試材を得た。 得られた供試材について、結晶粒度を調べると共に、引
張特性、SSマーク(パラレルバンド)。 耳率及び肌荒れ状況を調査した。その結果を第2表に併
記する。 なお、SSマークは、33m5+φ、50%絞りカップ
テストを行って評価した。また、耳率は、40mmφポ
ンチ、ブランク径66.7m+aφ(絞り率40%)に
て測定した。 第2表より、本発明例はいずれも、所望の高強度が得ら
れると共に、2.0以上の絞り比でもSSマークの発生
がなく、耳率が低く、表面品質が良好であることがわか
る。一方、比較例のものは、たとえ高強度が得られても
SSマーク、耳率、表面品質のいずれも満足できない。
、深絞り加工を主対象とする成形加工用高強度Al−M
g系合金の製造方法に関する。 (従来の技術及び解決しようとする課題)食缶等の絞り
缶(DR缶)には主としてアルミニウム材料が使用され
、熱間圧延、冷間圧延等の加工後、深絞り加工により製
造されている。 このような食缶用アルミニウム材料には、以下のような
材料特性が要求される。 ■ 強度 ■ 成形性 ■ 低方向性 ■ 表面性状、特にSSマーク(ストレッチャー・スト
レインマーク)のないこと ■ 耐食性 ■ 塗膜の密着性 以上の観点から、従来より、我国ではAl−2゜5%M
gをベースとする5052合金が、また米国ではA Q
−3,5%Mgをベースとする5042合金が主とし
て使われていた。 しかし、最近、食缶でも絞り比が約2.0に近い深絞り
缶の採用に伴い、BタイプのSSマーク(パラレルバン
ド)が缶胴に発生し、美観のみならず1缶詰の内容物の
保護のため内面に塗装しである塗膜まで損傷する恐れが
出てきた。 このBタイプのSSマークについては、例えば「アルミ
ニウム材料の基礎と工業技術」(社)軽金属協会発行(
昭和60年)の9.140に、「(BタイプのSSマー
ク)については材料面からの防止は困難で、加工速度を
増大する、ひずみ条件を調整するなど、変形条件を変え
る必要がある」と記載されているように、変形条件(加
工条件)からの防止策が挙げられていた。確かに、引張
変形などのような単純加工では変形速度の高速化や低温
変形などは効果的であるが、現実の食缶材の成形ではプ
レス加工速度の増大や温度制御は困難であり、材料面か
らの改善が長年要望されてきた。 本発明者も、これらの要望に応えるべく、食缶用アルミ
ニウム合金として多用され、今後共に使用量が期待され
る5052合金(2,5%Mg)、5042合金(3,
5%Mg)を対象に、SSマークの発生しない材料を見
い出すべく、材料面からSSマークの防止策を図ると共
に、強度等の面も考慮し、工業的に製造可能とする方策
について鋭意研究を重ね、Al−Mg基合金を特定条件
で圧延加工、熱処理を施して結晶粒度と共に軟化度を規
制することにより、SSマークを効果的に防止できるこ
とを見い出し、先に特願昭63−272323号を提案
した。 しかし、この方法では、結晶粒度が10〜40μmであ
り、かつ1次式で定義される軟化度、軟化度=(tyy
o−cry)X 100 ÷ay0(%)(ここで、σ
yo:安定化焼鈍前の材料の耐力σy:安定化焼鈍後の
材料の耐力) が10%以上であることが必要であり、これらの組織制
御を製造工程で管理する必要があった。 そして、更に1組成と製造条件との組み合わせによる前
記■〜■の必須要件を満足する材料の開発が望まれてい
た。 そこで1本発明者は、更に改良を図り、SSマークを防
止し得るAl−Mg系合金の製造法を開発し、先に特願
平1−111760号を提案した。 しかし、この方法では、高強度材を得るには、Mg量を
2%以上とし、冷間圧延量を高くする等のように、組成
と製造条件の適正な組合せが必要であり、また低耳材が
得られないため1Mg2%以下で、容易に低耳、高強度
材が得られる材料の開発が要望されていた。 本発明は、上記要請に応えるべくなされたものであって
、成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発
生しない低耳、高強度Al−Mg系合金を工業的に容易
に製造できる方法を提供することを目的とするものであ
る。 (課題を解決するための手段) 前記の課題を解決するため、本発明者らはMg量の影響
、組織制御、工業的製造方法の観点より鋭意研究開発を
行い、合金組成の最適化と製造条件の最適化とにより、
ここに成形加工時にストレッチャー・ストレインマーク
の発生しない低耳、高強度Afi−Mg系合金材料の製
造法を開発したのである。 すなわち、本発明は、Mg:0.5〜1.8%、Mn:
0.05〜0.6%及びCu:0.3〜0.6%を必須
成分として含有し、更にCr≦0.3%を必要に応じて
含有し、残部がAl及び不純物からなる組成のAΩ−M
g系合金の鋳塊を熱間圧延後、加工率40%以上の中間
圧延を行い、500〜550℃の温度で中間焼鈍を施し
、更に加工率40%以上の仕上圧延と150〜250℃
の温度で安定化焼鈍を施すことを特徴とする成形加工時
にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳
、高強度An−Mg系合金の製造方法を要旨とするもの
である。 以下に本発明を更に詳細に説明する。 (作用) まず、本発明における化学成分の限定理由について説明
する。 Mg: 本発明が対象するとするAl金合金Mgを0.5〜1.
8%含有するAl−Mg系合金である0本系合金の強度
は、Mg量と冷間加工により導入された転位量により決
定されるので、所定量のMgを必須成分とする必要があ
る。一方、SSマークの主因はMg量であるので、Mg
量を規制するのがSSマーク防止策上有利である。 すなわち1Mg量が0.5%未満では材料の十分な強度
が得られず、一方、Mg量が1.8%を超えると、絞り
比が2を超える加工時や、角絞り加工時のコーナ一部に
SSマークが発生し易くなる。 したがって、Mg量は0.5〜1.8%の範囲とする。 Cu: Cuは固溶体強化或いはAlとの析出粒子θ′−CuA
l、、S ’−CuMgAl 2の生成により。 強度をもたらす元素である。このためには本系合金では
0.3%以上が必要である。しかし、0.6%を超える
と耐食性を損ねるので好ましくない。 したがって、Cu量は0.3〜0.6%の範囲とする。 Mn: Mnは、0.05%以上含有すると固溶体強化による材
料の強化とMnAll、分散粒子による微細組織を付与
する効果があるが、0.6%を超えると晶出物による成
形性の低下や方向性が高くなるので、Mn量は0.05
〜0.6%の範囲とする。 Cr: CrはCr2Mg、 A Q tsとして微細組織を付
与し、成形性を向上させるので、必要に応じて添加する
ことができる。添加する場合には、0.3%よりも多い
と巨大晶出物が生成し易く、成形性を損ねるので、Cr
量は0.3%以下の範囲とするのが好ましい。 なお、不純物は本発明の効果を損なわない限度で許容さ
れるが、例えば、Al地金中に含まれるSi、Fe等の
不純物は多くなると晶出物が多くなり、成形性や耐食性
を劣化させるので、Siは0゜3%以下、Faは0.5
%以下に規制するのが望ましい。 次に本発明の製造方法について説明する。 上記の如く成分調整したAM−Mg系合金を、通常はD
C鋳造法で造塊し、均質化熱処理を施した後、熱間圧延
を行う。均質化熱処理は500〜550℃の温度で行う
のが望ましい。この処理では、材料内の溶質原子の偏析
は少なくなり、かつMn、Cr等はそれぞれMnAl、
、Cr、Mg、Al、。 の金属間化合物を形成し1分散粒子として、次工程以降
の組織の微細化、安定化をもたらす、また、熱間圧延は
300〜550℃の温度で行うのが望ましい。なお、熱
間圧延後、中間焼鈍を施しても良い。中間焼鈍を施すと
、より材料組織の制御が容易となる。 次いで、加工率40%以上の中間圧延(冷間圧延)を施
す。加工率が40%未満の圧延では最終的な結晶粒が4
0μ−よりも大きくなり、成形加工時に肌荒れとなり、
表面品質を損ねるので好ましくない。 その後、中間焼鈍を施すが、500℃未満ではMg、C
u、Mnの十分な固溶、並びに低耳材に必要な十分な立
方方位の再結晶が完了しない、一方、550℃を超える
と結晶粒の粗大化やバーニングの危険性がある。したが
って、中間焼鈍の温度は500〜550℃の範囲とする
。なお、時間は1〜1osecで十分である。 続く最終的な仕上圧延(冷間圧延)は、40%以上の加
工率で行う。加工率が40%未満では十分な強度が得ら
れない、しかし、本発明の場合、余り加工率を高くしな
くとも高強度材が得られるので、加工率は50%以下に
とどめるのが製造上望ましい。 最後に150〜250℃の温度で安定化焼鈍を施す。こ
の場合、150℃未満では内部組織の変化を起こすのに
不十分であり、250℃を超えると軟化が進んで十分な
強度が得られないので好ましくない。この安定化焼鈍で
固溶Mg原子は安定存在状態となり、絞り比が2.0以
上であってもSSマークの発生が抑制される。 以上の方法で得られるAM−Mg系合金において、結晶
粒度が40p11を超えると絞り加工時に肌荒れを起こ
し、10μ自未満であると加工中の転位の動きが遅くな
り、SSマークが発生し易くなる。したがって、結晶粒
度は10〜40μmの範囲に調整するのが好ましい。 なお、このようにして得られたAl−Mg系合金は常法
による成形加工に供されるが、特に絞り比が2.0以上
の深絞り加工に供してもSSマークを防止できる。 次に本発明の実施例を示す。 (実施例) 第1表に示す化学成分を有するAl合金の鋳塊(厚さ5
0mm)を固剤し、500℃X8hrの均質化熱処理を
施した後、300〜500℃の熱間圧延を施し、厚さ2
〜4mmの熱延板とした。 その後、第2表に示す条件で加工、熱処理を施して厚さ
0.25mn+の供試材を得た。 得られた供試材について、結晶粒度を調べると共に、引
張特性、SSマーク(パラレルバンド)。 耳率及び肌荒れ状況を調査した。その結果を第2表に併
記する。 なお、SSマークは、33m5+φ、50%絞りカップ
テストを行って評価した。また、耳率は、40mmφポ
ンチ、ブランク径66.7m+aφ(絞り率40%)に
て測定した。 第2表より、本発明例はいずれも、所望の高強度が得ら
れると共に、2.0以上の絞り比でもSSマークの発生
がなく、耳率が低く、表面品質が良好であることがわか
る。一方、比較例のものは、たとえ高強度が得られても
SSマーク、耳率、表面品質のいずれも満足できない。
(発明の効果)
以上詳述したように1本発明によれば、Mg量が1.8
%以下で特定組成のAl−Mg系合金に特定条件の圧延
加工、熱処理を施すので、成形加工時にストレッチャー
・ストレインマーク(パラレルバンド)の発生のない低
耳、高強度アルミニウム材料を得ることができる。特に
絞り比が2.0以上の深絞り加工においてもストレッチ
ャー・ストレインマークを発生するととなく食缶等の深
絞り缶を製造することが可能である。また本発明法によ
れば工業的製造が容易である。
%以下で特定組成のAl−Mg系合金に特定条件の圧延
加工、熱処理を施すので、成形加工時にストレッチャー
・ストレインマーク(パラレルバンド)の発生のない低
耳、高強度アルミニウム材料を得ることができる。特に
絞り比が2.0以上の深絞り加工においてもストレッチ
ャー・ストレインマークを発生するととなく食缶等の深
絞り缶を製造することが可能である。また本発明法によ
れば工業的製造が容易である。
Claims (1)
- 重量%で(以下、同じ)、Mg:0.5〜1.8%、M
n:0.05〜0.6%及びCu:0.3〜0.6%を
必須成分として含有し、更にCr≦0.3%を必要に応
じて含有し、残部がAl及び不純物からなる組成のAl
−Mg系合金の鋳塊を熱間圧延後、加工率40%以上の
中間圧延を行い、500〜550℃の温度で中間焼鈍を
施し、更に加工率40%以上の仕上圧延と150〜25
0℃の温度で安定化焼鈍を施すことを特徴とする成形加
工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない
低耳、高強度Al−Mg系合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31299189A JPH03173752A (ja) | 1989-12-01 | 1989-12-01 | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳、高強度Al―Mg系合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31299189A JPH03173752A (ja) | 1989-12-01 | 1989-12-01 | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳、高強度Al―Mg系合金の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03173752A true JPH03173752A (ja) | 1991-07-29 |
Family
ID=18035923
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31299189A Pending JPH03173752A (ja) | 1989-12-01 | 1989-12-01 | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しない低耳、高強度Al―Mg系合金の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03173752A (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02122054A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-09 | Kobe Steel Ltd | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しないAl−Mg系合金及びその製造方法 |
JPH02290953A (ja) * | 1989-04-29 | 1990-11-30 | Kobe Steel Ltd | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しないAl―Mg系合金の製造方法 |
-
1989
- 1989-12-01 JP JP31299189A patent/JPH03173752A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02122054A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-09 | Kobe Steel Ltd | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しないAl−Mg系合金及びその製造方法 |
JPH02290953A (ja) * | 1989-04-29 | 1990-11-30 | Kobe Steel Ltd | 成形加工時にストレッチャー・ストレインマークの発生しないAl―Mg系合金の製造方法 |
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Legal Events
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---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
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