JPH0316765Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は果樹園の防除作業を行なう、スピード
スプレヤー装置のブレーキ装置に関する考案であ
る。

(ロ) 従来技術 従来からスピードスプレヤー装置は公知とされ
ているのである。

しかし従来のスピードスプレヤー装置において
は、薬液タンク１内への吸水作業は、バケツによ
る汲み上げやホースによる吸水を行つていたので
ある。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 薬液タンク内において、薬液の原液と希釈水と
の調合を行う場合には、水道のホースから直接に
吸水することができるが、薬液タンクは小さな給
水口が開いているのみであり、内部の希釈状態や
固体薬剤の溶融状態等が見にくいので、通常は広
口の水槽内で原液や固体薬剤の溶融希釈を行い、
出来上がつた薬液を薬液タンク内に投入して噴霧
するという経過をたどるのである。

故に水槽から薬液タンクへの投入は、バケツを
用いたり別のポンプを用いて投入していたのであ
る。

本考案においては、スピードスプレヤー装置に
配置した噴霧用の動力噴霧機の吐出水を利用した
ジエツトポンプを設け、該ジエツトポンプに動力
噴霧機の吐出水を供給することにより、水槽内の
薬液を薬液タンク内に供給すべく閉回路を構成し
たものである。

そして該ジエツトポンプへの吐出水の供給は調
圧弁５３とジエツトポンプコツク５８を介して、
元コツク５１より噴霧コツク２５ａ，２５ｂ，２
５ｃの回路とは別に設け、ジエツトポンプコツク
５８と元コツク５１を選択開放して使い分けを可
能としたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案の目的は以上の如くであり、次に該目的
を達成する為の構成を説明すると。

動力噴霧機２６より元コツク５１を介して噴霧
コツク２５に至る噴霧経路と、調圧弁５３よりジ
エツトポンプコツク５８を介してジエツトポンプ
２７に至り、吸い上げた水が吸水回路５５より薬
液タンク１を経てストレーナーコツク５４から動
力噴霧機２６に戻る閉回路とを設け、元コツク５
１とジエツトポンプコツク５８の選択開放により
噴霧と給水とを可能としたものである。

(ホ) 実施例 本考案の目的・構成は以上の如くであり、次に
添付の図面に示した実施例の構成を説明すると。

第１図はスピードスプレヤー装置の全体平面
図、第２図は後面図である。

本考案のスピードスプレヤー装置は、走行装置
として四輪駆動の車輪方式をとつている。スピー
ドスプレヤー装置はリンゴ等の果樹の防除を目的
としているから、傾斜地の果樹園内を自由に走行
する必要があり、湿地を走行することもあり得る
ので前輪・後輪を同時に駆動する必要があるので
ある。

第１図において、前部カバー２内に走行用エン
ジン３が配置され、後部カバー３内に送風機用エ
ンジン３１が配置されている。送風機用エンジン
３１はミスト風を作りだす為の送風機５を回転さ
せる。後部カバー３と送風機５との間に噴口４が
円形に配置されている。

送風機５の後方へ突出して、安全を確保するガ
ード杆６が突設されている。

前部カバー２の右側部に座席８とステアリング
ハンドル９が設けられ、ステアリングハンドル９
の下方にオペレーターが踏むことにより操作する
クラツチペダル３６と左右のブレーキペダル１０
が設けられている。

走行用エンジン１３の回転が第５図の如くＶベ
ルトにより、動力噴霧機２６及び薬液タンク１内
の撹拌装置３０及びクラツチハウジング１５のＶ
プーリー１４へ伝えられる。第８図に示すクラツ
チハウジング１５内の主クラツチ装置３５にて動
力が接断され動力はミツシヨンケース１６内へ入
力される。ミツシヨンケース１６内で前進３段、
後進１段に変速され、副変速ミツシヨンケース１
７内で高低２段に変速され、ユニバーサルジヨイ
ント１８より後輪１２Ｒ，１２Ｌのリアデフケー
ス２１を入力される。

又、前輪１１Ｒ，１１Ｌへはユニバーサルジヨ
イントより、フロントデフケース２０内へ伝動さ
れる。後輪１２Ｒ，１２Ｌとリアデフケース２１
の間にブレーキ装置２２Ｒ，２２Ｌが設けられ、
後輪に制動をかける。１は薬液タンクであり、７
は薬液タンクの蓋体である。

第３図は薬液タンクの斜視図である。薬液タン
ク１は全体を軽くする為に、FRP等の合成樹脂
で成形されており、上部に蓋体７をスプリング板
７ａで固定し、該蓋体７の下にフイルター２３を
嵌入している。２４は水位計で底面にドレーンコ
ツク２８を設けている。

又、薬液タンク１の前方下部より回転羽根式の
撹拌装置が挿入され、内部で薬液の沈澱がないよ
うに撹拌している。

第４図はスピードスプレヤー装置の配管系統図
を示すものである。

噴口は３等分され、左側面用の噴口４ａ、上面
用の噴口４ｂ、右側面用の噴口４ｃにわかれてい
る。

各々の噴口はコツク台５０上の噴霧コツク２５
ａ，２５ｂ，２５ｃにより、三方向が制御され
る。５１は元コツクであり、動力噴霧機２６から
の圧力水を開閉する。２９は水槽であり、水槽内
にジエツトポンプ２７を沈め動力噴霧機の加圧水
により、ジエツト効果で水槽内の水を吸み上げ
る。吸い上げた水は給水回路５５より薬液タンク
１の蓋体７部からフイルター２３を経て注水され
る。

タンク内の薬液は動力噴霧機２６の吸水力によ
りストレーナーコツク５４からストレーナー５２
を経て、動力噴霧機２６に吸水される。一定以上
の加圧水は調圧弁５３から余水回路５６を経て薬
液タンク１へ戻る。５７は噴口ジヨイント、５８
はジエツトポンプコツクである。

本考案は、動力噴霧機２６より元コツク５１を
介して噴霧コツク２５ａ，２５ｂ，２５ｃに至る
噴霧経路と、調圧弁５３よりジエツトポンプコツ
ク５８を介してジエツトポンプ２７に至り、吸い
上げた水が吸水回路５５より薬液タンク１を経て
ストレーナーコツク５４から動力噴霧機２６に戻
る閉回路とを設け、元コツク５１とジエツトポン
プコツク５８の選択開放により噴霧と吸水とを可
能としたものである。

第６図はシヤーシー３２と走行用エンジン１
３、送風機用エンジン３１の斜視図、第７図はク
ラツチハウジング１５、ミツシヨンケース１６、
副変速ミツシヨンケース１７部の斜視図、第８図
はクラツチハウジング１５の側面断面図、第９図
はクラツチペダル・ブレーキペダル部の側面図、
第１０図はクラツチペダル・ブレーキペダルの連
動リンク装置を示す斜視図、第１１図は同じく連
動リンク装置を示す平面図、第１２図は連動板４
０の平面図、第１３図はブレーキシリンダーの前
面図、第１４図は同じく側面断面図である。

３４は主変速レバー、５９は副変速レバーであ
る。左右のブレーキを一方のみ制動させる場合に
は、走行用エンジン１３からクラツチハウジング
１５、ミツシヨンケース１６、副変速ミツシヨン
ケース１７を経た駆動力はリアデフケース２１よ
り非制動側へ伝動されるが、左右のブレーキを同
時に制動させる場合に、もし操作ミスによりクラ
ツチを断にしなければ、走行用エンジン１３から
の駆動力の行き場がなくなり、ミツシヨンケース
１６やリアデフケース２１やブレーキ装置２２等
に無理な負荷がかかることとなるのである。

左右のブレーキペダル１０Ｌ，１０Ｒを踏み込
むと、ブレーキシリンダー３７Ｌ，３７Ｒのリン
ク４１がブレーキペダル１０Ｌ，１０Ｒの回動に
より後方へ押されて、ブレーキ作動油が圧油とな
り、ブレーキパイプを経てブレーキ装置２２Ｌ，
２２Ｒに入れ制動を行なう。該ブレーキペダル１
０Ｌ，１０Ｒの先端に枢支片４２Ｌ，４２Ｒが枢
支され、該枢支片４２Ｌ，４２Ｒは摺動リンク４
３Ｌ，４３Ｒに固設されている。該摺動リンク４
３Ｌ，４３Ｒにピン４５Ｌ，４５Ｒと一体化され
たピン固定化４４Ｌ，４４Ｒが調節可能に固定さ
れている。該ピン４５Ｌ，４５Ｒは連動板４０の
長孔４０ａ，４０ｂに嵌入している。ブレーキペ
ダルの右側１０Ｒのみを踏み込むと摺動リンク４
３Ｒ、ピン４５Ｒが後方へ移動して連動板４０の
長孔４０ｂをのみ引張り、連動板は第１２図の４
０′の如く傾動する。連動板が４０′の如く傾動し
ても、クラツチリンク４６のクラツチピン４７は
移動を強制されず、連動板４０の長孔４０ｃ内を
移動するのみである。

しかし、左右のブレーキペダル１０Ｌ，１０Ｒ
を同時に踏み込むと、連動板４０は第１２図の４
０″の位置へ平行的に移動し、クラツチリンク４
６とクラツチピン４７を後方へ移動させ、ボーデ
ンワイヤー３９を介してクラツチペダル３６を踏
み込んだと同様にクラツチペダル３６を回動させ
て、クラツチ３５を断つのである。３８はブレー
キシリンダーの支持板である。

(ヘ) 考案の効果 本考案は以上の如く構成したので、次のような
効果を奏するものである。

第１に、水槽２９内で調合した薬液を薬液タン
ク１に投入する作業をバケツや、別のポンプを用
いることなく、スピードスプレヤー装置に搭載し
た動力噴霧機２６により行うことが出来るので、
面倒な薬液の供給作業も、動力噴霧機２６により
行うことの出来るスピードスプレヤー装置とする
ことが出来たものである。

第２に、動力噴霧機２６に設けた元コツク５１
とジエツトポンプコツク５８とを、選択開放する
ことにより、噴霧と薬液供給を使い分けることが
出来るので、動力噴霧機２６を兼用することがで
き、ジエツトポンプ２７の為のポンプを別に設け
る必要が無くなつたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はスピードスプレヤー装置の全体平面
図、第２図は同じく後面図、第３図は薬液タンク
の斜視図、第４図は配管系統図、第５図は駆動系
統図、第６図はシヤーシーと走行用エンジン、送
風機用エンジンの斜視図、第７図はクラツチハウ
ジング、ミツシヨンケース、副変速ミツシヨンケ
ースの斜視図、第８図はクラツチハウジングの側
面断面図、第９図はクラツチペダル、ブレーキペ
ダルの側面図、第１０図はクラツチペダル、ブレ
ーキペダルの連動リンク装置を示す斜視図、第１
１図は同じく連動リンク装置を示す平面図、第１
２図は連動板４０の平面図、第１３図はブレーキ
シリンダーの前面図、第１４図は同じく側面断面
図である。 １……薬液タンク、２５ａ，２５ｂ，２５ｃ…
…噴霧コツク、２６……動力噴霧機、２７……ジ
エツトポンプ、２９……水槽、５１……元コツ
ク、５３……調圧弁、５４……ストレーナーコツ
ク、５５……吸水回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 動力噴霧機２６より元コツク５１を介して噴霧
   コツク２５に至る噴霧経路と、調圧弁５３よりジ
   エツトポンプコツク５８を介してジエツトポンプ
   ２７に至り、吸い上げた水が吸水回路５５より薬
   液タンク１を経てストレーナーコツク５４から動
   力噴霧機２６に戻る閉回路とを設け、元コツク５
   １とジエツトポンプコツク５８の選択開放により
   噴霧と給水とを可能としたことを特徴とするスピ
   ードスプレヤー装置。