JPH0313359B2

JPH0313359B2 -

Info

Publication number: JPH0313359B2
Application number: JP56163183A
Authority: JP
Inventors: Motofumi Nakamura; Shoichi Mori; Koji Horimoto; Susumu Kamioka
Original assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Current assignee: Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Priority date: 1981-10-13
Filing date: 1981-10-13
Publication date: 1991-02-22
Also published as: JPS5865075A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、壁紙の改良に関する。本発明による
壁紙は、壁面に貼付けて使用したときに結露を防
止するという、従来品にない効果をもつ。

たとえば冬季に室内で石油ストーブをつけて暖
をとると、冷えた空気に接している外壁の内面
で、結露現象が起こることがしばしば経験され
る。とくに住居の押入れの壁で結露すると、フト
ンなどがしめつて不快であり、不衛生である。こ
の結露を防ぐためには、壁に断熱材を入れて、室
内の壁面の温度低下を防ぐという対策がとられて
きたが、効果に限界があり、室内をせばめたり、
費用がかかるという難点があつた。

本発明は主として装飾の目的で使用されてきた
壁紙に、結露防止の機能をもたせようとの着想か
ら生まれたものであつて、本発明の壁紙は、下記
の３種の材料から構成される。

(A) デンプンにアクリル化合物をグラフト重合さ
せたもの、または、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキサイド、カルボキシメチルセル
ロースもしくはポリアクリル酸塩の部分架橋物
からえらばれた高吸水性ポリマー、 (B) ポリオフレイン合成パルプ、および (C) 製紙用木材パルプまたは熱可塑性樹脂の繊維
から選ばれた(B)の融点では溶融しない繊維状物上記構成の壁紙は、壁が、それに接する空気の
露点以下の温度になり、空気中の水蒸気が凝縮水
となるとき、それを吸収することによつて結露を
未然に防ぐ。外気の温度が上昇して壁の内面が露
点以上に温まつたときは、壁紙に保持されていた
水分が放出され、乾燥しすぎを防ぐとともに、再
度の凝縮水吸収が可能な状態に戻るわけである。

高吸水性ポリマー(A)は、直ちに理解されるとお
り凝縮水を吸収保持する主役であつて、最近では
種々のものが市場で入手できるようになつた。

代表的な製品にはデンプンにアクリロニトリル
をグラフト重合させ、加水分解して親水性の基を
多数与えたものである。別のグループに属する高
吸収性ポリマーに、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロー
ス、あるいはポリアクリル酸アルカリのような水
溶性のポリマーを部分架橋して、高度の親水性を
維持したまま溶解性を失なわせたものがある。高
吸水性ポリマーは、ふつうは粉末状であるが、維
持状のものも提供されており、いずれも好適に使
用できる。

壁紙を構成する上で量的に最大の比重を占める
のは、(C)の比較的高融点の維持状物である。具体
的にいえば、製紙用木材パルプ、あるいはアクリ
ル繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリイミド繊
維、ポリエステル繊維などの合成繊維である。製
紙用木材パルプは、壁紙に形成した後の印刷適性
がすぐれている点で好ましい。また、混合使用も
できることは、いうまでもない。

本発明の壁紙には、上記２種の材料に加えて、
(B)ポリオフレイン合成パルプの存在が必要であ
る。この成分は、(C)成分の繊維どうし、および(A)
成分と(C)成分との間の、いわば接着剤の役割をは
たす。すなわち、(A)、(B)、(C)、三成分を組み合わ
せて(B)の融点以上の温度に加熱するとき、溶融し
て(C)の繊維どうしをつなぐとともに、(A)と(C)とを
固着させて、壁紙中に(A)が脱落することなく保持
されるようにはたらく。この作用は、とくに
（Ａ）高吸水性ポリマーが粉末状物である場合に
重要である。

(B)ポリオレフイン合成パルプの中でも、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン／プロピレン
共重合体、エチレン／１−ブテン共重合体、エチ
レン／４−メチル−１−ペンテン共重合体のよう
なα−オレフインの重合体または共重合体の微細
繊維状物が好適である。これは、とくに特公昭52
−47049号公報に開示されているような、フラツ
シユ紡糸法によつて製造することが望ましい。

(B)ポリオレフイン合成パルプは、あらかじめ非
インオン性界面活性剤で処理して親水性を与えた
ものが好ましい。この目的に適切な非イオン性界
面活性剤の例は、特願昭56−7276号に開示したよ
うに、グリセリンモノステアレートのようなポリ
オキシエチレン脂肪酸エステルや、ポリオキシエ
チレンアルキル（またはアルキルアリル）エーテ
ルなどである。非イオン性界面活性剤による処理
の手段は任意であつて、上記特許出願に記載の諸
方法のいずれによつてもよい。

３種の材料の配合割合は、実際に使用するもの
の種類や製品の壁紙に要求される性能によつても
異なるが、重量の範囲内である。

(A) １〜20％ (B) 10〜30％ (C) 50〜80％本発明の壁紙の製造には種々の方法が考えられ
るが、乾式法と湿式法に大別される。

乾式法は、粉末状または短繊維状の(A)高吸水性
ポリマー、フラツフ化した(B)ポリオレフイン合成
パルプおよびフラツフ化した(C)繊維状物の三成分
を乾式混合し、たとえば金網上に吹きつけるなど
して適宜の厚さのシートにし、このシートを上記
熱可塑性樹脂繊維状物の融点以上の温度、たとえ
ば130℃またはそれ以上に加熱し、同時に加圧一
体化する工程からなる。

一方、湿式法は、まず(B)熱可塑性樹脂の繊維状
物と(C)繊維状物とを湿式で混合抄紙し、乾燥す
る。得られたシートの上に粉末状の(A)高吸水性ポ
リマーを散布し、その上からもう１枚のシートを
のせてサンドイツチ状にし、加圧下に加熱してヒ
ートシールを行ない一体化する手順を踏む。

本発明の壁紙を使用して、室内壁面、押入れの
壁などの結露を防止する場合、壁紙を構成する３
種の材料を、前述した割合で配合するとともに、
適切な厚さを与えるべきである。容易に理解され
るとおり、壁紙の結露防止効果すなわちその保水
量は、厚さによつても異なるからである。壁紙と
して必要な厚さは、0.1〜１mmであり、中でも0.3
〜0.5mmが適当である。

本発明の壁紙は、構成においても製造法におい
ても、多くの変更態様が可能である。表面に壁紙
製品にとつて適切な模様を印刷したり、エンボス
加工を施したりすることはもちろん、裏面に粘着
剤を塗布して剥離紙を当てるなど、通常の壁紙製
品に関して行なわれていることは、すべてとり入
れることができる。

粘着剤を使用する場合、この壁紙を貼付けた壁
の素材への吸収された水分を移行させたくないと
きには、疎水性または非透水性の粘着剤または接
着剤を使用すればよい。

また、表面に、レーヨンやポリエステル繊維の
不織布を積層すれば、これらは水分は通すものの
それ自体はむしろ撥水性であるから、壁紙内部に
水分を吸収しても、表面はさわやかな触感が得ら
れる。水分の出入りを妨げない限り、微多孔性の
プラスチツクフイルムなどを積層することもでき
る。

実施例１高吸水性ポリマーとして三洋化成の製品「サン
ウエツトIM−300」５ｇをえらび、乾燥しフラツ
フ化した合成パルプ「UL−405」15ｇおよび粉砕
したNBKP80ｇとともにミキサーにかけ、得ら
れた混合物をポリエステルフイルム上に１ｍ×１
ｍの大きさに拡げた。これを130℃に加熱し、30
Kg／cm²の圧力を１分間かけ、冷却後ポリエステル
フイルムをはがして、高吸水性ポリマーがほぼ均
一に分散している壁紙を得た。（サンプルとす
る）実施例２合成パルプ「Ｅ−400」0.94ｇとNBKP5ｇとを
湿式混合し、混合パルプを抄造して乾燥し、坪量
95ｇ／m²のシートを得た。

このシート上に「サンウエツトIM−300」を、
0.31ｇ／m²の割合で散布し、その上に同じシート
を重ねながら130℃に加熱したロールの間にはさ
んで一体化し、高吸収性ポリマーをサンドイツチ
状に保持している壁紙をつくつた。（サンプル）実用試験上記サンプルおよびを、夜間結露する壁面
に貼りつけて、その効果をしらべた。比較のた
め、下記２種の壁紙をも同じ条件で試験した。

サンプルＡ：木材パルプでつくつた紙の上にポリ
塩化ビニルのコートを施した、常用の壁紙。

サンプルＢ：木材パルプに合成パルプを70：30の
割合で配合した混抄紙でつくつた壁紙。

昼間の温度が高いときは、４種のサンプルのい
ずれも乾燥状態にあつたが、夜になると差が認め
られ、本発明に従うサンプルおよびはサラツ
とした感触を保つていたのに対し、サンプルＡお
よびＢは結露を生じて、表面が湿つた。

再び温度が高く湿度が低い条件になると、各サ
ンプルとも乾燥状態をとりもどした。30日間の継
続観察の終りには、従来技術によるサンプルＡお
よびＢはたるみが生じたが、本発明によるサンプ
ルおよびは変化がなかつた。

Claims

【特許請求の範囲】１下記の３種の材料 (A) デンプンにアクリル化合物をグラフト重合さ
せたもの、または、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキサイド、カルボキシメチルセル
ロースもしくはポリアクリル酸塩の部分架橋物
からえらばれた高吸水性ポリマー：１〜20重量
％、 (B) ポリオレフイン合成パルプ：10〜30重量％、
および (C) 製紙用木材パルプまたは熱可塑性樹脂の繊維
から選ばれた(B)の融点では溶融しない繊維状
物：50〜80重量％からなり、(B)の融点以上の温度に加熱し一体化
し、厚さ0.1〜１mmとしてなる壁紙。２前記ポリオレフイン合成パルプがあらかじめ
非イオン性界面活性剤で処理して親水性を与えた
ものである特許請求の範囲第１項の壁紙。３裏面に疎水性の粘着剤を施し、剥離紙をあて
てある特許請求の範囲第１項の壁紙。４表面に非吸水性の繊維の不織布を積層した特
許請求の範囲第１項の壁紙。