JPH0316989B2

JPH0316989B2 -

Info

Publication number: JPH0316989B2
Application number: JP58207114A
Authority: JP
Inventors: Anri Tominaga; Masaru Yoshikawa
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1983-11-04
Filing date: 1983-11-04
Publication date: 1991-03-06
Also published as: JPS6099180A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、粘着テープ、粘着ラベル、感圧性医
療用テープ及びシート、生理用パツド等の粘着剤
として好適に使用し得る水性粘着剤組成物に関
し、更に詳述すると、粘着力、凝集力が強く、耐
水性に優れ、かつ安全性の高い水性粘着剤組成物
に関する。従来より、粘着テープや粘着ラベルは、その使
用法の簡便なことから医療用、包装用、標識用、
事務用、家庭用等極めて広範囲に使用されてい
る。このような粘着テープや粘着ラベルは、紙、
織布、不織布、合成樹脂フイルム等の支持体上に
粘着剤が塗布されたもので、使用される粘着剤は
一般に粘着力、接着力、凝集力、耐候性に優れて
いることが要求される。また、感圧性医療用粘着
テープなどに使用される粘着剤には更に傷口等か
ら滲出する体液や汗を吸収してだれないこと、付
着部位をむらさないための適度な透湿性を有する
こと、剥離する時に痛まないことが要求される。粘着テープなどの粘着剤としては、従来合成ゴ
ム、天然ゴム、ロジン系或いはアクリル系樹脂を
トルエン、ヘキサン、ベンゼン等の有機溶媒に溶
解したものが多用されており、これらは粘着力は
優れたものであるが、人体に有害な溶剤を使用し
ている点で安全性に問題があり、また剥離する時
に粘着剤が被着体に残ることが多く、被着体の美
観を損ない易い。特に、被着体がプラスチツク製
品であると、製品中の可塑剤が粘着剤に移行する
などのことにより粘着剤が軟化し、剥離時の粘着
剤の残りも多い。この場合、被着体に残つた粘着
剤は有機溶剤で拭き取ることができるが、一般家
庭では有機溶剤は入手し難いという問題があり、
しかもプラスチツク製品上の粘着剤残渣の除去に
有機溶剤を用いるとプラスチツクが侵されること
があり、また有機溶媒を用いることは安全性の点
で好ましくない。更に、この種の粘着剤は水で濡
れた面に対する接着力が極めて弱く、貼着が困難
であつたり、たとえ貼着されても容易に剥離して
しまうという欠点がある。しかも、この種の粘着
剤を感圧性医療用粘着テープ、シートに用いた場
合、剥離する時に体毛にからんで痛みを感じた
り、透湿性が無いために付着部位をむらし、かぶ
れを引き起こす等、安全性に問題点がある。このような有機溶剤系粘着剤の有する欠点を改
善するため、ポリビニルエーテル、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドンを主剤とする水
溶性粘着剤を使用することが提案されているが、
この種の水溶性粘着剤は、一般に上述したゴムや
ロジン系、アルカリ系樹脂を用いたものに比べて
粘着力が低いうえ、極めて凝集力が弱い。しか
も、吸水率が大きいため、使用中に大気中の水分
を吸収したり、人体に適用した場合は貼付部位か
らの汗や傷口等から滲出する体液を吸収したりし
て軟化やだれを生じ、このため貼着後その添付位
置がずれたり、はがれ落ちる等の問題が生じる。
また、この種の水溶性粘着剤は湿潤面に対する接
着力が小さく、しかも凝集力が弱いため、剥離時
に粘着剤が被着体に残り易い欠点があり、更に使
用や剥離に際して予め水で濡らす必要があつたり
（再湿型粘着剤など）、粘着残渣を除去するために
被着体を水で洗う必要があるなど、使用上手間を
要する問題がある。また、水溶性ポリオール、水
溶性又は水膨潤性高分子物質、天然ゴム等の粘着
剤からなる感圧性粘着テープも提案されている
（特公昭54−44688）が、このものは吸水性に問題
がある。本発明者らは、上記事情に鑑み、強い粘着力を
有し、また乾燥面に対しては勿論湿潤面に対する
接着力も大きく、しかも吸水率が小さく、使用中
に大気中の水分を吸収したり、人体に適用した場
合に傷口等から滲出する体液や汗を吸収したりし
て軟化、だれを生じることがなく、かつ適度な透
湿性を有し、人体に適用した場合に付着部位をむ
らしたり、付着部位にかぶれや発赤等を起こすこ
とがなく、しかも剥離時に水などで濡らす必要が
ないと共に、被着体に残渣を残すことなく剥離し
得、使用上簡便な粘着剤を得るために鋭意検討を
行なつた結果、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
塩、セルロース誘導体、多価アルコール及び多価
金属化合物を配合することにより、上記目的が効
果的に達成され、従来の水溶性粘着剤の有する問
題点を解消した水性粘着剤組成物が得られること
を知見し、本発明をなすに至つたものである。以下、本発明につき更に詳しく説明する。本発明に係る水性粘着剤組成物は、ポリアクリ
ル酸、ポリアクリル酸塩、セルロース誘導体、多
価アルコール及び多価金属化合物を含有してなる
ものである。この場合、ポリアクリル酸としてはいずれのも
のでも使用でき、その分子量及び直鎖状、分枝鎖
状等の形状には特に制限はないが、分子量１万〜
1000万のものを用いることが好ましい。なお、通
常のアクリル酸を重合して得られた重合体のほ
か、カルボポール等のアクリル酸重合体を一部
架橋したものも好適に使用し得る。また、ポリア
クリル酸の塩としてはポリアクリル酸ナトリウ
ム、ポリアクリル酸カリウム等のポリアクリル酸
の一価金属塩、ポリアクリル酸モノエタノールア
ミン、ポリアクリル酸ジエタノールアミン、ポリ
アクリル酸トリエタノールアミン等のポリアクリ
ル酸のアミン酸、ポリアクリル酸のアンモニウム
塩などの１種又は２種以上が好適に使用し得る。
ここで、ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との
配合比（重量比）は１：0.1〜１：10、特に１：
１〜１：９とすることが好ましいが、ポリアクリ
ル酸又は塩を一部中和してポリアクリル酸塩が上
記比率になるようにしたもを用いても差支えな
い。また、ポリアクリル酸及びポリアクリル酸塩
の合計配合量は粗成物全体の0.5〜20％（重量％、
以下同じ）、特に１〜15％とすることが好ましく、
0.5％より少ないと粘着力が不足する場合が生じ、
20％より多いと粘度が高くなり、製造時の作業性
に問題が生じることがある。また、セルロース誘導体としてはいずれのもの
も使用し得、例えばカルボキシメチルセルロース
のアクリル金属塩、ヒドロキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセ
ルロース、メチルセルロースなどの１種又は２種
以上が使用し得るが、特にカルボキシメチルセル
ロースナトリウム、カルボキシメチルセルロース
カリウム等のカルボキシメチルセルロースのアル
カリ金属塩が好適に使用し得る。なお、セルロー
ス誘導体の配合量は組成物全体が0.5〜15％、特
に１〜15％とすることが好ましく、0.5％より少
ないと製造時の粘度が低くなつて支持体に塗布し
た場合に流れ落ちる場合が生じ、20％より多いと
粘度が高くなり、製造時の作業性に問題が生じる
ことがある。なお、多価アルコールとしては通常用いられる
いずれのものでも使用し得、例えばグリセリン、
ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、１，３−プロパンジオー
ル、１，４−ブタンジオール、マルチトール、キ
シリトール等の１種又は２種以上を使用し得る。
なお、多価アルコールの配合量は組成物全体の
0.5〜50％、特に８〜40％とすることが好ましく、
0.5％より少ないと組成物の粘着力が劣る場合が
生じ、50％より多いと凝集力が低下し、剥離時に
粘着剤が被着体に残る場合が生じる。更に、本発明においては、ポリアクリル酸及び
セルロース誘導体に多価金属化合物を加えて架橋
を行なうものであり、この場合、多価金属化合物
としてはマグネシウム化合物、カルシウム化合
物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウ
ム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、
クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合
物、ニツケル化合物等が使用し得るが、粘着剤組
成物を人体に適用する場合は、皮膚に対する安全
性を考慮してアルミニウム化合物、マグネシウム
化合物、カルシウム化合物等を用いることが特に
好ましい。この場合、アルミニウム化合物、マグ
ネシウム化合物及びカルシウム化合物はいずれの
ものも好適に使用し得、例えばカリミヨウバン、
アンモニウムミヨウバン、鉄ミヨウバン等のミヨ
ウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウ
ム、塩化アルミニウム、アルミニウムグリシネー
ト、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、メタ
ケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カ
ルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩
化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウ
ム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネ
シウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、
合成ヒドロタルサイト、これら金属を含む複塩等
の水可溶性化合物、水難溶性化合物の１種又は２
種以上を使用し得る。また、アルミニウム、マグ
ネシウムを含む制酸剤も多価金属化合物として使
用し得る。なお、多価金属化合物の配合量は組成
物全体の0.001〜10％、特に0.01〜５％とするこ
とが好ましく、0.001％より少ないと組成物の凝
集力が弱くなることがあり、10％より多いと粘着
力が低下する場合が生じる。本発明の水性粘着剤組成物には、上記各成分に
加えて必要に応じ更にゼラチン、アルギン酸ナト
リウムなどのアルギン酸塩、ポリエチレンオキサ
イド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン等の高分子物質、カオリン、ベントナイト、
モンモリロナイト等の無機粉体といつた賦型剤な
どを配合し得、更に粘着剤組成物を人体に適用す
る場合には塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコ
ニウム、セチルピリジニウムクロライド、グルコ
ン酸クロルヘキシジン、ビオゾール等の殺菌剤、
塩酸ナフアゾリン、塩酸エフアドリン、塩酸フエ
ニレリン、塩酸エピレナミン等の止血剤、塩酸ジ
ブカイン、塩酸ピロカイン、ベンゾカイン、リド
カイン等の局所麻酔剤、アレイン酸クロルフエニ
ラミン、塩酸ジフエンヒドラミン、グアイアズレ
ンスルホン酸ナトリウム等の抗ヒスタミン剤、ア
ロエ、イクタモール、ヒノキチオール、グリチル
レチン酸、グリチルリチン酸、尿素等の創傷治癒
剤といつた有効成分、また傷口等からの滲出液を
より多く吸収するため、高分子吸収剤、バルブ繊
維等の吸収剤などを配合することができる。本発明の水性粘着剤組成物は、上述したように
粘着テープ、粘着ラベル、外科用テープ等の感圧
性医療用粘着テープ及びシートの粘着剤として好
適に使用し得、これにより乾燥面及び湿潤面の両
方に対する接着力が大きく、また吸水率が小さく
大気湿度によつて物性が変化することがなく、し
かも被着体に残渣を残すことなく完全に剥離し得
る使用上簡便な粘着テープ、粘着ラベルが得られ
ると共に、安全性が高く、貼付部位にかぶれや発
赤等を起こすことがなく、しかも傷口から滲出す
る体液や汗を吸収して軟化、だれを生じることが
なく、かつ適度な透湿性を有し、貼付部位をむら
すことのない感圧性医療用テープを得ることがで
きる。この場合、上記ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸塩、セルロース誘導体、多価アルコール、
多価金属化合物及び必要に応じ他の成分を水に混
合して本発明粘着剤組成物を調製し、これを紙、
織布、不織布、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリエステル、ポリビニルアルコール等の合成樹
脂フイルムなどに塗布するものである。ここで、
水の量は粘着剤組成物の10〜80％とすることがで
き、支持体に上記粘着剤組成物を塗布したままで
製品とすることもできるが、これを加熱乾燥する
などして水分を除去或いは減量したり、室内に所
定時間放置するなどして調湿するようにしても差
支えない。更に、本発明の水性粘着剤組成物は、生理用パ
ツドの粘着剤として好適に用いられる。この場
合、例えば第１〜３図に示すように生理用パツド
１の皮膚接触面の適宜箇所に上述した本発明粘着
剤組成物２を通常0.1〜５mmの厚さに塗布するも
ので、これにより良好な特性を有する生理用パツ
ドが得られるものである。即ち、生理用パツドの
ずれ防止には、通常生理用シヨーツに対する粘着
剤を生理用パツドに塗布して粘着剤と生理用シヨ
ーツとを接着する方法及び絆創膏等に用いられて
いると同様の粘着剤を生理用パツドの皮腐接触面
に塗布して粘着剤と皮膚とを接着する方法がある
が、前者の方法では運動時にずれる可能性があ
り、後者の方法は油性系の粘着剤を用いているた
めかぶれるおそれがあり、また体毛にからむので
剥す時に痛いという問題がある。しかし、本発明
粘着剤組成物を生理用パツドの皮膚接触面に塗布
し、これと皮膚とを接着するようにした場合、本
発明粘着剤組成物は粘着力が高いのでスポーツ時
のもずれることがなく、安全性が高いのでかぶれ
ることがなく、また体毛にからまないのではがす
時に痛むことがなく、しかも吸水性が高いので滲
出液を吸収し、かつ透湿性が高いのでむれること
がなく、極めて良好な使用感を有する生理用パツ
ドが得られるものである。なお、この場合も生理
用パツドに本発明粘着剤組成物を塗布したままで
製品とすることができるが、これを加熱乾燥する
などして水分を除去或いは減量したり、室内に所
定時間放置するなどして調湿するようにしても差
支えない。上述したように、本発明に係る水性粘着剤組成
物は、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、セル
ロース誘導体、多価アルコール及び多価金属化合
物を配合してなることにより、粘着力、凝集力が
強く、耐水性に優れ、かつ安全性の高いものであ
る。以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体
的に説明する。［実施例１］グリセリン 20.0重量部ポリアクリル酸ナトリウム 3.0重量部ポリアクリル酸 8.0重量部カルボキシメチルセルロースナトリウム
35.0重量部ミヨウバン 0.03重量部水 65.47重量部合計 131.5重量部グリセリン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
アクリル酸及びカルボキシメチルセルロースナト
リウムを水に均一に溶解し、更にミヨウバンを加
えて上記組成の粘着剤組成物を得た。これをクラ
フト紙に固形分50ｇ／cm²になるように均一に塗布
した後、恒温器を用いて110℃で10分間乾燥し、
更に調湿のため室温で24時間放置して粘着テープ
を製造した。［実施例２］ポリアクリル酸 8.0重量部ポリアクリル酸ナトリウム 4.0重量部カルボキシメチルセルロースナトリウム
4.0重量部ゼラチン 5.0重量部カオリン 3.0重量部グリセリン 20.0重量部ソルビトール 10.0重量部アルミニウムグリシネート 0.5重量部水残合計 100.0重量部実施例１と同様の方法で上記組成の粘着剤組成
物を得、粘着テープを製造した。［実施例３］ポリアクリル酸ナトリウム 2.0重量部ポリアクリル酸トリエタノールアミン
4.0重量部ポリアクリル酸 3.0重量部カルボキシメチルセルロースナトリウム
4.0重量部酸化亜鉛 1.0重量部グリセリン 850重量部水酸化アルミニウム 0.3重量部水残合計 100.0重量部実施例１と同様の方法で上記組成の粘着剤組成
物を得、粘着テープを製造した。［比較例１］ポリビニルピロリドン 10重量部グリセリン 10重量部プロピレングコリール５重量部水 20重量部合計 45重量部上記各成分を混合し、加熱溶解して粘着剤組成
物を得た。これを用いて実施例１と同様の方法に
より粘着テープを製造した。［比較例２］ポリビニルピロリドン７重量部ポリビニルアルコール２重量部グリセリン９重量部プロピレングリコール３重量部水 20重量部合計 41重量部比較例１と同様の方法で上記組成の粘着剤組成
物を得、粘着テープを製造した。次に、上記実施例１〜３、比較例１〜２で製造
した粘着テープを用いた実験例を示す。［実施例１］各粘着テープのボールタツク法による初期粘着
力、180゜ピールテストによる接着力、吸水率、剥
離性並びに軟化及びだれの程度を下記方法により
調べた。また、参考のため油性粘着剤を用いた市
販梱包用テープ及び市販ビニルテープを用いて同
様の実験を行なつた。結果を第１表に示す。初期粘着力ころがり角30゜のステンレススチール板斜面上
に長さ10cmの粘着テープを粘着面が表側になるよ
うに張り付け、斜面の粘着テープ上端より、10cm
上の位置からステンレススチール製ボールを粘着
テープの粘着面に向けて初速度０でころがし、粘
着テープ上で停止する最大径のボールを調べた。
なお、ボールは直径1/32インチから１インチまで
の32種のボールを用いた。接着力被着体としてフエノール板、乾燥したガラス板
（乾燥面）及び水に浸して濡したガラス板（湿潤
面）をそれぞれ使用し、これら被着体表面に粘着
テープを指圧貼着し、10分後に引張速度300mm／
分で180゜剥離強度を測定した。なお、粘着テープ
の幅は20mmとした。吸水率粘着テープをデシケータに24時間保存して取り
出した直後の重量（W₁）を測定し、次にこれを
室内（常態雰囲気）に３時間放置した後の重量
（W₂）を測定し、次式により吸水率を算出した。吸水率（％）＝W₂−W₁／W₁×100 剥離性被着体としてフエノール板及びガラス板をそれ
ぞれ使用し、これら被着体に粘着テープを張り付
け、１週間室温（常態雰囲気）に放置した後、そ
の時の粘着テープの剥し易さ、粘着剤の残留程度
を下記基準により評価した。 Γ：テープは剥れ易く、粘着剤は残留せず
完全に剥離する。 ×：テープはやや剥れ難く、粘着剤はやや
残留する。 ××：テープは極めて剥れ難く、粘着剤は多
く残留する。 ×××：テープは極めて剥れ難く、粘着剤は極
めて多く残留する。軟化及びだれの程度粘着テープを温度35℃、湿度80％の雰囲気下に
５時間放置し、粘着剤の状態を下記基準により評
価した。 Γ：軟化及びだれが全く生じない △：軟化及びだれがやや生じる ×：軟化及びだれが生じる ××：軟化及びだれが著しく生じる

【表】第１表の結果より、本発明の水性粘着剤組成物
を用いた実施例１〜３の粘着テープは、初期粘着
力が強く、フエノール板、乾燥面、湿潤面のいず
れに対する接着力も強く、かつ耐水性に優れ、剥
離性も良く、しかも軟化、だれが生じないもので
あることが認められた。これに対し、ポリビニル
ピロリドン等を使用した水性粘着剤を用いた比較
例１，２の粘着テープは、初期粘着力及び湿潤面
に対する接着性が低く、また吸水率が高く、剥離
性も悪く、軟化、だれが生じるものであり、油性
系粘着剤を用いた市販梱包用テープ、ブニルテー
プは、湿潤面に対する接着力が全く無く、しかも
剥離性が悪いものであつた。［実施例４］ポリアクリル酸ナトリウム 2.0重量部ポリアクリル酸 8.0重量部カルボキシメチルセルロースナトリウム
3.0重量部ゼラチン 3.0重量％グリセリン 20.0重量％プロピレングリコール 10.0重量％ソルビツト 5.0重量％ミヨウバン 0.03重量％水残重量％合計 100.0重量％上記組成の粘着剤組成物を不織布に150ｇ／m²
になるよう均一に塗布し、これを一昼夜室温で調
湿して粘着シートを製造した。［実施例５］ポリアクリル酸ナトリウム 1.0重量％ポリアクリル酸トリエタノールアミン
2.0重量％ポリアクリル酸 5.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
3.5重量％ポリビニルアルコール 1.0重量％グリセリン 20.0重量％ソルビツト 10.0重量％ポリエチレングリコール 3.0重量％水酸化アルミニウム 0.06重量％水残重量％合計 100.0重量％上記組成の粘着剤組成物を不織布に150ｇ／m²
になるよう均一に塗布し、これを110℃で10分間
乾燥した後、一昼夜室温で調湿して粘着シートを
製造した。［実施例６］ポリアクリル酸ナトリウム 2.0重量％ポリアクリル酸 4.0重量％架橋型ポリアクリル酸 1.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
3.0重量％酸化亜鉛 6.0重量％カオリン 10.0重量％グリセリン 25.0重量％ソルビツト 10.0重量％プロピレングリコール 5.0重量％ムタケイ酸アルミン酸マグネシウム 1.0重量％水残重量％合計 100.0重量％上記組成の粘着剤組成物を不織布に150ｇ／m²
になるよう均一に塗布し、粘着シートを製造し
た。［実施例７］ポリアクリル酸トリエタノールアミン
4.0重量％ポリアクリル酸 2.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
3.0重量％グリセリン 30.0重量％ソルビツト 10.0重量％酢酸アルミニウム 0.6重量％水残重量％合計 100.0重量％上記組成の粘着剤を不織布に150ｇ／m²になる
ように均一に塗布し、粘着シートを製造した。［比較例３］ポリビニルアルコール 5.0重量％ポリビニルピロリドン 17，０重量％グリセリン 22.0重量％プロピレングリコール 7.3重量％水残重量％合計 100.0重量％上記組成の粘着剤組成物を不織布に150ｇ／m²
になるよう均一に塗布し、これを110℃で10分間
乾燥した後、一昼夜室温で調湿して粘着シートを
製造した。次に上記実施例４〜７、比較例３で製造した粘
着シートを用いた実施例を示す。［実施例２］各粘着シートのボールタツク法による初期粘着
力、フエノール板及び乾燥したガラス板に対する
180゜ピールテストによる接着力並びに吸水率を実
施例１と同様の方法により調べると共に、粘着シ
ートの剥離時の痛み、粘着剤の軟化及びだれの程
度を下記方法により調べた。また、参考のための
油性粘着剤を用いた２種の粘着シートを用いて同
様の実験を行なつた。結果を第２表に示す。剥離時の痛み被験者20名の皮膚有毛部に粘着シートを貼り付
け、７時間後に剥離し、その時に痛みを感じた人
数を調べた。粘着剤の軟化及びだれ上記剥離時の痛みのテストの際に、粘着シート
使用時に粘着剤が軟化したりだれたりした人数を
調べた安全性健常男女20名による48時間のクローズドパツチ
テストを行ない、安全性を下記基準により評価し
た。なお、判定は剥離１時間後に行なつた。 −：皮膚に変化が認められない。 ±：皮膚にかすかな紅斑を認める。＋：皮膚に紅斑を認める。

【表】

【表】第２表の結果より、本発明の水性粘着剤組成物
を用いた実施例４〜７の粘着シートは、初期粘着
力、接着力が強く、吸水率が低く、また剥離時に
痛みを感じるこことがないと共に、使用中に軟
化、だれを生じることがなく、しかも安全性が高
いものであることが認められた、これに対し、ポ
リビニルピロリドン等を使用した水性粘着剤を用
いた比較例３の粘着テープは、初期粘着力が低
く、かつ吸水率が高く、使用時に軟化、だれを生
じるものであり、また油性粘着剤を用いた市販粘
着シートＡ，Ｂは、剥離時に痛みを生じ、安全性
にも問題があるものであつた。［実施例８］ポリアクリル酸ナトリウム 3.0重量％ポリアクリル酸 5.0重量％ゼラチン 5.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
2.0重量％グリセリン 20.0重量％ソルビトール 10.0重量％カオリン 3.0重量％カリミヨウバン 0.3重量％水残重量％合計 100.0重量％第１図に示す如く上記組成の粘着剤組成物２を
生理用パツド１に厚さ１mmに塗布した。［実施例９］ポリアクリル酸トリエタノールアミン
2.5重量％ポリアクリル酸 5.0重量％架橋型ポリアクリル酸 1.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
3.0重量％吸水剤 1.0重量％水酸化アルミニウム 0.5重量％グリセリン 15.0重量％プロピレングリコール 5.0重量％ソルビツト 10.0％水残重量％合計 100.0重量％第２図に示す如く上記組成の粘着剤組成物２を
生理用パツド１に塗布した。［実施例 10］ポリアクリル酸ナトリウム 3.0重量％ポリアクリル酸 4.5重量％ポリビニルアルコール 2.0重量％カルボキシメチルセルロースナトリウム
5.0重量％ベントナイト 3.0重量％グリセリン 15.0重量％ポリエチレングリコール 5.0重量％ソルビツト 10.0重量％アルミニウムグリシネート 0.1重量％水残重量％合計 100.0重量％第３図に示す如く上記組成の粘着剤組成物２を
生理用パツド１に塗布した。上記実施例８〜10で得られた生理用パツドは、
使用時にスポーツをしてもずれることがなく、ま
た剥す時に痛みを感じることがなく、しかもかぶ
れ等が生ぜず、安全性が高いものであつた。ま
た、実施例８〜10の生理用パツドを加熱乾燥して
粘着剤から水分を除去したもの或いは一昼夜放置
して調湿したものも同様の効果を有するものであ
つた。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図はそれぞれ本発明水性粘着剤組成物
をその皮膚接触面の所定箇所に塗布した生理用パ
ツドを示す平面図である。１……生理用パツド、２……本発明水性粘着剤
組成物。

Claims

【特許請求の範囲】１ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、セルロ
ース誘導体、多価アルコール及び多価金属化合物
を含有してなることを特徴とする水性粘着剤組成
物。２ポリアクリル酸とポリアクリル酸塩との配合
比が重量比で１：0.1〜１：10である特許請求の
範囲第１項記載の水性粘着剤組成物。３セルロース誘導体がカルボキシメチルセルロ
ースのアルカリ金属塩である特許請求の範囲第１
項又は第２項記載の水性粘着剤組成物。４多価金属化合物がアルミニウム化合物、カル
シウム化合物及びマグネシウム化合物から選ばれ
る１種又は２種以上のものである特許請求の範囲
第１項乃至第３項いずれか記載の水性粘着剤組成
物。