JPH0314619Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、産業車両等の単動シリンダ（リフト
シリンダ等）への圧油を切り換える操作弁に関す
るものである。

〔従来の技術〕

通常一般の操作弁は、例えば第４図に示すよう
に構成してある。

すなわち、弁本体１のスプール孔２にスプール
３を嵌挿し、そのスプール２の長手方向両側部に
高圧ポート４と低圧ポート５及び第１のポート６
と第２のポート７をそれぞれ形成し、前記スプー
ル３の長手方向両側部に第１の小径部８と第２の
小径部９を形成して、スプール３を一方向に摺動
すると第１のポート６に高圧油が供給され、かつ
第２のポート７が低圧側（ドレーン）に連通し、
スプール３を他方向に摺動すると第２のポート７
に高圧油が供給され、かつ第１のポート６が低圧
側に連通するようにしてある。

かかる操作弁であればシリンダーの伸長室と縮
小室に圧油を供給できるから複動シリンダを伸縮
作動する操作弁として利用できる。

しかしながら、産業車両のリフトシリンダは伸
長室に供給される高圧油で伸長し、自重や負荷に
よつて縮小する単動シリンダであるから、そのリ
フトシリンダに圧油を供給する操作弁は第３図に
示すように構成してある。

すなわち、前述の操作弁における第２のポート
７を盲栓１０で閉塞し、スプール３を第１の小径
部８のみを有する形状として、リフトシリンダ１
１の伸長室１２と第１のポート６を連通し、スプ
ール３を摺動することでリフトシリンダ１１の伸
長室１２に高圧油を供給したり、その高圧油を低
圧側に排出したりしている。

このようにすることで、複動シリンダ用の操作
弁の弁本体１を単動シリンダ用の操作弁の弁本体
として利用できるし、第２のポート７から高圧油
が洩れたりゴミがスプール孔２内に侵入したりす
ることがない。

〔考案が解決しようとする課題〕

かかる操作弁のスプール３はスプリング１３で
中立位置に保持され、ストツパー１４で最大スト
ローク量が規制されるようになり、そのスプール
３を中立位置と最大ストローク位置との中間位置
で止めるには操作者の感覚によつてなされてい
る。

他方リフトシリンダ１１の上昇または下降速度
を小さく保つためにはスプール３のストロークを
小さくして第１のポート６と高圧ポート４、低圧
ポート５の開口面積を小さくすれば良いが、前述
のようにスプール３を中間位置で止めて保持する
のは操作者の感覚によるので、その操作が非常に
やりにくいという問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記の事情に鑑みなされたもので、そ
の目的とするところは、スプールを中立位置と全
ストローク位置との中間位置で保持できると共に
スプールに溝を設けるだけで弁本体側に何らの加
工も必要としないですみ製作が容易になる操作弁
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

上記の目的を達成するために本考案は、弁本体
１の使用していない第２のポート７にプラグ２０
をけ、このプラグ２０にボール２３とスプリング
２４を備えたデテント機構２１を設け、スプール
３にデテント機構２１のボール２３が嵌合される
第１・第２環状溝２５，２６を形成して構成して
ある。

これによつて、スプール３を中立位置から移動
操作してデテント機構２１のボール２３をスプー
ル３の第１・第２環状溝２５，２６の一方に嵌合
してスプール３を中立位置に保持できる。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を第１図、第２図に基づ
いて説明する。なお、従来と同一部材は符号を同
一とする。

弁本体の第２のポート７にはプラグ２０が螺装
してあり、このプラグ２０にデテント機構２１が
設けてある。このデテント機構２１はプラグ２０
に形成した嵌挿孔２２にボール２３とこのボール
２３を付勢するスプリング２４とを収容して構成
してある。また前記スプール３には第１・第２環
状溝２５，２６が形成してあり、該第１・第２環
状溝２５，２６の幅は第２のポート７と高圧ポー
ト４との間隙及び第２のポート７と低圧ポート５
との間隙より小さくなつている。

次に作動を説明する。

第２図に示すようにスプール３を中立位置から
小ストローク上方に移動した時デテント機構２１
のボール２３が第２環状溝２６に入つてスプール
３が中立位置と全ストローク位置との間の中間位
置に保持される。

この状態でポンプ（図示せず）からの圧油は高
圧ポート４から第１のポート６に流れて溝２７に
より絞られる。このためにリフトシリンダ１１は
小さい速度で伸長する。

したがつて、前記スプール３の中間位置保持に
神経を使わずに一定の上昇速度を確保することが
できる。

また、スプール３を中立位置から小ストローク
下方に移動した時前記ボール２３は第１環状溝２
５に入りスプール３を中間位置で保持する。この
ため、リフトシリンダ１１の伸長室１２の油は溝
２８により絞られて低圧側に流出するのでリフト
シリンダ１１は小さい速度で縮小する。

したがつて、前記スプール３の中間位置保持に
神経を使わずに一定の下降速度を確保することが
できる。

〔考案の効果〕

スプール３を中立位置から移動操作してデテン
ト機構２１のボール２３をスプール３の第１・第
２環状溝２５，２６の一方に嵌合してスプール３
を中立位置と全ストローク位置の間の中間位置に
保持できるばかりか、前記デテント機構２１は、
単動シリンダの場合に使用していない第２のポー
ト７を閉塞するプラグ２０に設けるので、スプー
ル３に第１・第２環状溝２５，２６を設けるだけ
で弁本体１側に何らの加工も必要としないですむ
ことになり、通常の複動シリンダ用の操作弁の弁
本体を利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の縦断面図、第２図は
同作用説明図、第３図は従来の操作弁の縦断面
図、第４図は通常の複動シリンダ用の操作弁の縦
断面図である。 １は弁本体、２はスプール孔、３はスプール、
４は高圧ポート、５は低圧ポート、６，７は第
１・第２のポート、２０はプラグ、２１はデテン
ト機構、２３はボール、２４はスプリング、２
５，２６は第１・第２環状溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 弁本体１のスプール孔２にスプール３を嵌挿
   し、この弁本体１の長手方向両側にスプール孔２
   に開口する高圧ポート４と低圧ポート５及び第１
   のポート６と第２ポート７をそれぞれ形成し、前
   記スプール３の長手方向一側部に第１のポート６
   を高圧ポート４、低圧ポート５に連通・遮断する
   第１の小径部８を形成し、そのスプール３をスプ
   リング１３で第１のポート６と高圧ポート４、低
   圧ポート５を遮断する中立位置に保持し前記スプ
   ール３の長手方向他側部に第１・第２環状溝２
   ５，２６を形成し、前記第２のポート７に螺装し
   たプラグ２０に前記第１・第２環状溝２５，２６
   に嵌合するボール２３をスプリング２４でスプー
   ル３に押し付け付勢して設けてデテント機構２１
   とし、 前記スプール３が中立位置の時にボール２３が
   スプール３の第１環状溝２５と第２環状溝２６と
   の中間部分に押し付けられ、スプール３が中立位
   置より移動するとボール２３が第１・第２環状溝
   ２５，２６の一方に嵌合する構成としたことを特
   徴とする操作弁。