JPH031367B2 - - Google Patents

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JPH031367B2
JPH031367B2 JP23012186A JP23012186A JPH031367B2 JP H031367 B2 JPH031367 B2 JP H031367B2 JP 23012186 A JP23012186 A JP 23012186A JP 23012186 A JP23012186 A JP 23012186A JP H031367 B2 JPH031367 B2 JP H031367B2
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oxide
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calcium
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JP23012186A
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Katsutoshi Ono
Toshio Ooishi
Ryosuke Suzuki
Masato Ogawa
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Kyoto University
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Kyoto University
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明、エレクトロニクス関連産業における超
伝導体として期待されている、バナジウム(V)
とガリウム(Ga)の金属間化合物V3Gaを純粋で
しかも多量に製造する方法を提供することを目的
としている。
本発明のV3Gaの超伝導材を組込む各種製品は
超伝導発電機、医療診断用核磁気共鳴映像装置、
磁気浮上列車、高エネルギー粒子加速器、該融合
炉、エネルギー貯蔵装置等で、各種の応用分野が
期待される。
(従来の技術) 現在、企業化されているV3Gaの製造法には、
超伝導線材用の(1)複合加工法(ブロンズ法)と(2)
表面拡散法とがある。このうち複合加工法は、第
4図にその原理を示すように、銅−ガリウム合金
(Cu−Ga合金)11とバナジウム(V)12を
接合させて加熱し、固体間の拡散を利用して両者
の界面にV3Ga薄膜13を数十ミクロンの薄い層
として生成させる方法である。表面拡散法は、下
地バナジウムテープの表面にGaを付着させ、熱
処理によつてGaを連続的に拡散させることによ
り、V3Gaの層を生成させる方法である。
そのほか、V3Gaの形成が可能であると発表さ
れている方法はいくつか存在する。Cu−V二元
系は状態図的には2相分離型に属するため、Cu
基のこれらの合金を溶製するとCu母相内にバナ
ジウム(V)がデンドライト粒子となつて晶出し
た混合組織が得られる。このCu−V合金を強加
工してバナジウム(V)を極めて細い繊維状に引
き伸ばした後、Gaを外部から拡散させてCuマト
リツクス中にV3Ga繊維を生成させるin situ法、
V−Ga合金の高温におけるbcc相の固溶域が広が
つた状態を、急冷によつて室温まで保持し、その
後の熱処理によつてV3Gaを生成させる析出法な
どがある。
しかし、これらいずれの方法も、V3GaをCu−
Ga或はCu−V合金の基地内部、もしくは表面上
にきわめて薄い層として生成させるもので、
V3Gaを単体で分離することはできない欠点があ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 従来、純粋V3Gaの合成が困難であるとされて
きた理由は、(1)バナジウムとガリウムの融点
(1710℃および29℃)の間に極端に大きな差があ
り、また、バナジウムの融点においてガリウムの
蒸気圧が非常に高いため、両者は直接反応しにく
いこと、(2)バナジウムとガリウムの間に、V3Ga
以外に中間化合物VGa2およびV3Ga2なども存在
しており、V3Gaが優先的に生成できないこと、
などによるものである。したがつて、現行の方法
は、V3Gaの生成が妨害されないような特定の組
成のCu−Ga合金を媒体として製造するしくみ、
あるいはCu−V合金を利用して製造するしくみ
となつている。
すなわち、すぐれた超伝導性を有する金属間化
合物V3Gaを銅(Cu)−ガリウム(Ga)合金の内
部、またはバナジウム(V)の表面に数十ミクロ
ンのごく薄い析出層として生成させる技術は存在
するが、純粋なV3Gaを単体で多量に製造する技
術は、現在世界的に存在しない。
(問題点を解決するための手段) 本発明は上記の問題点を解決することにより単
体の高純度V3Gaの量産型製造法を開発したもの
である。
本発明の方法によつて製造される多量の高純度
のV3Gaを使用することにより、V3Gaの微粉体、
大型焼結体、および溶解材の形成が可能となつ
て、エネルギー関連技術の進展に寄与し得る。
本発明はバナジウムとガリウムの酸化物である
五酸化バナジウムと酸化ガリウムを配合すること
により酸化物混合体を作り、これを650℃〜1200
℃の温度範囲でカルシウムまたはマグネシウム蒸
気によつて粉末状V3Ga化合物に還元し、副成す
る酸化カルシウムまたは酸化マグネシウムを酸化
水溶液または塩化アンモニウム塩水溶液で溶解分
離した後、還元された化合物V3Gaの粉末を非酸
化性雰囲気中または真空中で化合物内の不均一性
を消滅させ、超伝導特性のすぐれた化合物V3Ga
を得るに十分な時間と温度で加熱することを特徴
とする金属間化合物V3Gaを製造する方法に関す
る。
(作用) 以下本発明の方法について詳細説明する。
V3Ga合金の一般的な製法としては、溶融金属
の直接混合、金属粉末の焼結などの方法があり、
経済的にも技術的にも有利である。しかし先に述
べたように、バナジウムとガリウムの融点の差が
大きいため直接混合は困難である。またVとGa
の焼結反応も遅々として進行せず、V粒子の表面
に薄い膜としてV2GaやV3Ga2等が形成されるに
すぎず、均質なV3Gaを純粋な単体として取り出
すことは困難である。
本発明はその解決策として、(1)VとGa原子の
微細混合、(2)VとGAの相互拡散の促進、(3)
V3Ga結晶の均一化などの相乗効果の結果とし
て、純粋V3Gaの合成が可能になるとの発想を
得、鋭意研究の結果、大略以下のような3つの方
法の組合せに基づく製造方法を発明するに至つ
た。
(1) バナジウム(V)とガリウム(Ga)を酸化
物の形態で可能な限り微細かつ均一に混合させ
る。
(2) この酸化物混合体に高温下でカルシウム
(Ca)またはマグネシウム(Mg)蒸気を作用
させて還元する。この還元の過程において、V
およびGaと結合している酸素を、カルシウム
あるいはマグネシウムによつて切り離すと同時
に、JとGaの結合を促進させる。
(3) この還元された合金粉末を非酸化性雰囲気の
下で長時間加熱することにより、生成した
V3Ga結晶格子中の原子の配列を規則化し、超
電導特性を向上させる。
(実施例) 本発明につき、以下にその実施例に基づいて説
明する。
(1) 五酸化バナジウム(V2O5)と酸化ガリウム
(Ga2O3)をV/Gaモル比=3/1になるよう
に秤量し配合する。この粉末を約700℃以上に
加熱し液体にした後、冷却することによつて、
均一に混合した酸化物を得ることができる。ま
た、乳鉢で十分に混ぜることによつても均一に
混合した酸化物を得ることができる。この一旦
融解後、冷却した酸化物混合体と、単に所定の
割合にV2O5粉末とGa2O3粉末とを混合した酸
化物混合体との間に、VとGaの微細混合とい
う点で相違は生じないという結果が得られた。
(2) 上記の酸化物混合体1を第1図に示すよう
に、その0.5gをモリブデン製受皿2に乗せ、
あらかじめ底にカルシウム(Ca)又はマグネ
シウム(Mg)粒3を敷きつめたステンレス製
容器4に、カルシウム又はマグネシウムと直接
接触しないように隔離して設置し、蓋5を施し
てアルミナ製反応管6内に収めた。次に、反応
管6内の空気をアルゴンガス7で置換後、加熱
し、これを650℃〜1200℃で24時間程度保持し
た後、冷却した。
ここで還元剤としてカルシウムあるいはマグ
ネシウムを用いたのは、特に酸素と強い親和力
を持つバナジウムを還元するためである。また
空気を排気するのは空気中の酸素による還元剤
の消耗を防止するためと、窒素によるバナジウ
ム窒化物の形成を防止するためである。
上記の操作によつて起るステンレス製容器4
内の化学反応は以下のようである。すなわち、
650℃〜1200℃の下では、カルシウムまたはマ
グネシウムは液体となつて蒸気を発生し、容器
内にその飽和蒸気が充満する。このカルシウム
またはマグネシウム蒸気は、V2O5+Ga2O3
混合粉体に作用してV−Ga合金にまで還元し、
自らは酸化カルシウム(CaO)または酸化マグ
ネシウム(MgO)の固体に変化して合金粒子
の周囲に堆積する。
3V2O5、Ga2O3+18Mg =6V・2Ga+18MgO (1) 3V2O5・Ga2O3+18Ca =6V・2Ga+18CaO (2) 上記の化学反応式における合金(6V・2Ga)
は、X線回折測定によれば、V3Gaの形の化合
物であり、超電導特性を示す。また、実験条件
によつては結晶性が悪い場合が生じることもあ
る。
上記の化学反応(還元反応)の結果得られた
粉末は、還元剤としてカルシウムを用いた場
合、塩化アンモニウム水溶液内で酸化カルシウ
ム(CaO)および未反応カルシウムを溶解分離
し、化合物粉末に精製し回収した。
また還元剤としてマグネシウムを用いた場合
には、酸性水溶液たとえば希塩酸水溶液内で酸
化マグネシウム(MgO)たとえば未反応マグ
ネシウムを溶解分離し、合金粉末に精製し回収
した。
ここで精製のための湿式分離試薬として、金
属カルシウム、金属マグネシウムの分離には鉱
酸の他、酢酸やシユウ酸など有機酸も使用が可
能である。GaOの分離には上記の酸性溶液、
および塩水アンモニウム水溶液の他にアンモニ
ウム塩水溶液やシヨ糖水溶液などの使用が可能
である。MgOの分離には酸性水溶液が有効で
あつた。普通、鉱酸例えば塩酸の希薄水溶液は
入手し易く安価であるため、経済上好ましい。
(3) 上記のようにして得られた合金粉末8、ある
いは、その圧縮成型体8を、第2図に示すよう
に、モリブデン製の皿9に乗せて石英管10内
に真空封入した。この石英アンプル10を700
℃〜1200℃で1〜30日間加熱して冷却した。取
り出した合金はX線回折測定により金属間化合
物V3Gaであることを確認した。
この熱処理はX線回折測定の結果の解析およ
びX線マイクロアナリシス(XMA)による分
析によつて、化合物粉末の組織均一化と、化合
物の結晶格子の規則化に有効であることが判明
した。この処理により超電導特性を向上させる
ことが可能である。
以上に説明した工程全体の概略を第3図にまと
めて示した。
これを工程順に説明すると次の通りである。
第1工程 均質粉末混合: V2O5粉末とGa2O3粉末とをV3Gaのモル比3対
1に混合し、この粉末を700℃〜1200℃に加熱し
て高温融解し、急冷し、均質混合酸化物を得る工
程である。
第2工程 還元: 混合酸化物をカルシウム又はマグネシウム蒸気
で還元し、還元粉末を得る工程である。
第3工程 精製: 還元粉末を塩化アンモニウム又は稀塩酸で洗浄
し、酸化マグネシウム又は酸化カルシウム及び未
反応マグネシウム又は未反応カルシウムを溶解分
離し、精製した高純度のV3Ga粉末を得る工程で
ある。
第4工程 加熱規則化: 還元し精製されたV3Ga粉末を加熱保持し、化
合物の結晶を規則化し、超伝導特性を向上させる
工程である。
(効果) 本発明によると、バナジウムとガリウムの金属
間化合物V3Gaの単体を高純度でしかも、多量生
産で安価に粉状又は塊状で得られる工業上大なる
利益があり、エレクトロニクス関連産業における
超伝導体として有用である。超伝導材料を組込む
各種製品、冷えば、超伝導発電機、医療診断用核
磁気共鳴映像装置、磁気浮上列車、高エネルギー
粒子加速器、核融合炉、エネルギー貯蔵装置等に
使用する超伝導材料を安価に提供できる工業上大
なる利益がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のV3Ga混合粉末の還元反応装
置の原理の一例を示す断面図、第2図は本発明で
得られた精製V3Ga粉末を加熱し、V3Ga化合物
の結晶格子の規則化を得る高温加熱規則化処理装
置の一例を示す断面図、第3図は本発明のV3Ga
の製造、精製、加熱規則化の工程を示すフローチ
ヤート図、第4図はCu−20%Ga基板とバナジウ
ム(V)基板との間に従来法でV3Ga膜を作製し
た状態を示す断面図である。 1……被還元粉末、2……モリブデン製受皿、
3……カルシウム又はマグネシウムの還元性金属
液体、4……ステンレス製容器、5……蓋、6…
…アルミナ製反応管、7……アルゴンガス、8…
…精製V3Ga合金粉末又は成形体、9……モリブ
デン製受皿、10……石英製耐化物容器、11…
…Cu−20%Ga基板、12……V基板、13…
V3Ga薄膜。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 バナジウムとガリウムの酸化物である五酸化
    バナジウムと酸化ガリウムを配合することにより
    酸化物混合体を作る第1工程と、これを650℃〜
    1200℃の温度範囲でカルシウムまたはマグネシウ
    ム蒸気によつて粉末状V3Ga化合物に還元する第
    2工程と、副成する酸化カルシウムまたは酸化マ
    グネシウムを酸性水溶液または塩化アンモニウム
    塩水溶液で溶解分離する第3工程と、還元された
    化合物V3Gaの粉末を非酸化性雰囲気中または真
    空中で化合物内の不均一性を消滅させ、超伝導特
    性のすぐれた化合物V3Gaを得るに十分な時間と
    温度で加熱する第4工程との結合を特徴とする金
    属間化合物V3Gaを製造する方法。
JP23012186A 1986-09-30 1986-09-30 高純度V↓3Gaの製造方法 Granted JPS6386829A (ja)

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