JPH0313939B2 - - Google Patents
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- JPH0313939B2 JPH0313939B2 JP29588685A JP29588685A JPH0313939B2 JP H0313939 B2 JPH0313939 B2 JP H0313939B2 JP 29588685 A JP29588685 A JP 29588685A JP 29588685 A JP29588685 A JP 29588685A JP H0313939 B2 JPH0313939 B2 JP H0313939B2
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Landscapes
- Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
Description
（産業上の利用分野）
本発明は、金型遠心力鋳造による高強度ダクタ
イル鋳鉄管の製造方法に係り、特に遊離セメンタ
イトの晶出を可及的に防止することのできる金型
遠心力鋳造方法に関する。 （従来の技術） ダクタイル鋳鉄管の高強度化は各方面より要望
されており、その方法として、オーステンパー処
理がある。これは、オーステナイト化温度（850
〜950℃）から塩浴炉などを用いて300〜450℃に
急冷し、浴内でその温度に一定保持して、強靭な
ベイナイト組織を得る方法である。また、他の方
法として、Ni、Cr、Mo等の合金元素を含有せし
めて、鋳放しでベイナイト組織を得る方法もあ
る。 しかしながら、オーステンパー処理による方法
では、大物の鋳造管を熱処理するには難しく、し
かも長時間浴内に一定保持するので不経済であ
り、オーステンパー処理炉を用いるということ自
体が省エネルギーの見地からは好ましくない。一
方、合金元素を添加する方法においては、合金元
素に対する費用が大きいため経済性に劣るという
欠点がある。 （発明が解決しようとする問題点） そこで、本発明者は、ダクタイル鋳鉄溶湯を金
型遠心力鋳造した後、パーライトの生成を回避す
べく、鋳鉄管をオーステナイト温度から急冷し、
その後空冷してベイナイト組織を有する高強度ダ
クタイル鋳鉄管を製造する金型遠心力鋳造方法を
提案した。 しかしながら、遠心力鋳造用金型の内面への注
湯に先立ち、金型内面に塗型を形成しているにも
拘らず、断熱効果が十分でないため、溶湯が急冷
されて遊離セメンタイトが生じる場合があつた。
遊離セメンタイトが過度に生じた場合、遊離セメ
ンタイトは硬くて脆いため管強度の劣化を招来す
るので、これを分解するために焼鈍処理を行な
い、更にオーステンパー処理によつて基地をベイ
ナイト組織にする必要があつた。 また、ウエツトスプレーコーテイングやサンド
レジンコーテイングによつて金型内面に１〜２mm
を厚さの大きい塗型を施し、断熱効果を十分にし
て遊離セメンタイトの生成を防止する方法もある
が、コーテイングに手間がかかり生産性に劣ると
いう問題がある。 本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、金
型遠心力鋳造方法によつて高強度ダクタイル鋳鉄
管を得るに際し、遠心力鋳造用金型に0.05〜0.1
mm程度の通常の塗型を形成したものを用いても、
遊離セメンタイトの生成が抑えられ、鋳放しで強
度的に問題のない高強度ダクタイル鋳鉄管を得る
ことができる金型遠心力鋳造方法を提供すること
を目的とする。 （問題点を解決するための手段） 叙上の目的を達成するために講じられた本願発
明の特徴とするところは、ダクタイル鋳鉄溶湯を
取鍋から注湯樋を介して遠心力鋳造用金型に注入
して鋳鉄管を遠心力鋳造し、鋳鉄管の温度がオー
ステナイト域であるとき、回転している鋳鉄管の
内面に熱水を供給して300〜450℃に急冷した後空
冷する鋳造方法であつて、化学組成が重量％で Ｃ：3.2〜3.7％、Ｐ：0.07％以下 Si：2.4〜3.0％、Ｓ：0.015％以下 Mn：0.6％以下、Mg：0.015〜0.05％ 残部実質的にFeからなるダクタイル鋳鉄溶湯
を用い、取鍋から注湯樋の受口部までの間および
注湯樋の出口部から金型内面までの間でFe−Si
系の接種を行う点にある。 （実施例） 次に、本発明の金型遠心力鋳造方法について詳
述する。 第１図および第２図は、本発明を実施するため
の遠心力鋳造装置の一例であつて、１は遠心力鋳
造用金型であり、その開口部に湯止め用のバンド
３が装着されている。２は前記金型１の内面に鋳
造された鋳鉄管である。ダクタイル鋳鉄溶湯は取
鍋４から軸方向に移動自在とされた注湯樋５を介
して金型１の内面に注湯される。この場合、取鍋
４から注湯樋５の受口部５Ａまでをシユートと称
し、注湯樋５の出口部５Ｂから金型内面までをス
ポートと称する。６は金型１の内面に形成された
塗型であつて、本発明においては特に厚く形成す
る必要はなく、通常の如く0.05〜0.1mm厚のもの
でよい。 本発明に使用されるダクタイル鋳鉄溶湯は、重
量％で下記組成のものが適用される。 Ｃ：3.2〜3.7％ Ｐ：0.07％以下 Si：2.4〜3.0％ Ｓ：0.015％以下 Mn：0.6％以下 Mg：0.015〜0.05％ 残部実質的にFe 上記組成において、Si以外の成分については、
ダクタイル鋳鉄溶湯組成として特に特色を有する
ものではないので、限定理由は記載省略する。 Siは黒鉛化促進作用を有し、2.4％未満では後
述の特定の接種によつても遊離セメンタイトの過
度な晶出を抑えることができない。一方、3.0％
を越えると、Feに固溶するSiが多くなり、脆化
する。 前記ダクタイル鋳鉄溶湯は、取鍋４から注湯樋
５を介して金型１に注湯される。この際、金型１
は既述のようにその内面に0.05〜0.1mm程度の薄
い塗型が形成されたものでよい。本発明において
は、シユート部およびスポート部で溶湯流にFe
−Si系の接種を行う。２段の接種を行うことによ
つて、接種作用を著しく促進することができ、チ
ルの発生を有効に防止することができる。 尚、スポート部における接種として、接種剤を
予め金型１の内面に散布しておくドライコーテイ
ングを行つてもよい。また、スポート部で溶湯流
に接種剤を添加するには、第３図のように、注湯
樋５の下部に並設したランス８により接種剤を空
気輸送して溶湯流に吹き付ければよい。 接種剤は、Si含有量が50％および75％の通常の
Fe−Siを用いる。好ましいFe−Siの添加量は、
注湯量に対して重量％で、シユート部では0.05〜
0.15％、スポート部では0.10〜0.30％である。い
ずれも、所定量未満では遊離セメンタイトが晶出
し易く、一方所定量を越えると未溶解のSiが垢と
なつて溶湯中に混入し、鋳造欠陥の原因になるお
それがあるからである。 ダクタイル鋳鉄溶湯を叙上のようにして鋳造し
た後、溶湯が凝固して赤熱状態のとき、すなわち
鋳鉄管２の内面の温度がオーステナイト域（通常
850〜950℃）にあるとき、95℃以上の熱水を管内
面に注入する。 熱水は気化熱を効率良く奪い容易に気化消失す
るので、鋳鉄管２を急冷する媒体として好適であ
る。また、気化熱を奪つて消失するために、適量
を鋳鉄管２の内面に供給すれば、所望の温度に急
冷した後、自動的に空冷状態に移行できて好適で
ある。所定の温度まで急冷した時に消失する熱水
の量は鋳鉄管の大きさおよび注水時の管温度から
容易に算出できる。 熱水は、第２図の如く、金型１の開口より熱水
供給樋７から鋳鉄管２の内面に供給きてもよく、
また前記注湯樋５に多数のノズル孔が管軸方向に
開設された供給管を並設し、該供給管を鋳鉄管の
内面全長に亘つて挿入して、前記ノズル孔よりシ
ヤワー状に噴射供給してもよい。 熱水によつて300〜450℃に急冷された管は、そ
の後金型１の中で空冷される。300〜450℃まで空
冷するのは、CCT図におけるパーライト生成域
を通過させないためである。300℃未満まで急冷
するとマルテンサイトが生じるおそれがあり、一
方450℃を越えるとパーライトが生じるおそれが
あるので、300〜450℃の範囲に急冷する。 空冷段階においては、鋳鉄管２は回転下でも回
転停止状態でもよい。金型１内での空冷によつ
て、鋳鉄管２はベイナイト生成域をゆつくり通過
することができ、基地のオーステナイトをベイナ
イト化することができる。 次に具体的実施例等を掲げて説明する。 内径200×5000×肉厚7.5t（mm）のダクタイル
鋳鉄管の製造例 (1) Si％を除き下記成分（重量％）の溶湯を、内
面に0.07mmの塗型（組成：シリカーフラワーと
ベントナイト）が形成された遠心力鋳造用金型
に注入した。溶湯の注入に際しては、第１表の
通り接種を行つた。 金型は注入時に ＧNo.40で回転し、注入後Ｇ
No.60に回転を上げた。鋳鉄管の内面温度を赤外
線温度計で測定し、第１表の管温度において熱
水を注入した。第１表における熱水量、管温度
を目標約400℃まで急冷するのに要する量であ
る。 ●Siを除く溶湯組成 Ｃ：3.4〜3.5％ Ｓ：0.01％以下 Mn：0.3〜0.4％ Mg：0.03〜0.05％ Ｐ：0.04〜0.06％ 残部実質的にFe
イル鋳鉄管の製造方法に係り、特に遊離セメンタ
イトの晶出を可及的に防止することのできる金型
遠心力鋳造方法に関する。 （従来の技術） ダクタイル鋳鉄管の高強度化は各方面より要望
されており、その方法として、オーステンパー処
理がある。これは、オーステナイト化温度（850
〜950℃）から塩浴炉などを用いて300〜450℃に
急冷し、浴内でその温度に一定保持して、強靭な
ベイナイト組織を得る方法である。また、他の方
法として、Ni、Cr、Mo等の合金元素を含有せし
めて、鋳放しでベイナイト組織を得る方法もあ
る。 しかしながら、オーステンパー処理による方法
では、大物の鋳造管を熱処理するには難しく、し
かも長時間浴内に一定保持するので不経済であ
り、オーステンパー処理炉を用いるということ自
体が省エネルギーの見地からは好ましくない。一
方、合金元素を添加する方法においては、合金元
素に対する費用が大きいため経済性に劣るという
欠点がある。 （発明が解決しようとする問題点） そこで、本発明者は、ダクタイル鋳鉄溶湯を金
型遠心力鋳造した後、パーライトの生成を回避す
べく、鋳鉄管をオーステナイト温度から急冷し、
その後空冷してベイナイト組織を有する高強度ダ
クタイル鋳鉄管を製造する金型遠心力鋳造方法を
提案した。 しかしながら、遠心力鋳造用金型の内面への注
湯に先立ち、金型内面に塗型を形成しているにも
拘らず、断熱効果が十分でないため、溶湯が急冷
されて遊離セメンタイトが生じる場合があつた。
遊離セメンタイトが過度に生じた場合、遊離セメ
ンタイトは硬くて脆いため管強度の劣化を招来す
るので、これを分解するために焼鈍処理を行な
い、更にオーステンパー処理によつて基地をベイ
ナイト組織にする必要があつた。 また、ウエツトスプレーコーテイングやサンド
レジンコーテイングによつて金型内面に１〜２mm
を厚さの大きい塗型を施し、断熱効果を十分にし
て遊離セメンタイトの生成を防止する方法もある
が、コーテイングに手間がかかり生産性に劣ると
いう問題がある。 本発明はかかる問題に鑑みなされたもので、金
型遠心力鋳造方法によつて高強度ダクタイル鋳鉄
管を得るに際し、遠心力鋳造用金型に0.05〜0.1
mm程度の通常の塗型を形成したものを用いても、
遊離セメンタイトの生成が抑えられ、鋳放しで強
度的に問題のない高強度ダクタイル鋳鉄管を得る
ことができる金型遠心力鋳造方法を提供すること
を目的とする。 （問題点を解決するための手段） 叙上の目的を達成するために講じられた本願発
明の特徴とするところは、ダクタイル鋳鉄溶湯を
取鍋から注湯樋を介して遠心力鋳造用金型に注入
して鋳鉄管を遠心力鋳造し、鋳鉄管の温度がオー
ステナイト域であるとき、回転している鋳鉄管の
内面に熱水を供給して300〜450℃に急冷した後空
冷する鋳造方法であつて、化学組成が重量％で Ｃ：3.2〜3.7％、Ｐ：0.07％以下 Si：2.4〜3.0％、Ｓ：0.015％以下 Mn：0.6％以下、Mg：0.015〜0.05％ 残部実質的にFeからなるダクタイル鋳鉄溶湯
を用い、取鍋から注湯樋の受口部までの間および
注湯樋の出口部から金型内面までの間でFe−Si
系の接種を行う点にある。 （実施例） 次に、本発明の金型遠心力鋳造方法について詳
述する。 第１図および第２図は、本発明を実施するため
の遠心力鋳造装置の一例であつて、１は遠心力鋳
造用金型であり、その開口部に湯止め用のバンド
３が装着されている。２は前記金型１の内面に鋳
造された鋳鉄管である。ダクタイル鋳鉄溶湯は取
鍋４から軸方向に移動自在とされた注湯樋５を介
して金型１の内面に注湯される。この場合、取鍋
４から注湯樋５の受口部５Ａまでをシユートと称
し、注湯樋５の出口部５Ｂから金型内面までをス
ポートと称する。６は金型１の内面に形成された
塗型であつて、本発明においては特に厚く形成す
る必要はなく、通常の如く0.05〜0.1mm厚のもの
でよい。 本発明に使用されるダクタイル鋳鉄溶湯は、重
量％で下記組成のものが適用される。 Ｃ：3.2〜3.7％ Ｐ：0.07％以下 Si：2.4〜3.0％ Ｓ：0.015％以下 Mn：0.6％以下 Mg：0.015〜0.05％ 残部実質的にFe 上記組成において、Si以外の成分については、
ダクタイル鋳鉄溶湯組成として特に特色を有する
ものではないので、限定理由は記載省略する。 Siは黒鉛化促進作用を有し、2.4％未満では後
述の特定の接種によつても遊離セメンタイトの過
度な晶出を抑えることができない。一方、3.0％
を越えると、Feに固溶するSiが多くなり、脆化
する。 前記ダクタイル鋳鉄溶湯は、取鍋４から注湯樋
５を介して金型１に注湯される。この際、金型１
は既述のようにその内面に0.05〜0.1mm程度の薄
い塗型が形成されたものでよい。本発明において
は、シユート部およびスポート部で溶湯流にFe
−Si系の接種を行う。２段の接種を行うことによ
つて、接種作用を著しく促進することができ、チ
ルの発生を有効に防止することができる。 尚、スポート部における接種として、接種剤を
予め金型１の内面に散布しておくドライコーテイ
ングを行つてもよい。また、スポート部で溶湯流
に接種剤を添加するには、第３図のように、注湯
樋５の下部に並設したランス８により接種剤を空
気輸送して溶湯流に吹き付ければよい。 接種剤は、Si含有量が50％および75％の通常の
Fe−Siを用いる。好ましいFe−Siの添加量は、
注湯量に対して重量％で、シユート部では0.05〜
0.15％、スポート部では0.10〜0.30％である。い
ずれも、所定量未満では遊離セメンタイトが晶出
し易く、一方所定量を越えると未溶解のSiが垢と
なつて溶湯中に混入し、鋳造欠陥の原因になるお
それがあるからである。 ダクタイル鋳鉄溶湯を叙上のようにして鋳造し
た後、溶湯が凝固して赤熱状態のとき、すなわち
鋳鉄管２の内面の温度がオーステナイト域（通常
850〜950℃）にあるとき、95℃以上の熱水を管内
面に注入する。 熱水は気化熱を効率良く奪い容易に気化消失す
るので、鋳鉄管２を急冷する媒体として好適であ
る。また、気化熱を奪つて消失するために、適量
を鋳鉄管２の内面に供給すれば、所望の温度に急
冷した後、自動的に空冷状態に移行できて好適で
ある。所定の温度まで急冷した時に消失する熱水
の量は鋳鉄管の大きさおよび注水時の管温度から
容易に算出できる。 熱水は、第２図の如く、金型１の開口より熱水
供給樋７から鋳鉄管２の内面に供給きてもよく、
また前記注湯樋５に多数のノズル孔が管軸方向に
開設された供給管を並設し、該供給管を鋳鉄管の
内面全長に亘つて挿入して、前記ノズル孔よりシ
ヤワー状に噴射供給してもよい。 熱水によつて300〜450℃に急冷された管は、そ
の後金型１の中で空冷される。300〜450℃まで空
冷するのは、CCT図におけるパーライト生成域
を通過させないためである。300℃未満まで急冷
するとマルテンサイトが生じるおそれがあり、一
方450℃を越えるとパーライトが生じるおそれが
あるので、300〜450℃の範囲に急冷する。 空冷段階においては、鋳鉄管２は回転下でも回
転停止状態でもよい。金型１内での空冷によつ
て、鋳鉄管２はベイナイト生成域をゆつくり通過
することができ、基地のオーステナイトをベイナ
イト化することができる。 次に具体的実施例等を掲げて説明する。 内径200×5000×肉厚7.5t（mm）のダクタイル
鋳鉄管の製造例 (1) Si％を除き下記成分（重量％）の溶湯を、内
面に0.07mmの塗型（組成：シリカーフラワーと
ベントナイト）が形成された遠心力鋳造用金型
に注入した。溶湯の注入に際しては、第１表の
通り接種を行つた。 金型は注入時に ＧNo.40で回転し、注入後Ｇ
No.60に回転を上げた。鋳鉄管の内面温度を赤外
線温度計で測定し、第１表の管温度において熱
水を注入した。第１表における熱水量、管温度
を目標約400℃まで急冷するのに要する量であ
る。 ●Siを除く溶湯組成 Ｃ：3.4〜3.5％ Ｓ：0.01％以下 Mn：0.3〜0.4％ Mg：0.03〜0.05％ Ｐ：0.04〜0.06％ 残部実質的にFe
【表】
(2) 第１表の熱水を供給して急冷された鋳鉄管は
熱水の気化消失と共に金型内で空冷された。 常温まで空冷された後、型バラシして管の組
織を観察し、引張強度並びにベーナイト、セメ
ンタイトおよびパーライト量（面積％）を調べ
た。その結果を第２表に示す。尚、観察試料
は、管端から2500mm位置において採取されたも
のである。
熱水の気化消失と共に金型内で空冷された。 常温まで空冷された後、型バラシして管の組
織を観察し、引張強度並びにベーナイト、セメ
ンタイトおよびパーライト量（面積％）を調べ
た。その結果を第２表に示す。尚、観察試料
は、管端から2500mm位置において採取されたも
のである。
【表】
(3) 第２表から、Si含有量を2.5〜3.0％とし、２
段接種を行つたもの（No.２、５）は、セメンタ
イトおよびパーライトの生成を５％以下にする
ことができた。この程度の生成量では焼鈍を行
う必要がなく、鋳放しのままで高強度ダクタイ
ル管として使用しうる。 （発明の効果） 以上説明した通り、本発明の高強度ダクタイル
鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法は、特定のSi含有量
のダクタイル鋳鉄溶湯を用い、かつFe−Si系の
２段接種を行うので、通常の薄層の塗型を形成し
た遠心力鋳造用金型を使用しても、鋳鉄管に遊離
セメンタイトが生じるのを可及的に抑止すること
ができ、鋳放しのままでも十分高強度であつて、
遊離セメンタイトを分解するような焼鈍熱処理を
必要としない。また、熱水によつて鋳鉄管をオー
ステナイト温度から冷却するから、管から気化熱
を効率よく奪つて急冷することができ、気化消失
時に容易に空冷状態にすることができる。鋳鉄管
は300〜450℃に急冷された後、空冷されるので、
パーライトを可及的に生成することなく、またマ
ルテンサイトを生成することなく、基地を高靭性
のあるベイナイト組織にすることができる。
段接種を行つたもの（No.２、５）は、セメンタ
イトおよびパーライトの生成を５％以下にする
ことができた。この程度の生成量では焼鈍を行
う必要がなく、鋳放しのままで高強度ダクタイ
ル管として使用しうる。 （発明の効果） 以上説明した通り、本発明の高強度ダクタイル
鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法は、特定のSi含有量
のダクタイル鋳鉄溶湯を用い、かつFe−Si系の
２段接種を行うので、通常の薄層の塗型を形成し
た遠心力鋳造用金型を使用しても、鋳鉄管に遊離
セメンタイトが生じるのを可及的に抑止すること
ができ、鋳放しのままでも十分高強度であつて、
遊離セメンタイトを分解するような焼鈍熱処理を
必要としない。また、熱水によつて鋳鉄管をオー
ステナイト温度から冷却するから、管から気化熱
を効率よく奪つて急冷することができ、気化消失
時に容易に空冷状態にすることができる。鋳鉄管
は300〜450℃に急冷された後、空冷されるので、
パーライトを可及的に生成することなく、またマ
ルテンサイトを生成することなく、基地を高靭性
のあるベイナイト組織にすることができる。
第１図および第２図は本発明を実施するための
遠心力鋳造装置の概略を示す断面図であり、第１
図はダクタイル鋳鉄溶湯の注湯状態を、第２図は
熱水の供給状態を示し、第３図は接種剤供給用ラ
ンスの取付状態を示す説明図である。 １……遠心力鋳造用金型、２……鋳鉄管、４…
…バンド、５……注湯樋、６……塗型、７……熱
水供給樋。
遠心力鋳造装置の概略を示す断面図であり、第１
図はダクタイル鋳鉄溶湯の注湯状態を、第２図は
熱水の供給状態を示し、第３図は接種剤供給用ラ
ンスの取付状態を示す説明図である。 １……遠心力鋳造用金型、２……鋳鉄管、４…
…バンド、５……注湯樋、６……塗型、７……熱
水供給樋。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 １ ダクタイル鋳鉄溶湯を取鍋から注湯樋を介し
て遠心力鋳造用金型に注入して鋳鉄管を遠心力鋳
造し、鋳鉄管の温度がオーステナイト域であると
き、回転している鋳鉄管の内面に熱水を供給して
300〜450℃に急冷した後空冷する鋳造方法であつ
て、化学組成が重量％で Ｃ：3.2〜3.7％ Ｐ：0.07％以下 Si：2.4〜3.0％、Ｓ：0.015％以下 Mn：0.6％以下、Mg：0.015〜0.05％ 残部実質的にFeからなるダクタイル鋳鉄溶湯
を用い、取鍋から注湯樋の受口部までの間および
注湯樋の出口部から金型内面までの間でFe−Si
系の接種を行なうことを特徴とする高強度ダクタ
イル鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法。 ２ Fe−Si系の接種は注湯量に対して重量％で
取鍋から注湯樋の受口部までの間で0.05〜0.15％
行い、注湯樋の出口部から金型内面までの間で
0.10〜0.30％行なうことを特徴とする特許請求の
範囲第１項記載の高強度ダクタイル鋳鉄管の金型
遠心力鋳造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29588685A JPS62148068A (ja) | 1985-12-24 | 1985-12-24 | 高強度ダクタイル鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP29588685A JPS62148068A (ja) | 1985-12-24 | 1985-12-24 | 高強度ダクタイル鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62148068A JPS62148068A (ja) | 1987-07-02 |
| JPH0313939B2 true JPH0313939B2 (ja) | 1991-02-25 |
Family
ID=17826443
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP29588685A Granted JPS62148068A (ja) | 1985-12-24 | 1985-12-24 | 高強度ダクタイル鋳鉄管の金型遠心力鋳造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62148068A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN104889328B (zh) * | 2015-05-21 | 2017-12-05 | 凤冈县凤鸣农用机械制造有限公司 | 复合型曲轴铸造模具 |
-
1985
- 1985-12-24 JP JP29588685A patent/JPS62148068A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62148068A (ja) | 1987-07-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |