JPH0315811B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は永久磁石を用いたパルス磁場発生装置
に関するものである。

〔従来技術〕

従来の電気的回路によるパルス磁場発生装置で
は、複雑な電気回路を必要とし、電気的雑音を発
生しがちであり、磁場のピーク値に達する立上り
時間が長く、しかも高磁場を得るための大電流が
必要である。

さらに、高磁場を得る場合には、コイルが加熱
されるため、水冷する必要があり、構造が複雑に
なり、また、磁場の向きを指定すること、例えば
一方向にすることは困難であるなどの種々の問題
点があつた。

〔発明の目的〕 そこで本発明は、前記従来の問題点を解消する
ために、上記のような電気的回路を用いることな
く、簡便にパルス磁場を、特に磁場の方向を指定
したパルス磁場を発生させることのできる構造の
簡単なパルス磁場発生装置を提供することを目的
としたものである。

〔発明の構成〕

即ち、本発明のパルス磁場発生装置は、所定の
速度で回転される回転軸に、磁路となりうる材質
からなる２個の回転体をそれぞれの片面が対向す
るように固設すると共に、これら回転体の対向面
のそれぞれに、該回転軸を中心とする円周上に隣
り合う磁石同志が均一な距離に配列され、かつ各
回転体の対向面の磁石同志のＮ極とＳ極とをそれ
ぞれ向い合わせとした複数の永久磁石を配設する
ことにより構成される。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明の一実施例を説明す
るが、第１図は本発明の実施例におけるパルス磁
場発生装置の要部平断面図、第２図は第１図の側
断面図である。

まず、第２図に示す駆動装置５によつて所定の
速度で回転される回転軸３には、磁路となりうる
材質、例えば軟鉄製の２個の円板状の回転体２を
それぞれの片面が対向するように固設されてい
る。

次に、上記２個の回転体２の対向面のそれぞれ
に、第１図に示すごとく複数個の永久磁石１を配
設しているが、それらは回転軸３の中心Ｃを中心
とする半径Ｒの円周上に隣り合う永久磁石１同志
が均一な距離になるように配列し、かつ第２図に
示すごとく各回転体２の対向面の永久磁石１同志
のＮ極とＳ極とをそれぞれ向い合わせに配設され
ている。

また、上記２個の回転体２は接続部品４によつ
て回転軸３に固設されているので、２個の回転体
２は駆動装置５によつて回転軸３のまわりに所定
の速度で回転することができる。

このような永久磁石１、回転体２及び接続部品
４等からなる複合回転体を回転軸３のまわりに一
定速度で回転させると、２個の回転体２の中間に
あり、かつ回転軸３の中心ＣからＲの距離にある
点６には、永久磁石１による磁場が存在する時と
存在しない時が交互にあらわれる。

例えば、第１図及び第２図の実施例のように４
組の永久磁石１を固設した複合回転体を
1500RPMで回転させた場合、100Hzの周波数のパ
ルス磁場が得られることになる。

パルス磁場の周波数は回転速度を変化するこ
と、または永久磁石１の数の増減により調節する
ことが可能である。

また、パルス磁場の強度は、永久磁石１の種
類、または形状を選ぶことにより、またそのＮ、
Ｓ極間のギヤツプＤを変化させることにより調節
できる。

さらに、パルス磁場の形状も永久磁石１の形
状、回転体２への固設の仕方によつて調節でき
る。

なお、以上の実施例では永久磁石１を固設した
複合回転体を用いたが、例えば永久磁石１を往復
運動させるようにしても同様な磁場が得られる。

次に、第１図及び第２図に示すごとき、本発明
のパルス磁場発生装置として、直径100mm、厚さ
５mmの軟鉄製の２個の円盤からなる回転体２に、
回転軸３の中心Ｃから半径Ｒ＝35mmの円周上に４
組の永久磁石１を固設し、これら永久磁石１とし
てNEOMAX−30のもので直径25mm、厚さ10mmの
円盤形状のものを用い、それらのＮ、Ｓ極間のギ
ヤツプＤを13mmとした実際の複合回転体を装備し
て回転させた結果、回転角度を横軸にして、そし
て、磁場強度を縦軸に表す第３図に示すごとく、
尖頭磁場強度4500ガウスの磁場の方向が一方向の
パルス磁場が得られることが確認された。

〔発明の効果〕

従つて、本発明のパルス磁場発生装置は、従来
の装置のごとき電気的回路を用いないので、複雑
な電気回路を必要とせず、電気的雑音の発生がな
く、さらに高磁場を得るための大電流も必要とせ
ず、従つてコイルを水冷する必要もないので、極
めて簡便にパルス磁場を得ることができると共
に、磁場のピーク値に達する立上り時間が短か
く、さらに磁場の方向はＮ、Ｓ極の固定の仕方で
決められるため、電気的回路を用いる従来の場合
に比べて磁場の方向が容易に決められ、またその
構造も簡単であるなど多くの利点がある。

以上のごとき本発明の簡便なパルス磁場発生装
置を採用することにより、パルス磁場による変調
を利用する装置、例えばゼーマン原子吸光装置及
び炎光光度検出器などの簡易化をはかる上で極め
て有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例におけるパルス磁場発
生装置の要部平断面図、第２図は第１図の側断面
図、第３図は第１図のパルス磁場発生装置の実機
により得られたパルス磁場の線図である。 １……永久磁石、２……回転体、３……回転
軸、４……接続部品、５……駆動装置、６……パ
ルス磁場が発生する点。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定の速度で回転される回転軸に、磁路とな
   りうる材質からなる２個の回転体をそれぞれの片
   面が対向するように固設すると共に、これら回転
   体の対向面のそれぞれに、該回転軸を中心とする
   円周上に隣り合う磁石同志が均一な距離に配列さ
   れ、かつ各回転体の対向面の磁石同志のＮ極とＳ
   極とをそれぞれ向い合わせにした複数の永久磁石
   を配設したことを特徴とするパルス磁場発生装
   置。