JPH0317120B2 - - Google Patents

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JPH0317120B2
JPH0317120B2 JP8165383A JP8165383A JPH0317120B2 JP H0317120 B2 JPH0317120 B2 JP H0317120B2 JP 8165383 A JP8165383 A JP 8165383A JP 8165383 A JP8165383 A JP 8165383A JP H0317120 B2 JPH0317120 B2 JP H0317120B2
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JP
Japan
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powder
waste
aqueous dispersion
homogeneous
water
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JP8165383A
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Yoshibumi Noshi
Hiroyuki Naito
Kyoshi Takai
Toshio Pponma
Osamu Saito
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Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
Original Assignee
Mizusawa Industrial Chemicals Ltd
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  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、放射性廃棄物の均質固化法に関する
もので、より詳細には塩類を含む固体の放射性廃
棄物を、高い減容比で、しかも緻密性及び機械的
強度に優れた固化体にするための処理法に関す
る。 従来、原子力発電所及び放射性物質取扱い設備
等の運転に伴い種々の放射性廃棄物が発生し、そ
の処理が問題となつている。即ち、これらの廃棄
物は、ドラム缶等の容器内に固化された状態で収
容され、一定の保管スペース内に保管されるが、
この貯蔵保管性の点で、この廃棄物を如何に高い
減容比で固化するか、即ち、単位容積比当りの廃
棄物重量を如何に高く固化するかが問題となつて
いる。 従来、放射性廃棄物の固化方法としては、廃液
やスラリーを直接セメントにより固化する方法
や、この廃液の乾燥物やこの乾燥物の造粒物(ペ
レツト等)を、セメント、水ガラス、アスフアル
ト、樹脂等で固化する方法が知られている。しか
しながら、前者の方法では、減容比を大きくとる
ことが困難であり、また後者の方法でも、アスフ
アルトや樹脂を固化剤として用いる方法では、粘
度が高いため減容比が大きくなる条件での混和が
困難であると共に、生成した固化体は熱により軟
化したり、高熱下では燃焼するという問題があ
る。 また、放射性廃棄物の内でも量の圧倒的に大き
い低レベル廃棄物は、沸騰水型原子力発電所
(BWR)の場合には、主として硫酸ナトリウム
(芒硝)を主成分とする再生廃液であり、一方加
圧水型原子力発電所(PWR)の場合には、ホウ
酸塩を含む再生廃液であり、更には、核燃料再処
理施設からは硝酸ナトリウムを含む廃液等が発生
する。従つてこれらの廃液を乾燥して得られる廃
棄物には多量の可溶性塩が含まれるため、セメン
ト等の水性固化剤組成物を用いた場合には、セメ
ントバチルス組成の構成を阻害させ緻密で強度の
ある硬化体を得ることが一般に困難である。 従つて、本発明の目的は、上述した欠点が改善
された放射性廃棄物の均質固化法を提供するにあ
る。 本発明の他の目的は、塩類を含む固体放射性廃
棄物を、高い減容比でしかも緻密性及び機械的強
度に優れた固化体に固化し得る処理法を提供する
にある。 本発明の更に他の目的は、水性で無機の固化剤
を用いて、上述した特性を有する固化体を調製し
得る固化法を提供するにある。 本発明によれば、硫酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩等
の塩類を含む放射性廃液から吸油量が10ml/100
g以下の乾燥粉粒体を得、この粉粒体と、ケイ酸
質結着剤及び酸性硬化剤並びに結晶性メタケイ酸
バリウムを主体とする硬化遅延剤を含む混水量が
25乃至50重量%の水性分散体とを、混合ペースト
中に含まれる該粉粒体の容積比が35乃至65%とな
る比で混合し、得られる混合ペーストを容器内に
充填し、固化させることを特徴とする放射性廃棄
物の均質固化法が提供される。 本発明の固化法においては、放射性廃液乾燥物
として、その吸油量が10ml/100g以下、特に3
ml/100g以下のものを用いることが、先ず減容
比を高める上で重要となる。吸油量とは、それ自
体公知(JIS−K−5101)のように、粉末をアマ
ニ油と練り合わせた場合、粒子がバラバラの状態
から一つの塊を形成するに至る際の粉末100g当
りのアマニ油の容積(ml数)として定義される。 固体廃棄物と固化剤とが、減容比の最も大きい
状態で固化されているモデルを考えると、このよ
うな系は、固体廃棄物の粒子が必要最小限の固化
剤で完全に湿潤され、まとまつた一つの塊を形成
している系と言うことができる。 本発明においては、先ずこの固体廃棄物の吸油
量を10ml/100g以下と低いレベルにすることに
より、この廃棄物粒子群の表面積が著しく小さい
レベルに減少して、少量の水性分散体(固化剤)
で廃棄物粒子の十分な濡れが確保され、しかも廃
棄物粒子間の間隙内に包蔵される水性分散体の量
をも著しく小さいレベルに抑制することが可能と
なるものである。このことの結果として、本発明
によれば、廃棄物の減容比を著しく高めることが
できる。 即ち、後述する例に示す通り、例えば芒硝廃棄
物粒子の吸油量が15ml/100g程度の普通のもの
では、このものに本発明の水性固化剤を混合した
としても、高々容積当りの廃棄物重量が100Kg/
200程度の固化体が得られるにすぎないのに対
して、本発明によれば、廃棄物粒子を上述した吸
油量のデンスなものとしておくことにより、容積
当りの廃棄物重量が一般に200乃至300Kg/200
の範囲にある減容比の高い固化体を得ることが可
能となる。 本発明において、放射線廃液の乾燥により得ら
れる粉粒体の吸油量に及ぼす一つのフアクター
は、該粉粒体の粒径にあり、一般にメジアン径が
70ミクロン以上、特に200ミクロン以上のものを
用いることが望ましい。本発明において、メジア
ン径とは粒度分布における中央塁積値に対応する
ものであり、粗粒と細粒とを50%ずつに分割する
粒径を意味する。 このメジアン径が大きくなるにつれて、一般に
吸油量が小さくなる傾向が認められる。この吸油
量減少の要因には、粒径の増大による重量当りの
表面積、即ち比表面の減少効果と、廃棄物粒子が
最密充填に近い充填状態をとり易くなることの効
果とが挙げられよう。 また、固化剤として、ケイ酸質結着剤及び酸性
硬化剤並びに結晶性メタケイ酸バリウムを主体と
する硬化遅延剤を含む混水量が25乃至50重量%、
特に30乃至45重量%の水性分散体を用いること、
及びこの水性分散体と廃棄物とを、混合ペースト
中の廃棄物の容積比が35乃至65%、特に45乃至55
%となる量で廃棄物と混合することも本発明の目
的にとつて極めて重要となる。 即ち、本発明で用いる水性分散体の系は、廃棄
物粒子の表面への濡れ性に優れていると共に、多
量の塩類の共存下においても、その正常の流動特
性や硬化特性が失われないという特異な性質を示
す。 例えば、従来使用されているポルトランドセメ
ント系の固化剤では、本発明に用いるような減容
比の大きい混合比率において、容器への充填に必
要な流動性が得られず、また塩類の共存により水
硬性のセメントパチルス形成が阻害され、多数の
クラツクの入つた強度の極めて貧弱な固化体が得
られるにすぎない。 本発明に用いる水性分散体の系は、前述した範
囲内の混水量を有することも重要であり、この混
水量が前記範囲よりも少ない場合には、廃棄物粒
子の濡れが不完全となり、また混合物流動性も低
下する傾向が大となり、一方上記範囲よりも大き
いと、廃棄物粒子中の塩類と水との相互作用によ
る影響が大となつて、固化体中にクラツク等が発
生するという欠点を生じる。 本発明において、上述した量の廃棄物の粉粒体
が配合された状態では、粒子間の界面に液体が濡
れ亘つた状態であり、本発明においては、両者の
添加混合比を、最低限必要な流動性が得られ、し
かも減容比を高めるために上述した範囲に特定さ
れるのである。 本発明において対象とする廃液は、芒硝を主体
とするBWRの再生廃液やホウ酸塩を主体とする
PWRの廃液であり、更には核燃料再処理施設か
ら発生する硝酸ナトリウムを主体とする廃液であ
る。これを乾燥処理することにより上記塩を含有
する粉粒体とする。この塩類は、無水芒硝或いは
Na2SO4・10H2Oのような有水塩であつてもよ
く、またホウ酸塩は、Na2OとB2O3とのモル比が
種々の塩、例えばNaBO2、Na2B4O7、NaB5O8
Na2B6O10、Na2B8O13、Na4B2O5等の塩である
ことができ、これらの塩は無水塩でも含水塩であ
つてもよい。更に、これらのホウ酸塩はナトリウ
ム塩以外の塩、例えばカルシウム塩であることが
できる。 放射性廃液乾燥物は、上述した塩類を主体とす
るものであるが、これらの塩類以外に、廃液処理
過程で生ずる種々のスラツジや使用済みのイオン
交換樹脂等の成分を含有していても何等差支えな
い。 本発明においては、乾燥処理物の粒度を前述し
た範囲となるように乾燥処理を行う。例えば、廃
液を濃縮缶等で濃縮し塩類の結晶を析出させる場
合には、2次粒子の比較的粗大な粒子が得られる
ので、これを本発明に用い得る。また、塩類を中
和等に析出させる場合には、この中和を緩慢に行
わせることにより、粒子サイズの大きい粒子を析
出させることができる。更に塩類の粒子が比較的
微細である場合には、これに水或いは塩溶液或い
はその他のバインダー成分等を加えて、一次粒子
を凝結させることにより、メジアン径が本発明範
囲内にある粗大な粒子を得ることができる。要す
るに、本発明においては、廃液乾燥物の吸油量や
粒度が前述した範囲となる限り、それ自体公知の
任意の手段を採用し得る。 本発明において使用するケイ酸質結着剤は、水
溶性乃至は水分散性であり、後述する酸性硬化剤
との組合せで硬化し得るそれ自体公知の任意のケ
イ酸アルカリの粉末が使用される。粉末のケイ酸
アルカリは、M2O:SiO2(式中、Mはアルカリ金
属を表わす)のモル比で表わして、1:1.3乃至
1:3.2のモル比を有するものが好適である。ア
ルカリのモル比が上記範囲外では結着剤として使
用したときの接着強度等が低下する傾向がある。
ケイ酸ソーダが本発明の目的に好適であるが、ケ
イ酸カリを用いることもできる。本発明に用いる
ケイ酸アルカリは、粉末であるという条件内で水
和した水分等を含有していても何等差支えない。 これらのケイ酸質結着剤の内でも、本発明にお
いては、ホウ酸分を含有した水溶性ホウケイ酸ア
ルカリまたは水溶性ケイ酸アルカリとアルカリ水
溶液に可溶なホウ酸アルカリとの組合せを、使用
することができる。ここで用うるホウ酸アルカリ
塩としてはこのものがアルカリ性水溶液に可溶で
あるという条件内で任意の塩を用いることがで
き、例えばホウ酸ソーダ、ホウ酸カリが好適に使
用される。これらのホウ酸塩は、無水塩でも、或
いは3水塩、5水塩、7水塩、10水塩のような含
水塩であつてもよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとは、ケイ酸
アルカリ中のSiO2に対するホウ酸アルカリ中の
B2O3のモル比が1:0.03乃至1:0.3、特に1:
0.05乃至1:0.25の範囲となるように組合せ使用
するのがよい。 ケイ酸アルカリとホウ酸アルカリとを、粉末混
合物として使用する代りに、これらをホウケイ酸
アルカリ水溶液の形で用いることもできる。即
ち、この水溶液は前記2つの塩を水に溶解し、所
望により加熱反応させることにより得られる。 尚、ホウ酸分(B2O3)のモル比が上記範囲よ
りも小さいときには、耐水性が低下すると共に、
安定性も低下する傾向があり、一方上記範囲より
も大きくしてもそれによる格別の利点は得られ
ず、経済的にも不利となる。 本発明において使用する酸性硬化剤としては、
ケイフツ化ナトリウム、ケイフツ化カリウム、ケ
イフツ化カルシウム、ケイフツ化アルミニウム等
のケイフツ化物;ポリリン酸ケイ素、ポリリン酸
ケイ素のアルカリ金属塩、リン酸チタン、リン酸
ジルコニウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛
等のリン酸塩;硫酸アルミニウム、硝酸アルミニ
ウム、塩化アルミニウム等の他の酸性塩を挙げる
ことができる。これらの酸性硬化剤は何れも水中
に添加したとき酸性側のPHを示すものであり、ケ
イ酸質結着剤に対して硬化剤として作用するもの
である。 これらの酸性硬化剤の内でも、本発明において
は、ケイフツ化物、特にケイフツ化アルカリを用
いることが望ましい。即ち、ケイフツ化アルカリ
は、硬化剤としての作用を有することは勿論であ
るが、この硬化剤を含有する組成物は、水への濡
れ性やスラリー状態での流動性に優れているとい
う利点を与える。このケイフツ化アルカリを、ポ
リリン酸ケイ素との組合せで硬化剤として用いる
と硬化体の諸物性の点では最良の結果が得られ
る。 本発明において、水性分散体と該粉粒体から成
る混合ペースト中の水性分散体の硬化反応に併な
う粘性向上による流動性低下を延長させるために
用いる硬化遅延剤(以下、流動性向上剤と呼ぶこ
とがある)は結晶性メタケイ酸バリウム
(BaSiO3)を主体とするものである。この結晶性
メタケイ酸バリウムは、一般に無水塩の形である
ことが好ましく、一般に1乃至30重量%のBaO
水可溶分を含有することが流動性改良の見地から
望ましい。無定形のケイ酸バリウムでは、後述す
る例に示す通り、流動性改良の効果が小さい。 この結晶性メタケイ酸バリウムは、文献による
と、計算量の酸化バリウムと二酸化ケイ素とを融
解することにより得られるが、本発明者等の研究
によると、石英型結晶構造のケイ砂と炭酸バリウ
ム、酸化バリウム或いは水酸化バリウムとを900
乃至1200℃の温度で結成することにより容易に得
られる。尚、本明細書において、結晶性メタケイ
酸バリウムを主体とするとは、この結晶性メタケ
イ酸バリウムが主成分であることを意味してお
り、例えば少量の二酸化ケイ素や酸化バリウム或
いは炭酸バリウムが含有されていても差支えない
ことを意味する。このメタケイ酸バリウムは、60
メツシユよりも小さい粒度を有することが望まし
い。 本発明において、水性分散体は固形分を基準と
して、ケイ酸質結着剤のバインダー主成分(A)100
重量部当り、酸性硬化剤(B)を10乃至60重量部、特
に20乃至40重量部、及び流動性改良剤(C)を5乃至
35重量部、特に10乃至20重量部の量で使用するの
がよい。 即ち、酸性硬化剤の量が上記範囲よりも少い
と、この組成物が固化しにくく、また硬化物の強
度及び耐水性が低下する傾向があり、また上記範
囲よりも多いと流動性が低下し、ポツトライフも
短かくなり、更に硬化物の体積膨張による容器破
壊を引き起こし或いは緻密性が失われて、硬化物
の諸特性が低下する傾向がある。また、結晶性メ
タケイ酸バリウムの量が上記範囲よりも少ない場
合にも多い場合にも、組成物の流動性が所期のレ
ベルに到達せず、更にこの量が上記範囲よりも多
いと硬化物の諸特性が低下するようになる。 本発明においては、水性分散体にその水性分散
体の諸性質ならびに作業性を改善するために、各
種公知の充填剤、骨材、改良剤を添加配合するこ
とができる。 固化剤としての水性分散体と固体廃棄物との混
合は、任意の混合機、例えばミキサー、ニーダ
ー、ブレンダー等を用いて行なうことができ、混
合攪拌に際して格別の注意は特に必要でないが、
該混合物はチキソトロピー的流動特性を呈するこ
とからこの混合物を容器内に充填するにあたつて
のポツトライフを確保するためには、該混合物の
温度を25乃至45℃、特に30乃至40℃になるように
調整することによつて、混合物の粘度を下げしか
も絶えず攪拌をすることによつてチキソトロピー
的現象による内在応力を消去又は緩和させ流動性
を維持させることが必要である。 この混合物を、ドラム缶、コンクリート容器等
の任意の容器内に充填し、この充填物を、室温に
おいて硬化させ均質な固化物とする。 或いは該容器内で水性分散体と該粉粒体を同時
に混合させ、この容器内で均質な混合ペーストと
なし、そのまま室温で固化させることも可能であ
る。 更らには本発明の均質固化法の特徴として固化
剤である水性分散体は、高い混水量で使用するた
め、ほとんど粘性が無く、又著しく流動性に富
み、しかも20乃至26時間に及ぶ長いポツトライフ
が得られることなどから、装置材壁への付着もほ
とんど生じない。 従つて実際の原子力発電施設における固化作業
において、放射線管理区域内(添付第2図A区
域)での作業量を軽減させることも出来るであろ
うし、又固化作業時のA区域内での突発事故に際
し、水性分散体の調製は上記の特徴から、管理区
域外(添付第2図B区域)で行なうことが出来る
ため、第1図,工程での固化剤の硬化に併な
う閉塞トラブルはほとんど発生しないであろう。 本発明により得られる固化物は、組織的にも極
めて均質であり、固化体には硬化に伴なう残留歪
がなく、従来のペレツト固化法に有りがちな温度
環境による固化体の体積膨張によるクラツク発生
も見られずしかも固化体は従来の均質固化体で
は、不可能であつた高減容固化体でありながら、
その一軸圧縮強度が150Kg/cm2以上でなければな
らないという制限値を楽にクリアするほどに機械
的強度にも優れ、耐久性、耐候性にも優れている
等多くの利点を有する。 本発明を次の例で説明する。 実施例 1 A 水性分散体のセメント組成物について説明す
る。 A−1 粉末ケイ酸ソーダ 下記第1表に表示する組成を有する4種の
粉末ケイ酸ソーダを市販工業薬品より選ん
だ。
【表】 A−2 アルカリ水溶液可溶なホウ酸アルカリ 下記第2表に表示する分子式を有する3種
のホウ酸塩を市販試薬より選んだ。
【表】 A−3 水溶性ホウケイ酸アルカリ 上記ケイ酸ソーダとホウ酸塩の両粉末を下
記第3表に示す量割合で均質に混合してバイ
ンダー剤(成分(A))を調製した。
【表】
【表】 A−4 ケイフツ化アルカリ(酸性硬化剤) ケイフツ化アルカリとしては、市販工業薬
品のケイフツ化ソーダ(Na2SiF6)(試料番
号NSF)およびケイフツ化カリ(K2SiF6
(試料番号KSF)の粉末を選んだ。 A−5 ポリリン酸ケイ素(酸性硬化剤) ポリリン酸ケイ素は本発明者等の2件の特
許(特公昭46−40866号および特公昭46−
42711号公報及び特願昭57−32277号公報)明
細書記載の方法に準拠して調製された第4表
に表示した試料番号PS−1のポリリン酸ケ
イ素を選んだ。 なお、ここに調製したポリリン酸ケイ素に
ついて、下記に記載する測定方法によつて分
散性ならびにゲル化時間を測定し、その結果
第4表に併せ表示する。
【表】 A) 分散性ならびにゲル化時間の測定 所定温度(測定温度、特記しない限り40℃
標準とする)に保たれたウオーターバス中に
固定された容器(内容積約160ml)に粉末試
料30gを採り、次いで水ガラス(JIS3号品
SiO228.9%、Na2O9.63%)100gを加えステ
ンレス製の備え付け攪拌羽根を入れ、ユニバ
ーサルモーター(定格:入力100V、90W、
4ボール、50Hz、1.0A、3500rpm)を用い
て、直結で攪拌羽根を回転させる。 この際、あらかじめ、攪拌羽根の付いた空
回転の状態で、電圧(直流)を13.00Vに調
整し、モーター上部にある回転調節用ツマミ
で、回転を調節しつつ、空回転の状態で、備
え付回転計を見て下記式よりトルク(T
(Kg・m)を計算する。 T(Kg.m)=0.9737×V×I/N N:回転数(rpm) V:電圧(V) I:電流(A) この結果約0.016〜0.020[Kg・m]の範囲
となる。 測定装置容器内の粉末試料に水ガラスを加
え、攪拌羽根を回転させ、全体が均質なペー
ストとし、時間の経過と共に該ペーストの粘
性は向上し、負荷電流は上昇し、回転数は下
降し、従つてトルクは上昇する。試料ペース
トがゲル化に到達した時のトルクは多くの予
備実験の結果、T=0.07[Kg・m]の時とし、
このトルクに到達した時の時間をチエツク
し、その時間をゲル化時間とした。 このゲル化時間は一般通常の無機質バイン
ダーとしては20℃で100分以上、40℃で20分
以上のゲル化時間があることが必要であり、
本発明セメント組成物の硬化剤を求める物性
値も同様である。 また分散性に関しては、粉末試料に水を加
え、攪拌を開始した時に試料全体が均質なペ
ースト状となることを分散性良好とし、攪拌
開始時にママコが出来たり、不均質状態にな
る時は分散性不良と判断した。 A−6 結晶性メタケイ酸バリウム(硬化遅延
剤) 結晶性メタケイ酸バリウムとしては、一般
市販のものでも良いが、本実施例においては
代表的調製方法として下記参考例1に記載さ
れた方法により調製した結晶性メタケイ酸バ
リウム粉末(試料番号BS−1)を選んだ。 なおここに調製したBS−1は、BaO成分
として26重量%の水可溶分を持つ。 参考例 1 ケイ酸にフラタリ硅砂粉末とシルトンA(水澤
化学工業(株)製の易反応性ケイ酸ゲル粉末)との等
モル混合物、バリウム源としては市販試薬の炭酸
バリウムを選び、SiO2/BaOのモル比が1にな
るように両者を混合し、15乃至20%の水で調湿造
粒にて10mm径の顆粒状とした後、回転式キルンを
用いて1000乃至1100℃で0.5時間、焼成し、乾式
粉砕にて粒径60μ以下95%以上に分級した結晶性
メタケイ酸バリウム塩粉末(試料番号BS−1)
を選んだ。 B) 成分(C)の水可溶BaOの測定 試料5gを秤量し、200三角フラスコに
入れ蒸留水100mlを加え、密栓して30分間攪
拌した後ロ別し、その液中のBaO成分を
分析し、試料5gで徐した重量%をもつて、
BaO成分の水可溶分とする。 A−7 助剤 助剤としては、本発明のセメント組成物と
しての水性分散体(水性ペースト)の粘性を
高めたり、流動性を損なわない条件におい
て、本発明の放射性廃棄物を含む均質固化体
の補強剤として、下記に示す粉末を選んだ。 品 名 原料番号 フライアツシユ AG−FI ゼオライト AG−Z ケイ酸鉛 AG−SP 炭化ホウ酸 AG−CB 窒化ホウ素 AG−NB ホウケイ酸鉛 AG−BSP ポルトランドセメント AG−PC ケイ酸カルシウム AG−SC カイヤナイト AG−K 硅砂粉 AG−S 無定形ケイ酸バリウム AG−BS 以上の配合剤を用いて、第5表に本実施例
及び比較例に用いる水性分散体(固化剤)用
セメント組成物を表示した。
【表】
【表】
【表】 B 水性分散体及び放射性廃棄物粉粒体を充填し
た均質固化体について説明する。 第5表に表示した固化剤(試料番号S−1乃
至S−18)を所定の混水量で所定温度(30乃至
40℃)の水性分散体となしこの分散体に第6表
に表示した放射性廃棄物の模凝粉粒体(試料種
A乃至G)を混合させ、継続して攪拌させなが
らこの混合ペーストを容器に充填させ、次いで
所定の温度で固化させた均質固化体について下
記C乃至Hに記載する測定方法による物性なら
びに効果についてそれぞれ測定し、その結果を
第7表に表示した。 なお本発明の高減容均質固化法を明確にする
ために比較例(実験番号H−1乃至H−4)を
示した。 以上の結果、第5、6及び7表から明らかな
ように放射性廃棄物である芒硝、ホウ酸ソーダ
あるいは硝酸ソーダ等の該粉粒体を本発明の水
性硬化剤であるバインダーの水性分散体中に均
質に混合させて容器に充填させて固体化を調製
するにあたつて、該粉粒体を容器内に可能な限
り充填させるために、該粉粒体の粉体特性であ
る吸油量が可及的に少なくすることが必要であ
り、更らには容器内に細密充填された条件で、
この充填量を最大にさせる必要性から該粉粒体
の粒度特性としてそのメジヤン径も可能な限り
大きくすることが極めて重要であることがよく
理解される。
【表】
【表】 更らには該粉粒体を充填してなる固化体のバ
インダーである本発明の水性分散体の使用量を
可及的に減少させることができ、その結果、一
定容量の容器中に該粉粒体の最大の容積で充填
させることが可能となり、しかも可及的に少な
いバインダーである本発明の水性分散体で均質
で流動性に富んだ混合ペーストにすることが可
能であり、従つてこの混合ペーストを硬化させ
て得られる固化体は組織的に均質さが損なわれ
ず、固化体としての安定性も比較例、特に従来
のセメント均質固化体(実験番号H−4)に比
らべ、著しく高い減溶性でありながら耐クラツ
ク性の要因となる膨張率が極めて小さく、圧縮
強度も200Kg/cm2以上にもおよぶことなどから、
該廃棄物の減容性に著しく優ぐれた均質固化法
であることがよく理解される。 C) 該粉粒体の吸油量 吸油量が極めて低い検体の測定方法として
下記の如く行なつた。 吸油量が既知で、しかも比較的に高い吸油
量を持つ微粉ケイ酸(商品名シルトンA)2
gを担体にあらかじめその吸油量の90乃至95
%量の煮アマニ油を滴下し十分に練り合せた
後、次いで粗粒芒硝等の該粉粒体5gを添加
して練り混ぜ、再度煮アマニ油を滴下し、全
体が硬いパテ状を呈し鋼べらでの練り混ぜ時
にらせん状に巻き起こされる程度になつた時
を終点として次式より該粉粒体の吸油量G
(ml/100g)を算出した。 G=(H1−H2)×100/S H1:滴下した煮アマニ油の量〔ml〕 H2:微粉ケイ酸の吸油量〔ml/100g〕に微粉
ケイ酸の重量(g)懸けた値 S:該粉粒体の重量(g) D) 混合ペーストの流動性評価 混合ペーストの容器に注入させて、固化体
になす際の混合ペーストの作業性を評価する
ために下記の第2図に図示した装置を用い
て、継続攪拌下に混合ペーストのトルク値
(Kg・cm)を経時的に測定し、注入可能なト
ルク値の上限5Kgcmを定め混合ペースト化後
30分径時のトルク値を表示した。 測定方法 混水量に相当する水の入つた容器を所定温
度のウオータバス内にセツトし、この容器に
固化剤を投入し水性分散体となした後、所定
量の該粉粒体を投入し、400rpmで1分間攪
拌した後に、攪拌速度を100rpmで攪拌させ
て、トルク測定を開始する。 なお、容器内の固化剤、水、該粉粒体から
なる混合ペースト重量を1020gに定めて測定
を行なつた。 E) 該粉粒体の減容性及び充填性 固化体中の該粉粒体の充填容量(V1)、混
合ペーストの容器への充填容量(V)とし、
該粉粒体の容量充填性(V1/V、容量%)
から減容性を評価し、更にこの値と該粉粒体
の比重とから、200容器中の該粉粒体の充
填重量(Kg)を算出し、重量充填性を評価し
た。 F) 均質固化体の膨張率 JIS,ASTM規格による石膏硬化体の膨張
率測定器を用いて混合ペーストをこの測定器
に流し込み、水分の蒸発を防止するため検体
の表面をビニールシートで完全に覆つて、30
℃で3日間の固化養生した後、5℃の雰囲気
中に保管し下記式より固化体の膨張率を算出
した。 膨張率ε=l/l0100〔%〕 ただし供試体寸法は30×30×200 l0=200.0mm lは測定値 G) 均質固化体の圧縮強度 混合ペーストを25φ×50mm寸法の容器に流
し込み温度20℃、関係湿度75%で7日間の固
化養生した後、JIS−A1114に準拠して、形
状比2(L/D)の円柱体の供試体について
一軸圧縮強(Kg/cm2)を測定した。 H) 均質固化体の耐クラツク性 混合ペーストを25φ×50mm寸法のポリスチ
レン製の容器に流し込み、20℃、35℃で固化
養生させ、その温度に10日以上継続保管する
検体と、3日後に5℃の温度雰囲気に10日以
上継続して保管した時の、それぞれの容器の
クラツク発生を観察し、いずれの温度条件に
もクラツクを発生させないもの、どれか1つ
の温度条件でクラツクを発生させるもの、更
らには2つ以上の温度条件でクラツク発生さ
せるものを、それぞれ耐クラツク性を優、
良、不可と評価した。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における原子力発電施設より発
生する放射性廃棄物の均質固化処理工程の概略図
の一例である。 1…再生廃液及び廃液の1次濃縮機、2…乾燥
粉粒化機、3…熱風、4…廃イオン交換樹脂、5
…固化剤(水性分散体)調製槽、6…セメント組
成物粉体、7…水、8…注入導管、9…混合機、
10…ドラム缶、A…放射線管理区域内、B…放
射線管理区域外、 第2図は混合ペーストの流動性を評価するトル
ク測定用の装置を表わす。 1…攪拌モーター、2…山崎式回転トルクメー
ター、3…ウオータバス、4…混合ペースト容
器、5…馬蹄型攪拌羽根、6…混合ペースト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 硫酸塩、ホウ酸塩、硝酸塩等の塩類を含む放
    射性廃液から吸油量が10ml/100g以下の乾燥粉
    粒体を得、この粉粒体と、ケイ酸質結着剤及び酸
    性硬化剤並びに結晶性メタケイ酸バリウムを主体
    とする硬化遅延剤を含む混水量が25乃至50重量%
    の水性分散体とを、混合ペースト中に含まれる該
    粉粒体の容積比が35乃至65%となる比で混合し、
    得られる混合ペーストを容器内に充填し、固化さ
    せることを特徴とする放射性廃棄物の均質固化
    法。 2 乾燥粉粒体がメジアン径で70ミクロン以上と
    なる粒度特性を有するものである特許請求の範囲
    第1項記載の均質固化法。 3 乾燥粉粒体と水性分散体とを、混合ペースト
    の温度が25乃至45℃の範囲となるように混合し
    て、硬化時間の延長された混合ペーストを得る特
    許請求の範囲1項記載の均質固化法。
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