JPH0314906B2 - - Google Patents

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JPH0314906B2
JPH0314906B2 JP58150348A JP15034883A JPH0314906B2 JP H0314906 B2 JPH0314906 B2 JP H0314906B2 JP 58150348 A JP58150348 A JP 58150348A JP 15034883 A JP15034883 A JP 15034883A JP H0314906 B2 JPH0314906 B2 JP H0314906B2
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JP
Japan
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sputtering
target
film
vacuum
torr
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JP58150348A
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JPS6043481A (ja
Inventor
Koichi Suzuki
Fuiritsupu Hoson Ronarudo
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Publication of JPS6043481A publication Critical patent/JPS6043481A/ja
Publication of JPH0314906B2 publication Critical patent/JPH0314906B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、改良されたスパツタリング法に関す
るものである。
基体表面に薄膜を形成する方法として、真空蒸
着法、スパツタリング法、イオンプレーテイング
法等のPVD法が知られている。この中でスパツ
タリング法は、真空蒸着法に比べて付着粒子が高
い運動エネルギーを持つているため基板面への付
着力の優れた被膜を得ることができるという反
面、付着速度が遅いという欠点を有していた。か
かる欠点の改善されたスパツタリング法として、
蒸発源としてのターゲツトに特殊な磁界を加え、
電子をその磁場の中に閉じ込め、電源効率を上げ
てプラズマ密度を高めることにより高付着速度と
高付着力が得られる様にしたマグネトロンスパツ
タリング法が出現し、広く工業的に利用されつつ
ある。しかしながら、マグネトロンスパツタリン
グ法においても基板を高くできない場合には、作
製する膜の種類によつては充分な付着力が得られ
ないという欠点があつた。例えば、TiO2膜、
TiN膜、TiC膜等のTi化合物膜、SiO2、Si3N4
SiC等のSi化合物膜の場合には、付着強度及び膜
特性の優れた膜を得ることが困難であつた。又、
スパツタリング法の中で反応性直流スパツタリン
グ法の場合、例えば従来の反応性直流スパツタリ
ングの場合には、必要とされる作業圧力は10-2
10-1Torrの真空下において、又反応性直流マグ
ネトロンスパツタリングの場合には10-3Torr台
であつたが、この様な真空下では基板を加熱する
ことなしでは所望の膜特性、膜仕様を有する被膜
が得られる様にスパツター条件をコントロールす
ることも非常に難しいという欠点や、高い付着速
度が得られないという欠点があつた。
本発明は、かかる欠点を改善し、一層優れた膜
特性と付着力の高い付着速度とを有し、更にスパ
ツター条件のコントロールの容易なスパツタリン
グ法を提供することを目的として種々研究の結果
得られたものであり、その第1の発明の要旨は、
高真空下においてターゲツトを構成する物質をマ
グネトロンスパツターさせ、基体の被着面にスパ
ツター粒子を被着させて被膜を形成するスパツタ
リング法において、ターゲツトからマグネトロン
スパツターされたスパツター粒子を高周波プラズ
マ中に通して励起させ、かつ高周波プラズマを付
与することにより作業圧力を10-4Torr台に下げ、
プラズマを安定させることを特徴とする活性化ス
パツタリング法に関するものであり、その第2の
発明の要旨は、真空槽、該真空槽内に低圧気体を
導入するための装置、該真空槽内に配置される陰
極となるターゲツト、該真空槽内に上記ターゲツ
トと対向して設けられた陽極、上記ターゲツトと
陽極との間に高電圧を印加するための電源、及び
上記高電圧による電界と直交する磁場を上記ター
ゲツト近傍に発生する磁場手段とを含むスパツタ
リング装置において、上記陽極とターゲツトとの
間に高周波プラズマを発生させる高周波プラズマ
励起用コイル又はリングを配置したことを特徴と
するスパツタリング装置に関するものである。
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、高真空下でターゲツトを構成
する物質をスパツターさせ、基体の被着面にスパ
ツター粒子を被着させて被膜を形成するスパツタ
ー法としては、放電を起こさせるための混入ガス
がスパツターしたときスパツター粒子とは反応し
ない物理スパツタリング法や、混入ガスとスパツ
ターした粒子とを化学反応させ、所定の酸化物、
窒化物、硫化物、炭化物、その他各種の被膜を生
成せしめる反応性スパツタリング法(化学スパツ
タリング法)などが適用される。又、ターゲツト
の表面からターゲツトの原子を叩き出すための陽
イオンを発生させるための方式としては、陽極と
陰極とを対向させ、アルゴン等の不活性ガスを導
入して、陽極と陰極との間に直流電圧、交流電
圧、高周波電圧を加えて、放電を起こさせ、陽イ
オンを発生させる方式などが利用できる。例え
ば、陰極を構成するターゲツトが導電性の場合に
は、極間に直流電圧、交流電圧又は高周波電圧を
加え、又、ターゲツトが絶縁性の場合には、高周
波電圧が加えられる。
本発明においては、上記した各種スパツタリン
グ法において、スパツター粒子の運動エネルギー
を高め、活性化を計るために、基体が配される陽
極とターゲツトの間に高周波プラズマ励起用コイ
ル又はリングを配置し、この高周波コイル又はリ
ングによつて発生されるプラズマ中をスパツター
粒子が通過して基体の被着面に到達する様にす
る。この高周波コイル又はリングは陽極とターゲ
ツト(陰極)との間であればよいものであるが、
好ましくはターゲツト側に近づけて、更に好まし
くは局在化したターゲツトのプラズマの外側に配
するのが最適である。なお、高周波コイル又はリ
ングを基体に近づけすぎると、高周波プラズマに
よる基板温度の上昇が無視できなくなるため、プ
ラスチツクの様な耐熱性のない基体にスパツター
する場合には、基体からなるべく離す方が好まし
い。
かかる本発明のスパツタリング方法は、作業圧
力が低くても(例えば10-3Torr台)スパツタリ
ングによる膜形成ができ、付着速度が著るしく大
きく、又、基体の温度上昇が少ないというマグネ
トロンスパツターの利点に加えて、安価な金属タ
ーゲツトを用いて化合物膜の合成が可能という利
点も有する直流マグネトロンスパツター方式にお
いて、更に高性能の膜が得られるので特に最適で
ある。
又、本発明において、プラズマ励起用高周波コ
イルにより導入される高周波プラズマは、高周波
コイルの中心でもつともプラズマ密度が大きく、
従つて基体とターゲツトの間に付加されたプラズ
マは反応性ガスあるいはスパツターされた粒子の
イオン化、活性化を促進し、一層反応性向上に寄
与する。
又、1×10-4Torr台の高真空でスパツターが
可能であるため、ターゲツトと基体との間の距離
を大きくとることができ、大面積の基体の被着面
への膜形成を均一な膜厚分布をもつて行なうこと
ができる。
次に本発明を、その具体例に係る第1図のスパ
ツター装置に従つて説明する。
第1図は、本発明の一具体例に係るマグネトロ
ンDCスパツタリング装置の概略を示したもので
あり、1は真空槽、2は被膜を形成する基体、3
は形成する被膜に応じて適宜選択された物質から
なるターゲツト、4はターゲツトに直流電圧を加
え、直流スパツタリングを行なわしめるための直
流電源、5は基板を加熱するための加熱ヒータ
ー、6はスパツタリング・ガスを導入するための
リーク・バルブ、7は真空槽1内を高真空にする
ためのメイン・バルブ、8はターゲツト図に点線
に示したような湾曲した磁場、即ち、その一部
が、ターゲツトと陽極(基板)との間に印加され
る高電圧による電界と直交する磁場成分(=ター
ゲツトと平行な磁場成分)を与えるようなに磁場
を加えるための磁石、9は基体2とターゲツト3
の間に配され、高真空での放電を維持、安定化
し、更にターゲツトからのスパツタリング原子を
活性化するための高周波プラズマ励起用コイル、
10は真空計、11は基体を高周波バイアスする
ための高周波電源、12は基板を直流バイアスす
るための直流電源、13はシヤツターを示す。こ
の装置により基体の被着面に被膜を形成するに当
つては、まず所定の基体2とターゲツト3とを真
空槽1内の所定位置に配置し、真空槽1内の排気
を行なう。次いで、真空槽1内を充分に高真空を
引いた後、リークバルブ6からスパツタリングガ
スを導入し、所定の真空度とする。次いでターゲ
ツトに所定の直流電圧を印加し、ブレスパツタリ
ングを行なつた後、高周波コイルに高周波電圧を
印加し、高周波プラズマ領域を形成し、高真空で
の放電を維持、安定化するとともに、スパツター
粒子を上記高周波プラズマ領域に通して活性化
し、基体面に被着させる。かかるスパツター装置
により被膜を形成するに当つて、被膜の付着速度
は、磁石8に投入する直流電圧のパワーによりコ
ントロールされ、スパツター粒子を励起するエネ
ルギー、即ち高周波プラズマ領域のプラズマ密度
(あるいはイオン化率)は、高周波コイルに投入
される高周波電力によりコントロールされ、又、
基体に入射するイオン化されたスパツター粒子の
エネルギーは、基体へのバイア電圧(電導膜の場
合には直流バイアス、絶縁膜の場合には高周波バ
イアス)によりコントロールされる。つまり、こ
れらの3つのパラメータを独立にコントロールす
ることにより、膜特性の改善及び最適化が可能と
なる。第1図に示したスパツター装置は、電導性
及び絶縁性の膜の両方が形成できる様に陽極に直
流電圧及び高周波電圧を印加する様にした例であ
る。形成する膜が絶縁性の場合には、陽極に高周
波電圧を印加してもよく、又、電導性の場合には
高周波電圧でも直流電圧でもよい。又、第1図で
は、高周波プラズマを発生させる装置として高周
波プラズマ励起用コイルを用いる例について説明
したが、高周波プラズマ励起用リングも高周波プ
ラズマを発生させる装置として同様に使用するこ
とができる。
本発明は、上記した様に10-4Torr台でのスパ
ツターが可能なので、粒子の平均自由行程が装置
のサイズ以上となるためプラズマ空間内での粒子
の非弾性衝突やダークスペース内での電荷交換衝
突がほとんどなく、従つてスパツター粒子の高い
運動エネルギーが維持され、かつ、イオン/中性
粒子の比が大きく、基板表面上での高い反応性と
表面移動度が得られ、その結果高性能の化合物薄
膜が得られるという利点が発揮される。また、反
応性の直流又は高周波スパツタリングでは10-3
10-2Torrの真空度で、又、反応性の直流又は高
周波マグネトロンスパツタリング法では
10-3Torr台の比較的低真空度で膜形成を行なわ
なければならず、この様な低真空領域では所定の
膜特性を得るためのスパツター条件のコントロー
ルが困難であつたが、本発明によれば空間中での
粒子の衝突がほとんど無視できる10-4Torr台の
高真空でスパツター可能であり、かつ粒子が活性
化されているので、上記した様な反応性スパツタ
リング法においても10-4Torr程度の高真空下で
充分な膜の付着力と付着速度を維持したまま高性
能の膜形成が可能となり、又、高真空下のため膜
形成の条件のコントロールが容易となる。従つ
て、酸化物、窒化物、炭化物、硼化物等の膜を形
成するに当り、これら化合物のターゲツトを用い
てスパツタリングして膜を形成する方法よりもス
パツター条件のコントロールが非常に難しいが、
高付着速度で高性能の膜が得られるとされている
金属ターゲツトを用いて反応ガスの含まれた雰囲
気中反応スパツタリングする方法に対し、本発明
は効果的に適用できる。
更に詳しく説明すれば、反応性スパツタリング
法により高性能の膜を形成する場合、膜物性はタ
ーゲツトの酸化状態、つまり酸素分圧に大きく依
存するため、ターゲツトの表面が金属に近い状態
である方が好ましく、それによりスパツター速度
も大きく、高い付着速度が得られる高性能の膜を
得るに必要とされる最適のO2分圧がターゲツト
表面で金属状態から酸化状態への遷移領域にある
ため、かかるターゲツト表面の金属状態の維持が
10-3Torr台の比較的低真空では非常に困難であ
る。例えば、わずかの酸素分圧の増加により、タ
ーゲツト表面に酸化物層が形成され、この酸化物
層が形成されると、そのスパツターレートが小さ
いために基体での反応に必要とされる酸素量が減
り、真空槽内への酸素導入量が一定であると酸素
分圧が増加することになり、そしてターゲツトの
表面は完全に酸化されてしまい、スパツターレー
トは一層小さくなる。これに対し、真空槽内の酸
素分圧がわずかに減少した場合には、上記したこ
とと逆のことが起こり、吸収のある低級酸化物あ
るいは金属膜が基体に付着することになる。上記
した様なターゲツト表面の状態の不安定性は、真
空槽の圧力を10-4Torr台の高真空にすることに
より解決される。なお、10-4Torr台でのスパツ
ターの後に得られるターゲツトの表面は、いつも
均一で金属状態であり、ターゲツト表面への酸化
物膜の形成は全く認められなかつた。
なお、10-4Torr台の高真空でのスパツターの
場合には、プラズマ密度が低下するためスパツタ
ーレートが低下するという傾向があるが、本発明
によればスパツター粒子のエネルギーが高く高周
波プラズマイオン化率も高く、又、ターゲツト表
面が金属状態のため、高付着速度を維持できると
ともに、高い付着力も得られる。
又、10-4Torr台の高真空下でのスパツタのも
う一つの大きな特徴は、スパツターされた粒子の
平均自由行程が広くなるため、スパツターガスあ
るいは反応ガスとの非弾性衝突がほとんど無視で
き、そのためスパツターされた粒子は高いエネル
ギーをもつて基体の被着面に入射する。又、かか
る高真空下では、基板直前のダークスペース内で
の電荷交換衝突がほとんど無視できることから、
高周波プラズマによりイオン化され、加速された
イオンが中性化されずにそのまま基板に入射する
と考えられ、イオン/中性粒子の比が通常のスパ
ツターに比べて高くなることも考えられる。これ
らの効果により、基体の被着面上でのスパツター
原子の表面移動度及び反応性が増し、通常のスパ
ツターでは得られなかつた高性能の膜形成が可能
となる。
例えば、TiターゲツトからTiO2膜を従来の反
応性直流マグネトロンスパツタリング法により成
膜する時には、スパツターガスとしてアルゴンと
酸素の混合ガスを用いるが、膜特性は第2図に示
したようにターゲツトの酸化状態、つまり酸素分
圧に大きく依存する。高屈折率のTiO2膜が得ら
れる酸素濃度は基体に金属が付着しない範囲で、
なるべく少なくする必要があり、それは放電の状
態(プラズマの色、電圧電流特性など)から判断
される。第2図はこの様な値に酸素分圧を維持し
てスパツターした場合の圧力依存性を示している
(スパツター条件;ターゲツト直流電圧)。即ち、
同図から明らかな様に1×10-1Pa〜2×10-1Pa
(7.5×10-4Torr〜1.5×10-1Torr)の真空度では
被着速度が38Å/分〜44Å/分で、又、TiO2
有に近い屈折率2.36〜2.40が得られるのに対し、
2×10-1Pa〜10×10-1Pa(1.5×10-3Torr〜7.5×
10-2Torr)の真空度では被着速度が28Å/分〜
36Å/分と低く、又、屈折率も2.27以下と低くな
ることが認められる。
これに対し、TiターゲツトからTiO2膜を本発
明の高周波プラズマ励起の反応性マグネトロンス
パツタリング法により成膜する時には、第4図の
様に4×10-2Pa〜6×10-2Pa(3×10-4〜4.5×
10-4Torr)の真空度で、被着速度が85Å/分〜
94Å/分で、又、TiO2固有に近い屈折率2.40〜
2.43が得られるのが認められる(ターゲツト電
流;720mA)。
前述した従来の反応性マグネトロンスパツタリ
ングにおいて、高品質の膜を得ることができる
10-3torr〜10-2torrの真空度では、酸素分圧のコ
ントロールが難しいのに対し、後述した本発明の
方法において高品質の膜を得ることができる3×
10-4〜4.5×10-4torrの真空度では、酸素分圧のコ
ントロールが容易となる。
上記した様に、本発明によれば、スパツター条
件のコントロールが容易で、かつ高品質の膜を速
い付着速度で得ることができる反応性スパツタリ
ング法が利用できるので、従来において比較的高
品質で高付着速度をもつて膜形成をすることが困
難であつたTiO2膜、TiN膜、TiC膜等のチタン
化合物膜、あるいは、SiO2膜、Si3N4膜、SiC膜
等のシリコン化合物膜、ZrO2、ZrN、ZrC等のジ
ルコニウム化合物膜、あるいはHfO2、HfN、
HfC等のハフニウム化合物膜等の化合物膜を容易
に得ることができる。
例えば、上記したようなチタン化合物膜のうち
TiN膜を本発明の方法により形成する場合の例
について説明すれば、反応性マグネトロンDCス
パツター方法を利用する場合には、アルゴンと酸
素と混合ガスにかえて、アルゴンと窒素の混合ガ
スを用い、前述したスパツター条件とほぼ同じよ
うなスパツター条件でTiN膜を形成できる。又、
TiC膜の場合には、アルゴンとメタン(又はエタ
ン、エチレン、アセチレン等)ガスの混合ガスを
用い、同様な条件下でTiC膜を形成できる。
次に本発明の実施例について説明する。
実施例 1 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで
洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75
mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DC
スパツター装置の真空槽内にターゲツトとの距離
が14cmとなる様に配置した。上記ターゲツトとし
ては、純度99.9%、直径202mm、厚さ5mmの金属
チタン円板を用いた。又、高周波プラズマ励起用
コイルはターゲツトとガラス板の間に該ガラス板
の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。
真空槽内を1×10-5Torr以下に脱気した後、
アルゴンガスを10-3Torr台までリークバルブに
より導入し、次いでターゲツトに−400〜500Vの
直流電圧を印加してターゲツトの放電を開始さ
せ、1〜2分のプレスパツターによりターゲツト
表面を金属状態とし、次いで高周波コイルに50〜
100Wの高周波電圧を投入して高周波プラズマを
発生させた後、圧力を2.7×10-4Torrまで下げ、
次いで窒素ガスをバリアブルリークバルブより導
入して、3×10-4Torrにコントロールし、ター
ゲツト電圧を調整して電流を720mAとし、その
後シヤツターを開いて約100Å/分のスパツター
速度で8分間スパツタリングを行い、ガラス板面
上に膜厚800Åの金色反射色の高性能なTiN膜を
形成した。
得られたTiN膜の赤外反射率(5μmの波長で)
は約90%で、バルクの特性に近いものが得られ
た。
又、この分光特性を測定した結果を第5図の曲
線A(反射率の曲線)、曲線B(透過率の曲線)の
通りであつた。
実施例 2 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで
洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75
mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DC
スパツター装置の真空槽内にターゲツトとの距離
が14cmとなる様に配置した。上記ターゲツトとし
ては、純度99.9%、直径202mm、厚さ5mmの金属
チタン円板を用いた。又、高周波プラズマ励起用
コイルはターゲツトとガラス板の間に該ガラス板
の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。
真空槽内を1×10-5Torr以下に脱気した後、
アルゴンガスを10-3Torr台までリークバルブに
より導入し、次いでターゲツトに−400〜500Vの
直流電圧を印加してターゲツトの放電を開始さ
せ、1〜2分のプレスパツターによりターゲツト
表面を金属状態とした後、高周波コイルに50〜
100Wの高周波電力を投入して高周波プラズマを
発生させた後、圧力を2.7×10-4Torrまで下げ、
次いで窒素ガスをバリアブルリークバルブより導
入して3×10-4Torrにコントロールし、ターゲ
ツト電圧を調整して電流を720mAとし、その後
シヤツターを開いて約100Å/分のスパツター速
度で2.5分間スパツタリングを行ない、ガラス板
面上に膜厚250Åの金色反射色で半透明なTiN膜
を形成した。
得られたTiN膜の可視光線透過率は32%で、
かつ赤外線反射率(5μmの波長で)は62%であ
り、熱線反射膜として好ましい性能を有した膜が
得られた。又、この分光特性を測定した結果は、
第5図の曲線C(反射率の曲線)、曲線D(透過率
の曲線)の通りであつた。
実施例 3 実施例2と同じ方法により厚さ50μの透明なポ
リエステルフイルム面にTiN膜を形成したとこ
ろ、実施例2と全く同じ性能を有したTiN膜が
得られた。
実施例 4 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで
洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75
mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DC
スパツター装置の真空槽内にターゲツトとの距離
が14cmとなる様に配置した。上記ターゲツトとし
ては、純度99.9%、直径202mm、厚さ5mmの金属
チタン円板を用いた。又、高周波プラズマ励起用
コイルはターゲツトとガラス板の間に該ガラス板
の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。
真空槽内を1×10-5Torr以下に脱気した後、
アルゴンガスをオートマチツクガスフローコント
ローラーを通して10-3Torr台まで導入し、次い
でターゲツトに−400〜500Vの直流電圧を印加し
てターゲツトの放電を開始させ、1〜2分のプレ
スパツターによりターゲツト表面を金属状態とし
た後、高周波コイルに50〜100Wの高周波電力を
投入して高周波プラズマを発生させた後、圧力を
2.7×10-4Torrまで下げ、次いで酸素ガスをオー
トマチツクガス圧力コントローラーを通して導入
し、3×10-4Torrにコントロールして、ターゲ
ツト電流を720mAとし、その後シヤツターを開
いて約100Å/分のスパツター速度で4分間スパ
ツタリングを行ない、室温においてガラス板面上
に膜厚400Åの透明なTiO2膜を形成した。
得られたTiO2膜の6328Åでの屈折率は2.43で
あり、非常に硬くて付着力が強く、高温基体面に
形成した膜と遜色ない性能を有した膜が得られ
た。
実施例 5 実施例4と同じ方法により厚さ2mmの透明なポ
リカーボネート板面にTiO2膜を形成したところ、
実施例4と全く同じ性能を持つたTiO2膜が得ら
れた。
実施例 6 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで
洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75
mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DC
スパツター装置の真空槽内にターゲツトとの距離
が14cmとなる様に配置した。上記ターゲツトとし
ては、純度99.0%、直径202mm、厚さ5mmの金属
チタン円板を用いた。又、高周波プラズマ励起用
コイルはターゲツトとガラス板の間に該ガラス板
の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。
真空槽内を1×10-5Torr以下に脱気した後、
アルゴンガスを10-3Torr台までオートマチツク
ガスフローコントローラーにより導入し、次いで
ターゲツトに−400〜500Vの直流電圧を印加して
ターゲツトの放電を開始させ、1〜2分のプレス
パツターによりターゲツト表面を金属状態とした
後、高周波コイルに50〜100Wの高周波電力を投
入して高周波プラズマを発生させた後、圧力を
2.7×10-4Torrまで下げ、次いでメタンガスをバ
リアブルリークバルブより導入して3×
10-4Torrにコントロールし、ターゲツト直流電
流を720mAとし、その後シヤツターを開いて約
100Å/分のスパツター速度で10分間スパツタリ
ングを行ない、ガラス板面上に膜厚1000ÅのTiC
膜を形成した。このTiC膜をXPS(X−ray
Pboto−electron Spectroscopy)によりその組
成を分析した結果、表面は空気中に晒されたとき
に形成された酸化物に覆われているものの、内部
はTi/Cの比が1:1の化学量論的な状態であ
ることが確認された。
実施例 7 中性洗剤で洗浄し、水ですすぎ、エタノールで
洗浄した後、乾燥したガラス板(寸法:75mm×75
mm×2mm)を第1図に示したマグネトロン型DC
スパツター装置の真空槽内にターゲツトとの距離
が14cmとなる様に配置した。上記ターゲツトとし
ては、純度99.999%、直径100mm、厚み5mmの多
結晶シリコン板を用いた。又、高周波プラズマ励
起用コイルはターゲツトとガラス板の中間に該ガ
ラス板の被着面と6cmの間隔をおいて配置した。
真空槽内を1×10-5Torr以下に脱気した後、
アルゴンガスを10-3Torr台までオートマチツク
フローコントローラーにより導入し、次いでター
ゲツトに−400〜500Vの直流電圧を印加してター
ゲツトの放電を開始させ、1〜2分のプレスパツ
ターによりターゲツト表面を金属状態とした後、
高周波コイルに50〜100Wの高周波電力を投入し
て高周波プラズマを発生させた後、圧力を2.7×
10-4Torrまで下げ、次いで酸素ガスをバリアブ
ルリークバルブより導入して3×10-4Torrにコ
ントロールし、ターゲツトの直流電流を720mA
にコントロールし、その後シヤツターを開いて約
100Å/分のスパツター速度で4分間スパツタリ
ングを行ない、ガラス板面上に膜厚400Åの透明
なSi3N4膜を形成した。
得られたSi3N4膜の屈折率は6328Åの波長で2.0
であり、バルクの屈折率に等しく、しかも可視光
全体で吸収がなく透明で、XPSによる膜組成の
分析結果も表面は20〜50Å程度の酸化物膜で覆わ
れているものの、内部はほぼSi:Nの比が3:4
の化学量論的な組成となつていることが確認され
た。
なお、蒸発粒子を高周波放電中でイオン化し、
基板に直流電圧を印加して形成された直流電界に
よりイオン化された蒸発粒子を加速し、加速され
た蒸発粒子を基板の被着面に衝突させて付着力及
び付着速度を高めた高周波イオンプレーテイング
方法も知られているが、本発明の方法とは、根本
的に異なつている。上記の方法は、抵抗加熱ある
いは電子線加熱等による蒸着に基づいているもの
であるのに対し、本発明は、スパツタリング装置
の改良に関するものである。スパツタリングは、
それ自体放電を利用しており、蒸着などに比べ、
付着粒子のほとんどが2桁以上の高いエネルギー
を有しており、膜形成機構も根本的に異なつてい
る。したがつて、エネルギーがもともと高いた
め、直流電圧を基板に印加する必要性もない。高
周波イオンプレーテイング法では、蒸着粒子の一
部のみがイオン化され、その一部のみが直流バイ
アスにより加速される。絶縁基体へ絶縁膜を形成
する場合には、チヤージアツプのため効果がなく
なるが、本発明の高周波励起スパツターの場合に
は、もともと高エネルギーのため問題がないもの
である。
本発明の方法は、高周波イオンプレーテイング
法に比べ安価な金属ターゲツトが使え、また連続
コーテイングが可能であり、大面積基板へのコー
テイングも容易であり、更にプラスチツクフイル
ムなど、室温基板に高性能の膜が連続的に形成で
きる利点を持つている。
以上に説明したように、本発明は従来のスパツ
タリング装置の基板(陽極)とターゲツト(陰
極)との間に高周波プラズマ励起用コイル又はリ
ングを挿入するだけで済むので、大巾なスパツタ
リング装置の改造は必要なく、又、膜特性の向
上、放電の安定化及び付着速度を高めることがで
き、工業上極めて有益である。又、本発明の装置
によれば、ターゲツトへの電圧の印加を止め、プ
ラズマ励起用高周波コイルによる高周波放電に基
板を露すことにより、スパツター前の基板の被着
面のクリーニングも行なうことができ、形成膜の
基板への付着力を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の装置の一例を示したスパツ
ター装置の概略図、第2図は、スパツター雰囲気
の酸素分圧の膜の屈折率、被着速度及びターゲツ
ト電圧に対する依存性を示す関係図、第3図は従
来のスパツター方法において真空度が屈折率に及
ぼす影響及び真空度が被着速度に及ぼす影響を示
す関係図、第4図は本発明の方法において真空度
が屈折率に及ぼす影響及び真空度が被着速度に及
ぼす影響を示す関係図、第5図は本発明の方法に
より得られたTiN膜の分光特性図を示す。 1……真空槽、2……基体、3……ターゲツ
ト、4……直流電源、5……加熱ヒーター、6…
…リークバルブ、7……メイン・バルブ、8……
磁石、9……高周波プラズマ励起用コイル、10
……真空計、11……高周波電源、12……直流
電源、13……シヤツター。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 高真空下においてターゲツトを構成する物質
    をマグネトロンスパツターし、基体の被着面にス
    パツター粒子を被着させて被膜を形成するスパツ
    タリング法において、ターゲツトからマグネトロ
    ンスパツターされたスパツター粒子を高周波プラ
    ズマ中に通して励起させることを特徴とするスパ
    ツタリング法。 2 1×10-5〜1×10-3Torrの真空下において
    反応性スパツタリングを行なわせしめ被膜を形成
    することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    のスパツタリング法。 3 1×10-5〜1×10-3Torrの真空下において、
    チタンよりなるターゲツトを反応性ガスを含んだ
    雰囲気中でマグネトロンスパツターし、チタン化
    合物被膜を形成することを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のスパツタリング法。 4 チタン化合物被膜がTiO2膜、TiN膜、TiC
    膜、又はこれらの少なくとも2つ以上からなる複
    合膜であることを特徴とする特許請求の範囲第3
    項記載のスパツタリング法。 5 真空槽、該真空槽内に低圧気体を導入するた
    めの装置、該真空槽内に配置される陰極となるタ
    ーゲツト、該真空槽内に上記ターゲツトと対向し
    て設けられた陽極、上記ターゲツトと陽極との間
    に高電圧を印加するための電源、及び上記高電圧
    による電界と直交する磁場を上記ターゲツト近傍
    に発生する磁場手段とを含むスパツタリング装置
    において、上記陽極とターゲツトとの間に高周波
    プラズマを発生させる高周波プラズマ励起用コイ
    ル又はリングを配置したことを特徴とするスパツ
    タリング装置。 6 スパツタリング装置が直流マグネトロンスパ
    ツタリング装置であることを特徴とする特許請求
    の範囲第5項記載のスパツタリング装置。
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JPS5435178A (en) * 1977-08-23 1979-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd Ultrafine particle depositing apparatus

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