JPH0313396Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車の側面に取付けて、車体の保
護および装飾用として使用するプラスチツクモー
ルに関し、特には中空成形品からなるプラスチツ
クモールに関する。

（従来の技術） 従来自動車の車体側面には車体保護と装飾を兼
ねて各種のプラスチツクモールが取付けられてい
るが、近年その車体保護機能を向上させるために
益々幅広化等大型化される傾向にある。しかし大
型化に伴つて重量も増えるため、従来の押出成形
品からなるモールに代わつてブロー成形によるプ
ラスチツクの中空成形品からなるモールが一部提
案されている。

一方、このブロー成形によるモールは中空では
あるものの、その成形上パリソン（可塑化状態の
成形用素材、通常筒状又はシート状）を所定の型
内にて吹成するため、パリソンの一部に異色部を
設けるのみでは成形品表面に直線状の装飾を施す
ことは難く、一般に装飾体である装飾条片等を予
め型内に装着して一体成形するか、或いは成形型
に凸条部を設けておき、成形品（モール）表面に
凹溝を設け、後加工によつてその溝に装飾条片等
を装着することが行われる。

しかし、前者にあつては装飾条片を型内に保持
することが難しい等製品の歩留まりが悪い欠点を
有しており、他方後者は装飾条片を両面テープ等
で凹溝等に装着するため、装飾条片を固着するに
際しての歩留まりはいいものの使用中に熱履歴等
で伸縮を繰返し装飾条片端部から剥離しやすい欠
点を有している。

（考案が解決しようとする問題点） よつて、この考案は前記の成形品表面に凹溝を
設け、該凹溝に装飾条片を装着する構造のモール
において、装飾条片が剥離しがたい構造のプラス
チツクモールを提供するにある。

（問題点を解決するための手段） この考案を図に基いて説明するに、第１図は、
第２図に示す本案実施例プラスチツクモールのＡ
−Ａ線断面図である。

ブロー成形により成形されるプラスチツクモー
ル１０は、第２図に断面と共に示す斜視図のよう
に中空のプラスチツク成形品からなり、その表面
長手方向に後述する装飾条片２０を装着する凹溝
１１が設けられている。そして、その凹溝１１の
端部にはモール１０内に開口する開口部１２が設
けられている。他方モール１０の取付面１３に
は、前記開口部１２に対する支承部１４が取付面
１３から表面側に向つてモール１０内部に突設さ
れている。この支承部１４の頂部１５は前記凹溝
１１の開口部１２に近接して、凹溝底面をモール
内に所定長延長するように設けられ、その端部に
は前記開口部１２から所定距離をおいて前記開口
部１２と相対する突起部１６がモール表面に近接
して設けられている。すなわち、凹溝１１がモー
ル内の所定位置にて終るように突起部１６が設け
られている。この状態のモール表面側からの支承
部１４透視平面図を凹溝の位置と共に第３図に示
す。尚支承部頂部１５には第４図の平面図に示す
ように凹溝１１開口部側を除く頂部１５周囲に突
起部１６からなる壁を設けてもよいものである。
さすればモール１０内部により明確なる凹溝１１
延長部が構成される。この支承部頂部１５による
凹溝延長部は所望により適宜設定されるものであ
り、又凹溝両端に近接して設けるものである。

（作用） 次にこの考案の作用について説明する。

このように構成されたモール１０の凹溝１１に
装飾条片２０を装着するに際して、その端末部を
開口部１２からモール内に挿入すれば、その端末
部は支承部１４の頂部１５上に支持されるように
して挿入され、かつ突起部１６に当接して止ま
る。すなわち装飾条片２０は所定長モール１０内
部に装入され、かつ支承部頂部１５とモール表面
の内面とで挾着され、係止される。尚支承部頂部
の突起部１６が開口部１２を囲むようにして設け
られたものにあつては、挿入される装飾条片２０
端末部が所定位置により正確に係止され、モール
内にて揺動する虞も殆どない。装飾条片２０を装
着した状態のモール斜視図、そのＢ−Ｂ断面を第
６図、第５図に示す。

ここに例示する装飾条片２０は、金属製または
プラスチツクの押出成形品等通常装飾条片として
使用されるものならば何でもよいものであり、ま
たその取付は接着剤或いは両面粘着テープ等によ
るのが簡便である。

また、前述の開口部１２はモール１０の成形
時、第１図に示す如く該部に破線で示す捨袋１７
を形成しておき、一点鎖線より切除することによ
り容易に形成される。

（効果） 本案は以上述べるように、中空成形品からなり
その表面に設けた凹溝に装飾条片を装着する構造
のモールにおいて、凹溝の端部にモール内に開口
する開口部を設け、その開口部に相対してモール
取付面からモール内部に支承部を突設してなるた
め、装飾条片端末部を所定長モール内に挿入係止
することができるものである。従つて、モルが熱
履歴を受け装飾条片が伸縮等を繰り返してもその
端末部は凹溝から離脱する虞は殆どなく、しかも
突起部によつて装飾条片端末部の挿入長を規制し
ているため、装飾条片の一方のみへの片寄りを生
ずることなく装着でき、その取付も極めて簡便で
ある。更には支承部によつてモール表面側を支え
る構造となるためモールの変形を防止しうるもの
である。他方支承部によつて構成される取付面の
凹部がモールを車体に取付ける際の接着剤充填用
の凹部として利用でき、また本案モールは上述の
通りモール表面および取付面から見て、アンダー
カツトを構成しないよう凹溝、支承部を設けてあ
るため、ブロー型の構成も簡略化することがで
き、またこれをブロー成形するにしても何等困難
を伴うことなく成形することができる利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例モールの要部断面図、第
２図はモールの部分斜視図、第３図、第４図は支
承部の透視平面図、第５図は装飾条片装着時の要
部断面図、第６図は装飾条片を装着したモールの
部分斜視図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. モール本体の表面凹溝に装飾条片を装着し、該
   条片の端末を凹溝の端部に設けた開口部からモー
   ル内部に挿入係止するようにした中空成形品から
   なるプラスチツクモールにおいて、前記凹溝の開
   口部に近接したモール内部に、端部に突起部を設
   けた支承部が前記凹溝底面をモール内に延長する
   如くモール取付面から突設され、凹溝内に装着さ
   れる装飾条片の端末が前記支承部の頂部によつて
   支承されるとともに該端末が前記突起部によつて
   位置決めされるように構成されたことを特徴とす
   るプラスチツクモール。