JPH0316745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、自動車、特にエンジンルームの内部
が高温となる自動車に適用して良い結果が得られ
る、エンジンルームの空気取入装置に関する。

（従来技術） 自動車のエンジンルームの内部には、エンジン
のほか、冷却水を冷却するためのラジエタと、こ
のラジエタに強制的に空気を流すための強制フア
ンが収容されている。強制フアンの駆動力は、エ
ンジンのクランクシヤフトから与えるものと、電
動モータから与えるものがあるが、いずれにして
も強制フアンの位置は、エンジンルーム内最前端
のラジエタの直後であるのが普通である。

一方、エンジンルームの上部を覆うフロントフ
ードには換気口が設けられ、走行中には前方から
受ける風を取り入れてエンジンルームの内部に導
びくようになつている。従来にあつてはこの換気
口はフロントウインド直前のカウルアツパパネル
に設けられていたので、エンジンルーム内の熱気
を自然対流で外部に排出するとき、および高負荷
運転後の一時停止時の強制フアンによる換気時等
には熱気が車外に充分に排出できない問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は排気口の設ける位置に改良を加えて、
上記した従来のものが有する問題を解決すること
を目的とする。

（考案の構成） 本考案は上記目的を達成するために、ラジエタ
を冷却する強制フアンを設けたエンジンルームの
上部を覆うフロントフードに、前記強制フアン上
部の負圧部に位置させて、前部に上方に向けて起
立させた起立部を設けた換気口を設け、該換気口
の上部に、前部で前記起立部の前方に位置すると
ころに下方に向けた突出部を有するカバーを取付
けて前記換気口の起立部との間に互い違いの迷路
を形成し、該カバーで前記換気口を覆つた構成と
したものである。これにより、理想的な換気がで
きることになる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第１図について説明
すると、１はエンジンルームであつて、図示しな
いエンジンのほか、ラジエタ２と強制フアン３を
収容するものである。この実施例における強制フ
アン３は電動モータ４によつて駆動されるもので
ある。５はラジエタグリル、６はバンパを示す。
エンジンルーム１の上部はフロントフード７によ
つて覆われている。

フロントフード７の強制フアン３の上部で、強
制フアン３が回転したとき負圧状態となる部分に
は換気口８が設けられている。換気口８の上部は
カバー９で覆われている。換気口８の前部には起
立部１０が設けられており、カバー９の突出部１
１をその前方に位置させてある（第１図，第２図
参照）。これによりフロントフード７側の起立部
１０とカバー９側の突出部１１とは互い違いの迷
路を形成することになる。カバー９のフロントフ
ード７への取付けは、第２図に示すようにカバー
９側に形成したスピードナツト１２に、フロント
フード７に設けた孔１３を挿通したビス１４を螺
合（あるいは係合）することにより、行なつてい
る。

このように構成されたこの装置は、次のように
作用する。まず、自動車が走行しているときには
前方からの風がのようにラジエタグリル５を通
つてエンジンルーム１内に入り、強制フアン３の
作用によつてラジエタ２を通過する。一方、フロ
ントフード７の換気口８から入つた空気もエン
ジンルーム１内に入つて、エンジンルーム１内の
冷却を行なう。この場合においてフロントフード
７側の起立部１０とカバー９側の突出部１１とは
互い違いの迷路を形成しているので、雨天時等に
おいて空気とともに雨水が入つても、この水は
迷路によつて空気と分離され、エンジンルーム
１内に入らないことになる。自動車が一時停止し
たときには、ラジエタ２を通つた熱風に換気口
８から吸入された空気が混合し、熱風の温度
を下げる。エンジンを停止させたときには、熱風
が上昇し、のように換気口８から外部に排出さ
れる。

（考案の効果） 本考案は上述のように構成したものであるか
ら、高速走行や登坂走行後のアイドリング運転時
に問題となるエンジンルーム内の温度上昇を、確
実に防止することができる。そして、雨天の走行
時においてもエンジンルーム内に水が入ることが
なく、高温となるエンジンに水がかかつて悪影響
を与えることがない。したがつて高温となる、特
にターボチヤージヤー付きのエンジンに適用し
て、大きな効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を略図的に示
した一部断面図、第２図は第１図中の一部の分解
斜視図である。 １……エンジンルーム、２……ラジエタ、３…
…強制フアン、７……フロントフード、８……換
気口、９……カバー、１０……起立部、１１……
突出部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ラジエタを冷却する強制フアンを設けたエンジ
   ンルームの上部を覆うフロントフードに、前記強
   制フアン上部の負圧部に位置させて、前部に上方
   に向けて起立させた起立部を設けた換気口を設
   け、該換気口の上部に、前部で前記起立部の前方
   に位置するところに下方に向けた突出部を有する
   カバーを取付けて前記換気口の起立部との間に互
   い違いの迷路を形成し、該カバーで前記換気口を
   覆つたことを特徴とするエンジンルームの空気取
   入装置。