JPH0315175B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は撮影後のフイルムを現像装置へと送り
込むためのフイルム供給装置に関する。

〔背景技術〕

撮影済のフイルムはパトローネ内へ収容されて
おり、このパトローネから、引き出して現像装置
へと送り込む必要がある。

このため従来、パトローネの先端からフイルム
の一端を突出させてこの先端部へリーダを取り付
け、このリーダを現像装置内へ送り込んでリーダ
によつてフイルムを現像装置へと引き込み、案内
させながら現像を行う現像装置が用いられている
（特開昭60−191257号参照）。この現像装置では、
パトローネを受台へ固定し、このパトローネ内の
フイルムへ取り付けたリーダを挟持搬送ローラへ
と送り込む構成である。

ところがパトローネ内のフイルムが全て現像装
置へと送り出された後は、新規なフイルムが収容
されているパトローネを受台へ装填するが、すで
にフイルムが送り出された空のパトローネを受台
から取り外す必要があり、作業能率が低下する原
因となつている。

本発明は上記事実を考慮し、新規のフイルムを
現像装置へと供給する場合にも、効率良くフイル
ムが収容されたパトローネを装填することができ
るフイルム供給装置を得ることが目的である。

〔発明の概要及び作用〕

本発明は、フイルムが収容されたパトローネを
載置すると共にフイルム引き出し方向の反対方向
が開放されてパトローネがこの開放部から脱落可
能とされた移動台と、移動台上のパトローネから
フイルムを引き出して現像装置へと送り出す挟持
搬送ローラと、前記移動台をフイルム引き出し方
向とは反対の方向に付勢する弾性体と、前記移動
台が前記弾性体の付勢力に抗して移動したフイル
ム末尾検知状態でフイルム末尾を切断するカツタ
と、移動台へのパトローネ装填時に前記移動台を
外部に開放すると共に前記挾持搬送ローラを開放
するカバーと、を有し前記フイルム末尾の切断時
における移動台の付勢による戻り動作の停止時に
慣性で移動台の前記開放部からパトローネを落下
させる。

このため本発明では、パトローネ内のフイルム
が現像装置へと全て送り込まれた空のパトローネ
は、移動台から直ちに排出可能である。

すなわち、移動台はフイルム末尾のカツタによ
る切断時に、移動台の戻り作動停止で慣性によつ
て移動台から落下される構造にしてあり、パトロ
ーネ内のフイルムが全て現像装置へと送り出され
た後はカツタの切断後に移動台が戻り作動する
と、自動的に移動台から落下するため、新規なパ
トローネを容易に装填することができる。

〔発明の実施例〕

第１，２図には本実施例に係るフイルム供給装
置１０が現像装置１２へと接続された状態が示さ
れている。また第３図にはこの実施例に用いるた
めにパトローネ１４内のリール１５へ巻取つて収
容され、一部が突出したフイルム１６の先端部へ
リーダ１８が取り付けられた構成が示されてい
る。このリーダ１８はフイルム１６と同様に薄肉
可撓性材料で形成されており、幅方向中央部には
長手方向に沿つて複数の被駆動用スプロケツト開
口２０が形成されている。

この被駆動用スプロケツト開口２０には一対の
フイルム１６がそれぞれ接着テープ２２により互
いに平行に接続されている。

第１図に示されるフイルム供給装置１０では移
動台２４が設けられてパトローネ１４の載置用と
なつている。またこの移動台２４はパトローネ１
４の載置部の片側にパトローネ１４の現像装置１
２方向への移動を阻止する前壁２４Ａが突出され
ている。

従つて、この移動台２４はフイルム引き出し方
向の反対側（第１図左側）が開放されており、パ
トローネ１４はここから脱落可能となつている。

またこの移動台２４はフイルム供給装置１０の
機台２６へ掛け渡されるガイドバー２８が貫通し
ており、このガイドバー２８に沿つて現像装置１
２から最も離れたストツパ３０へ当接する状態か
らストツパ３２へ接近する状態まで移動可能とさ
れている。またこの移動台２４はストツパ３２と
の間に圧縮コイルばね３４が介在されることによ
り、常にストツパへ当接する状態へと付勢されい
る。またこの移動台２４は、フイルム１６の張力
増大により圧縮コイルばね３４の付勢力に抗して
現像装置１２方向へ移動するが、この移動状態は
リミツトスイツチ３６により検出される構成であ
る。

移動台２４と現像装置１２との間には挟持搬送
ローラ４０，４２，４４が設けられている。挟持
搬送ローラ４０は機台２６へ軸支されると共に、
モータ４６の駆動力を受けて回転し、外周の一部
に設けられるスプロケツト突起４８がリーダ１８
の被駆動用スプロケツト開口２０と噛み合つて、
リーダ１８を現像装置１２へと送り込むようにな
つている。

挟持搬送ローラ４２，４４は挟持搬送ローラ４
０の外周一部へと当接し、リーダ１８及びフイル
ム１６を挟持搬送ローラ４０との間に挟持できる
ようになつている。

このため挟持搬送ローラ４２，４４はフイルム
供給装置１０を覆うカバー５０へ取り付けられて
おり、カバー５０との間に圧縮コイルばね５２が
介在されている。カバー５０はヒンジ５４により
機台２６へ軸支されており、第２図に示される開
放状態では挟持搬送ローラ４２，４４が挟持搬送
ローラ４０と離間して開放し、フイルム装填時に
この挟持搬送ローラ４０と挟持搬送ローラ４２，
４４との間へリーダ１８を挿入できるようになつ
ている。

挟持搬送ローラ４０と移動台２４との間にはカ
バー５０へ固定刃５６が、機台２６へは図示しな
いソレノイドの作動でこの固定刃５６と噛み合う
移動刃５８が取り付けられている。この移動刃５
８はリミツトスイツチ３６が移動台２４の移動状
態を検知すると固定刃５６と噛み合うように構成
されている。

カバー５０には移動台２４へ搭載されたパトロ
ーネ１４の浮き上がりを防止するためにガイドバ
ー５１が取り付けられている。

移動台２４の現像装置１２と反対方向にはシユ
ート６０が設けられて使用後パトローネ１４の落
下用となつている。このシユート６０は傾斜板６
２が交互に配置されており、外部からの光を遮断
してフイルム供給装置１０内へ入らないようにし
ているが、使用後のパトローネ１４を外部に設け
た排棄箱６４内へ収容できるようにしている。

現像装置１２は挟持搬送ローラ４０からフイル
ム１６が送り込まれる挿入開口６６に続いて巻掛
ローラ６８が設けられ、送りこまれるフイルム１
６を現像槽７０内へと案内できるようになつてい
る。この現像槽７０に隣接して図示しない漂白定
着槽、水洗槽、乾燥装置等が設けられてフイルム
１６を処理するようになつている。

次に本実施例の作用を説明する。

フイルムを現像装置１２へと供給するために
は、第２図に示される如くカバー５０をヒンジ５
４を中心にして開放し、挟持搬送ローラ４２，４
４を挟持搬送ローラ４０から離間させる。

ここで第３図に示される如くフイルム１６の先
端へ取り付けたリーダ１８を挟持搬送ローラ４０
上へ載置すると共に、パトローネ１４を移動台２
４上へ載置する。

次にカバー５０を閉止すると、この閉止状態を
検出してモータ４６が作動し、挟持搬送ローラ４
０は挟持搬送ローラ４２，４４との間にリーダ１
８を挟持しつつ現像装置１２へと送り出す。

これによつてリーダ１８は現像装置１２内へ押
し出され現像槽７０内で図示しない駆動スプロケ
ツトによつて引き込まれる。このためリーダ１８
に案内されてフイルム１６も同様に現像槽７０内
へと送り込まれる。

このフイルム１６は現像等の処理が順次行われ
るが、全てのフイルム１６がパトローネ１４から
引き出されると、リール１５へ末尾が固定された
フイルム１６は現像装置１２の駆動力によつて張
力が増大し、パトローネ１４を第１図右方向へと
引張ることになる。このため移動台２４は圧縮コ
イルばね３４の付勢力に抗して移動され、リミツ
トスイツチ３６がこれを検出する。このため移動
刃５８が固定刃５６と噛み合い、フイルム１６の
末尾が切断される。

従つてフイルム１６の張力が作用しなくなつた
パトローネ１４は移動台２４と共に圧縮コイルば
ね３４の付勢力でストツパ３０方向へと急激に移
動しストツパ３０へ接触して停止する。このため
パトローネ１４はその慣性力で移動台２４から落
下し、シユート６０内を通つて排棄箱６４へと落
下する。

ここで作業員は再びカバー５０を開放し、現像
前の新規なフイルム１６が収容されたパトローネ
１４を移動台２４へと載置する。この装填作業時
にはすでに移動台２４にはパトローネ１４が存在
しないので、作業員は迅速にパトローネ１４を装
填してカバー５０を閉止することができる。

次に第４図には本発明の第２実施例が示されて
いる。

この実施例において前記実施例と異なるのは移
動台２４のパトローネ１４を載置する部分が凹部
７２を有している点である。すなわちこの凹部７
２はパトローネ１４が不用意に落下しないように
なつている。すなわち全てのフイルム１６が引き
出された後にフイルム１６の未尾が固定刃５６と
移動刃５８との噛み合いにより切断され、移動台
２４がストツパ３０へ当接するまで復帰した場合
にも、空のパトローネ１４がこの凹部７２へ収容
されており、移動台２４から落下しないようにな
つている。このため作業員は移動台２４上のパト
ローネ１４をシユート６０へと取り出す必要があ
るが、移動台２４は上方が開放されているため、
作業員は容易にパトローネ１４を取り出してシユ
ート６０内へ排棄することができる。

なおこの実施例においては前記実施例における
ガイドバー５１に代えて、プーリ７４，７６へ巻
掛けられる無端体７８が設けられてパトローネ１
４の押圧用となつている。この無端体７８はカバ
ー５０の開放時にはカバー５０と共に上昇されて
パトローネ１４及びリーダ１８の装填を容易にす
るようになつている。

この無端体７８を回転駆動する手段を設けた
り、他の駆動源、例えば挟持搬送ローラ４０から
回転力を受けるようにしてもよい。

〔発明の効果〕

以上説明した如く本発明に係るフイルム供給装
置は、フイルムが収容されたパトローネを載置す
る移動台と、移動台上のパトローネからフイルム
を引き出して現像装置へと送り出す挟持搬送ロー
ラと、前記移動台をフイルム引き出し方向とは反
対の方向に付勢する弾性体と、前記移動台が前記
弾性体の付勢力に抗して移動したフイルム末尾検
知状態でフイルム末尾を切断するカツタと、移動
台へのパトローネ装填時に前記移動台を外部に開
放すると共に前記挟持搬送ローラを開放するカバ
ーとを有し、前記フイルム末尾の切断時における
移動台の付勢による戻り動作の停止時に慣性で移
動台からパトローネが落下されるので、新規なフ
イルムが収容されたパトローネの装填が容易とな
る優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るフイルム供給装置の第１
実施例を示す縦断面図、第２図はカバーの開放状
態を示す断面図、第３図はフイルムへパトローネ
を付けた状態を示す斜視図、第４図は第２実施例
を示す縦断面図である。 １０……フイルム供給装置、１２……現像装
置、１４……パトローネ、１６……フイルム、２
４……移動台、３４……圧縮コイルばね、４０…
…挟持搬送ローラ、４２……挟持搬送ローラ、４
４……挟持搬送ローラ、５０……カバー、５４…
…ヒンジ、７０……現像槽。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ フイルムが収容されたパトローネを載置する
   と共にフイルム引き出し方向の反対方向が開放さ
   れてパトローネがこの開放部から脱落可能とされ
   た移動台と、移動台上のパトローネからフイルム
   を引き出して現像装置へと送り出す挾持搬送ロー
   ラと、前記移動台をフイルム引き出し方向とは反
   対の方向に付勢する弾性体と、前記移動台が前記
   弾性体の付勢力に抗して移動したフイルム末尾検
   知状態でフイルム末尾を切断するカツタと、移動
   台へのパトローネ装填時に前記移動台を外部に開
   放すると共に前記挾持搬送ローラを開放するカバ
   ーとを有し、前記フイルム末尾の切断時における
   移動台の付勢による戻り動作の停止時に慣性で移
   動台の前記開放部からパトローネが落下されるこ
   とを特徴としたフイルム供給装置。