JP2016053503A - 光学式化学センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の小型化および検出作業の簡素化を図りながらも、化学物質を高感度に検出することが可能な光学式化学センサを提供する。【解決手段】少なくとも、光源、偏光子、金属強磁性層14と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体13で構成された検出素子、磁場印加機構および光検出器を有している。そして、積層体で発生する多重反射によって磁気光学信号が増強する条件で光源からの光を積層体13に照射し、磁場印加機構によって積層体13の磁化を制御することにより、積層体13からの反射光の変化である磁気光学信号を光検出器により検出する。よって、プリズムなどの光学部品を必要とすることなく、かつ光源からの光を検出面に対して様々方向から照射することが可能となり、小型かつ安価で、しかも検出作業が簡単な高感度の光学式化学センサである。【選択図】図2

Description

本発明は、光学式化学センサに関し、詳細には金属強磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体における磁気光学効果を用いた、光学式化学センサに関する。
化学物質の種類や濃度を検出する化学センサには、pHセンサに代表されるイオンセンサ、O,CO,Hなどを検知するガスセンサ、DNAなどのバイオ分子を検出するバイオセンサなどがあり、光を使ってガスやバイオ分子などを検出するのが、光学式化学センサである。光学式化学センサとしては、検知する対象ガスの吸着により固体化合物の光吸収の変化を検知するガスセンサ(例えば、特許文献1)、あるいは、表面プラズモン共鳴を利用してバイオ分子を検出するバイオセンサ(非特許文献1)が広く知られている。特に、表面プラズモン共鳴センサは、高い検出感度を有することから、多くの製品が市販されている。
表面プラズモン共鳴は、Ag,Al,Au,Cuなどの金属に光を照射したときに生じる共鳴現象である。一般に、表面プラズモン共鳴では、三角柱形状や半円筒形状のプリズムを介して光の共鳴現象を生じさせるクレッチマン配置型やオットー配置型による全反射減衰法が用いられる。表面プラズモン共鳴を用いたバイオセンサでは、金属表面でのタンパク質やDNAといったバイオ分子との相互作用に基づいて、金属表面で屈折率が変化することに伴って共鳴条件が変化することにより、バイオ分子が検出される。
この共鳴条件の変化による検出とは、例えばプリズム結合の構成において、波長を一定に維持し、金属によって反射された光強度を光の入射角の関数として分析することなどによるものであり、いくつかの異なる方法で検出が可能である。例えば、共鳴角度、あるいは、反射率変化を信号とする簡便な手法では、数〜数十pg/mm程度の検出分解精度が実現できており、アレイ状の光検出器を用いることで機械的な可動部が不要といった特徴を有している。
ここで、表面プラズモン共鳴センサの検出感度の向上には、検出光に対して何らかの変調を付与することが有効であり、検出光の位相差をヘテロダイン法により検出する方法や、偏光子を回転させる偏光解析法などが知られている。これらの手法により、2桁程度の分解精度の改善が可能である(非特許文献1,p.173〜p.175)。
また、磁気光学効果を利用することで検出感度を向上させることも可能であり、特許文献2では、誘電体媒体の屈折率変化を検出するデバイスとして、強磁性材料を含む金属を用いることで、表面プラズモン共鳴センサの感度限界を向上させることが提案されている。一方、特許文献3では、非磁性貴金属で発生する表面プラズモン共鳴を用いて、非磁性金属層から反射された光の磁気光学信号から磁界を換算することにより、微弱な外部磁界を高感度に検出する磁気センサが提案されている。
特公平3−67218号公報 特表2008−501965号公報 特開2010−281756号公報
プラズモニクス−基礎と応用、第9章 プラズモニクスの化学・生物・材料科学への応用、岡本隆之・梶川浩太郎著、講談社
しかしながら、表面プラズモン共鳴を利用したバイオセンサにおいて、高感度化を可能とする代表的な手法である前記ヘテロダイン法や前記偏光解析法では、高額な光学部品、あるいは、機械的な回転機構等が必要であることから、装置が高額になるとともに、装置の簡便性や高速測定といった点で改善が求められている。
さらに、表面プラズモン共鳴センサでは、特許文献2および特許文献3に記載されている磁気光学効果を利用する場合も含めて、表面プラズモン共鳴を発生させるために、p偏光の光を斜め方向から入射するプリズム結合を基本とした全反射光学系を構成する必要がある。したがって、装置の小型化が困難であるとともに、光学部品の構成や配置に制約を受けることになる。また、一般にプリズムは高価であり、かつそれを基板として試料を作製しづらいため、プリズムと同じ材質の平面基板に金属層を蒸着法などの手法により作製して、インデックスマッチングオイルを用いてプリズムに取り付ける必要があり、表面プラズモン共鳴センサの検出作業は煩雑である。
これに対して、装置の小型化および検出作業の簡素化が可能である垂直入射光学系を基本とした検出手法として、局在プラズモン共鳴、あるいは、金の異常反射を利用する方法が知られている(非特許文献1,p.186〜p.194)。さらに、本手法によれば、高い空間分解能が容易に得られることから、微小な検出素子をアレイ状に複数個配置することで、異なった複数種の化学物質を同時に検出するマルチ検出を簡単な装置で実現することが可能である。
しかしながら、前記局在プラズモン共鳴、あるいは、前記金の異常反射を利用する手法での検出感度は、表面プラズモン共鳴センサに比較して、一般に1桁程度劣り、高感度化が求められている。同様に、pHセンサに代表されるイオンセンサ、あるいは、O,CO,Hなどを検知するガスセンサにおいても、小型かつ検出作業が簡単で、しかも化学物質を高感度に検出することが可能な化学センサが求められている。
本発明はこれらの問題点を解決するためのものであり、高感度化を図りながらも、装置の小型化および検出作業の簡素化、さらには、複数種の化学物質を同時に検出することが可能な低消費電力で、しかも低価格の光学式化学センサを提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明にかかる光学式化学センサは、少なくとも、光源、偏光子、金属強磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体で構成された検出素子、磁場印加機構および光検出器を有している。そして、本発明の光学式化学センサによれば、前記光源から出射された光が、前記積層体に入射したときに前記積層体で発生する多重反射により入射光の磁気光学信号が増強する条件で前記光源から光を照射し、前記磁場印加機構によって前記金属強磁性層の磁化を制御することにより、前記金属強磁性層の表面での屈折率の変化に伴う前記積層体からの反射光の変化である磁気光学信号を前記光検出器で測定することによって、化学物質を検出することを特徴としている。
かかる構成によれば、プリズムなどの特別な光学部品を介することなく、かつ化学物質を検出する前記積層体の検出面に対して、垂直方向を含めて様々な方向から光を照射することが可能となり、小型かつ安価な高感度の光学式化学センサが提供できる。さらに、インデックスマッチングオイルを用いるなどして、検出素子をプリズムに取り付ける必要がなくなることから、検出作業の簡素化が可能となるという効果を奏する。
本発明にかかる光学式化学センサは、前記検出素子を構成する前記積層体に直線偏光の光を照射することにより、前記積層体からの反射光の偏光角における変化を測定することで、化学物質を検出することを特徴としている。よって、高感度の光学式化学センサの提供が可能となる。
また、本発明にかかる光学式化学センサは、前記検出素子を構成する前記積層体に円偏光の光を照射することにより、前記積層体からの反射光の強度における変化を測定することで、化学物質を検出することを特徴としている。よって、高感度の光学式化学センサの提供が可能となる。
また、本発明にかかる光学式化学センサは、前記検出素子を構成する前記積層体に直線偏光の光、あるいは、円偏光の光を照射したときに、前述の反射光の偏光角における変化、あるいは、反射光の強度における変化を、反射光の波長の関数として測定することで、化学物質を検出することを特徴としている。よって、高感度の光学式化学センサの提供が可能となる。
また、本発明にかかる光学式化学センサは、前記積層体を構成する前記金属強磁性層が、垂直磁化膜であることを特徴としている。
かかる構成によれば、光学式化学センサを構成する前記磁場印加機構は、前記積層体に近接して配置することが可能となり、装置の小型化を容易にするという効果を奏する。さらに、光学式化学センサを構成する前記積層体の微細化を図ることが可能となり、複数種の化学物質を同時に検出するマルチ検出を容易にするという効果を奏する。
さらに、前記積層体を構成する前記金属強磁性層、前記誘電体光干渉層および前記金属反射層の材料は、それぞれ、CoPt合金薄膜、ZnO薄膜およびAg薄膜であることが好ましい。
かかる構成によれば、前記積層体で発生する多重反射による磁気光学信号を大きく増強することができ、化学物質を高感度で検出できる光学式化学センサの提供が可能となる。加えて、前記金属強磁性層の磁化を制御するための磁場を小さくすることができ、前記磁場印加機構を小型化することが可能となり、装置の小型化を容易にするという効果を奏する。また、前記磁場印加機構が、コイルに電流を流すことで前記積層体に磁場を印加する場合には、コイルに流す電流を小さくすることが可能となり、装置の消費電力を低減できるという効果を奏する。
本発明にかかる光学式化学センサは、少なくとも、光源、偏光子、金属強磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体で構成された検出素子、磁場印加機構および光検出器を有し、さらに、前記光源から出射された光が前記積層体に入射したときに、前記積層体で発生する多重反射により入射光の磁気光学信号が増強する条件で前記光源から光を照射し、前記磁場印加機構によって前記金属強磁性層の磁化を制御することにより、前記金属強磁性層の表面での屈折率の変化に伴う前記積層体からの反射光の変化である磁気光学信号を前記光検出器によって測定することで、化学物質を検出する。そのため、本発明にかかる光学式化学センサでは、プリズムなどの特別な光学部品を介することなく、かつ前記積層体の検出面に対して様々な方向から光を照射することが可能となり、高感度に化学物質を検出できる小型かつ安価な光学式化学センサの提供が可能である。さらに、インデックスマッチングオイルを用いるなどしてプリズムに取り付ける必要がなくなることから、検出作業の簡素化を図ることが可能である。
第1の実施形態の光学式化学センサを模式的に示す構成図である。 図1に示した光学式化学センサの磁気光学効果を示す説明図である。 図1に示した光学式化学センサの動作原理を示す説明図である。 第2の実施形態の光学式化学センサを模式的に示す構成図である。 図4に示した光学式化学センサの動作原理を示す説明図である。 第3の実施形態の光学式化学センサを模式的に示す構成図である。 図6に示した光学式化学センサの磁気光学効果を示す説明図である。 実施例の光学式化学センサを構成する検出素子を模式的に示す断面図である。 図8に示した検出素子の磁気光学特性を示す特性図である。 図8に示した検出素子を構成する積層体の表面に酸化膜を形成したときの磁気光学特性を示す特性図である。 図8に示した検出素子の磁気光学特性における共鳴波長により化学物質の検出を示す特性図である。
本発明の光学式化学センサでは、金属強磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体で構成された検出素子に光を照射した場合、積層体での多重反射による磁気光学信号の増強効果を利用することで、化学物質の検出を行う。以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる光学式化学センサ10を模式的に示す構成図である。光学式化学センサ10は、垂直入射光学系を基本とし、図1に示すように、検出素子として機能する積層体13の検出面に対して、垂直方向から光を照射することで化学物質の検出を行う。本実施形態では、光学式化学センサ10は、直線偏光の光を積層体13に照射するための光源11と、積層体13に磁場を印加するための磁場印加機構17と、積層体13から反射された光を光検出器19に導くための光分割器12と、積層体13での磁気光学効果による反射光の偏光角における変化を検知するための偏光子18と、偏光子18を透過した反射光の強度における変化を検出するための光検出器19によって構成される。
直線偏光の光を照射する光源11としては、半導体レーザ、あるいは、ガスレーザなどの単一の波長の光を出射する単色光源が用いられ、特に、グラントムソンプリズムなどの偏光子を用いて、直線偏光特性を向上させるようにすることが好ましい。また、磁場印加機構17は、コイルに電流を流すことなどにより積層体13に磁場を印加することで、積層体13の磁化を制御するものである。
積層体13は、金属反射層16、誘電体光干渉層15と金属強磁性層14をこの順番で積層した構造体により構成され、金属強磁性層14の表面での屈折率の変化に伴う反射光の変化である磁気光学信号を測定することで、化学物質を検出する。ここで、金属強磁性層14は、積層体13に照射された光が、積層体13の内部に侵入できる厚さである必要があり、具体的には、30nm以下の厚さであることが好ましい。また、誘電体光干渉層15は、積層体13に照射された光が、積層体13の内部で多重反射を生じる厚さである必要があり、具体的には、金属強磁性層14と誘電体光干渉層15のそれぞれの厚さと屈折率とを乗じて加算した値が、照射する光の波長に対して1/4程度より厚いことが好ましい。さらに、金属反射層16は、積層体13の内部に侵入した光を反射させるのに十分な厚さである必要があり、具体的には、50nm以上の厚さであることが好ましい。
金属強磁性層14に用いる材料としては、Fe,Co,Ni等の金属や合金等からなる一般的な磁性材料が挙げられるが、特に、CoPt合金膜,FePt合金膜,Co/Pd多層膜,Co/Pt多層膜等の垂直磁化膜であることが好ましい。この場合、磁場印加機構17は、積層体13に近接して配置することが可能となることから、装置の小型化を図ることが容易であるといった効果を奏する。さらに、複数種の化学物質を同時に検出する場合には、面内磁化膜に比べて、磁化の安定性の観点から、微細加工によってアレイ状の検出素子を作製することが容易であるといった効果を奏する。
誘電体光干渉層15に用いる材料としては、SiO,ZnO,MgO,TiO,AlN等の一般的な透明酸化物あるいは透明窒化物が挙げられ、光源11から照射される光の波長に対して、高い透過率を有することが好ましい。また、金属反射層16に用いる材料としては、Ag,Al,Au,Cu等の金属や合金等からなる一般的な金属材料が挙げられ、光源11から照射される光の波長に対して、高い反射率を有することが好ましい。
次に、本実施形態の光学式化学センサ10による化学物質の検出原理について図2および図3を使って説明する。
前記構成の積層体13において、金属強磁性層14の磁化を一方向とすることが可能な所定の強度の磁場(H)を磁場印加機構17により印加した状態で直線偏光の光を照射した場合、図2(a)に示すように、照射された光は積層体13の内部での多重反射によって大きな磁気光学効果を受け、結果として、大きな偏光角(θK1)を持って出射される。次に、図2(c)に示すように、磁場(H)を印加した状態で金属強磁性層14の表面に化学物質50が付着した場合、積層体13での光の干渉条件が変化するため、多重反射の影響が小さくなり、結果として、出射された光の偏光角(θK2)は、化学物質50が無い初期状態に比較して小さくなる(θK1>θK2)。積層体13から反射される光の偏光角は、積層体13を構成する金属強磁性層14の磁化の向きによって変化するため、初期状態および化学物質が付着した場合での磁気光学曲線はそれぞれ図2(b)および図2(d)となる。
したがって、図3に示すように、磁場印加機構17により所定の強度で周期的に変化する磁場(±H)を積層体13に印加することで、金属強磁性層14の表面での化学物質50の有無を、積層体13から反射された光の偏光角の変化である磁気光学信号として、高感度に検出することが可能となる。
具体的には、積層体13から反射された光を、光分割器12によって光検出器19の方向に導く。この時、光検出器19の前に所定の検出角で設定された偏光子18を配置することにより、偏光子18を透過する光の強度は、積層体13から反射された光の偏光角に応じて異なり、偏光角の変化である磁気光学信号を光の強度における変化として光検出器19で検出することが可能となる。
以上のような光学式化学センサでは、プリズムなどの特別な光学部品を必要とすることなく、かつ検出素子である積層体13の検出面に対して、化学物質を検出する光を垂直方向から照射することが可能であるため、装置の小型化および検出作業の簡素化を図ることが可能となる。
本実施形態では、積層体13を構成する金属強磁性層14の表面に化学物質が付着した場合について説明したが、これに限るものではない。積層体13に照射された光が多重反射を生じる条件は、金属強磁性層14の表面にあらかじめ配置された物質の屈折率が変化することによっても変化する。したがって、バイオセンサとして使用する場合には、検出対象であるアナライト(検出物)に対して選択的に結合するリガンド(分子認識層)を金属強磁性層14の表面にあらかじめ配置しておくことにより、リガンドの屈折率がアナライトの結合に伴って変化することで、積層体13での光の干渉条件が変化することになり、上述の検出方法と同様にしてバイオ分子を検出することが可能である。
また、検出感度の向上を図る一つの手法としては、光磁気記録システムにおいて一般的に知られている差動検出法を用いるのが有効である。この場合、偏光子18に替わって偏光ビーム分割器が用いられる。積層体13から反射された光は、偏光ビーム分割器を通過することでp偏光の光とs偏光の光の2つの光に分割される。分割されたそれぞれの光を2台の光検出器で検出し、各光検出器で検出された光の強度の差分を取ることで磁気光学信号を検出する。本手法では、特に、光源から出射される光の強度の変動に対して、低いノイズでの検出が可能となり、高感度での化学物質の検出が可能となる。
さらに、図3に示したように、光検出器19で検出する磁気光学信号は、磁場印加機構17により積層体13に印加する磁場と同期して検出される。したがって、コイルに電流を流すなどして周期的に変化する磁場を用いて、同期検出あるいはフーリエ解析を行うことは、磁気光学信号のノイズ低減による検出感度の向上に有効である。
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態にかかる光学式化学センサ20を模式的に示す構成図である。光学式化学センサ20は、垂直入射光学系を基本とし、図4に示すように、検出素子として機能する積層体13の検出面に対して、垂直方向から光を照射することで化学物質の検出を行う。本実施形態では、光学式化学センサ20は、直線偏光の光を出射するための光源11と、光源11から出射された直線偏光の光を円偏光の光に変換する1/4波長板21と、積層体13に磁場を印加するための磁場印加機構17と、積層体13から反射された光を光検出器19に導くための光分割器12と、積層体13での磁気光学効果による反射光の強度における変化を検出するための光検出器19によって構成される。
積層体13は、金属反射層16、誘電体光干渉層15と金属強磁性層14をこの順番で積層した構造体により構成され、金属強磁性層14の表面での屈折率の変化に伴う反射光の変化である磁気光学信号を測定することで、化学物質を検出する。
ここで、本実施形態の光学式化学センサ20は、光源11から出射された直線偏光の光を円偏光の光に変換する1/4波長板21を配置し、偏光子18を取り除いた以外は、第1の実施形態と同様であり、積層体13を構成する各層の材料および厚さは、第1の実施形態の場合と同じ理由により、第1の実施形態の場合と同様であることが好ましい。
次に、本実施形態の光学式化学センサ20による化学物質の検出原理について図5を使って説明する。
前記構成の積層体13に円偏光の光を照射した場合、図5(a)に示すように、積層体13から反射される光の強度は、積層体13の内部での多重反射による大きな磁気光学効果を受けて、金属強磁性層14の磁化の向きによって大きく変動する(±r)。次に、このような状態で積層体13の表面に化学物質が付着した場合、光の干渉条件が変化するため多重反射の影響は小さくなり、結果として、反射される光の強度における変動(±r)は、化学物質が無い初期状態に比較して小さくなる(r>r)。
第1の実施形態の場合と同様に、積層体13を構成する金属強磁性層14の磁化は、磁場印加機構17によって制御することが可能である。したがって、図5(c)に示すように、磁場印加機構17により所定の強度で周期的に変化する磁場(±H)を積層体13に印加することで、金属強磁性層14の表面での化学物質50の有無を、積層体13から反射された光強度の変動量の違いとして、光検出器19で検出することが可能となる。
以上のような光学式化学センサでは、プリズムなどの特別な光学部品を必要とすることなく、かつ検出素子である積層体13の検出面に対して、化学物質を検出する光を垂直方向から照射することが可能であるため、装置の小型化および検出作業の簡素化を図ることが可能となる。
本実施形態の光学式化学センサにおいても、第1の実施形態と同様に、アナライト(検出物)に対して選択的に結合するリガンド(分子認識層)を金属強磁性層14の表面にあらかじめ配置しておくことにより、バイオセンサとして用いることが可能である。
さらに、図5(c)に示したように、光検出器19で検出する磁気光学信号は、磁場印加機構17により積層体13に印加する磁場と同期して検出される。したがって、コイルに電流を流すなどして周期的に変化する磁場を用いて、同期検出あるいはフーリエ解析を行うことは、第1の実施形態の場合と同様に、磁気光学信号のノイズ低減による検出感度の向上に有効である。
[第3の実施形態]
図6は、本発明の第3の実施形態にかかる光学式化学センサ30を模式的に示す構成図である。本実施形態の光学式化学センサ30は、検出する光の波長の関数として化学物質を検出することを特徴としている。
本実施形態の光学式化学センサ30は、垂直入射光学系を基本とし、図6に示すように、検出素子として機能する積層体13の検出面に対して、垂直方向から光を照射することで化学物質の検出を行う。本実施形態では、光学式化学センサ30は、白色光を出射するための光源31と、光源31から出射された光を直線偏光の光に変換する偏光子32と、積層体13に磁場を印加するための磁場印加機構17と、積層体13から反射された光を分光検出器33に導くための光分割器12と、積層体13での磁気光学効果による反射光の偏光角における変化を検知するための偏光子18と、偏光子18を透過した反射光の強度における変化を波長の関数として検出するための分光検出器33によって構成される。
白色光源31としては、ハロゲンランプ、Xeランプなどのほか、出射される光が波長分布を有するLED光源を単独あるいは複数個を組み合わせて用いることが可能であり、検出する化学物質の種類や量に応じて選択することができる。
積層体13は、金属反射層16、誘電体光干渉層15と金属強磁性層14をこの順番で積層した構造体により構成され、金属強磁性層14の表面での屈折率の変化に伴う反射光の変化である磁気光学信号を波長の関数として測定することで、化学物質を検出する。ここで、積層体13を構成する各層の材料および厚さは、第1の実施形態の場合と同じ理由により、第1の実施形態の場合と同様であることが好ましい。
次に、実施形態の光学式化学センサ30による化学物質の検出原理について図7を使って説明する。
前記構成の積層体13に磁場印加機構17により、金属強磁性層14の磁化を一方向とすることが可能な所定の強度の磁場(H)を印加した状態で直線偏光の白色光を照射した場合、図7(a)に示すように、光の波長がλのときに、積層体13の内部での多重反射によって大きな磁気光学効果を受けて、例えば、大きな偏光角(θK3)を持って出射される。次に、このような状態で金属強磁性層14の表面に化学物質50が付着した場合、積層体13での光の干渉条件が変化するため、図7(b)に示すように、反射された光が同じ偏光角(θK3)を持つ波長はλに変化する。この時の磁気光学分光特性の変化の様子を図7(c)に示す。
したがって、分光検出器33を用いることによって、金属強磁性層14の表面での化学物質50の有無が、積層体13から反射されて偏光子18を透過した光の強度における変化である磁気光学信号を、波長の関数として測定することで検出することが可能となる。本実施形態の光学式化学センサ30では、分光検出器33として波長分解精度の高い機器を用いることで、化学物質をより高感度に検出することが可能となる。
以上のような光学式化学センサでは、プリズムなどの特別な光学部品を必要とすることなく、かつ検出素子である積層体13の検出面に対して、化学物質を検出する光を垂直方向から照射することが可能であるため、装置の小型化および検出作業の簡素化を図ることが可能となる。
本実施形態の光学式化学センサにおいても、第1の実施形態と同様に、アナライト(検出物)に対して選択的に結合するリガンド(分子認識層)を金属強磁性層14の表面にあらかじめ配置しておくことにより、バイオセンサとして用いることが可能である。
さらに、2台の分光検出器を用いた差動検出、および、同期検出あるいはフーリエ解析を行うことは、第1の実施形態の場合と同様に、磁気光学信号のノイズ低減による検出感度の向上に有効である。
図8は、本実施例にかかる光学式化学センサを構成する検出素子40を模式的に示す断面図である。
本実施例の検出素子40は、熱酸化Si基板46上に、厚さが10nmのZnO薄膜からなる下地層45を形成し、その上に実際に化学物質を検出する積層体41を形成している。積層体41は、金属反射層44として厚さが100nmのAg薄膜、誘電体光干渉層43として厚さが60nmのZnO薄膜、さらに金属強磁性層42として厚さが5nmのCoPt合金薄膜がこの順番で積層された構造体により構成されている。
本実施例では、金属強磁性層42として、垂直磁化膜であるCoPt合金膜を使用しており、面内磁化膜を使用した場合に比較して、積層体41に磁場を印加するための磁場印加機構は、積層体41を形成するための基板の裏側に隣接して配置することが可能となることから、装置の小型化を図ることが容易であるといった効果を奏する。
この積層体41に膜面垂直方向に磁場を印加したときの磁気光学特性を図9に示す。図9(a)は、積層体41の膜面垂直方向から、波長が560nmの直線偏光の光を照射した時に積層体41から反射される光の偏光角の変化、また、図9(b)は、波長が540nmの直線偏光の光を照射した時に積層体41から反射される光の楕円率の変化を示めしている。比較として、(c)および(d)に、誘電体光干渉層43を形成していない場合の磁気光学曲線を示す。ここで、楕円率は、円偏光の光を磁性体に照射したときに、磁性体の磁化の向きによって反射される光の強度における変化に対応する値として一般に知られている物性値である。
これらの図から分かるように、積層体41から反射された光の磁気光学信号である偏光角および楕円率の変化は、誘電体光干渉層43が無い場合に比較して、積層体41の内部での多重反射によって大きく増大している。誘電体光干渉層の形成によって、偏光角の変化は約200倍に、また楕円率の変化は約50倍に増大している。さらに、誘電体光干渉層43であるZnO薄膜は、金属強磁性層42であるCoPt合金薄膜の垂直磁気特性を向上することにも有効であり、CoPt合金薄膜の磁化を一方向とするのに必要な磁場を約2kOeから0.5kOe程度に小さくできており、磁場印加機構で発生する磁場を小さくすることができるといった効果を奏する。
次に、この検出素子40を用いて、化学物質として厚さが2nmのSiO酸化膜および同じく厚さが2nmのZnO酸化膜の有無を、偏光角の変化として検出した結果を図10(a)および(b)にそれぞれ示す。点線は、酸化膜を形成していない初期状態での磁気光学曲線を示しており、この時の飽和偏光角(θKS)で規格化している。第1の実施形態で説明したように、金属強磁性層42の表面に化学物質が付着することで、積層体41での多重反射の条件が変化し、結果として、積層体41から反射された光の偏光角は小さくなる。酸化膜の厚さが同じ場合、屈折率が大きいZnOが金属強磁性層42の表面に付着した場合の方が、偏光角の減少はより大きくなる。この偏光角の変化を偏光子を透過する光の強度における変化として光検出器で測定することにより、化学物質を高感度に検出することが可能である。
同様にして、第2の実施形態で説明したように、積層体41に円偏光の光を照射することで、金属強磁性層42の表面に形成された化学物質を、積層体41から反射された光の強度における変化として光検出器によって検出することが可能である。
次に、本実施例の光学式化学センサにおいて、検出する光の波長の関数として化学物質を検出した結果について図11を使って説明する。
図11(a)は、金属強磁性層42の磁化を一方向とすることが可能な磁場を印加した状態で、積層体41から反射された光の偏光角の波長依存性である磁気光学分光特性を示している。短波長領域で偏光角の値がマイナスとなっているのは、積層体41の内部での干渉効果によって、磁気光学特性の位相が反転しているためである。積層体41から反射された光の偏光角は、共鳴波長においてゼロとなる。ここで、金属強磁性層42の表面に化学物質が付着した場合、干渉条件が変化することで共鳴波長は長波長側に移動する。
実際に、金属強磁性層42の表面に、厚さが異なるSiO酸化膜およびZnO酸化膜を形成したときの共鳴波長の移動量を図11(b)に示す。偏光角がゼロとなる共鳴波長は、金属強磁性層42の表面に付着した酸化膜の膜厚が厚い場合、および、付着した酸化膜の屈折率が大きい場合に、長波長側への移動量が大きくなっている。したがって、第3の実施形態で説明したように、この共鳴波長の変化を分光検出器で測定することで、金属強磁性層42の表面に付着した化学物質を波長の関数として検出することが可能である。
以上、第1、第2、第3の実施形態および実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、磁場印加機構により積層体に印加する磁場の方向は、化学物質を検出する積層体の表面に対して垂直方向としているが、これに限定されるものではない。積層体の表面に対して水平方向としてもよく、この場合、積層体を構成する金属強磁性層としては、面内方向に磁化容易軸を持つFe,Co,Ni、あるいは、これらの合金などを用いるのが好ましい。また、本発明を垂直入射光学系に基づいて説明したが、これに限定されるものではなく、積層体に照射した光が、多重反射により磁気光学信号の増強が生じる条件であれば、積層体の検出面に対して斜め方向から光を照射することも可能である。さらに、光源から積層体に光を照射、および、積層体からの反射光を光検出器に導く方法として、複数本の光プローブで構成された光ファイバ反射プローブを用いることも可能である。
本発明にかかる光学式化学センサは、化学物質の種類や濃度を検出する化学センサとして利用可能である。
10、20、30 光学式化学センサ
11 光源
12 光分割器
13、41 積層体
14、42 金属強磁性層
15、43 誘電体光干渉層
16、44 金属反射層
17 磁場印加機構
18、32 偏光子
19 光検出器
21 1/4波長板
31 白色光源
33 分光検出器
40 検出素子
45 下地層
46 熱酸化Si基板
50 化学物質

Claims (8)

  1. 少なくとも、光源、偏光子、金属強磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層を含む積層体で構成された検出素子、磁場印加機構および光検出器を有し、
    前記光源から出射された光が前記検出素子に入射したときに、前記積層体で発生する多重反射によって入射光の磁気光学信号が増強する条件で前記光源から光を照射し、前記磁場印加機構によって前記積層体の磁化を制御することにより、前記金属強磁性層の表面での屈折率の変化に伴う前記積層体からの反射光の変化である磁気光学信号を前記光検出器によって検出することを特徴とする光学式化学センサ。
  2. 前記光検出器が、前記検出素子を構成する前記積層体に直線偏光の光を照射したときに前記積層体から反射された光の偏光角における変化である磁気光学信号を検出するべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  3. 前記光検出器が、前記検出素子を構成する前記積層体に円偏光の光を照射したときに前記積層体から反射された光の強度における変化である磁気光学信号を検出するべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  4. 前記光検出器が、前記検出素子を構成する前記積層体から反射された光の少なくとも1つの前述の変化に対応する磁気光学信号を、前記光の波長の関数として検出するべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  5. 前記積層体を構成する前記金属強磁性層が、垂直磁化膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  6. 前記積層体を構成する前記金属強磁性層が、コバルトと白金との合金薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  7. 前記積層体を構成する前記誘電体光干渉層が、酸化亜鉛薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
  8. 前記積層体を構成する前記金属反射層が、銀薄膜であることを特徴とする請求項1に記載の光学式化学センサ。
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