JPH0315062Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の属する技術分野） 本考案は視力回復訓練用メメガネ、特に凸レン
ズと併用する補助具を備えた視力回復訓練用メメ
ガネに関する。

（従来技術の説明） 特に近視の視力回復のためあるいは視力回復後
の視力維持のために一定の度数の凸レンズを装用
する訓練が行なわれている。凸レンズにより眼の
異常緊張部分を解きほぐすことができ、かつ狭い
場所でもトレーニングを効率よくすることができ
る点で有効である。すなわち、視力低下は水晶体
を調節する毛様筋の働きが鈍化し、筋力が弱まる
ためである。この筋力をつける為に毛様菌を動か
し、少しでもピント合わせの幅を大きくしなけれ
ばならない。ただ遠くを見るだけでは効果がな
く、近くと遠くを交互に見る必要がある。遠くの
物と近くの物と交互に見ることは、眼球の水晶体
の焦点距離を周囲の毛様筋により調節して、網膜
上に像を結ばせて見ることなので、この繰り返し
動作で毛様筋の筋力を増し、結果的に必要以上の
毛様筋の緊張を緩めることになり、正常に近づ
く。また、実際に遠くの物と近くの物を交互に見
るにはそれだけ広い場所を要するが、凸レンズを
通して見ると、２〜3mの先の物を見るに水晶体
の焦点距離を大きくしなければならないので、遠
方の物を見ると同じ毛様筋の動作となるのであ
る。よつて、狭い場所（室内等の）でトーニング
が効率よく、集中して行なうことができる。

本出願の出願人は実願昭58−142626において、
これらを解決するものとして、複数の小孔を穿設
した不透明遮板を凸レンズとともに固定してなる
眼鏡を提供した。凸レンズ装用の不安感等は充分
に克服することができたが、たくさんの小孔があ
るため目標物以外の周辺のものも見えるので気が
散り、訓練に集中しにくい欠点があつた。

また、片方づつ眼を訓練するには、従来かん子
あるいは眼鏡用遮蔽器等が用いられている。この
かん子を眼に当てるときに、必要以上に強く押し
付けたりして眼球に外力を与え眼の健康を損なう
危険があるほか、訓練中かん子を持つていなけれ
ばならないのでわずらわしいという欠点があつ
た。眼鏡用遮蔽器を用いるときは、検者の操作を
必要とする。

また、遠くの物と近くの物を交互に見て訓練す
るいわゆる遠近法トレーニングを行なう場合、目
標物を遠くと近くに各々設置しなければならなか
つた。

（考案の目的） 本考案の目的は、前記の各欠点を克服し、訓練
中に目標物に集中し易いメガネを提供することに
ある。本考案による第２の目的は、このメガネを
用いる際について上述した種々のわずらわしさを
なくした便利な補助具を提供することである。

（考案の要点） 上記目的を達成するために、メガネレンズ枠内
寸に合せた外形を有し、装用者の左右両眼の概ね
瞳位置にそれぞれ１個の孔を設けた２個の不透明
固定遮板をメガネフレームの左右両眼部分にそれ
ぞれ凸レンズとともに固定して構成した。

本考案による視力回復訓練用メガネには、更
に、回転式遮板を設け、任意に眼鏡の左右のいず
れか一方または必要であれば左右いずれも遮蓑し
ないというような使い方を可能にした。

更に、メガネのブリツジ中央からメガネの前方
に突出した棒を固定し、この棒の先端に目標を設
け、遠近法トレーニングの便とした。

（実施例による説明） 以下図面を用いて本考案を更に詳細に説明す
る。

第１図は本考案による視力回復訓練用メガネの
好適な実施例を示す斜視図である。

メガネフレーム１に凸レンズが嵌められてお
り、レンズの内側にレンズと同外形を有する固定
遮板３が取付けてある。遮板３の中央付近の瞳正
面に位置する部分に丸い孔３ａが設けられてい
る。この遮板３は、黒または暗緑色等の眼に負担
の少ない色であつて、金属またはプラスチツク等
の板で構成される。孔３ａは正面前方の比較的狭
い視界のみを確保しその訓練用目標物のみを正視
できるようにするために設けられており、この目
的のためには、10〜12mmの直径であるこが最も適
当である。

フレーム１の左右のレンズ枠を連結しているブ
リツジ部１ａの中央に軸４が固定されており、こ
の軸４に軸支されてプラスチツク板または金属板
の回転遮板５が凸レンズを覆う様に設けられてい
る。回転遮板５は、軸４を中心に回転さることに
より、左右レンズの一方のみを塞ぐことができ、
また、左右同時に開放することもできる。この状
態を第３図に示す。

回転遮板５も、黒色または暗緑色に着色されて
おり、眼の負担を少なくしてる。この回転遮板５
は、本考案のメガネとの併用に限らず、メガネフ
レームに単独で用いれば、視力測定に用いること
ができる。左右のそれぞれの裸眼の視力や両眼同
時の裸眼の視力測定に非常に便利である。

前記ブリツジ１ａの上面には、小孔１ｂが２個
開けてあり、これに針金を曲げて構成したブラケ
ツト６がブラケツト６ａが差込される形で固定し
てある。このブラケツト６は、先端部６ａをメガ
ネフレーム１の小孔１ｂから引抜くことで取外し
できる。ブラケツト６の他端には、止め管７を介
してアクリル棒８が鼻先に突出して固定されてお
り、細くて軽いアクリル棒８の先端には、止め管
９を介して目標１０が設けられており、目印の赤
丸マーク１０ａが付いており、輻湊近点目標を構
成している。この目標１０と別に装用者から２〜
3mの位置に置かれるランドルト環、数字等の表
示をしたものとを交互に見ることにより、遠近法
トレーニングが可能となる。

第２図には固定遮板３のみを示し、第３図は両
眼開放状態を示している。第４図は、輻湊近点目
標をブラケツト６ごとメガネから外した状態を示
している。

（考案の効果） 片眼づつの訓練時、かん子等の塞ぐ物を別途用
意する必要がないので、片眼訓練がしやすい上
に、かん子等で眼球に外力をかける危険が全くな
く、安全である。

固定遮板に設けられている孔は、左右各々１個
であり、正面視界のみ確保され訓練目標物以外の
余計な物が見えないので訓練に集中でき、効果が
一層上がる。

輻湊近点が左右の眼について同一となるので、
両眼のトレーニングの効果を平均化できる。よつ
て、悪い方の眼を集中的にトレーニングしやすい
上に、輻湊近点が左右でずれる心配がないので、
訓練に集中できやすく、訓練時のかん子使用のわ
ずらわしさからも解放され遠近法訓練の効果を従
来のものより非常に高めることが容易となつた。

凸レンズを使用し狭い室内でも訓練が有効にで
きる点は従来の物と全く同じである。

検眼時、片方づつの視力、両眼同時使用での視
力共測定し易い。以上、多くの利点の相乗効果に
より訓練効果を格段に高めることができるメガネ
となつた。

従来のものに比して、扱い易く、訓練に集中し
やすく安全なので、幼児等に特に有効である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による視力回復訓練用メガネの
好適な実施例を示す斜視図である。第２図は固定
遮板３のみを示す図であり、第３図は固定遮板の
両眼開放状態を示す斜視図である。第４図は、輻
湊近点目標をブラケツト６ごとメガネから外した
状態を示す図である。 １……メガネフレーム、１ａ……ブリツジ部、
１ｂ……小孔、２……凸レンズ、３……固定遮
板、３ａ……孔、４……軸、５……回転遮板、６
……ブラケツト、６ａ……ブラケツト先端、７…
…止め管、８……アクリル棒、９……止め管、１
０……目標、１０ａ……赤丸マーク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. メガネレンズ枠内寸に合わせた外形を有し、装
   用者の左右両側の概ね瞳位置にそれぞれ１個の孔
   を設けた２個の不透明固定遮板をメガネフレーム
   の左右両側レンズ枠内にそれぞれ凸レンズと重ね
   て固定し、前記メガネのブリツジ中央で前記メガ
   ネ前方に突出した棒の先端に目標を設け、前記ブ
   リツジ中央に前記メガネレンズ面に垂直方向の軸
   を設け、前記軸を中心に回転可能な不透明体回転
   遮板を取付け、これにより左右のレンズを交互に
   覆うように構成したことを特徴とする視力回復訓
   練用メガネ。