JPH0315088B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はボイラの空気流量制御に係り、特にバ
ーナ個別の空燃比を制御する方法に関する。

従来のボイラ空気流量制御は、第１図に示すよ
うにボイラ１の合計空気流量（検出器５１）を、
ボイラの熱損失、未燃焼分NOxなどを最少にす
るための規定値（目標値）に制御するので、バー
ナ６の個別の空燃比は制御されずに、石炭バーナ
や油とガスの混焼バーナなどの燃焼不安定の要因
となつていた。

即ち、ボイラ１の合計空気重油量（検出器５
２）に応じて、合計空気流量（検出器５１）を押
し込み通風機２（以下FDF）及びFDF入口ダン
パ３により制御するものである。そのため、バー
ナ６の個別の空燃比は制御しないため、バーナ６
の上段と下段、又は午前と午後で燃焼状態が異な
り、最適な燃焼が期待できなかつた。

一方プラント起動時は、ボイラ１の保安上か
ら、空気流量をバーナ６の点火本数の如何にかか
わらず、規定値以上に保つ必要がある。通常は第
４図に示すようにボイラ負荷100％時において、
空気流量は25％以上を常時確保しておかなければ
ならない。バーナの燃焼に寄与しない空気（11と
12のあいだの量）は点火していないバーナのエア
レジスタ（第２図の２３）から逃すことで、燃焼
バーナ６の空気量を過不足なく制御する必要があ
る。

しかし、従来方法は、多数のバーナを一括して
制御するので、バーナの入口共通母管圧力からバ
ーナの合計燃料流量とFDF出口と火炉の差圧か
ら合計空気流量を求め、これより求めた空燃比が
最適になるように制御していた。このため、バー
ナ個別の空燃比は火ならづしも適切に制御されな
いという欠点があつた。

更に従来の方法では、第３図に示すように、空
気流量はバーナ個別の最適空燃比曲線１４に対し
て、上限値１３と下限値１５を設定し、バーナ母
管圧力（燃料流量）に対して、FDF出口と火炉
の差圧が上限値を越えた場合にエアレジスタを開
き、下限値以下になつた場合にエアレジスタを閉
じる、いわゆるON−OFF制御によりバーナの空
気流量を制御している。このため、バーナ部の空
燃比が適正に維持できず、バーナ燃焼不安定とな
り、煙や未燃焼ガスが排出され２次公害を誘発す
る要因となつていた。

本発明の目的は、各バーナの燃焼を安定に維持
するため、数台のバーナ単位に燃焼失を分割して
各々を独立に制御し、バーナ部の最適燃焼を図る
空気流量制御方法を提供することにある。

本発明は、多数のバーナから成る燃焼ボイラに
おいて、バーナ入口で全体の空気流量を制御する
FDF入口ダンパを有し、該FDF入口ダンパを開
閉制御する手段と、所定の台数のバーナを単位と
して燃焼室を分割したコンパートメントを有し、
起動時又は所定の負荷に満たない時には、前記コ
ンパートメントと火炉の差圧から空気流量を、バ
ーナ母管圧力からの燃料流量を計測する手段と、
所定の負荷がかかつている時は、該コンパートメ
ント各々の燃料流量と空気流量とを計測する手段
と、該コンパートメント各々の空気流量を制御す
るコンパートメントダンパを有し、前記コンパー
トメントの空燃比が所定値以上になるように全体
の空気流量に補正を加えながら、該コンパートメ
ントの各ダンパを制御するようにしたものであ
る。

以下本発明の一実施例を第５図及び第６図を用
いて説明する。

ボイラ燃焼系統図（第５図）において、バーナ
６の燃焼部を数台のバーナ単位に分割し、各々の
コンパートメントに空気調整用ダンパ８と空気流
量検出器７及び燃焼流量検出器５３を設けて各コ
ンパートメントの燃料流量に応じた空気流量に制
御する方法としている。

ここで、ボイラ起動時は、バーナ点火本数が少
なく、各コンパートメントの空気流量の計測が難
しいため、コンパートメントと火炉の差圧３７か
ら空気流量を、バーナ母管圧力５４から燃料流量
を関数発生器３２により求めて、この信号を比例
積分器３４により演算して、空気流量調節用ダン
パ８を制御している。この演算は偏差信号が正の
場合は偏差信号に比例ゲインを乗じ、かつ積分演
算を行つてFDF入口ダンパを開くように、負の
場合は入口ダンパを閉じるように操作するように
しているのである。

次に各コンパートメントで空気流量を最適に制
御しても、時間遅れ等に伴つて全体の空気流量が
適切に制御されるとは限らない。ボイラの低負荷
時又は起動時は、FDF入口ダンパ３により、通
常時は全体の空燃比が最適となるように全体の空
気流量を補正しながら、コンパートメント入口ダ
ンパ制御により目標値に維持できるように行う。
第７図に重油流量に対する空気流量の関係を示
す。即ち、各コンパートメントの空気調節用ダン
パは、コンパートメント燃料流量に対して関数発
生器３２で与えられるコンパートメント空気流量
となるように操作されるが、同時にボイラ全体の
空気流量の過不足もこれで操作することができ
る。ボイラ空気流量が不足する場合は、コンパー
トメント空気流量を増加させるように、過剰にな
る場合は、減少させるように補正するのである。

またコンパートメント入口ダンパの制御性を改
善するには、FDF出口圧力を規定値に維持する
必要があり、FDF出口圧力９と信号発生器４１
で設定されるFDF出口圧力設定値との偏差をと
り、低負荷運転中は前記偏差信号の正負によりエ
アレジスタ２３を開閉して制御し、通常負荷時は
偏差信号を比例積分器３４を介してFDF入口ダ
ンパ３を操作することによりFDF出口圧力９を
規定値に制御する。

尚、図中４は重油ポンプ、５は重油流量調節
弁、９はFDF出口ドラフト検出器、１０はコン
パートメント火炉差圧検出器、１６は安定燃焼特
性曲線、３１はバーナ母管圧力、２１はウインド
ボツクス、２２は炉内、３７はコンパートメント
火炉差圧、４０は切替器、４１は信号発生器、４
２は掛け算器、５３はコンパートメント重油流
量、５４はコンパートメントバーナ母管圧力であ
る。

本発明によれば、ボイラ全体の空燃比、及びバ
ーナ個別の空燃比がプラント起動から通常負荷時
まで安定に制御できるので、ボイラの安定燃焼と
プラントの効率向上の効果がある。また、ボイラ
の燃焼が安定して行えるために、負荷変化率の向
上も期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のボイラの燃焼系統図、第２図は
バーナの燃焼部の断面図、第３図は重油バーナの
安定燃焼特性図、第４図はボイラの全体空気流量
競つていず、第５図は本発明のコンパートメント
燃焼ボイラの系統図、第６図は本発明の空気流量
系統図、第７図はボイラの安定燃焼曲線図であ
る。 ７……コンパートメント入口空気流量検出器、
８……コンパートメント入口ダンパ、９……コン
パートメント入口燃料流量検出器、３７……コン
パートメント火炉差圧、５３……コンパートメン
ト重油重量、５４……コンパートメントバーナ母
管圧力。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数のバーナから成る燃焼ボイラにおいて、
   バーナ入口で全体の空気流量を制御するFDF入
   口ダンパを有し、該FDF入口ダンパを開閉制御
   する手段と、所定の台数のバーナを単位として燃
   焼室を分割したコンパートメントを有し、起動時
   又は所定の負荷に満たない時には、前記コンパー
   トメントと火炉の差圧から空気流量を、バーナ母
   管圧力から燃料流量を計測する手段と、所定の負
   荷がかかつている時は、該コンパートメント各々
   の燃料流量と空気流量とを計測する手段と、該コ
   ンパートメント各々の空気流量を制御するコンパ
   ートメントダンパを有し、前記コンパートメント
   の空燃比とボイラ全体の空燃比が所定値以上にな
   るように全体の空気流量の補正を伴つて、該コン
   パートメントの各ダンパを制御する手段を有した
   ことを特徴とするボイラの空気流量制御方法。