JP2010271068A - 磁気光学スペクトル測定装置及び磁気光学スペクトルの測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁気光学スペクトル測定装置100において、光源1と、この光源からの光を分光して波長選択する分光器2と、この分光器で選択された光を直線偏光とする偏光板3と、交流磁界を発生させてその交流磁界を測定試料に印加する磁界印加手段10と、前記偏光光が測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を測定する検光子5と、この検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックイン検出する前記ロックインアンプ20とを備え、磁界印加手段は、永久磁石6と、その永久磁石を回転駆動するモータ7と、そのモータの回転を制御するコントローラ8とを備える。
【選択図】図1
Description
(測定装置)
まず、本発明の第1の実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100の全体構成を、図1を参照して説明する。
(光源1)
光源1は、測定試料の所望の測定波長を含む波長帯域の発光波長の光を分光器2に対し出力する光源である。波長200nm(0.2μm)以下の波長帯域の光源としては、重水素ランプが使用される。波長0.2μm〜2.6μmの波長帯域の光源としては、ハロゲンランプあるいはキセノンランプが使用される。そして、波長2.5μm以上の波長帯域の光源としては、グローバーやニクロム線等の熱源が使用される。最近では、波長帯域は限定されるが、光源の小型化・高速測定を目的として、半導体レーザからのパルス発振モード光を用いた光源も使用される。したがって、所望の測定波長含む波長帯域を選択することで本実施形態の光源1として用いることができる。
分光器2は、光源1からの光源固有の波長帯域の光を、波長分解及び波長選択を行い、その波長選択した光を偏光板3に対して出力するものである。したがって、分光特性として、使用する光源1の波長帯域に合致した分光器2を用いる。一般に、分光器によっては、高次光が出力される場合があるので、その場合には、フィルタ等を用いて高次光を遮断する。
偏光板3は、分光器2によって波長選択された光を直線偏光として、測定試料4に照射するもので、偏光子とも呼ばれる。磁気光学効果を測定するためには、偏光特性を予め明確にして偏光光を測定試料に入射する必要がある。
測定試料4は、本測定装置によって磁気光学スペクトルを測定するための磁性体材料である。測定試料4に照射される偏光板3によって直線偏光とされた光のスポット径は、光源1からの出力光にもよるが、通常は、レンズ系等により集光されサブマイクロメートル〜1ミリメートル程度と考えられる。したがって、測定試料4のサイズは、10ミリメートル四方以内のサイズであれば、測定試料4を走査して数点の測定を行うにしても十分なサイズである。あるいは、測定しようとする磁性体材料が作製方法等によっては、不定形状である場合も予測される。したがって、図示しないが、測定試料4を設置するための試料台として、測定試料4の形状を考慮すると共に、測定試料4において透過する光が測定可能な支持形態、例えば、リング状の支持形態の試料台とすることが好適である。
検光子5は、測定試料4が磁界印加手段10による交流磁界を印加されながら照射された偏光光を反射もしくは透過した光、すなわち、磁気光学効果の影響を受けた測定試料4からの光の偏光面の角度を測定するものである。本実施形態において、検光子5は、光検出器の機能を有するものであり、その出力としての光の偏光面の角度は、出力信号としてロックインアンプ20への入力信号として出力することができる。なお、図1では、測定試料4において反射した光が検光子5で測定される形態を示しているが、測定試料4を透過した光を検光子5で測定する場合には、検光子5を測定試料4の光の透過する側に設けることで測定することができる。この場合、試料台の支持形態として、前記したリング状支持形態の試料台とすることで測定することができる。
磁界印加手段10は、前記した永久磁石6、モータ7、及び、コントローラ8を備えて構成される本実施形態の測定装置の構成要素である。特に、交流磁界を発生させる永久磁石6及びモータ7の形態は、本発明の構成要件であり、測定試料に対して、面内磁場、面直磁場、及び、両面内磁場のいずれかを発生させるための磁界印加手段である。
次に、永久磁石6は、本測定装置により磁気光学効果を測定するために、測定試料4に交流磁界をかけるための磁力源である。本実施形態の特徴として、電磁石ではないこと、高磁場を発生する必要がないこと、さらに、前記したように測定試料4のサイズが比較的小さいこと、モータ7により回転駆動されること等から、製造容易な小型の永久磁石を使用することができる。具体的には、後記する第2の実施形態乃至第4の実施形態に説明するように、幾つかの永久磁石の形態を挙げることができる。
モータ7は、本実施形態の測定装置により磁気光学効果を測定するにあたり、測定試料4に印加する交流磁界を発生させるために永久磁石6を回転駆動するものである。第2の実施形態乃至第4の実施形態において後記するが、モータ7回転数は、0.1kHz〜10kHz程度であること、及び、駆動させる永久磁石6の大きさや重量を考慮すれば、比較的小型のモータを使用することができる。
コントローラ8は、モータ7の回転駆動を制御し、モータ7の回転駆動により永久磁石6で発生する交流磁界を参照信号としてロックインアンプ20へ参照入力信号として出力する。モータ7の回転数を考慮すれば、モータの回転駆動制御用のコントローラは、現在大量に普及している、特に家庭電気機器等の回転駆動部位を有する機器に広く使用されているものを使用することができる。
ロックインアンプ20は、雑音に埋もれた微小な繰り返し信号を検出するものであり、検出するための入力信号と参照信号とが入力される。本実施形態においては、このロックインアンプ20は、検光子5から入力される偏光面の角度の測定信号が入力信号として入力され、磁界印加手段10のコントローラ8から出力される交流磁界の参考信号が参照信号として入力されることにより、偏光面の角度の測定信号の真値をロックイン検出する。
パソコン21は、ロックインアンプ20に接続された汎用のパーソナルコンピュータであり、ロックインアンプ20に入力される検光子5からの入力信号、コントローラ8からの参照信号、ロックイン検出信号等の測定結果や測定条件等を記録する。
次に、本実施形態の磁気光学スペクトル測定装置100を用いた測定方法について図1を参照して同様に説明する。本実施形態における磁気光学スペクトルの測定方法は、前記説明した磁気光学スペクトル測定装置100を用いて測定試料4の磁気光学スペクトルを測定する方法であって、以下に示す第1の工程乃至第5の工程を含む測定方法である。
Δθ ≒(∂θ/∂H)ΔH
と表記することができる。ここで、∂θ/∂H は、測定される偏光面の回転角の磁揚に対する偏微分量であり、単位磁場あたりの磁気光学効果の大きさを表す。そして、ΔH はガウスメータを用いて直接測定することで、
∂θ/∂H ≒ Δθ/ΔH
を決定することができる。
本発明の第2の実施形態の面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置101について、図3を参照して説明する。
次に、第3の実施形態の面直磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置102について、図4を参照して説明する。
次に、第4の実施形態の両面内磁場印加型の磁界印加手段を備えた磁気光学スペクトル測定装置103について、図5を参照して説明する。
2 分光器
3 偏光板
4 測定試料
5 検光子
6、6A、6a、6b、6c、6d 永久磁石
7、7A、7a、7b、7c、7d モータ
8、8A、8a、8b、8c、8d コントローラ
10、10A、10a、10b、10c、10d 磁界印加手段
20 ロックインアンプ
21 パソコン
100、101、102、103 磁気光学スペクトル測定装置
Claims (5)
- 光を直線偏光として測定試料に照射し、磁場をその測定試料に印加しながら前記測定試料からの反射光もしくは透過光をロックインアンプにより測定する磁気光学スペクトル測定装置であって、
光源と、
前記光源からの光を分光して波長選択する分光器と、
前記分光器で選択された光を直線偏光とする偏光板と、
交流磁界を発生させてその交流磁界を前記測定試料に印加する磁界印加手段と、
前記偏光光が前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を測定する検光子と、
前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックイン検出する前記ロックインアンプと
を備え、
前記磁界印加手段は、永久磁石と、その永久磁石を回転駆動するモータと、そのモータの回転を制御するコントローラと
を備えることを特徴とする磁気光学スペクトル測定装置。 - 前記磁界印加手段は、U字型の永久磁石を前記測定試料の一方の表面側に配設して備え、前記永久磁石を回転させて、前記測定試料の一方の表面に対して平行な面内磁場を発生させ、この面内磁場による交流磁界を前記測定試料の一方の表面側に印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気光学スペクトル測定装置。 - 前記磁界印加手段は、2つの棒状の永久磁石をそれぞれ前記測定試料の両側面側に対向して配設して備え、前記2つの永久磁石を互いに逆方向に回転させ、前記測定試料の表裏両面に対して垂直方向から面直磁場を発生させ、この面直磁場による交流磁界を前記測定試料の表裏両面に印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気光学スペクトル測定装置。 - 前記磁界印加手段は、2つのU字型の永久磁石を前記測定試料の表裏両面側にそれぞれ配設して備え、前記2つの永久磁石を互いに逆方向に回転させ、前記測定試料の表裏両面に対して互いに反平行な面内磁場を発生させ、この両面における面内磁場による交流磁界を前記測定試料の表裏両面側に印加する
ことを特徴とする請求項1に記載の磁気光学スペクトル測定装置。 - 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の磁気光学スペクトル測定装置を用いて測定試料の磁気光学スペクトルを測定する測定方法であって、
光源からの光を分光器により分光して波長選択させる第1の工程と、
前記分光器で選択された光を偏光板により直線偏光として前記測定試料に照射する第2の工程と、
磁界印加手段により交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加させる第3の工程と、
前記偏光光が前記第3の工程中に前記測定試料を反射もしくは透過した光の偏光面を検光子により測定させる第4の工程と、
前記検光子からの出力信号と前記磁界印加手段からの前記交流磁界の参照信号とをロックインアンプによりロックイン検出させる第5の工程と
を含み、
前記第3の工程では、コントローラによりモータの回転を制御し、このモータにより永久磁石を回転駆動させ前記交流磁界を発生させ、その交流磁界を前記測定試料に印加する
ことを特徴とする磁気光学スペクトルの測定方法。
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