JPH0314133Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、外刃体に対し内刃体の内刃を変位す
ることなく着脱し得ると共に外刃に対する内刃の
摺動面積を広くし得る回転式の電気かみそりに関
する。

〔従来の技術〕

回転式の電気かみそりは、本体に着脱可能な外
刃体の内周に、周方向に沿つて内方に突出する環
状段部を形成すると共に、この環状段部に当接す
ると夫々が僅かに内方に偏位し且環状段部を乗り
越えると元に戻る複数の内刃を有する内刃体を設
け、この内刃体を、外刃体の外刃方向に押し入れ
て、内刃を外刃体の環状段部を乗り越えさせて外
刃体に装着し、取り外す場合は、装着とは逆に内
刃を外刃体の環状段部を乗り越えさせて外刃体か
ら引き出す構造となつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、この従来の構造によれば、内刃体を外
刃体に着脱する際に外刃体の環状段部に当接する
内刃体の内刃には無理な力が加わり、変形等によ
り内刃が損傷するばかりでなく、外刃に摺接する
内刃の摺動面積を外刃体の環状段部により制限さ
れて広くできないという問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

前記問題点を解決するために、本考案に係る電
気かみそりは、電動機を内蔵した本体と、一端に
外刃を有し且他端が前記本体に着脱可能で前記外
刃側の内周に周方向に沿う環状溝及び一方がこの
環状溝に開口し、他方が前記本体側に開口する複
数の連通溝を設けた外刃体と、前記電動機の回転
軸に着脱自在で放射方向に複数の案内溝を有する
円盤状の内刃体と、前記案内溝内にその脚部を挿
入すると共にばね圧でその刃部が前記外刃に圧接
され且刃部の外側突出部が前記環状溝内に位置す
る内刃とよりなり前記連通溝は前記刃部の外側突
出部より巾広に構成してなるものである。

〔作用〕

この電気かみそりによれば、電動機の回転軸を
駆動すれば内刃体が回転してひげ剃りを行えるの
は勿論のこと、掃除等を行う場合、外刃体を本体
から取り外すと、外刃体の環状溝内に突出した内
刃の刃部の外側突出部は外刃体の連通溝を通過す
るので、外刃体のみを本体から取り外すことがで
きる。そして、本体側に残された内刃体も本体か
ら取り外すことができる。また、外刃体を本体か
ら取り外す際に前記刃部の外側突出部が外刃体の
環状溝内から外れずに外刃体と一縮に取り外され
たときは、内刃体を回転して内刃の突出部を外刃
体の連通溝に対向させて外刃体から内刃体を取り
出すことができる。

内刃体と外刃体とを本体に装着するには、内刃
体を本体側の回転軸に取り付けてから、内刃体の
夫々の外側突出部を外刃体の連通溝に案内して外
刃体を本体に取り付ければよい。また、予め内刃
の夫々の外側突出部を外刃体の連通溝から環状溝
内へ挿入して、内刃体が挿入された状態の外刃体
を本体に取り付けることもできる。このように内
刃体と外刃体とを本体に取り付ければ、ひげ剃り
を行うことができる。

〔実施例〕

以下本考案の第１実施例を第１図から第４図を
参照して説明する。

図中１は適宜の合成樹脂製本体で、この本体１
は断面略円形の有底筒状をなし内部に電動機２を
有すると共に、この電動機２の回転軸３が本体１
の上壁４の略中央部を貫通し突出している。この
突出した回転軸３の端部は回り止め部５を形成し
ている。そして、突出した回転軸３を囲むように
本体１外周に沿つて管状の取付壁６を突出形成す
ると共に、この取付壁６の内周にはねじ７を設け
ている。

８は筒状の外刃体で、この外刃体８は、一端の
開口部には前記回転軸３に対向して外方へ断面弧
状をなす薄鋼板製の外刃９を有している。この外
刃９は中央部と周縁部とを僅かに残して多数の網
目状の貫通孔を設けている。そして、他端の開口
部には前記本体１の取付壁６のねじ７に螺合する
外周ねじ１０を有している。また、外刃体８の外
刃９側の内周には適宜の幅で周方向に沿う環状溝
１１を設けると共に、その一方がこの環状溝１１
に開口し、他方が前記本体１側に開口する複数の
連通溝１２を設けている。

１３は適宜の合成樹脂製内刃体で、この内刃体
１３は、前記回転軸３に嵌合すると共に回転軸３
の回り止め部５に嵌合して回転軸３と一体となつ
て回転する取り付け孔１４を設けた円筒部１５を
有し、この円筒部１５と一体に前記外刃体８の外
刃９内面に沿つて適宜離間して、断面略弧状をな
すと共に外刃体８の内周よりも小径の略円盤状を
形成している。そして、この内刃体１３には、図
で示す如く略放射状に配置され且内刃体１３を上
下方向に貫通する案内溝１６を設け、これ等各案
内溝１６にその脚部Ａを案内し、上下に移動自在
な複数の薄鋼板製内刃１７を設けている。なお、
この内刃１７は、外刃体８の外刃９の内面に摺接
する刃部１８を有し、この刃部１８は外刃体８の
環状溝１１内と内刃体１３の中央部方向とに突出
する外側突出部１９と内側突出部２０とを形成し
ている。そして、内刃１７は、内刃体１３に設け
たばね２１で常時外刃体８の外刃９方向に付勢保
持されるようになつている。なお、前記円筒部１
５外周には、ローレツト加工等により形成した適
宜の滑り止め手段を施してある。

そして、前記外刃体８の各連通溝１２は内刃１
７の突出部１９よりも広い幅に形成している。そ
して前記連通溝１２はその使用時においては各内
刃１７の外側突出部１９と対向する場合もあるが
必ずしも対向するとは限らない。

この構成においては、電動機２を駆動すると、
この電動機２の回転軸３により内刃体１３が回転
し、この内刃体１３の内刃１７が外刃体８の外刃
９に圧接摺動しているのでひげ剃りを行うことが
できる。そして、掃除等を行う場合、内刃の前記
突出部１９を環状溝１１に対向する状態の時は外
刃体８を本体１から取り外すと、外刃体８の環状
溝１１内に突出している内刃体１３の刃部１８の
外側突出部１９は外刃体８の連通溝１２を通過す
るので、内刃体１３を本体１側に残したまま外刃
体８のみを本体１から取り外すことができる。そ
して、本体１側に残された内刃体１３も本体１か
ら取り外すことができる。また、外刃体８を本体
１から取り外す際に内刃１７の前記外側突出部１
９が連通溝１２に対向していない時は内刃１７の
外側突出部１９が外刃体８の環状溝１１内から外
れない為内刃体１３は外刃体８と一緒に取り外さ
れるが、この場合は外刃体８を内刃体１３と共に
取り外した後内刃体１３を回転して内刃１７の突
出部１９を外刃体８の連通溝１２に対向させて外
刃体８から内刃体１３を取り出すことができる。

内刃体１３と外刃体８とを本体１に装着するに
は、内刃体１３の取り付け孔１４を本体１側の回
転軸３に嵌合して内刃体１３を本体１に取り付け
て、この取り付けた内刃体１３の内刃１７の夫々
の外側突出部１９を外刃体８の連通溝１２に案内
して外刃体８を本体１に取り付ければよい。ま
た、予め内刃１７の夫々の外側突出部１９を外刃
体８の連通溝１２から環状溝１１内へ挿入して、
内刃体１３が挿入された状態の外刃体８を本体１
に取り付けることもできる。このように内刃体１
３と外刃体８を本体１に取り付ければ、ひげ剃り
を行うことができる。

次に本考案の第２実施例を、第１実施例と同一
部分を同一符号で示すと共に第５図および第６図
を参照して、第１実施例と異なる部分のみを説明
する。

図中３１は外刃体、３２は連通溝で、この連通
溝３２を環状溝１１側から外刃体８の他端にかけ
て適宜角度に傾斜して設けると共に、円周溝１１
に対向する傾斜側面Ｂの他端近傍に内刃１７の外
側突出部１９を掛止する掛止部３３を設けてある
点以外は前記第１実施例の構成、作用と同一であ
る。したがつて、この第２実施例でも本考案の所
期の目的を達成できることは勿論であるがこの場
合は外刃体３１を本体１から取り外す際に内刃１
７の外側突出部１９が第５図に示す如く連通溝３
２に直接入り込んでも掛止部３３で内刃体１３を
一旦掛止することができるので、常に外刃体３１
と内刃体１３とを一体にして本体１から取り外し
得るものである。そして内刃体１３を外刃体３１
から外す場合は内刃１７の突出部１９を掛止部３
３から離脱すれば良い。

次に本考案の第３実施例を、第２実施例と同一
部分を同一符号で示すと共に第７図を参照して、
第２実施例と異なる部分のみを説明する。

図中４１は外刃体、４２，４２は掛止突部で、
これ等掛止突部４２，４２は連通溝３２の両側面
の環状溝１１側に夫々環状溝１１内に突出形成し
ている点以外は前記第２実施例の構成、作用と同
一である。したがつて、この第３実施例でも前記
と同様本考案の所期の目的を達成できる。

然し乍らこの実施例においては外刃体４１を本
体１から取り外す際に内刃１７の突出部１９が掛
止突部４２，４２に掛止する場合は勿論のこと連
通溝３２に対向した場合も前記と同様内刃１７の
外側突出部１９が掛止部３３を掛止するから外刃
体４１と内刃体１５とは一体となつて本体１から
取り外し得るものである。この場合も内刃体１３
は前記と同様に外刃体４１から外し得るものであ
る。

〔考案の効果〕

本考案によれば、外刃体に対して内刃体を着脱
する際内刃へ無理な力が加わることがなく、内刃
等の損傷を防止できると共に、外刃体の外刃に摺
接する内刃体の内刃の摺動面積を広くすることが
可能となり、ひげ剃り効率を向上することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図から第４図は本考案の第１実施例を示
し、第１図は外刃体および内刃体を取り付けた本
体一部の縦断面図、第２図は外刃体から内刃体を
引き出す状態の縦断面図、第３図は外刃体の一部
拡大縦断面図、第４図は外刃体の一部を断面とし
た斜視図である。第５図および第６図は本考案の
第２実施例を示し、第５図は外刃体の一部拡大縦
断面図、第６図は外刃体の一部断面とした斜視図
である。第７図は本考案の第３実施例を示す外刃
体の一部を断面とした斜視図である。 １……本体、２……電動機、３……回転軸、８
……外刃体、９……外刃、１１……環状溝、１２
……連通溝、１３……内刃体、１７……内刃、１
８……刃部、１９……外側突出部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 電動機を内蔵した本体と、一端に外刃を有し
   且他端が前記本体に着脱可能で前記外刃側の内
   周に周方向に沿う環状溝及び一方がこの環状溝
   に開口し、他方が前記本体側に開口する複数の
   連通溝を設けた外刃体と、前記電動機の回転軸
   に着脱自在で放射方向に複数の案内溝を有する
   円盤状の内刃体と、前記案内溝内にその脚部を
   挿入すると共にばね圧でその刃部が前記外刃に
   圧接され且刃部の外側突出部が前記環状溝内に
   位置する内刃とよりなり前記連通溝は前記刃部
   の外側突出部より巾広に構成した電気かみそ
   り。 (2) 前記連通溝は、前記環状溝から前記本体にか
   けて傾斜すると共に前記環状溝に対向する傾斜
   側面に前記内刃の突出部を掛止する掛止部を有
   していることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第(1)項記載の電気かみそり。 (3) 前記連通溝と前記環状溝との連接部には、
   夫々前記環状溝内に突出する掛止突部を有して
   いることを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第(2)項記載の電気かみそり。