JPH0316395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この考案は、ブラインド、カーテン、簡易シヤ
ツタ、および各種スクリーン等を包括するロール
スクリーンに対して適用されるものであり、特
に、これらのロールスクリーンにおけるスクリー
ンシートの昇降操作に関連して、当該スクリーン
シートを所望の引き出し位置に確実に停止させて
おくことができ、かつ当該スクリーンシートの巻
き上げ復帰時には、ブレーキ作動してスクリーン
シートの急激な巻き上げ復帰を防止するようにし
たコンパクトな構造で成るロールスクリーンの昇
降停止制動装置に関するものである。

(ロ) 従来の技術 周知のように、上述するような適用例になる従
来の各種ロールスクリーン装置は、スクリーンシ
ートの昇降操作に関連して、当該スクリーンシー
トを所望の高さ位置に停止維持させておくための
昇降停止位置、あるいはスクリーンシートの巻き
上げ復帰を制動するための巻き上げ制動装置等が
組み込まれている。従来のこれらの機構は、それ
ぞれきわめて複雑な構造のものであり、とりわけ
上記する二つの装置を組み込んだ場合、ロールス
クリーン自体が大型化し、特にそれらの機構を軸
方向端部に突出形成しなければならない構造のも
のもあつた。従つて、当該ロールスクリーンを軸
方向に連続的に組み合せて使用する場合、スクリ
ーンシート間に大きな無スクリーン空間が生じて
しまい、隙間なく遮へいするという当初の目的に
応じ得ないという欠点を有していた。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 そこで、この考案は、上述する従来のロールス
クリーン装置にみられる問題点ならびに欠点を解
決するべくなしたものであり、特に、ロールスク
リーンの昇降操作に関連してスクリーンシートを
所望高さに確実に停止維持しておくための停止機
構、ならびにスクリーンシートの急激な上昇復帰
を防止するための制動機構とを組み合せて成るき
わめて簡単な構造でコンパクトな昇降停止制動装
置を提供し、もつてロールスクリーンを軸方向に
連続的に連接するに際して、それらのスクリーン
シート間に生じる空間を可及的にせばめることが
できるようになしたものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 この考案は、上述する目的を達成するにあたつ
て、具体的には、ロールスクリーンシートを常時
巻き上げ方向に付勢する捩りスプリングを内蔵す
るロールスクリーン巻き取りシリンダを、一対の
ブラケツト間に回転可能に支持し、前記ロールス
クリーン巻き取りシリンダを、前記捩りスプリン
グの弾発力に抗して任意の位置で停止させ、前記
ロールスクリーンシートを所望の巻き出し量位置
で停止させるロールスクリーンにおいて、前記ロ
ールスクリーン巻き取りシリンダの一端に一体的
に取付けられ、内部に円滑な内周面を備えたロー
タと、前記ブラケツトから前記ロータ内に向けて
延びる支持軸に取り付けられ、前記ロータ内にお
いて前記ロータの軸線に直交する面に沿つて揺動
変位可能な揺動アームと、前記揺動アームの一端
に設けられていて前記ロータの内周面に摩擦接触
する位置と非接触位置とをとる巻き上げ停止用摩
擦接触部と、前記揺動アームの他端に設けられて
いて前記ロータの内周面に摩擦接触する位置と非
接触位置とをとる巻き上げ制動用ブレーキローラ
と、前記揺動アームを常時巻き上げ停止作用位置
に付勢する弾発手段と、前記揺動アームを前記弾
発手段の弾発力に抗して前記巻き上げ制動作用位
置に変位させる外部に導びき出された引き紐手段
とを備えているロールスクリーンの昇降停止制動
装置である。

(ホ) 実施例の説明 以下、この考案にかかるロールスクリーンの昇
降停止制動装置について、図面に示す具体的な実
施例にもとづいて詳細に説明する。

第１図および第２図は、この考案におけるロー
ルスクリーンの昇降停止制動装置の全体的構造を
示す概略的な側面図および断面図である。この考
案におけるロールスクリーン１は、ロールスクリ
ーンシート２を常時巻き上げ方向（U.D）に付勢
する捩りスプリング３を内蔵するロールスクリー
ン巻き取りシリンダ４を有している。前記ロール
スクリーン巻き取りシリンダ４は、その両端４
ａ，４ａにおいて、ベアリング手段５，５を介し
て取付け用ブラケツト６，７に回転可能に支持さ
れている。前記捩りスプリング３は、前記一方の
ブラケツト６に対して一端８ａが固定されている
固定軸８のまわりに取り付けられている。前記捩
りスプリング３の一端３ａは、前記固定軸８の他
端８ｂに、捩りスプリング３の他端３ｂは、実質
上前記巻き取りシリンダ４に対してそれぞれ固定
されている。したがつて、当該ロールスクリーン
１は、前記ロールスクリーンシート２を引き出し
方向（D.D）に引くことにより、前記捩りスプリ
ング３の弾発力に抗して引き出され、引き操作を
解除すると捩りスプリング３の弾発力によつて復
帰する。この考案は、前記ロールスクリーンに対
して、引き操作を解除した位置で、ロールスクリ
ーンシートを確実に停止維持させておく機構と、
ロールスクリーンシートを巻き上げ復帰させる
際、急激な巻き上げ復帰を緩和するべく制動させ
るための機構とを具備するものである。そこで、
この考案では、前記巻き取りシリンダ４のブラケ
ツト６側端４ａに対して、内部に円滑な内周面１
０を備えたロール９が一体的に取り付けてある。
前記ロータ９は、前記ブラケツト６の面６ａに向
けて開口していて、前記面６ａに対して回転摺動
可能に接している。一方、前記ブラケツト６に
は、前記ブラケツト６から前記ロータ９内に向け
て延びる支持軸１１が設けてある。この支持軸１
１は、揺動アーム部材１２を揺動変位可能に支持
する。前記揺動アーム部材１２は、前記ロータ９
内において前記ロータ９の軸線に直交する面に沿
つて揺動する。前記揺動アーム部材１２は、前記
支持軸支持点Ｐから一方の方向に向けて延びる腕
１３の端部１３ａに、前記ロータ９の内周面１０
に摩擦接触する位置A₁と非接触位置A₂とをとる
巻き上げ停止用摩擦接触部１４を備えている。さ
らに、前記揺動アーム部材１２は、前記支持軸支
持点Ｐから他方の方向に向けて延びる腕部１５の
端部１５ａに、前記ロータ９の内周面１０に摩擦
接触する位置B₁と非接触位置B₂とをとる巻き上
げ制動用ブレーキローラ１６を備えている。前記
巻き上げ制動用ブレーキローラ１６は、軟質ゴ
ム、ポリエチレン等の軟質プラスチツクによつて
形成される。一方、前記揺動アーム部材１２は、
板バネ等の弾発手段１７によつて前記ブラケツト
６に対して連結されている。すなわち、前記弾発
手段１７は、その一端１７ａが前記ブラケツト６
に設けた突片１８に係止固定され、他端１７ｂが
前記揺動アーム部材１２に設けた突片１９に係止
固定されていて、前記揺動アーム部材１２を常
時、第３図Ａに示す角度位置に弾発的に付勢す
る。したがつて、この弾発手段１７により、前記
揺動アーム部材１２は、常態において、その巻き
上げ停止用摩擦接触部１４が摩擦接触位置A₁を
とり、前記巻き上げ制動用ブレーキローラ１６が
非接触位置B₂をとる。一方、この考案では、前
記弾発手段１７に抗して、前記揺動アーム部材１
２を、第３図Ａに示す角度位置状態から、第３図
Ｂに示す角度位置状態に移動させるための引き紐
手段２０が設けてある。前記引き紐手段２０は、
その一端２０ａが前記揺動アーム部材１２の腕１
３側に設けた突片２１に結合され、その他端２０
ｂが外部に導びき出されていて、外部操作可能に
なつている。

次いで、以上の構成に成るロールスクリーン昇
降停止制動装置の作動態様について説明する。ま
ず、当該ロールスクリーンシートは、第１図にお
いて仮想線で示すように完全巻き込み状態にある
とする。この状態から、前記ロールスクリーンシ
ート２を矢印（D.D）方向に引くと、前記捩りス
プリング３の弾発力に抗して前記ロールスクリー
ンシート２が引き出される。前記ロールスクリー
ンシート２が所望の引出し量位置に引き出された
後、前記ロールスクリーンシート２の引き出し操
作を解除（手を放す）すると、前記捩りスプリン
グ３の作用を受けて前記ロールスクリーン巻き取
りシリンダ４に復帰回動力が加わる。一方、前記
揺動アーム部材１２は、弾発手段１７の弾発力を
受けて、その巻き上げ停止用摩擦接触部１４、お
よびロータ９を介して前記ロールスクリーン巻き
取りシリンダ４をロツクする。したがつて、前記
捩りスプリング３の復帰弾発力に対し、前記弾発
手段１７の弾発力を大きく設定しておくことによ
り、前記ロールスクリーン巻き取りシリンダ４は
確実にロツクされ、前記ロールスクリーンシート
２を所望の巻き出し量位置に確実に停止維持させ
ることができる。一方、前記ロールスクリーンシ
ート２を巻き上げ復帰させる場合は、引き紐部材
２０を下方に引く。前記引き紐部材２０を下方に
向けて引くと、前記揺動アーム部材１２が、弾発
手段１７に抗して、支点Ｐのまわりに反時計方向
に回動して第３図Ａに示す角度位置状態から第３
図Ｂに示す角度位置状態に変位する。したがつ
て、前記巻き上げ停止用摩擦接触部１４は、摩擦
接触が解除されて非接触位置A₂に移行し、他方、
前記巻き上げ制動用ブレーキローラ１６が前記ロ
ータ９の内周面１０に摩擦接触する位置B₁にも
たらされて、捩りスプリング３の弾発力によつて
急激に巻上げ復帰しようとする巻取りシリンダ４
に対しブレーキ作動を与える。

(ヘ) 考案の効果 以上の構成になるこの考案のロールスクリーン
昇降停止制動装置は、きわめて簡単な構造のもの
であり、きわめてコンパクトに設計される。すな
わち、この考案における昇降停止制動装置は、ロ
ールスクリーン装置の一端部分に、ロールスクリ
ーンの巻き上げ停止機能をもつ機構と、ロールス
クリーンの巻き上げ制動機能をもつブレーキ機構
を、一枚の板部材でなる揺動アーム部材として構
成してあることにより、軸方向にきわめてコンパ
クトに設計され得るものである。したがつて、軸
方向に突出する機構を有しないので、当該ロール
スクリーンを軸方向に連続的に連接使用する際、
スクリーンシート間に生じる空間を可及的にせば
めることができる等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案になる昇降停止制動装置を
備えたロールスクリーンの側面図、第２図は、第
１図における−線断面図、第３図Ａは、昇降
停止制動装置が常態の巻き上げ停止作用位置にあ
る状態を示す側面図、第３図Ｂは、引き紐操作に
より昇降停止制動装置が巻き上げ制動作用位置に
ある状態を示す側面図である。 １……ロールスクリーン、２……ロールスクリ
ーンシート、３……捩りスプリング、４……巻き
取りシリンダ、６，７……ブラケツト、９……ロ
ータ、１０……内周面、１１……支持軸、１２…
…揺動アーム、１４……巻き上げ停止用摩擦接触
部、１６……巻き上げ制動用ブレーキローラ、１
７……弾発手段、２０……引き紐部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ロールスクリーンシートを常時巻き上げ方向に
   付勢する捩りスプリングを内蔵するロールスクリ
   ーン巻き取りシリンダを、一対のブラケツト間に
   回転可能に支持し、前記ロールスクリーン巻き取
   りシリンダを、前記捩りスプリングの弾発力に抗
   して任意の位置で停止させ、前記ロールスクリー
   ンシートを所望の巻き出し量位置で停止させるロ
   ールスクリーンにおいて、 前記ロールスクリーン巻き取りシリンダの一端
   に一体的に取付けられ、内部に円滑な内周面を備
   えたロータと、 前記ブラケツトから前記ロータ内に向けて延び
   る支持軸に取り付けられ、前記ロータ内において
   前記ロータの軸線に直交する面に沿つて揺動変位
   可能な揺動アームと、 前記揺動アームの一端に設けられていて前記ロ
   ータの内周面に摩擦接触する位置と非接触位置と
   をとる巻き上げ停止用摩擦接触部と、 前記揺動アームの他端に設けられていて前記ロ
   ータの内周面に摩擦接触する位置と非接触位置と
   をとる巻き上げ制動用ブレーキローラと、 前記揺動アームを常時巻き上げ停止作用位置に
   付勢する弾発手段と、 前記揺動アームを前記弾発手段の弾発力に抗し
   て前記巻き上げ制動作用位置に変位させる外部に
   導びき出された引き紐手段とを備えていることを
   特徴とするロールスクリーンの昇降停止制動装
   置。