JPH0315287Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形機又はダイカスト機等の型締
装置に係り、特に複数個の型締装置に対し１個の
型締シリンダおよび射出装置を共有して使用する
多連型締装置に関する。

この種の多連型締装置を有する射出成形機等は
射出装置から溶融樹脂を前記複数個の型締装置に
取付けた金型内へ次々に射出成形を行い樹脂の充
填後の成形品の冷却時間を短縮し、時間当りの生
産性の向上を計ることが出来、しかも複数個の型
締装置に対し１個の型締シリンダを共有して使用
するため装置のコストを安価である。

しかし反面型締シリンダの型締ストロークは一
定であり、複数個ある型締装置に共有で使用する
ためには各型締装置に取付ける金型厚を一定にし
なければならない。という欠点が有り型厚の異な
る金型を使用するに際しては、型厚調整装置等に
より型締ストロークが一定となるよう調整する必
要があり、機械装置のコスト高、調整作業の頻雑
さ等々、諸々の不都合があつた。

本考案は前述のような欠点を取除き、型厚が異
なつた複数個の型締装置でも１個の型締シリンダ
で共通で使用することが出来る多連型締装置を提
供することであり、さらに詳しく本考案について
説明すると、前記型締シリンダのラム移動距離を
複数個の型締装置に取付ける金型の最大型厚およ
び最小型厚の間で調整可能にしたことを特徴とし
た型締シリンダを有する多連型締装置である。

次に本考案の１実施例を立型型締装置にが２個
の場合を例を採り第１図ないし第３図により説明
すると、３０および３１は型締装置で全く同一の
構成となつており、２個並列してある。１１は固
定プレートで固定金型１２ａおよび１２ｂが取付
けてある。１３は移動プレートで移動金型１４ａ
および１４ｂが取付てあり、金型接合面Ａで前記
金型１２および１４が当接する。１５は複数個設
けた移動用シリンダで前記移動プレート１３を固
定プレートに対し進退させるものである。１６は
タイバーで前記固定プレート１１と前記移動プレ
ート１３越しに所定の距離を隔てて対峙する連結
板１７との間で前記金型１２および１４を締付け
る型締力を受けるものである。１８は型締シリン
ダで、第２図に示すように、前記連結板１７に設
けたガイド溝２０に嵌合され、チエン２１により
移動可能となつていて、型締工程時のみ前記移動
プレート１３の金型取付面の裏側面Ｂと連結板１
７の間に入り込みその間隔Ｌを押開き金型１４ａ
および１２ａの型締を行い、型締時以外は前記隙
間Ｌから外れ、隣接する型締装置３１へ移動する
ようになつている。前記型締シリンダ１８は単動
油圧シリンダとなつており、ラム１８ａの伸縮は
型締シリンダ１８外に設けた副シリンダ１９によ
り行われ、型締時の強力な型締力を必要とする時
のみ、型締シリンダ１８内に図示してない油圧源
からの圧油が作用し、前記間隔Ｌを押開くように
するものである。

従つて、型締工程時に入り、金型内に樹脂を注
入するべく、金型１４ａおよび１２ａが当接する
と、型締シリンダ１８がチエン２１により移動
し、前記連結板１７と移動プレート１３の裏面Ｂ
の間に挿入され、次いで型締シリンダ１８が前記
間隔Ｌに入るために必要とした隙間αを無くすべ
く、図中ラム１８ａが副シリンダ１９により引き
下げられ、ラム１８ａの端面Ｃと、移動ダイプレ
ート１３の裏面Ｂが当接した後、強力の型締力を
負荷するべく、図示してない油圧源から圧油が型
締シリンダ１８に作用し、ラム１８ａが後述する
型締シリンダのラム移動距離調整機構２２により
調整された距離だけ移動し、前記間隔Ｌを押開い
て、強力な型締力を発生するようにしている。

前記間隔Ｌは、金型の厚さにより異なるため型
締時にその間に入る型締シリンダ１８は共通で１
個でのため、最大金型厚および最小金型厚の間で
調整が出来るようになつていて、どの金型厚の金
型を使用しても、最小のラム移動距離で強力な型
締力が得られるようにしてある。

２１は型締シリンダ移送用のチエンで図示して
いない駆動装置により、前記型締シリンダ１８を
複数個（本実施例は２個の場合を示す）並列され
た型開閉装置の所定位置で停止し、型締動作を行
うと次々と順に型締装置へと移動していくよう構
成されている。ここで、型締シリンダ１８はチエ
ン２１による駆動について説明したが、勿論これ
に限らず、油圧、空圧等のシリンダによる駆動で
も良い。

２２は型締シリンダのラム移動距離調整機構
で、前記型締シリンダ１８と螺合するネジ２２ａ
が設けてあり、歯車列２３等による動力伝達装置
を介して駆動モータ２４により回転することによ
り前記ネジ２２ａがシリンダ１８内へ出入りし、
前記ラム１８ａの移動距離を調整するようになつ
ている。２５および２６は夫々前記型締装置３０
および３１における金型厚により異なる移動プレ
ートと連結板との間隔Ｌをを電気信号として設定
しておく間隔設定装置である。２７および２９は
比較演算装置で前記チエン２１又は型締シリンダ
１８に取付けた位置検出装置（図示せず）がこれ
から型締シリンダ１８が入ろうとする型締装置３
０又は３１の間隔を検出値２９として検出し、型
厚によつて定められる型締装置３０又は３１の間
隔設定装置２５又は２６に予め設定した値とを比
較し、型締装置３０においては、検出値２９が間
隔設定装置２５の設定値と、型締装置３１におい
ては検出値２９が間隔設定装置２６の設定値と一
致するように前記駆動モータ２４に電気信号を送
り、前記型締シリンダのラム移動距離調整機構２
２を回転させて型締シリンダ１８の型締ラムの移
動距離を調整するようになつている。

３２は射出装置で、射出シリンダ３３が案内３
４上を矢印方向に自在に移動出来、型締装置３０
および３１に対し共有となつている。

以上説明したように、本発明は複数個の型締装
置に対し、共通な１個の型締シリンダを用いて各
型締装置の型締め順次行うに際し、各型締装置が
夫々異なつた型厚の金型でも使用出来るよう型締
シリンダのラムの移動距離を夫々の型締装置にお
いて調整が可能にしたので、当初に揚げた欠点が
取除かれ、型厚調整装置も不要となつたばかりで
なく、多々不番合面が取除かれた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す図。第２図は
第１図におけるＺ矢視図。第３図は第１図の断面
−図。 ３０，３１……型締装置、１１……固定プレー
ト、１３……移動プレート、１７……連結板、１
８……型締シリンダ、２１……チエン、２２……
型締ストローク調整機構、２４……駆動モータ、
２５，２６……位置設定装置、２７，２８……比
較演算装置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定金型を取付ける固定プレートと移動金型を
   取付ける移動プレート越しに所定距離を隔てて対
   峙した連結板との間で前記両金型に負荷される型
   締力を受けとめるタイバーを備えた型開閉を行う
   複数個の型締装置と、 型締時のみ前記連結板と移動プレートの間に入
   り同連結板と移動プレートの間を押開くように働
   き、型開き時には前記連結板と移動プレートの間
   から外れるようにされ、かつ前記複数個の型締装
   置の間を前記連結板に設けたガイドに沿つてチエ
   ン又はシリンダによる移動装置により移動するよ
   うにされた複数個の型締装置に共通に使用する１
   個の型締シリンダと、 型締シリンダ内のラムの移動距離を調整するた
   めのシリンダ内に突出されたネジと、同ネジに取
   付けられた歯車列等の動力伝達装置と、同動力伝
   達装置を駆動するための駆動モータから成る型締
   シリンダのラム移動距離調整機構と、 前記複数個の型締装置の夫々に設けた金型厚に
   より異なる移動プレートと連結板との間隔を電気
   的に設定する間隔設定装置と、 前記間隔設定装置に設定した値と間隔検出装置
   の検出した値とを比較し、各々型締装置における
   移動プレートと連結板との間隔が予め定められた
   値となるよう前記駆動モータを駆動させるための
   電気信号を発する比較演算装置から成る多連型締
   装置。