JP6368880B1 - 旋光度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、ファラデーセルを使用せずに旋光度測定装置を構成することにより、低消費電力かつ小型化が可能な旋光度測定装置を提供する。【解決手段】 本発明にかかる旋光度測定装置は、少なくとも、直線偏光を出射する光源ユニット、磁気光学変調素子、磁場印加機構および光検出器を有している。そして、磁気光学変調素子を構成する積層体で発生する多重反射によって磁気光学信号が増強する条件で光源ユニットからの光を積層体に照射する。このとき、測定対象の通過にともなう偏光面の回転角度を、磁場印加機構によって積層体の磁化を制御することにより、積層体からの反射光の変化である磁気光学信号として検出する。磁気光学変調素子は、金属磁性薄膜を含む積層体により構成され、飽和磁場が小さい軟磁性材料を用いることで、低消費電力かつ小型の旋光度測定装置が提供できる。【選択図】図1

Description

本発明は、光学活性物質の旋光度を計測する旋光度測定装置に関する。
糖類、アミノ酸、ビタミンなど、旋光性を有する光学活性物質の特定あるいは濃度を計測するための旋光度測定装置が知られている。旋光性とは、直線偏光が、例えばグルコースのような光学活性物質を通過するとき、その偏光面が回転する性質のことであり、このときの偏光面の回転角度は旋光度と呼ばれる。単位物質当たりの旋光度は物質に固有の値であり、溶液の旋光度を計測することによって、溶液中の物質の特定、あるいは、その濃度を測定することができる。
旋光度を計測する旋光度測定装置は、偏光子を用いて直線偏光とした計測光を測定対象に入射し、その後、測定対象を通過した計測光を検光子に入射して、検光子を通過した光量を計測することで測定物質の旋光度を測定する装置である。具体的には、検光子を通過した光量を検出しながら検光子を回転させ、検光子を通過する光量がゼロとなる検光子の回転角度を求めることにより、測定対象が直線偏光の偏光面を回転させた角度、即ち測定対象の旋光度を求めることができる。
従来、旋光度を高精度に計測するため、計測光の偏光面を一定の角度で周期的に変動させ、検光子を通過する光量を変調させる偏光面振動方式が一般に用いられている。代表的な旋光度測定装置としては、検光子の前に配置されたファラデーセルを用いて偏光面の角度を振動させる装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
ファラデーセルは、ファラデーコイル内にファラデーガラスが組み込まれた構成となっており、ファラデーコイルに電流を供給することで内部に磁場を発生させ、ファラデーガラスを通過する直線偏光の偏光面の角度を、磁気光学効果の一つであるファラデー効果により印加磁場の強さに応じて変動させる。交流電流が供給されたファラデーコイルは、内部に振動磁場を発生させ、ファラデーガラスを通過する直線偏光の偏光面は、この振動磁場に応じて回転角度および回転方向が振動する。検光子を通過する光量は、偏光面の角度に応じて変動するため、計測光を検出した検出信号は交流信号となり、計測光のノイズ成分が多い場合でも、旋光度を高精度に測定することができる。
ファラデー効果による偏光面の回転角度θは、光が通過するファラデーガラスの長さl、印加された磁場の強さHに比例し、
θ=V×l×H ・・・(式1)
で表され、Vはヴェルデ定数と呼ばれる。例えば、比較的大きなヴェルデ定数を持つ重フリントガラス(V=1.3×10−1分/A)を用いた場合、数度の旋光角を得るためには、式1より、H〜10A/m(ただし、l=1cm)となり、ファラデーコイルの直径や巻き線数にもよるが、数Aの電流が必要となる。
一方、測定対象を通過した光の偏光面の角度を計測する別の手法として、光磁気記録システムにおいて一般的に知られている差動検出法を用いた旋光度測定装置が、特許文献3に開示されている。測定対象を通過した光を偏光ビーム分割器によって2つの光に分割して、各々の光を2台の光検出器により計測することで、検光子を使うことなく偏光角を読み取ることを特徴としている。なお、本先行技術文献では、ファラデーセルを用いることなく旋光度を測定しているが、旋光度を高精度に測定するためには、何らかの手法により計測光に変調を加える必要があることは、検光子を用いた従来の旋光度測定装置と同様である。
特開平9−138231号公報 特開2000−81386号公報 特開2012−83311号公報
ファラデーセルを採用した旋光度測定装置では、前述のように、偏光面の角度を変動させるために、ファラデーセルに数Aの電流を供給する必要があり、消費電力が大きくなるという問題がある。さらに、ファラデーセルのサイズは、数cmと大きいため、装置の小型化といった点でも改善が求められている。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決するために、ファラデーセルを使用せずに旋光度測定装置を構成することにより、低消費電力かつ小型化が可能な旋光度測定装置を提供することにある。
前記問題点を解決するために、本発明にかかる旋光度測定装置は、少なくとも、直線偏光を出射する光源ユニット、磁気カー効果によって計測光の強度あるいは偏光角を変調する磁気光学変調素子、該磁気光学変調素子に交流磁場を印加する磁場印加機構、および、前記磁気光学変調素子から反射した光を検出する光検出器を有している。磁気カー効果とは、磁気光学効果の一つであり、直線偏光を磁性材料に照射した場合に、磁性材料の磁化方向に応じて反射光の反射強度あるいは偏光面の角度が変化する現象である。ここで、本発明にかかる旋光度測定装置は、前記磁気光学変調素子としては、少なくとも、基板上に金属磁性層と、誘電体光干渉層と、金属反射層とが積層された積層体で構成することができる。そして、本発明の旋光度測定装置によれば、前記光源ユニットから出射された直線偏光が、測定対象を通過後に配置された前記積層体に入射したときに、前記積層体で発生する多重反射によって、反射光である磁気光学信号が増強する条件で前記光源ユニットからの光を照射する。このとき、本発明にかかる旋光度測定装置は、測定対象の通過にともなう偏光面の回転角度を、前記磁場印加機構によって前記金属磁性層の磁化方向を制御することにより、前記積層体からの反射光の変化である磁気光学信号として前記光検出器で検出することによって、測定対象の旋光度を測定することを特徴としている。前記磁気光学変調素子は、薄膜を積層した積層体により構成され、従来のファラデーセルを用いた旋光度測定装置に比較して、小型の旋光度測定装置が提供できる。
さらに、本発明にかかる旋光度測定装置は、前記磁気光学変調素子を構成する前記金属磁性層としては、小さな飽和磁場を有する軟磁性薄膜であることが好ましい。かかる構成によれば、前記金属磁性層の磁化を制御するために前記磁場印加機構に供給する電流を小さくすることができ、低消費電力の旋光度測定装置を提供することが可能となる。
また、本発明にかかる旋光度測定装置は、前記磁気光学変調素子に交流磁場を印加するための前記磁場印加機構としては、磁気光学変調素子として機能する前記積層体に絶縁体層を介して形成された金属電流層により構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、前記金属電流層に交流電流を供給することで発生する漏洩磁場を用いることにより、前記積層体を構成する前記金属磁性層の磁化を制御することが可能となり、電磁石などを別途に設ける必要が無いため、装置構成が簡単となり、小型かつ、低コストの旋光度測定装置の提供が可能となる。
また、前記磁気光学変調素子を構成する前記金属磁性層としては、FeCo合金薄膜あるいはCoPt合金薄膜であることが好ましい。かかる構成によれば、前記磁気光学変調素子で発生する磁気光学信号を大きくすることができ、旋光度を高精度に計測できるという効果を奏する。
さらに、本発明にかかる旋光度測定装置は、直線偏光を出射する前記光源ユニットとしては、前記磁気光学変調素子に照射する直線偏光の偏光面の角度を調整するために、偏光子を回動させる回動手段を備えていることが好ましい。かかる構成によれば、前記磁気光学変調素子から反射した磁気光学信号が所定の値となるように偏光子の回動角度を調整することで、該偏光子の回動角度から測定対象の旋光度を求めることができ、旋光度を効率よく計測することが可能な旋光度測定装置の提供が可能となる。
本発明にかかる旋光度測定装置は、少なくとも、光源ユニット、磁気光学変調素子、磁場印加機構および光検出器を有し、さらに、前記光源ユニットから出射された光が、測定対象を通過後に配置された薄膜の積層体で構成された前記磁気光学変調素子に入射したときに、前記積層体で生じる多重反射によって磁気光学信号が増強する条件で前記光源ユニットから直線偏光を照射し、測定対象の通過にともなう前記直線偏光の偏光面の回転角度を、前記磁場印加機構によって前記積層体を構成する金属磁性層の磁化を制御することによって、磁気光学信号として前記光検出器により計測することで、測定対象の旋光度を測定する。そのため、本発明にかかる旋光度測定装置では、前記磁気光学変調素子は薄膜の積層体で構成されているため、従来のファラデーセルを用いた旋光度測定装置に比較して、装置の小型化が可能となる。また、前記金属磁性層として、飽和磁場が小さい軟磁性材料を用いることで、消費電力の削減が可能となる。さらに、前記積層体を構成する金属磁性層の磁化を制御する方法として、前記積層体に絶縁体層を介して形成された金属電流層に交流電流を印加することで発生する漏洩磁場を用いる場合、さらなる旋光度測定装置の小型化および消費電力の削減を可能とする等、本発明は優れた効果を奏する。
第1の実施形態の旋光度測定装置を模式的に示す構成図である。 第1の実施形態の他の旋光度測定装置を模式的に示す構成図である。 図1、図2に示した旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子の磁気光学特性および旋光度の計測原理を示す説明図である。 実施例1の旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子を模式的に示す断面図である。 図4に示した磁気光学変調素子による旋光度の測定を示す特性図である。 第2の実施形態の旋光度測定装置を模式的に示す構成図である。 図6に示した旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子の磁気光学特性を示す説明図である。 図6に示した旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子の旋光度の計測原理を示す説明図である。 第3の実施形態の磁気光学変調素子を模式的に示す構成図である。 図9に示した旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子の磁気光学特性を示す説明図である。 実施例2の旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子を模式的に示す断面図である。 図11に示した磁気光学変調素子による旋光度の測定を示す特性図である。
本発明の旋光度測定装置では、少なくとも、金属磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層とを含む積層体で構成された磁気光学変調素子に直線偏光を照射した場合、積層体の内部で生じる多重反射による磁気光学信号の増強現象を利用することで、測定対象の通過にともなって生じる計測光の偏光面の角度の変化、つまり測定対象の旋光度を計測する。以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1、図2は、本発明の第1の実施形態にかかる旋光度測定装置10を模式的に示す構成図である。図中の点線の矢印は光路であり、旋光度測定装置10は、磁気カー効果の一つである横カー効果光学系を基本とし、図1および図2に示すように、磁気光学変調素子として機能する積層体15の表面に対して、斜め方向から光を照射した状態で、入射光と反射光の反射面(積層体15)への射影に対して直交する方向、つまり図1および図2の描画面に対して垂直方向に交流磁場を印加し、積層体15からの反射光の強度の変化である磁気光学信号を計測することで、積層体15に入射した光の偏光面の角度を測定する。光源ユニットUは、光源11、回動手段としての中空モータ12、および偏光子13を備えている。本実施形態では、旋光度測定装置10は、光源11から出射された光を直線偏光とする偏光子13と、測定対象を入れるサンプルセル14と、測定対象を通過した計測光を磁気光学効果により変調するための積層体15と、該積層体から反射された光をバンドパスフィルタ16に入射し、該バンドパスフィルタを通過した光を検出する光検出器17によって構成される。
光源11としては、半導体レーザ、あるいは、ガスレーザなどの単一の波長の光を出射する単色光源が用いられ、さらに、光源11から出射された光を直線偏光とするための偏光子13としては、グラントムソンプリズムなどを用いて、直線偏光特性を向上させるようにすることが好ましい。なお、光源11が、直線偏光を出射する半導体レーザ等により構成される場合、偏光子13を使用することなく旋光度測定装置を構成することができるため、装置構成のさらなる簡略化および低価格化を可能にするという効果を奏する。また、偏光子13は、中空の筒状に形成した電動モータである中空モータ12の開口部をふさぐ位置に固定されている。中空モータ12にはモータドライバ21が接続されており、該モータドライバから供給される駆動電流によって中空モータを回動させることにより、偏光子13を回動させて、直線偏光の偏光面が所定の角度となるように調整して、直線偏光がサンプルセル14に入射する。
サンプルセル14は、液体状の測定対象が注入される透明容器であり、測定対象内を光路が通る位置に配置されている。サンプルセル14を通過した光は、磁気光学変調素子として機能する積層体15に入射し、積層体15で生じる磁気光学効果によって、磁気光学信号として出射される。積層体15から出射された光は、バンドパスフィルタ16を通って、光検出器17へ入射される。バンドパスフィルタ16は、旋光度の計測に用いる波長の光を通過させ、その他の波長の光を遮断する光学フィルタである。
積層体15は、基板上に、金属磁性層32と誘電体光干渉層31と金属反射層30とをこの順番で積層した構造体により構成され、積層体15の内部で生じる多重反射によって磁気光学効果が増強する条件で、直線偏光が照射される。したがって、誘電体光干渉層31は、積層体15に照射された光が、積層体15の内部で多重反射を生じる厚さに設定する必要があり、具体的には、誘電体光干渉層31と金属反射層30のそれぞれの厚さと屈折率とを乗じて加算した値が、照射する光の波長に対して1/4程度より厚いことが好ましい。さらに、金属反射層30は、積層体15に照射された光が、積層体15の内部に侵入できる厚さである必要があり、具体的には、30nm以下の厚さであることが好ましい。また、金属磁性層32は、積層体15の内部に侵入した光を反射させるのに十分な厚さである必要があり、具体的には、30nm以上の厚さであることが好ましい。なお、積層体15を構成する各層を積層する順番は、上記に限定されるものではない。積層体15の内部で生じる多重反射によって磁気光学信号が増強されるように各層の厚さを調整した場合には、例えば、基板上に、金属反射層30と誘電体光干渉層31と金属磁性層32とをこの順番で積層することも可能である。
図1に示した磁場印加機構18、あるいは、図2に示した金属電流層34には、電流源19が接続されており、該電流源から交流電流を供給することで発生する漏洩磁場を用いて、金属磁性層32の磁化を、積層体15への入射光と反射光への射影に対して直交する方向、つまり図1および図2の描画面に対して手前方向あるいは奥行方向に制御するためのものである。磁場印加機構18は、積層体15への入射光と反射光との法線方向に磁場を印加するものである。特に、磁場印加機構として、図2に示すように、積層体15に近接して金属電流層34を形成した場合、電磁石などを別途に設ける必要がないため、装置構成が簡単となり、小型かつ、低コストの旋光度測定装置を提供できるといった効果を奏する。この場合、金属電流層34に効率よく電流を供給するため、金属電流層34と金属磁性層32との間には、絶縁体層33を形成することが望ましく、また、金属電流層34は、金属磁性層32の磁化を制御するのに十分な電流を供給できる厚さである必要があり、具体的には、30nm以上の厚さであることが好ましい。なお、図2の磁場印加機構18は、絶縁体層33、および金属電流層34を備えている。
金属磁性層32に用いる材料としては、Fe,Co,Ni等の金属や合金等からなる一般的な磁性材料が挙げられるが、特に、大きな磁気光学効果を有するFeを主成分とした材料であることが好ましい。この場合、計測光の偏光面の角度変化にともなう磁気光学信号を大きくすることができ、高精度の旋光度計測を可能とするといった効果を奏する。さらに、消費電力を抑えるという観点からは、磁性金属層32に用いる材料としては、飽和磁場が小さい軟磁性材料であることが好ましい。このような条件にあう磁性金属層32の一例としては、FeCo合金(鉄とコバルトとの合金薄膜)あるいはFeSi合金等が挙げられる。一般に、これらの磁性材料の飽和磁場は10A/m程度であり、これは式1を用いて計算したファラデーセルの駆動磁場(H〜10A/m)の1/100程度である。したがって、磁性金属層32として飽和磁場が小さい軟磁性材料を用いた本発明の旋光度測定装置では、従来のファラデーセルを用いた旋光度測定装置に比べて、消費電流を1/100程度に大きく低減することができるといった効果を奏する。
誘電体光干渉層31に用いる材料としては、SiO,ZnO,TiO,AlN,MgF等の一般的な透明酸化物、透明窒化物あるいは透明弗化物が挙げられ、光源11から照射される光の波長に対して、高い透過率を有することが好ましい。さらに、金属反射層30に用いる材料としては、Ag,Al,Au,Cu等の金属や合金等からなる一般的な金属材料が挙げられ、光源11から照射される光の波長に対して、高い反射率を有することが好ましい。これらの材料を用いた場合、積層体15の内部での多重反射によって発生する光量の減少を少なくすることができ、高精度の旋光度計測を可能にするといった効果を奏する。
次に、本実施形態の旋光度測定装置10による旋光度の測定原理について図3を使って説明する。ここで、前記磁気光学変調素子を構成する積層体15に、偏光面の角度がθの直線偏光が入射したときに、積層体15の内部で生じる多重反射によって、反射される光の強度変化、つまり磁気光学信号が最も大きくなる構成である場合について考える。
前記構成の積層体15において、金属磁性層32の磁化を単一方向とすることが可能な所定の強度の磁場(+Hあるいは−H)を、図1に示した磁場印加機構18あるいは図2に示した金属電流層34からの漏洩磁場により印加した状態で、直線偏光の光を照射した場合、図3(a)に示すように、積層体13の内部で生じる多重反射によって大きな磁気光学効果を受け、結果として、照射された光は大きな強度変化(+ΔRあるいは−ΔR)を持って出射される。金属磁性層32に印加する磁場の方向は、入射光と反射光の反射面への射影に対して直交する方向であり、このような構成は、一般に、横カー効果と呼ばれる。次に、図3(b)に示すように、磁場(+Hあるいは−H)を印加した状態で、積層体15に入射する直線偏光の偏光面の角度がθからθに変化した場合、積層体15での光の干渉条件が変化するため、多重反射の影響が小さくなり、結果として、出射される光の強度変化の大きさ(|ΔR|)は、入射光の偏光面の角度がθである初期状態に比較して小さくなる(|ΔR|>|ΔR|)。なお、RおよびRは、それぞれ、反射光の平均の強度を表している。積層体15から反射される光の強度変化は、積層体15を構成する金属磁性層32の磁化の向きに応じて変化するため、入射光の偏光面の角度によって磁気光学曲線はそれぞれ図3(c)および図3(d)に示す通りとなる。
したがって、図1に示した磁場印加機構18あるいは図2に示した金属電流層34から生じる漏洩磁場により所定の強度で周期的に変化する磁場(±H)を積層体15に印加することで、入射光の偏光面の角度を、積層体15から反射された光の強度変化である磁気光学信号として光検出器17により計測することで、測定対象を通過することで生じた計測光の偏光面の回転角度、つまり旋光度を測定することが可能となる。特に、入射光の偏光面の角度と磁気光学信号との関係を予め導出しておくことは、測定対象の旋光度を短時間かつ、簡単に計測することを可能にするという効果を奏する。
具体的には、サンプルセル14に測定対象を注入していない状態で、中空モータ12を回動させることにより、偏光子13を回動させることで、積層体15に入射する光の偏光面の角度をさまざまに変えて、積層体15から反射される光の強度変化である磁気光学信号を光検出器17により計測する。図3を用いて説明したように、積層体15から反射される磁気光学信号は、入射光の偏光面の角度に依存して変化し、偏光面の角度と磁気光学信号との関係式を予め導出し、これをコンピュータ20に記憶する。その後、中空モータ12を回動させて、積層体15からの磁気光学信号が最大となるように偏光子13を回動し、これを初期状態とする。次に、サンプルセル14に測定対象を注入し、積層体15からの磁気光学信号を計測して、予め導出しておいた磁気光学信号と偏光面の角度との関係式から、測定対象を通過することで生じた計測光の偏光面の回転角度、つまり旋光度を導出する。
このような計測方法では、測定対象の旋光度を実際に計測する際には、偏光子13を回動させて計測光の偏光面の角度を変える必要がないため、短時間かつ、低消費電力での旋光度の測定が可能となる。
図4は、本実施形態の実施例にかかる旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子40を模式的に示す断面図である。
本実施例の磁気光学変調素子40は、ガラス基板46上に、厚さが10nmのPd薄膜からなる下地層45を形成し、その上に実際に旋光度を計測する積層体41を形成している。積層体41は、金属磁性層44として厚さが100nmのFeCo合金薄膜、誘電体光干渉層43として厚さが116nmのZnO薄膜、さらに、金属反射層42として厚さが11nmのAu薄膜がこの順番で積層された構造体により構成されている。
実際に、この磁気光学変調素子40を用いて、入射光の偏光面の角度変化、つまり旋光度を計測した結果を図5(a)および図5(b)に示す。本実施例においては、光源としては、波長が658nmの半導体レーザを使用し、偏光子を透過させることで直線偏光とした光を、磁気光学変調素子40の表面に対して斜め45度の角度で照射し、磁気光学変調素子に、−40Oe(図4で描画面に対して奥行方向)から+40Oe(図4で描画面に対して手前方向)で、周期的に変動する磁場を印加した状態で、磁気光学変調素子40からの反射光の強度変化を測定した。磁気光学変調素子40に印加する磁場の方向は、入射光と反射光の反射面への射影に対して直交する方向とした。
積層体41から出射される磁気光学信号、つまり磁場の印加による反射光強度の変化率ΔR/Rは、図5(a)に示す通り、積層体41に入射する光の偏光面の角度θに応じて変動した。ここで、反射光強度の変化率ΔR/Rと入射光の偏光面の角度θとの関係式は、
Figure 0006368880

と表すことができた。したがって、計測光の偏光面の角度θ、つまり旋光度は、計測光の変化率ΔR/Rを測定することで、
Figure 0006368880

より導出することができる。
図5(b)は、磁気光学変調素子40に入射する計測光の偏光角、つまり旋光度が、偏光子を回動させることで初期状態から+1.2度回転した場合に、磁気光学変調素子40から出射される磁気光学信号の変化する様子を示している。最初に、磁気光学変調素子40から出射される磁気光学信号、つまり反射光の強度変化が最も大きくなるように偏光子を回動させて、これを初期状態、つまり旋光度がゼロとする。次に、偏光子を時計回りに回動させることで偏光角を+1.2度に設定して、同様に磁気光学変調素子40から出射される磁気光学信号を計測する。このとき、図5(b)から分かるように、光検出器17で計測される磁気光学信号は、初期状態の±48.4%から、偏光角を+1.2度とすることで±38.4%に変化した。したがって、式3にΔR/R=38.4を代入することで、旋光度θは+1.21度と求めることができ、偏光子による設定値とよく一致することが確認できた。
本実施例においては、反射光強度の変化率の減少量を計測することで旋光度を測定する場合について説明したが、これに限定されるものではない。初期状態での入射光の偏光面の角度は、任意の角度に設定することが可能である。特に、偏光子13の初期状態を、磁気光学信号が急峻な変化を示す角度に設定することにより、旋光度を高い分解能で測定することが可能となる。
さらに、以上のような旋光度測定装置では、光検出器17で計測される磁気光学信号は、磁場印加機構18あるいは金属電流層34から積層体15に印加する磁場と同期して検出される。したがって、周期的に変動する磁場を用いて、同期計測あるいはフーリエ解析を行うことは、磁気光学信号のノイズ低減による測定精度の向上に有効である。
また、旋光度の別の計測方法として、測定対象をサンプルセル14に注入した状態で、積層体15からの磁気光学信号が最大となるように、中空モータ12を回動させることで偏光子13を回動させて、このときの偏光子13の回転角度を初期状態からの変化量として計測することで、旋光度を求めることも有効である。この場合、旋光度が大きな測定対象に対しても、旋光度を高精度に測定することが可能となる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる旋光度測定装置50を模式的に示す構成図である。旋光度測定装置50は、磁気カー効果の一つである縦カー効果光学系を基本とし、磁気光学変調素子として機能する積層体15の表面に対して、斜め方向から光を照射した状態で、入射光と反射光の反射面への射影に対して同一方向、つまり図6の描画面に対して面内方向に交流磁場を印加したときに生じる反射光の偏光面の角度変化である磁気光学信号を計測することで旋光度を測定する。本実施形態では、旋光度測定装置50は、光源11から出射された光を直線偏光とする偏光子13と、測定対象を入れるサンプルセル14と、測定対象を通過した光を偏光角の変化である磁気光学信号に変換するための積層体15と、該積層体から反射した磁気光学信号を光の強度における変化に変換するための検光子23と、該検光子を透過した光の強度を検出するための光検出器17によって構成される。
ここで、本実施形態の旋光度測定装置50は、磁場印加機構18が、磁気光学変調素子として機能する積層体15に、入射光と反射光の反射面への射影に対して同じ方向に交流磁場を印加する構成であること、および、積層体15から反射した光の偏光角の変化である磁気光学信号を光の強度における変化に変換するために検光子23を備えること以外は、第1の実施形態と同様である。また、磁場印加機構18は、図6に示した構成に限定されるものではなく、第1の実施形態の他の旋光度測定装置と同様に、積層体15に絶縁体層33を介して形成された金属電流層34に交流電流を供給する構成としたものでも構わない。
本実施形態の旋光度測定装置50の磁気光学変調素子は、第1の実施形態の場合と同様に、金属磁性層32と誘電体光干渉層31と金属反射層30とを積層した積層体15により構成され、積層体15の構造ならびに積層体15を構成する各層の材料および厚さは、第1の実施形態の場合と同じ理由により、第1の実施形態の場合と同様であることが好ましい。
本実施形態の旋光度測定装置50による旋光度の測定原理を図7および図8を用いて説明する。
前記磁気光学変調素子を構成する積層体15に、斜め方向から直線偏光を入射した状態で、入射光と反射光の反射面に対して同一方向の磁場を印加した場合、図7(a)に示すように、積層体15からの反射光は、金属磁性層32の磁化の方向に応じて、偏光角の変化である磁気光学信号として出射される。このような構成は、一般に、縦カー効果と呼ばれる。具体的には、積層体15に対して、金属磁性層32の磁化を一方向とすることが可能な所定の強度の磁場(+Hあるいは−H)を印加した状態で、偏光角がθの直線偏光を入射した場合、積層体15の内部で生じる多重反射によって大きな磁気光学効果を受けて、積層体15から反射する光は、大きな偏光面の角度変化(+Δθあるいは−Δθ)を持って出射される。つまり、磁気光学変調素子を構成する積層体15の磁気光学曲線は、印加磁場に応じて図7(b)に示す通りとなる。
図8(a)は、積層体15から反射した磁気光学信号(θ+Δθあるいはθ−Δθ)と、検光子23の偏光方向との関係を示している。積層体15から反射した磁気光学信号は、検光子23を通過することで光の強度における変化(I+ΔIあるいはI−ΔI)に変換されて光検出器17に入射し、したがって、光検出器17は、+ΔVあるいは−ΔVの交流信号を出力する。図8(b)は、偏光子13を回動させて積層体15に入射する光の偏光面を変えた場合における光検出器17の出力信号を示している。光検出器17の交流出力は、積層体15に入射する光の偏光面の角度と検光子23の偏光方向とに依存し、特に、両者が同一の角度となった場合に、出力信号はゼロとなる。したがって、光検出器17の出力信号がゼロとなるように、中空モータ12を回動させて、偏光子13を回動させ、このときの偏光子13の回転角度を初期状態からの変化量として計測することで、測定対象の旋光度を計測することが可能である。
実際に、第1の実施形態における実施例として示した図4の磁気光学変調素子40に対して縦カー効果の測定を行い、従来の旋光度測定装置で用いられているファラデーセルと同程度の約±8度の偏光角の変化である磁気光学信号を確認した。本実施形態の磁気光学変調素子は、薄膜の積層体で構成されていることから、従来の旋光度測定装置に比べて、装置を小型とすることが可能である。
本実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、周期的に変化する磁場を用いて、同期計測あるいはフーリエ解析を行うことは、磁気光学信号のノイズ低減による計測制度の向上に有効である。さらに、磁場印加機構として、積層体15に絶縁体層を介して形成された金属電流層34を用いた場合には、第1の実施形態の場合と同様に、装置構成がさらに簡単となり、さらなる小型化かつ、低コストが可能な旋光度測定装置を提供できるといった効果を奏する。
また、偏光角を計測する別の手法として、光磁気記録システムにおいて一般的に知られている差動検出法を用いることも有効である。具体的には、検光子23に替わって偏光ビーム分割器と2台の光検出器を用いることで、偏光ビーム分割器を通過することで2つの光に分割された光の強度を2台の光検出器で検出し、その強度比を計測することで偏光角を導出することが可能である。本手法では、光源から出射される光の強度が変動した場合でも、低いノイズでの計測が可能となり、高性能の旋光度測定装置が供給できるといった効果を奏する。
[第3の実施形態]
図9は、本発明の第3の実施形態にかかる旋光度測定装置60を模式的に示す構成図である。図9および図10に示すように、旋光度測定装置60は、磁気カー効果の一つである極カー効果光学系を基本とし、磁気光学変調素子として機能する積層体15の表面に対して、垂直方向から光を照射した状態で、入射光と同じ方向に積層体15に交流磁場を印加したときに生じる反射光の偏光面の角度変化(+Δθあるいは−Δθ)である磁気光学信号を計測することで旋光度を測定する。磁気光学変調素子を構成する積層体15の磁気光学曲線は、印加磁場に応じて図10(b)に示す通りとなる。本実施形態では、旋光度測定装置60は、光源11から出射された光を直線偏光とする偏光子13と、測定対象を入れるサンプルセル14と、測定対象を通過した計測光を磁気光学効果によって偏光角における変化である磁気光学信号に変換するための積層体15と、積層体15から反射した磁気光学信号をバンドパスフィルタ16に導くためのハーフミラー22と、バンドパスフィルタ16を通過した磁気光学信号を光の強度における変化に変換するための検光子23と、検光子23を透過した光の強度を検出するための光検出器17によって構成される。
ここで、本実施形態の旋光度測定装置60は、積層体15に垂直方向から直線偏光の光を照射する配置であること、積層体15から反射した光を光検出器17に導くためのハーフミラー22を備えること、および、磁場印加機構18が、積層体15の表面に対して垂直方向の磁場(+Hあるいは−H)を印加する構成であること以外は、第2の実施形態と同様であり、旋光度は、図4で説明した方法と同様の手法により測定される。
ただし、本実施形態の磁気光学変調素子として機能する積層体15は、基板上に金属反射層30と誘電体光干渉層31と金属磁性層32とをこの順番で積層した積層体15により構成され、積層の順番は第2の実施形態の場合とは逆としている。本実施形態においても、積層体15を構成する各層の厚さは、積層体の内部で生じる多重反射によって磁気光学信号が増強する条件である必要がある。具体的には、誘電体光干渉層31は、積層体15に照射された光が、積層体15の内部で多重反射を生じる厚さに設定する必要があり、誘電体光干渉層31と金属磁性層32のそれぞれの厚さと屈折率を乗じて加算した値が、照射する光の波長に対して1/4程度より厚いことが好ましい。さらに、金属磁性層32は、積層体15に照射された光が、積層体15の内部に侵入できる厚さである必要があり、30nm以下であることが望ましい。また、金属反射層30は、積層体15の内部に侵入した光を反射させるのに十分な厚さである必要があり、30nm以上の厚さであることが望ましい。また、積層体15は、上記した構成だけでなく、第2の実施形態の旋光度測定装置と同様に、基板上に金属磁性層32と誘電体光干渉層31と金属反射層30とをこの順番で積層したものでも構わない。
本実施形態の金属磁性層32に用いる材料としては、金属磁性層32を膜面垂直方向に効率よく磁化させるためには、膜面垂直方向に磁化容易軸を持つ材料であることが好ましく、具体的には、CoPt合金膜(コバルトと白金との合金薄膜)、FePt合金膜、TbFeCo合金膜、Co/Pt多層膜、Co/Pd多層膜、Co/Ni多層膜等が挙げられる。これらの材料を用いることで、低消費電力の旋光度測定装置を提供することが可能となる。
図11は、本実施形態の実施例にかかる旋光度測定装置を構成する磁気光学変調素子70を模式的に示す断面図である。
本実施例の磁気光学変調素子70は、ガラス基板76上に、厚さが10nmのZnO薄膜からなる下地層75を形成し、その上に実際に旋光度を計測する積層体71を形成している。積層体71は、金属反射層74として厚さが100nmのAg薄膜、誘電体光干渉層73として厚さが60nmのZnO薄膜、さらに、金属磁性層72として厚さが5nmのCoPt合金薄膜がこの順番で積層された構造体により構成されている。
図12(a)は、上記構成の磁気光学変調素子70の表面に対して垂直方向に−1kOe(図11で下向き方向)から+1kOe(図11で上向き方向)で、周期的に変動する磁場を印加した状態で、直線偏光が磁気光学変調素子に垂直方法に入射したときの、磁気光学変調素子70からの反射光の偏光角の変化を示している。磁気光学変調素子70からは、金属磁性層72の磁化方向が上向きか下向きかに応じて、約±13度の偏光角の変化を持った磁気光学信号が出射される。これは、前述のとおり、従来の旋光度測定装置で用いられているファラデーセルと同程度以上の磁気光学信号であり、薄膜の積層体で構成された本実施形態の磁気光学変調素子では、従来に比べて小型の旋光度測定装置を提供することが可能である。
実際に、この磁気光学変調素子70を用いて、図4で説明した方法によって、入射光の偏光角、つまり旋光度を測定した結果を図12(b)に示す。図12(b)の縦軸である偏光子のオフセット量は、磁気光学変調素子70から反射した光の偏光面の角度を、検光子の偏光方向と同一にするために必要な偏光子の回転角度を示している。偏光子のオフセット量と入射光の偏光角とは、良い一致を示しており、初期状態からの偏光子のオフセット量を計測することで、旋光度(入射光の偏光角)を測定することが可能であることが確認できた。
本実施形態の旋光度測定装置においても、第1および第2の実施形態の場合と同様に、周期的に変化する磁場を用いて、同期計測あるいはフーリエ解析を行うことは、磁気光学信号のノイズ低減による計測制度の向上に有効である。
また、第2の実施形態の場合と同様に、計測光の偏光角を測定する方法として、検光子に替わって、偏光ビーム分割器と2台の光検出器を用いて差動検出法を利用することも有効である。本手法では、光源から出射される光の強度変動が発生した場合でも、低いノイズでの計測が可能となり、高性能の旋光度測定装置が供給できるといった効果を奏する。
本発明にかかる旋光度測定装置は、光学活性物質の旋光度を計測する旋光度測定装置として利用可能である。
10,50,60…旋光度測定装置、U…光源ユニット、11…光源、
12…中空モータ、13…偏光子、14…サンプルセル、15,41,71…積層体、
16…バンドパスフィルタ、17…光検出器、18…磁場印加機構、19…電流源、
20…コンピュータ、21…モータドライバ、22…ハーフミラー、23…検光子、
30,42,74…金属反射層、31,43,73…誘電体光干渉層、
32,44,72…金属磁性層、33…絶縁体層、34…金属電流層、
40,70…磁気光学変調素子、45,75…下地層、46,76…ガラス基板。

Claims (10)

  1. 少なくとも、直線偏光を出射する光源ユニット、金属磁性層と誘電体光干渉層と金属反射層とを含む積層体で構成された磁気光学変調素子、磁場印加機構および光検出器を有し、
    前記光源ユニットから出射された前記直線偏光を測定対象に入射し、前記測定対象を通過した後の前記直線偏光が前記磁気光学変調素子に入射光として入射したときに、前記積層体で発生する多重反射によって、磁気光学信号が増強する条件で前記光源ユニットから光を照射し、
    前記測定対象の通過にともなう前記直線偏光の偏光面の回転角度を、前記磁場印加機構によって前記積層体の磁化を制御することにより、前記積層体からの反射光の変化である前記磁気光学信号に変換して前記光検出器によって計測することにより、前記測定対象の旋光度を測定することを特徴とする旋光度測定装置。
  2. 前記光源ユニットが、
    光を出射する光源と、
    前記光源から出射された光を前記直線偏光とする偏光子と、
    前記磁気光学変調素子に照射する前記直線偏光の前記偏光面の角度を調整するために、前記偏光子を回動させる回動手段と、
    を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  3. 前記磁場印加機構が、金属電流層と、前記積層体と前記金属電流層との間に形成された絶縁体層と、を備え、
    前記磁場印加機構が、前記金属電流層に交流電流が印加されることで前記積層体を構成する前記金属磁性層の磁化を制御することを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  4. 前記磁場印加機構が、前記積層体への前記入射光と前記反射光との射影に対して直交する方向に磁場を印加し、かつ前記光検出器が前記反射光の強度の変化である前記磁気光学信号を検出することを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  5. 前記磁場印加機構が、前記積層体への前記入射光と前記反射光との射影に対して同一の方向に磁場を印加し、かつ前記光検出器が前記反射光の偏光面の角度の変化である前記磁気光学信号を検出することを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  6. 前記磁場印加機構が、前記積層体への前記入射光と前記反射光との法線方向に磁場を印加し、かつ前記光検出器が前記反射光の偏光面の角度の変化である前記磁気光学信号を検出することを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  7. 前記積層体を構成する前記金属磁性層が、膜面内方向に磁化容易軸を有する磁性材料であることを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  8. 前記積層体を構成する前記金属磁性層が、鉄とコバルトとの合金薄膜であることを特徴とする請求項7に記載の旋光度測定装置。
  9. 前記積層体を構成する前記金属磁性層が、膜面垂直方向に磁化容易軸を有する磁性材料であることを特徴とする、請求項1に記載の旋光度測定装置。
  10. 前記積層体を構成する前記金属磁性層が、コバルトと白金との合金薄膜であることを特徴とする請求項9に記載の旋光度測定装置。
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