JPH03139415A - バス用空調装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、バスの車室内の空調を行なうバス用空調装置
に関する。

［従来の技術］ 従来、運転席専用の空調装置を備えていないバス用空調
装置は、バス車体内を１又は複数のゾーンに分けて空調
を行なっている。したがって、このようなバス用空調装
置では、運転席および客席の各部は、同一の空調手段に
よって温度や湿度が調整された空調風が送風口から供給
される構成を有している。このように、各送風口から供
給される空調風の送風量は、車室内各部の室温と設定温
度との偏差等に応じて増減されており、バスの車室内各
部が設定温度になるように制御されている。

又、各送風口には、運転者および乗客が風向を変更した
り、送風量を低減して所望の送風状態とするための風量
調整グリルが取り付けられている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、従来の技術では、最近のバス車両の主流
となっているハイデツキ車両、すなわち天井高が高く、
かつ運転席が客席から隔離されている型式のバス車両に
対しては、下記に示すように、運転席と客席との空調を
揃って適切な状態に保持することができない問題があっ
た。

つまり、ハイデツキ車両のように、天井高が高く、かつ
運転席が車両の下部にある車両では、運転席の前面ガラ
ス面積が広くなり、運転席の近傍が客席に比べて、車両
外からの熱的な影響を受けやすくなる。そのうえ、この
運転席は、客室と隔離されているため、温度の上下動が
客室より大きくなる。

このため、このような車両では、客室の温度が適切であ
るにもかかわらず、運転者が陽射や外気温の影響を乗客
より、より多く受けて、暑いと感じたり、あるいは寒い
と感じたりする。

そこで、運転者は、天井に沿って配設された空調ダクト
の風量調整グリルを調整して、送風量を増減したり、あ
るいは車室温の設定値を変更して、運転席の温度の調整
を行なうことになる。

この場合に、ハイデツキ車両では、天井の風量調整グリ
ルと運転席との間が高いため、送風量を運転中に適宜調
整することができないという問題がある。

又、風量調整グリルによらずに、車室温の設定値を変更
した場合には、運転席の温度は適切になるが、この反動
で客室部分の室温が適切な範囲外になって、乗客が暑さ
や寒さを感じてしまうという問題がある。

本発明はバスの運転席と車室内各部との空調を揃って良
好にすることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するための手段として本発明のバス用空
調装置は、第１図に例示するように、バスの運転席ＭＡ
および車室内各部に配設された複数の送風口ＭＢから吹
き出す送風量を制御する送風量制御手段ＭＣと、上記各
送風口ＭＢに供給される送風の温度や湿度等を調整する
空調手段ＭＤとを備えたバス用空調装置において、上記
運転席ＭＡの近傍に設けられ、該運転席ＭＡ近傍の送風
量を指令する送風量指令手段ＭＥと、上記指令に基づい
て運転席ＭＡ近傍への送風量を上記車室内各部とは別個
に増減補正する運転席送風量補正手段ＭＦとを備えるこ
とを要旨とする。

［作用］ 本発明のバス用空調装置は、空調手段ＭＤによって温度
や湿度等が調整され、運転席ＭＡおよび車室内各部に配
設された複数の送風口ＭＢに供給される送風の量を、送
風量制御手段ＭＣが制御するとともに、運転席送風量補
正手段ＭＦが、運転席ＭＡの近傍に設けられた送風量指
令手段ＭＥによる指令に基づいて、運転席ＭＡ近傍への
送風量を車室内各部とは別個に増減補正する。

これにより、バスの車室内各部を送風量制御手段ＭＣと
空調手段ＭＤとによって、適切な空調状態に保持しつつ
、運転席ＭＡ近傍の送風量を増減して、運転席ＭＡ近傍
の空調を所望の状態にすることができる。

この結果、下記に示すように運転席ＭＡだけの温度補正
が可能になる。つまり、送風口ＭＳの出力能力Ｑは、下
記（１）式に示すように、送風量Ｖに比例する。したが
って、例えば運転席ＭＡおよび車室内各部が１つの冷凍
サイクルから構成されている場合であっても、運転席Ｍ
Ａへの送風量Ｖを増減補正することで、運転席ＭＡの温
度は、車室内各部とは別個に所望の状態に増減補正され
る。

Ｑ（ＸＶＸ　（Ｔｉｎ−Ｔｏｕｔ　）　・・・（１）Ｔ
ｉｎ・・・吸込温度（室温） Ｔｏｕｔ・・・吹き出し温度 ［実施例］ 次に本発明のバス用空調装置の一実施例を説明する。

本実施例のバス用空調装置１は、第２図に示すように、
車体３の各部に、８基の天井エアコンユニット（天井Ａ
／Ｃ）５ａ、５ｂ−５ｈ　（以下、特に区別しない場合
には符号５とする）と、４基の床下ヒータ７ａ、７ｂ、
７Ｃ，７ｄ　（以下、特に区別しない場合には符号７と
する〉とを備え、これらを８ゾーン、すなわち前後・左
右に４ゾーン（■〜■ゾーン）かつ上下に２ゾーン（上
ゾーン、下ゾーン）に分けて、空調制御装置８により各
ゾーンを独立温度調整する。車体３の右側前方に位置す
る運転席９は、■ゾーンに属する。

温度調整領域における■、■ゾーンの天井Ａ／Ｃ５ａ、
５ｂ、５ｃ、５ｄと、■、■ゾーンの天井Ａ／Ｃ５ｅ、
５ｆ、５Ｃ］、５ｈは、それぞれ１つの冷凍サイクル系
、すなわち右冷凍サイクル系１１と左冷凍サイクル系１
３とに組み込まれている。すなわち、同一冷凍サイクル
系に含まれる天井Ａ／Ｃ５ａ、５ｂ、５ｃ、５ｄ、もし
くは天井Ａ／Ｃ５ｅ、５ｆ、５Ｑ、５ｈは、その蒸発器
の蒸気圧力（温度）が各々総て同一になる。これにより
、各天井Ａ／Ｃ５の出力能力は、各天井Ａ／Ｃ５に給供
される送風量にほぼ比例することになる。

次に、車体３の各ゾーンの空調制御を簡単に説明する。

空調制御装置８による各ゾーンの制御は、車両各部の熱
負荷を反映した熱負荷値（以後Ｙ値と記す）に基づいて
行われる。上記Ｙ値は、■〜■ゾーンにおける各室温（
実測値）から設定温度（目標値）を引いた値、すなわち
温度の偏差値の積分値の関数として算出される値である
。

各ゾーン（■〜■）のＹ値を算出後、算出したＹ値に基
づいて、 （１）天井Ａ／Ｃ５の各ゾーン毎における送用量の独立
制御、 （ｉｉ）天井Ａ／Ｃ５の■、■ゾーンと■、■ゾーン別
における吹き出し温度ＴＯＣの独立制御、（ｉｉｉ）床
下ヒータ７の各ゾーン毎における送風量の独立制御、 （ｉｖ）床下ヒータ７の各ゾーン毎における吹き出し温
度下ｏｈの独立制御を下記に示す制御特性によって行な
う。

■〜■ゾーンの各天井Ａ／Ｃ５の送風量は、第３図に実
線で示すように、Ｙ値が大きいほど、すなわち冷房負荷
が大きいほど多くなる制御特性とする。

冷凍サイクル系１１、あるいは冷凍サイクル系１３の各
々の吹き出し温度下ＯＣ１すなわち■、■ゾーン、ある
いは■、■ゾーンの各天井Ａ／Ｃ５からの各々の冷気の
吹き出し温度Ｔｏｃは、■、■ゾーン、あるいは■、■
ゾーンのＹ値の平均値Ｙａ１あるいはＹａ２が大きいほ
ど低くなる制御特性とする。

各床下ヒータ７の各送風量と吹き出し温度Ｔｏｈとは、
各々Ｙ値の負の値が大きくなるほど大きくなる特性、す
なわち暖房負荷が大きくなるほど送風量が多く、かつ吹
き出し温度Ｔｏｈが高くなる制御特性とする。

上述したように、車体３の各部を８ゾーンに分けて天井
Ａ／Ｃ５と床下ヒータ７とが制御されることにより、各
部の室温がそれぞれ設定温度に向って調整される。

次に、運転席９の温度を車体３各部とは別個に調整する
構成を説明する。運転席９は、■ゾーンによる温度制御
の影響を主に受け、しかも■ゾーンの天井Ａ／Ｃ５ａか
ら吹き出す送風が直接供給される場所に位置する。

上述したように運転席９が位置する■ゾーンの各部構成
の詳細を第４図に示す。第４図に示すように、天井Ａ／
Ｃ５ａには、空調風を車室内に送風する２台の送風Ｂ１
１５．１７が取り付けられている。又、■ゾーンのもう
一方の天井Ａ／Ｃ５ｂには、送風機１９．２１が取り付
けられている。

天井Ａ／Ｃ５ａの空調風を送風する送風機１５゜１７に
は、それぞれ送風ダクト２３．２５が取り付けられてい
る。送風機１５からの送風を通す送風ダクト２３には、
運転席９の上方に１個送風口２７が設けられている。他
方の送風機１７からの送風を通す送風ダクト２５には、
客席２９．３１のそれぞれの上方に送風口３３．３５が
設けられている。両送風ダクト２３．２５の間には、仕
切り３７が設けられており、送風機１５からの送風は、
総て運転席９の上方に位置する送風口２７がら吹き出さ
れる。

送用機１５．１７や天井Ａ／Ｃ５ａ等を制御する空調制
御装置８は、マイクロコンピュータを中心とする電子回
路として構成されており、運転席９の右側のコンソール
内に収容されている。、このコンソールの図示しないコ
ンソールパネルには、第５図に示すように、「低Ｊ　ｒ
ＡＵＴＯＪ　ｒ高」の目盛を有するダイヤル４３を備え
た運転席温度設定器３９が取り付けられている。

各種データを入力する空調制＠装置８は、既述したよう
に、Ｙ値を検出し、これに基づいて天井Ａ／Ｃ５，各送
風機１５．１７，１９．２１等。

および床下ヒータ７の吹き出し温度と送風量とを算出し
て、この算出値を図示しないＡ／Ｄコンバータによって
アナログの指令値に変換して出力する。各指令値は、第
６図に示すように、■〜■ゾーンの天井Ａ／Ｃ５と床下
ヒータ７に出力され、天井Ａ／Ｃ５の冷却能力と床下ヒ
ータ７の発生熱量の制御データとされる。又、各送風＠
１５．１７．１９．２１等をそれぞれ駆動するパワート
ランジスタ４１のベースに加えられ、送風量を調整する
。なお、第６図では■ゾーンの送風機］５のモータ４２
と、これをドライブするパワートランジスタ４１との回
路を示し、他ゾーンの同様な送風機やパワートランジス
タの回路構成の詳細は省略しである。

運転席９用の送風機１５をドライブするパワートランジ
スタ４１のベース電圧は、原則的には■ゾーンのＹ値に
基づいて制御されるが、更に運転席温度設定器３９の抵
抗値に応じて図示しない構成によって増減補正される。

この構成により、運転席温度設定器３９におけるダイヤ
ル４３を［ＡＵＴＯＪの位置にすることによって、パワ
ートランジスタ４１のベース電圧は、Ｙ値による指令値
が増減補正されることなく加えられる。したがって、運
転席９に送風する送風機１５は、他の送風機と同様に、
第３図に実線で示すように、送風量が標準状態に制御さ
れる。

一方、ダイヤル４３が「低」側に回された場合には、他
のゾーンのベース電圧は変更されずに、パワートランジ
スタ４１のベース電圧のみ増大補正され、第３図に１点
破線で示すように、送風機１５の送風量のみが増加補正
される。他方、ダイヤル４３が「高」側であれば、２点
破線で示すように、送風機１５の送風量のみが減少補正
される。

以上説明したように、本実施例のバス用空調装置１は、
車体３内各部が均しく設定温度に調整されるとともに、
この車体３内各部と同一の冷凍サイクル系によって空調
が行なわれている運転席９近傍の温度を、車体３内各部
の温度調整に影響を与えることなく運転席温度設定器３
９を操作するだけで変更することができる。

これにより、運転者が運転席９を離れて送風口２７のグ
リルによる風量や風向の調整を行なう必要がなくなる。

すなわち、運転中であっても運転席９近傍の温度を調整
することができ、運転席９近傍の快適性が向上するとい
う極めで優れた効果を奏する。

しかも、運転席９近傍の温度を別個に調整することは、
運転席９への送風量を増減補正するのみで、行なわれる
。したがって、運転席９専用のクーリングユニットを用
いることなく行なうことができ、この結果、装置構成の
小型化、および組付工数の低減を達成することができる
。

そのうえ、車体３内全体、すなわち客席と運転席９の温
度とを自動的に快適状態に保持した上で、特に外からの
温度の影響を多く受ける運転席９近傍だけ別個に温度を
増減補正することができることから、車体３仝体、すな
わち運転席９と冬至双方の快適性が向上する。

なお、本発明は実施例に限定されるものでなく、本発明
の要旨を変更しない範囲で種々な態様の実施が可能であ
る。例えば、第５図および第６図に示すような運転席温
度設定器３９に代えて、第７図に示すように、「高」押
ボタン５０と「低」押ボタン５２とを備え、温度の設定
をこのボタン５０．５２によって行ない、その状態をＬ
ＥＤ表示部５４によって表示する構成の運転席温度設定
器５６を用いてもよい。あるいは、高側のみ、又は低側
のみの温度制御を行なうものであってもよい。

［発明の効果］ 本発明のバス用空調装置は、温度や湿度等および送風量
が制御されている車室内各部とは別個に、運転席の近傍
から指令して、運転席への送風はを増減補正することが
できる。これにより車室内各部の空調を適切に保持した
ままで、運転席の近傍から運転席の空調状態を、所望の
状態にすることができる。

したがって、バスの車室内全体の快適性が向上するとい
う極めて優れた効果を奏する。

しかも、本発明によれば送風口に設けられたグリル等を
操作する必要がなく操作性が向上するという効果を奏す
る。

そのうえ、運転席専用の空調手段を用いることなく車室
内各部の空調状態を適切に保持し、かつ運転席の空調の
みを別個に調整することができるから、空調装置の小型
化、および部品点数の低減と、快適性とをそろって達成
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のバス用空調装置の基本的構成を例示す
る構成図、第２図は実施例のバス用空調装置の全体構成
図、第３図はその制御特性の説明図、第４図は同バス用
空調装置の運転席周囲の構成図、第５図は運転席温度設
定器の外観図、第６図は同バス用空調装置の制御系のブ
ロック図、第７図は運転席温度設定器の外観図である。 ＭＡ・・・運転席 ＭＢ・・・送風口 ＭＯ・・・送風量制御手段 ＭＤ・・・空調手段 ＭＥ・・・送風量指令手段 ＭＦ・・・運転席送風量補正手段 １・・・バス用空調装置 ３・・・車体 ５ａ〜５ｈ・・・天井エアコンユニット７ａ〜７ｄ・・
・床下ヒータ ８・・・空調制御装置 ９・・・運転席 １５．１７，１９．２１・・・送風機 ３９．５６・・・運転席温度設定器

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １　バスの運転席および車室内各部に配設された複数の
   送風口から吹き出す送風量を制御する送風量制御手段と
   、上記各送風口に供給される送風の温度や湿度等を調整
   する空調手段とを備えたバス用空調装置において、 上記運転席の近傍に設けられ、該運転席近傍の送風量を
   指令する送風量指令手段と、 該指令に基づいて運転席近傍への送風量を上記車室内各
   部とは別個に増減補正する運転席送風量補正手段と を備えることを特徴とするバス用空調装置。