JP5261284B2 - 磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法 - Google Patents

磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁性体材料に光を照射して磁気光学スペクトルを測定する磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法に関する。
磁場中に存在する物質に光を照射すると、光は、物質の磁気特性を受けて変化する。この現象を磁気光学効果という。磁気光学効果は、光磁気ディスクや光スイッチ等に応用されており、さまざまな材料における磁気光学効果に関する研究が進められている。
これまで、磁気光学効果の波長依存性、いわゆる磁気光学スペクトルは、次のような手法により磁気光学効果が測定されてきた。まず、光源より得られる光を分光器で波長選択する。この波長選択された光を、直線偏光板を通すことで直線偏光とし、測定試料に磁場を印加しながら、測定試料に偏光光を照射する。測定試料を反射もしくは透過した光は、磁気光学効果の影響を受け、光の偏光面が回転する。そして、反射光、もしくは透過光の偏光面を検光子で測定することで、磁気光学効果を測定する(非特許文献1参照)。
近年、スピントロニクス研究の急速な進歩により、磁性体材料の磁気光学スペクトルを高速、高精度、そして安価に測定する手法の確立が求められている。
佐藤勝昭著、「光と磁気」朝倉出版、2001年11月20日発行、pp.90−115
通常の強磁性体の磁気光学効果が起こす偏光面の回転角は、1度よりも小さい。加えて、測定される信号は、光源の強度揺らぎに起因するノイズ、熱雑音、白色ノイズ等を含んでいる。このため、高精度に信号を測定するためには、測定試料に印加する磁場を強くして磁気光学効果を強め、かつ信号の積算時間を長くする必要がある。印加する磁場を強くするためには、大型で高価な電磁石を使用しなければならないこと、又、積算時間を長くすると測定に時間がかかってしまうこと等の問題点・課題を有していた。
本発明は、前記問題点・課題を解決するためになされたもので、磁性体材料の磁気光学スペクトルを、高速、高精度、及び、安価に測定するための磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明に係る磁気光学スペクトル測定装置は、光を直線偏光として測定試料に照射し、磁場をその測定試料に印加しながら前記測定試料からの反射光もしくは透過光をロックインアンプにより測定する磁気光学スペクトル測定装置であって、光源と、前記光源からの光を分光して波長選択する分光器と、前記分光器で選択された光を直線偏光とする偏光板と、交流磁界を発生させてその交流磁界を前記測定試料に印加する磁界印加手段と、前記偏光板により直線偏光とした光が前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を測定する検光子と、前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックイン検出する前記ロックインアンプとを備え、前記磁界印加手段は、前記測定試料の一方の表面側に配設されたU字型の永久磁石と、その永久磁石を回転駆動するモータと、そのモータの回転を制御するコントローラとを備え、前記永久磁石を回転させて、前記測定試料の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を前記測定試料の一方の表面側に印加することを特徴とする。
本発明に係る磁気光学スペクトル測定装置によれば、所望の光波長を有する光を、光源、分光器及び偏光板を介して測定試料に照射し、磁界印加手段により永久磁石を回転させ交流磁場を発生させ、測定試料に印加することができる。また、偏光板からの直線偏光が測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を検光子で測定することができる。永久磁石の回転駆動は、コントローラにより回転制御されるモータにより駆動される。さらに、検光子からの出力信号と前記磁界印加手段のコントローラからの交流磁界の参照信号とをロックインアンプによりロックイン検出することができる。
また、永久磁石を用いて測定試料の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を測定試料の一方の表面側に印加させることができる。
本発明に係る磁気光学スペクトルの測定方法は、前記した磁気光学スペクトル測定装置を用いて測定試料の磁気光学スペクトルを測定する測定方法であって、光源からの光を分光器により分光して波長選択させる第1の工程と、前記分光器で選択された光を偏光板により直線偏光として前記測定試料に照射する第2の工程と、磁界印加手段により交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加させる第3の工程と、前記偏光板により直線偏光とした光が前記第3の工程中に前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を検光子により測定させる第4の工程と、前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックインアンプによりロックイン検出させる第5の工程とを含み、前記第3の工程では、コントローラによりモータの回転を制御し、このモータにより永久磁石を回転駆動させ前記交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加することを特徴とする。
本発明に係る磁気光学スペクトルの測定方法によれば、前記した磁気光学スペクトル測定装置を用いて測定試料の磁気光学スペクトルを測定することができる。
本発明に係る磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法によれば、磁性体材料の磁気光学スペクトルを高速、高精度、及び、安価に測定することができる。
すなわち、本発明の磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法によれば、永久磁石を使用するため、電磁石を使う必要がなく、測定系の小型化を実現することが可能である。加えて、ロックイン検出法を組み合わせることで、白色雑音、熱雑音等のノイズを含む信号から、所望の信号を安価で簡便な手法で高感度に検出することができる等の効果を奏する。
本発明の第1の実施形態における磁気光学スペクトル測定装置の全体構成及び測定方法を説明するためのブロック図である。 磁気光学スペクトル測定を説明するための概念図である。 本発明の第2の実施形態の面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置を説明するための構成図である。 第3の実施形態の面直磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置を説明するための構成図である。 第4の実施形態の両面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置を説明するための構成図である。 本実施形態及び従来の磁気光学スペクトル測定装置によって測定される磁気光学信号の印加磁場強度依存性を説明するための図である。(A)は、本実施形態の場合を示し、(B)は、従来技術の場合を示す。
本発明の、磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法について、実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
(測定装置)
まず、本発明の第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100の全体構成を、図1を参照して説明する。
本実施形態における磁気光学スペクトル測定装置100は、光を直線偏光として測定試料に照射し、磁場を測定試料に印加しながら測定試料からの反射光もしくは透過光をロックインアンプにより測定するものである。測定試料である磁性体材料の磁気光学スペクトルを測定するために、本磁気光学スペクトル測定装置100は、光源1、分光器2、偏光板3、測定試料4、及び、検光子5を備える光信号経路と、永久磁石6、モータ7及びコントローラ8を備える磁界印加手段10と、ロックインアンプ20、及びパソコン21とを備えて構成される。
この磁気光学スペクトル測定装置100の各構成要素について説明する。
(光源1)
光源1は、測定試料の所望の測定波長を含む波長帯域の発光波長の光を分光器2に対し出力する光源である。波長200nm(0.2μm)以下の波長帯域の光源としては、重水素ランプが使用される。波長0.2μm〜2.6μmの波長帯域の光源としては、ハロゲンランプあるいはキセノンランプが使用される。そして、波長2.5μm以上の波長帯域の光源としては、グローバーやニクロム線等の熱源が使用される。最近では、波長帯域は限定されるが、光源の小型化・高速測定を目的として、半導体レーザからのパルス発振モード光を用いた光源も使用される。したがって、所望の測定波長含む波長帯域を選択することで本実施形態の光源1として用いることができる。
(分光器2)
分光器2は、光源1からの光源固有の波長帯域の光を、波長分解及び波長選択を行い、その波長選択した光を偏光板3に対して出力するものである。したがって、分光特性として、使用する光源1の波長帯域に合致した分光器2を用いる。一般に、分光器によっては、高次光が出力される場合があるので、その場合には、フィルタ等を用いて高次光を遮断する。
(偏光板3)
偏光板3は、分光器2によって波長選択された光を直線偏光として、測定試料4に照射するもので、偏光子とも呼ばれる。磁気光学効果を測定するためには、偏光特性を予め明確にして偏光光を測定試料に入射する必要がある。
(測定試料4)
測定試料4は、本測定装置によって磁気光学スペクトルを測定するための磁性体材料である。測定試料4に照射される偏光板3によって直線偏光とされた光のスポット径は、光源1からの出力光にもよるが、通常は、レンズ系等により集光されサブマイクロメートル〜1ミリメートル程度と考えられる。したがって、測定試料4のサイズは、10ミリメートル四方以内のサイズであれば、測定試料4を走査して数点の測定を行うにしても十分なサイズである。あるいは、測定しようとする磁性体材料が作製方法等によっては、不定形状である場合も予測される。したがって、図示しないが、測定試料4を設置するための試料台として、測定試料4の形状を考慮すると共に、測定試料4において透過する光が測定可能な支持形態、例えば、リング状の支持形態の試料台とすることが好適である。
(検光子5)
検光子5は、測定試料4が磁界印加手段10による交流磁界を印加されながら照射された偏光光を反射もしくは透過した光、すなわち、磁気光学効果の影響を受けた測定試料4からの光の偏光面の角度を測定するものである。本実施形態において、検光子5は、光検出器の機能を有するものであり、その出力としての光の偏光面の角度は、出力信号としてロックインアンプ20への入力信号として出力することができる。なお、図1では、測定試料4において反射した光が検光子5で測定される形態を示しているが、測定試料4を透過した光を検光子5で測定する場合には、検光子5を測定試料4の光の透過する側に設けることで測定することができる。この場合、試料台の支持形態として、前記したリング状支持形態の試料台とすることで測定することができる。
(磁界印加手段10)
磁界印加手段10は、前記した永久磁石6、モータ7、及び、コントローラ8を備えて構成される本実施形態の測定装置の構成要素である。特に、交流磁界を発生させる永久磁石6及びモータ7の形態は、本発明の構成要件であり、測定試料に対して、面内磁場、面直磁場、及び、両面内磁場のいずれかを発生させるための磁界印加手段である。
(永久磁石6)
次に、永久磁石6は、本測定装置により磁気光学効果を測定するために、測定試料4に交流磁界をかけるための磁力源である。本実施形態の特徴として、電磁石ではないこと、高磁場を発生する必要がないこと、さらに、前記したように測定試料4のサイズが比較的小さいこと、モータ7により回転駆動されること等から、製造容易な小型の永久磁石を使用することができる。具体的には、後記する第2の実施形態乃至第4の実施形態に説明するように、幾つかの永久磁石の形態を挙げることができる。
(モータ7)
モータ7は、本実施形態の測定装置により磁気光学効果を測定するにあたり、測定試料4に印加する交流磁界を発生させるために永久磁石6を回転駆動するものである。第2の実施形態乃至第4の実施形態において後記するが、モータ7回転数は、0.1kHz〜10kHz程度であること、及び、駆動させる永久磁石6の大きさや重量を考慮すれば、比較的小型のモータを使用することができる。
(コントローラ8)
コントローラ8は、モータ7の回転駆動を制御し、モータ7の回転駆動により永久磁石6で発生する交流磁界を参照信号としてロックインアンプ20へ参照入力信号として出力する。モータ7の回転数を考慮すれば、モータの回転駆動制御用のコントローラは、現在大量に普及している、特に家庭電気機器等の回転駆動部位を有する機器に広く使用されているものを使用することができる。
(ロックインアンプ20)
ロックインアンプ20は、雑音に埋もれた微小な繰り返し信号を検出するものであり、検出するための入力信号と参照信号とが入力される。本実施形態においては、このロックインアンプ20は、検光子5から入力される偏光面の角度の測定信号が入力信号として入力され、磁界印加手段10のコントローラ8から出力される交流磁界の参考信号が参照信号として入力されることにより、偏光面の角度の測定信号の真値をロックイン検出する。
(パソコン21)
パソコン21は、ロックインアンプ20に接続された汎用のパーソナルコンピュータであり、ロックインアンプ20に入力される検光子5からの入力信号、コントローラ8からの参照信号、ロックイン検出信号等の測定結果や測定条件等を記録する。
(測定方法)
次に、本実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100を用いた測定方法について図1を参照して同様に説明する。本実施形態における磁気光学スペクトルの測定方法は、前記説明した磁気光学スペクトル測定装置100を用いて測定試料4の磁気光学スペクトルを測定する方法であって、以下に示す第1の工程乃至第5の工程を含む測定方法である。
第1の工程は、光源1からの光を分光器2により分光して波長選択させる工程である。例えば、測定試料4の光波長1.0μmにおける磁気光学スペクトルを測定する場合には、光源1として発光波長1.0μmを含む波長帯域を有するハロゲンランプ等を用いて、発光光を分光器2に入力する。そして、波長1.0μmの分光特性の仕様を有する分光器2を用いて波長選択を行う。そして、分光器2において、波長選択された波長1.0μmの光を偏光板3に出力する。
第2の工程は、第1の工程において分光器2で波長選択された光を偏光板3により直線偏光とし、この偏光光を測定試料4に照射する工程である。
第3の工程は、磁界印加手段10により交流磁界を発生させ、その交流磁界を測定試料4に印加させる工程であり、コントローラ8によりモータ7の回転を制御し、このモータ7により永久磁石6を回転駆動させ交流磁界を発生させ、その交流磁界を測定試料4に印加する工程を含む工程である。
続いて、第4の工程は、第2工程における偏光板3からの偏光光が、第3工程の磁界印加手段10による交流磁界の印加中に、その測定試料4を反射もしくは透過した光の偏光面を検光子5により測定させる工程である。この検光子からの光の偏光面の情報は、通常、ノイズを含んでいる。
そして、第5の工程は、第4工程での検光子5からの光の偏光面の情報である出力信号と、第3の工程での磁界印加手段10のコントローラ8からの交流磁界の参照信号とをロックインアンプ20に入力し、このロックインアンプ20により、ノイズを含む光の偏光面の情報をロックイン検出させて真の光の偏光面の情報を得る工程である。
以上の工程によって、所望の測定波長、すなわち、波長選択された光の波長での測定試料4の磁気光学特性の測定が終了する。そして、次の測定波長における測定試料4の磁気光学特性の測定として、光源1及び分光器2が選択され、この測定方法による工程を繰り返すことで、測定試料4の所望の磁気光学スペクトルを取得することができる。
本実施形態において、検光子5からの出力信号(θ)は、磁界印加手段10での振動磁場(H)を測定試料に印加したときの偏光面の回転角である。そして、前記したロックイン検出法によってノイズ成分の少ない信号検出が行われるため、検出される出力信号θ及び振動磁場(交流磁界)Hのそれぞれの変化量をΔθ及びΔHとすると、
Δθ ≒(∂θ/∂H)ΔH
と表記することができる。ここで、∂θ/∂H は、測定される偏光面の回転角の磁揚に対する偏微分量であり、単位磁場あたりの磁気光学効果の大きさを表す。そして、ΔH はガウスメータを用いて直接測定することで、
∂θ/∂H ≒ Δθ/ΔH
を決定することができる。
磁性体材料の磁気光学スペクトルを測定するにあたり、図2を参照して、測定の概念を説明する。磁気光学スペクトル測定においては、所望の磁性材料の磁気光学信号の傾き(∂θ/∂H)の光波長依存性を測定することが重要となる。したがって、測定に用いる光の波長を、分光器によって波長選択し、磁気光学信号の傾き(∂θ/∂H)を各光波長に対して、200〜300点の測定を繰り返すことで、磁性材料の磁気光学スペクトル測定が行われる。そして、図2に示すような所望の磁性体材料の磁気光学スペクトル特性を得る。図2において、横軸は光の波長を示し、縦軸は所望の磁性材料の磁気光学信号の傾き(∂θ/∂H)を示す。
したがって、高精度の磁気光学信号の傾き(∂θ/∂H)特性を得ることが重要であり、そのためには、印加される磁場強度によって飽和することのない磁気光学信号の傾き(∂θ/∂H)特性が必要となる。本発明の磁気光学スペクトル測定装置は、このような磁性体材料の磁気スペクトルの測定装置として好適である。
次に、本発明における振動磁場(交流磁界)を発生する具体的な磁界印加手段を有する磁気光学スペクトル測定装置の第2の実施形態乃至第4の実施形態について、図3乃至図5を参照して説明する。なお、これらの図において説明する構成部位に関し、図1を参照して説明した第1の実施形態における磁気光学スペクトル測定装置100の構成部位と同等の機能を有する部位については、同様の符号を付してあり、これらについては、第1の実施形態で説明した説明を省略することもある。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態の面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置101について、図3を参照して説明する。
この実施形態の磁気光学スペクトル測定装置101の光信号経路の構成は、第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100と同様である。
すなわち、この実施形態の磁気光学スペクトル測定装置101の光信号経路の構成は、光源1からの光を分光して波長選択する分光器2と、この分光器2で選択された光を直線偏光とする偏光板3と、そして、測定試料4に照射された偏光板3からの偏光光が測定試料4を反射もしくは透過した光の偏光面を測定する検光子5とを備えて構成されている。
また、この実施形態の磁界印加手段10Aは、永久磁石6Aと、この永久磁石6Aを回転駆動するモータ7Aと、このモータ7Aの回転を制御するコントローラ8Aとによって構成されている。そして、測定試料4の一方の表面側に配設したU字型の永久磁石6Aを回転させ、測定試料4の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を測定試料4の一方の表面側に印加させる。
モータ7Aの回転数は、周波数として0.1kHz〜10kHzが好適である。そして、通常供給されている100VACの50Hzもしくは60Hz及びその整数倍の周波数は、ノイズの発生原因となるためモータ7Aの回転数として使用は避けた方が好適である。
そして、検光子5からの出力信号とコントローラ8Aからの交流磁界の参照信号とをロックイン検出するロックインアンプ20とを備え、同期されたロックイン検出信号がパソコン21で記録される。
したがって、本実施形態の磁気光学スペクトル測定装置101によれば、永久磁石6Aを用いて測定試料4の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を測定試料4の一方の表面側に印加することができるので、第1の実施形態の磁気スペクトル測定装置100をさらに具現化することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態の面直磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置102について、図4を参照して説明する。
この実施形態の磁気光学スペクトル測定装置102の光信号経路の構成は、第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100と同様であるので説明及び図示を省略する。
本実施形態では、測定試料4の両側面側に対向した2つの磁界印加手段を設け、これら磁界印加手段10a及び10bは、それぞれの棒状の永久磁石6a及び6bと、それぞれの永久磁石6a及び6bを回転駆動する2つのモータ7a及び7bと、それぞれのモータ7a及び7bの回転を制御する2つのコントローラ8a及び8bとによって構成されている。
そして、測定試料4の両側面側に対向して配設した2つの棒状の永久磁石6a及び6bを互いに逆方向回転させ、測定試料4の表裏両面に対して垂直方向から面直磁場を発生させ、この面直磁場による交流磁界を測定試料4の表裏両面に印加させる。
さらに、それぞれのモータの回転制御を行う2つのコントローラ8a及び8bは、ロックインアンプ20(図示せず)に電気的に接続されている。なお、磁気光学スペクトル測定装置としての動作については、第1の実施形態及び第2の実施形態における記載と同様であるので説明を省略する。
この実施形態の場合には、対向する2つの永久磁石6a及び6bの回転制御は、振動磁場の対称性を考慮して、2つのモータ7a及び7bの位相を反転させて逆回転させることが好適である。また、2つのモータ7a及び7bの回転数は、第1の実施形態と同様に、周波数として0.1kHz〜10kHzが好適であり、通常供給されている100VACの50Hzもしくは60Hz及びその整数倍の周波数は、ノイズの発生原因となるため使用は避けた方が好適である。
したがって、本実施形態の磁気光学スペクトル測定装置102によれば、2つの永久磁石6a及び6bを用いて測定試料4の表裏両面に対して垂直方向から面直磁場を発生させ、この面直磁場による交流磁界を測定試料4の表裏両面に印加させることができるので、第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100をさらに具現化することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態の両面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置103について、図5を参照して説明する。
この実施形態の磁気光学スペクトル測定装置103の光信号経路の構成は、第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100と同様であるので説明及び図示を省略する。
本実施形態では、測定試料4の両側面側に対向した2つの磁界印加手段を設け、これら磁界印加手段10c及び10dは、2つのU字型の永久磁石6c及び6dと、それぞれの永久磁石6c及び6dを回転駆動する2つのモータ7c及び7dと、それぞれのモータ7c及び7dの回転を制御する2つのコントローラ8c及び8dとによって構成されている。
そして、測定試料4の表裏両面側にそれぞれ配設した2つのU字型の永久磁石6c及び6dを互いに逆方向回転させ、測定試料4の表裏両面に対して逆方向の平行な両面内磁場を発生させ、この両面内磁場による交流磁界を測定試料4の表裏両面側に印加させる。
さらに、それぞれのモータの回転制御を行う2つのコントローラ8c及び8dは、ロックインアンプ20(図示せず)に電気的に接続されている。なお、磁気光学スペクトル分光装置としての動作については、第1の実施形態乃至第3の実施形態における記載と同様であるので説明を省略する。
この実施形態の場合には、対向する2つの永久磁石6c及び6dの回転制御は、振動磁場の対称性を考慮して、2つのモータ7c及び7dの位相を反転させて逆回転させることが好適である。また、2つのモータ7c及び7dの回転数は、第1の実施形態と同様に、周波数として0.1kHz〜10kHzが好適であり、通常供給されている100VACの50Hzもしくは60Hz及びその整数倍の周波数は、ノイズの発生原因となるため使用は避けた方が好適である。
したがって、本実施形態の磁気光学スペクトル測定装置103によれば、2つの永久磁石6c及び6dを用いて測定試料4の表裏両面に対して逆方向の平行な両面内磁場を発生させ、この面面内磁場による交流磁界を測定試料4の表裏両面に印加させることができるので、第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100をさらに具現化することができる。
以上、本発明の実施形態において説明したように、本発明の磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法は、さまざまな特徴を有する。図6(A)及び図6(B)を参照して、従来技術と比較して説明する。図6(A)及び図6(B)において、横軸は測定試料に印加される磁場の強度(H)を示し、縦軸は磁気光学スペクトル測定装置によって測定される磁気光学信号(θ)を示す。なお、図中には測定点を「○」で示した。
前記実施形態で説明したように、本発明の磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法によれば、図6(A)に示すように、ΔθとΔHとを直接測定することにより、∂θ/∂Hの値を決定できること、さらに、ロックイン検出法によりノイズ成分が少ない検出を行うことができるため、磁揚依存性の直線領域内、すなわち、振動磁場の印加強度がゼロ近傍の比較的弱い領域内で、測定点数を少なくとも2点以内と十分少なくすることができる。したがって、高精度の測定ができると共に、測定時間を大幅に短縮することができる。
一方、従来の方法では、図6(B)に示すように、∂θ/∂Hの値を決定するために、θの磁揚依存性を飽和領域まで大きな磁場を印加しながら多数点の測定をしなければならず、その結果、測定精度が低下すると共に測定誤差が発生してしまう。また、積算時間を長くするために測定に長時間を必要としていた。
1 光源
2 分光器
3 偏光板
4 測定試料
5 検光子
6、6A、6a、6b、6c、6d 永久磁石
7、7A、7a、7b、7c、7d モータ
8、8A、8a、8b、8c、8d コントローラ
10、10A、10a、10b、10c、10d 磁界印加手段
20 ロックインアンプ
21 パソコン
100、101、102、103 磁気光学スペクトル測定装置

Claims (2)

  1. 光を直線偏光として測定試料に照射し、磁場をその測定試料に印加しながら前記測定試料からの反射光もしくは透過光をロックインアンプにより測定する磁気光学スペクトル測定装置であって、
    光源と、
    前記光源からの光を分光して波長選択する分光器と、
    前記分光器で選択された光を直線偏光とする偏光板と、
    交流磁界を発生させてその交流磁界を前記測定試料に印加する磁界印加手段と、
    前記偏光板により直線偏光とした光が前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を測定する検光子と、
    前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックイン検出する前記ロックインアンプと
    を備え、
    前記磁界印加手段は、前記測定試料の一方の表面側に配設されたU字型の永久磁石と、その永久磁石を回転駆動するモータと、そのモータの回転を制御するコントローラと
    を備え、前記永久磁石を回転させて、前記測定試料の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を前記測定試料の一方の表面側に印加することを特徴とする磁気光学スペクトル測定装置。
  2. 請求項1に記載の磁気光学スペクトル測定装置を用いて測定試料の磁気光学スペクトルを測定する測定方法であって、
    光源からの光を分光器により分光して波長選択させる第1の工程と、
    前記分光器で選択された光を偏光板により直線偏光として前記測定試料に照射する第2の工程と、
    磁界印加手段により交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加させる第3の工程と、
    前記偏光板により直線偏光とした光が前記第3の工程中に前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を検光子により測定させる第4の工程と、
    前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックインアンプによりロックイン検出させる第5の工程と
    を含み、
    前記第3の工程では、コントローラによりモータの回転を制御し、このモータにより永久磁石を回転駆動させ前記交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加することを特徴とする磁気光学スペクトルの測定方法。
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